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【発明の名称】 フレキシブル銅張積層板およびその製造方法
【発明者】 【氏名】松井 二三雄

【氏名】森田 勝久

【氏名】荻原 和重

【氏名】清水 明浩

【要約】 【課題】良好な屈曲性、耐熱性、信頼性、耐薬品性、薄型性を有するフレキシブル銅張積層板、および溶剤を使用しないため安全で環境面に優れた前記フレキシブル銅張積層板の製造方法の提供。

【解決手段】硬化物の破断伸びが10%以上100%未満のビニルエステル樹脂組成物およびガラスクロスの複合体からなる複合体層と、銅箔層とを有することを特徴とするフレキシブル銅張積層板。この積層板は、前記ビニルエステル樹脂組成物をガラスクロスに含浸させ、複合体層を形成し、前記複合体層の少なくとも一表面に銅箔層を積層し、前記複合体層および銅箔層を加熱して硬化一体化せしめることにより得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 硬化物の破断伸びが10%以上100%未満のビニルエステル樹脂組成物およびガラスクロスの複合体からなる複合体層と、銅箔層とを有することを特徴とするフレキシブル銅張積層板。
【請求項2】 ビニルエステル樹脂組成物が、(A)ビニルエステル樹脂と、(B)アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択された少なくとも一種のビニルモノマーと、(C)ラジカル重合開始剤とを含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル銅張積層板。
【請求項3】 (A)ビニルエステル樹脂がビスフェノール系樹脂であり、かつ前記ビスフェノール系樹脂の少なくとも10重量%の数平均分子量が800以上であることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル銅張積層板。
【請求項4】 (B)ビニルモノマーにおいて、アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシポリアルキレングリコール部分の炭素原子数が6以上12以下であることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル銅張積層板。
【請求項5】 ガラスクロスの厚さが20〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル銅張積層板。
【請求項6】 硬化物の破断伸びが10%以上100%未満のビニルエステル樹脂組成物をガラスクロスに含浸させ、複合体層を形成し、前記複合体層の少なくとも一表面に銅箔層を積層し、前記複合体層および銅箔層を加熱して硬化一体化せしめることを特徴とするフレキシブル銅張積層板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフレキシブル銅張積層板およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、良好な屈曲性、耐熱性、信頼性、耐薬品性、薄型性を有するフレキシブル銅張積層板、および溶剤を使用しないため安全で環境面に優れた前記フレキシブル銅張積層板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、軽量化の動きは、携帯用の機器の爆発的な伸びにより一層加速しつつあり、フレキシブル銅張積層板はその柔軟性、軽量性、薄型性がこの流れにマッチして急速に需要をのばしている。フレキシブル銅張積層板の素材としては、優れた特性を備えたポリイミド樹脂系と、汎用的な特性を備えたポリエステル樹脂系が主として用いられている。ポリイミド樹脂を用いたフレキシブル銅張積層板は広い温度範囲で寸法安定性が良好であるが、吸湿性が高い欠点がある。またその製造に際しては安全性に少なからず問題のある溶剤を大量に用いる必要があって、環境面の問題が指摘されている他、高価格であることも実用面で問題とされている。一方、ポリエステル樹脂を用いたフレキシブル銅張積層板は安価に入手しうる反面、耐熱性、耐薬品性が劣っていて、その適用部位は限定されたものにならざるをえず、本発明の目的とする耐熱性に優れた積層板の検討対象とはなり得ない。
【0003】ポリイミド樹脂を用いたフレキシブル銅張積層板は、通常、ベースフィルムと銅箔とを接着剤で接着するために三層構造となり、薄型性の限界を追求していくにはこの接着剤層の存在が足かせとなる。また接着剤層には通常、エポキシ樹脂を用いるため、耐熱性の面からもポリイミド樹脂の耐熱性レベルに及ばず、長時間の熱処理ではフレキシブル銅張積層板の信頼性低下の問題が生ずる。接着剤層はこの他に、銅マイグレーションやメッキ液の染み込みといった弊害も伴なうことが指摘されている。ポリイミド樹脂を用いたフレキシブル銅張積層板の薄型性を追求するために二層構造とするには、銅箔上にポリイミド樹脂前駆体ワニスを塗布し、乾燥・硬化させるキャスティング方法と、ポリイミド樹脂フィルム上に銅を析出させるスパッタリング方法、メッキ方法などがある。