| 【発明の名称】 |
反射率変調積層体およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】稲葉 喜己
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| 【要約】 |
【課題】熟練技能