いずれのフレキシブル銅張積層板においても前述したポリイミド樹脂が有する基本的な問題点は継承している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目的は、良好な屈曲性、耐熱性、信頼性、耐薬品性、薄型性を有するフレキシブル銅張積層板、および溶剤を使用しないため安全で環境面に優れた前記フレキシブル銅張積層板の製造方法の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の結果、特定の物性を有するビニルエステル樹脂組成物を使用し、これをガラスクロスと複合化することで上記のような従来の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明は、硬化物の破断伸びが10%以上100%未満のビニルエステル樹脂組成物およびガラスクロスの複合体からなる複合体層と、銅箔層とを有することを特徴とするフレキシブル銅張積層板を提供するものである。また本発明は、ビニルエステル樹脂組成物が、(A)ビニルエステル樹脂と、(B)アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択された少なくとも一種のビニルモノマーと、(C)ラジカル重合開始剤とを含むことを特徴とする前記のフレキシブル銅張積層板を提供するものである。また本発明は、(A)ビニルエステル樹脂がビスフェノール系樹脂であり、かつ前記ビスフェノール系樹脂の少なくとも10重量%の数平均分子量が800以上であることを特徴とする前記のフレキシブル銅張積層板を提供するものである。また本発明は、(B)ビニルモノマーにおいて、アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシポリアルキレングリコール部分の炭素原子数が6以上12以下であることを特徴とする前記のフレキシブル銅張積層板を提供するものである。また本発明は、ガラスクロスの厚さが20〜200μmであることを特徴とする前記のフレキシブル銅張積層板を提供するものである。また本発明は、硬化物の破断伸びが10%以上100%未満のビニルエステル樹脂組成物をガラスクロスに含浸させ、複合体層を形成し、前記複合体層の少なくとも一表面に銅箔層を積層し、前記複合体層および銅箔層を加熱して硬化一体化せしめることを特徴とするフレキシブル銅張積層板の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、硬化物の破断伸びが10%以上100%未満のビニルエステル樹脂組成物を使用する。なお、ここでいう破断伸びとは、JIS K 6911に準拠して測定された値を意味する。前記破断伸びは、20%以上80%未満がとくに好ましい。破断伸びが10%未満であると、ガラスクロスと複合化したとき屈曲性(フレキシビリティ)に乏しくなり、本発明の目的に適さない。また100%以上となると、他の物性、例えば引張り強度や弾性率への悪影響が避けられず、やはり実用的に難しくなる。
【0008】前記ビニルエステル樹脂組成物は、次の各成分を含有するものが本発明においてとくに好ましい。
(A)ビニルエステル樹脂、(B)アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択された少なくとも一種のビニルモノマー、および(C)ラジカル重合開始剤。
【0009】前記(A)ビニルエステル樹脂はエポキシアクリレート樹脂と呼ばれることもあり、各種のエポキシ化合物をアクリル酸またはメタクリル酸を用いてエステル化し、重合性モノマーを加えて付加重合型としたものであることができる。原料エポキシ化合物としては、一般的にビスフェノール型グリシジルエーテルまたはノボラック型グリシジルエーテルが多く用いられており、本発明においてはいずれのタイプのビニルエステル樹脂も使用可能である。
【0010】さらに具体的には、(A)ビニルエステル樹脂の原料として以下のようなものが例示しうる。ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、水素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、シクロヘキサンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、ノルボルナンジアルコールとエピクロルヒドリンとの反応物、テトラブロムビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、トリシクロデカンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、アリサイクリックジエポキシカーボネート、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ノボラック型グリシジルエーテル、クレゾールノボラック型グリシジルエーテル。また難燃化のためには、これらの化合物のハロゲン置換化合物を用いることができる。
【0011】前記の中でも、ビスフェノール系のビニルエステル樹脂が本発明に特に好適である。その理由はビスフェノール系の分子構造がタフさに優れているため、本発明において必要とされる屈曲性がより発現しやすくなるためである。その場合少なくとも一部、好ましくは10重量%以上が数平均分子量にして800以上であることが、本発明の屈曲性を高める上で望ましい。
【0012】前記(B)成分のアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択された少なくとも一種のビニルモノマーとしては、以下のようなものが例示しうる。難燃化のためには、これらの化合物のハロゲン置換化合物を用いることができる。ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート。
【0013】なお、これらのビニルモノマーのアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシポリアルキレングリコール部分の炭素原子数が6以上12以下であることが本発明の目的に対して好ましい。その理由は炭素原子数が6未満では材料の屈曲性、破断伸び共に小さく、実用的でない。また炭素原子数が12を超えるアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートでは(A)ビニルエステル樹脂との相溶性が不十分となり、相分離が避けられなくなる。
【0014】本発明の(B)成分のビニルモノマーには、この他に汎用のビニルモノマーを併用して使用することも可能であるが、その場合も先の(B)成分のビニルモノマーが少なくとも40重量%以上であることが本発明の目的とする屈曲性の発現にとって望ましい。その他のビニルモノマーとしては、以下のようなものが例示しうる。フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリス−オキシエチレンメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル。
【0015】本発明において、(A)成分と(B)成分の総和における(B)成分の割合は10〜60重量%がよく、好ましくは20〜50重量%である。(B)成分の割合が10%未満では本発明の目的とする屈曲性に乏しく不都合となる場合がある。60重量%を超えると、強度の発現に支障が生ずることがある。
【0016】本発明において、(C)成分のラジカル重合開始剤は、ジアゾ化合物を用いることもできるが、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステルなど公知の有機過酸化物を使用することができ、具体的には以下のようなものが例示しうる。ヘンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイル)パーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシべンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1,3,3−トリメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル−2,5−ジブチルパーオキシヘキサン。
【0017】前記(C)成分の使用量は、ビニルエステル樹脂組成物に対して0.5〜5重量%が好ましい。
【0018】本発明におけるビニルエステル樹脂組成物を得るには、各成分をミキサー等で用いてなるべく均一に混合するのが望ましい。(C)ラジカル重合開始剤は、組成物の他の成分とは別途用意しておき、使用の都度混合攪拌して用いるのが好ましい。このとき気泡の混入が避けられないが、静置しておく、加温して粘度を下げて気泡が出やすくする、減圧をかけて強制的に取り除く等の手法で脱泡するのがよい。ビニルエステル樹脂は通常嫌気性が強く、酸素を取り除くとポットライフが短くなるので注意が必要である。ハイドロキノン系の禁止剤を添加して安定性を付与するのが好ましい。
【0019】その他、本発明におけるビニルエステル樹脂組成物には、硬度、接着性、耐久性、耐候性、耐光性、耐水性、防食性等を改良する目的で、各種の添加剤、一例を挙げれば、紫外線吸収剤、光安定剤、光散乱剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー付与剤、内部離型剤、イオン捕捉剤、潤滑剤、カップリング剤等を加えて、一層の性能改善を図ることができる。
【0020】本発明におけるビニルエステル樹脂組成物は、溶剤を用いずに十分低粘度であり、ガラスクロスへの含浸工程をスムーズに行なうことが可能である。またガラスクロスとの密着性も十分であるが、必要に応じて密着性を高めるためのビニルモノマー等を併用して一層の性能改良を図ることもできる。
【0021】本発明に用いられるガラスクロスは、各種の織り方、例示するなら、平織り、朱子織り、綾織り等があるが、薄型で強度の高いものが好ましい。ガラスクロスの厚みは20〜200μm、好ましくは20〜80μmであり、本発明においては強度さえ満足すれば、薄いほど目的に合致する。ガラスの材質は一般的にはEガラスであるが、誘電率を低くするために、SガラスやDガラスを用いることもできる。また強度の面でガラスクロスを複数枚重ねて使用することもできる。銅箔は通常、両面に配して一体化させるが、片面だけのケースもありうる。
【0022】ガラスクロスと銅箔との複合化は、以下のようなプロセスが最も合理的かつ工業的な方法である。ビニルエステル樹脂組成物の液に接して回転する含浸ロールにガラスクロスを押圧して、樹脂液の一定量を含浸させ複合体層を形成し、ついで前記複合体層の少なくとも一表面に銅箔を張り合わせて押し付けるロールを通し、加熱炉中を一定時間通過することで硬化一体化させる。このとき本発明のビニルエステル樹脂組成物の硬化反応がラジカル重合であることから、極めて短時間で硬化が終了し、アフターキュアの工程も短時間ですむか、場合によっては省略することも可能である。一例を挙げると130℃の加熱炉を3分間通過するだけで、硬化が完結するような反応条件の設定も十分可能である。ポリイミドを用いるフレキシブル基板の製造プロセスと比較するとき、はるかに低温かつ短時間ですむことが理解されよう。
【0023】本発明のフレキシブル銅張積層板は接着層を省略しても実用に十分な接着強度が得られるため、徹底した薄型化を図ることができ、また接着層による耐熱性の低下や、銅マイグレーションやメッキ液の染み込みといった弊害を回避することもできる。また本発明のフレキシブル銅張積層板の製造に際して、無溶剤のプロセスを採用しうることは、環境面の配慮が重要な現時代の要請とよくマッチしている。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1下記の樹脂成分をフラスコ中で均一に溶解混合して、ビニルエステル樹脂組成物を得た。
【0025】
ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂 33重量部(昭和高分子株式会社製品、リポキシRF−312−7、スチレン40重量%を含有)
エトキシジエチレングリコールアクリレート 25重量部 ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂 33重量部(昭和高分子株式会社製品、リポキシVR−90、数平均分子量1100、スチレンは含有せず)
イソボルニルアクリレート 9重量部 1,1,3,3−トリメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート 2重量部【0026】2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム間に前記組成物を挟み込んで130℃で3分間加熱して硬化させ、そのフィルム物性を測定したところ、以下のデータが得られた。
【0027】
引っ張り強度 23MPa引っ張り弾性率 520MPa破断時伸び 68%注)前記物性はいずれもJIS K6911に準拠して測定された値である(下記も同様)。
【0028】前記組成物を厚さ30μmの平織りガラスクロスに含浸させ、これを2枚の電解銅箔の間に挟み込み、ロール間を通して所定厚みに調整し、130℃3分間の加熱処理により、硬化一体化させたところ、フレキシブルな基板が得られた。この基板にエッチングにより回路を形成したが、基板はなんら変形せず、フラットな形状を保持していた。また280℃60秒の半田耐熱性試験においても何の異常も認められなかった。さらにメタノール、アセトン、トリクレンに常温浸漬する試験おいても異常は認められなかった。
【0029】比較例1実施例1におけるガラスクロスの使用を省略して、2枚の銅箔間に樹脂組成物のみを挟み込み、実施例1と全く同じ操作により、フレキシブル基板を作成した。この基板にエッチングにより回路を形成したところ、基板は大きく反り返って変形して実用に耐えないことが判明した。
【0030】実施例2下記の樹脂成分をフラスコ中で均一に溶解混合して、紫外線硬化性ビニルエステル樹脂組成物を得た。
【0031】
臭素化ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂 40重量部(昭和高分子株式会社製品、リポキシS−550、スチレン40重量%を含有)
ブトキシエチルアクリレート 30重量部 ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂 25重量部(昭和高分子株式会社製品、リポキシVR−90、数平均分子量1100、スチレンは含有せず)
フェノキシエチルアクリレート 5重量部 ベンゾイルパーオキサイド 2重量部【0032】2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム間に前記組成物を挟み込んで130℃で3分間加熱して硬化させ、そのフィルム物性を測定したところ、以下のデータが得られた。
【0033】
引っ張り強度 28MPa引っ張り弾性率 670MPa破断時伸び 47%【0034】またUL規格に基ずく難燃性試験を行なったところ、V−1相当の難燃性が認められた。前記組成物を厚さ40μmの綾織りガラスクロスに含浸させ、これを2枚の電解銅箔の間に挟み込み、ロール間を通して所定厚みに調整し、120℃5分間の加熱処理により、硬化一体化させたところ、フレキシブルな基板が得られた。この基板にエッチングにより回路を形成したが、基板はなんら変形せず、フラットな形状を保持していた。また280℃60秒の半田耐熱性試験においても何の異常も認められなかった。さらにメタノール、アセトン、トリクレンに常温浸漬する試験おいても異常は認められなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、良好な屈曲性、耐熱性、信頼性、耐薬品性、薄型性を有するフレキシブル銅張積層板、および溶剤を使用しないため安全で環境面に優れた前記フレキシブル銅張積層板の製造方法が提供される。
【出願人】 【識別番号】000187068
【氏名又は名称】昭和高分子株式会社
【出願日】 平成13年5月28日(2001.5.28)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外7名)
【公開番号】 特開2002−347174(P2002−347174A)
【公開日】 平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願番号】 特願2001−158893(P2001−158893)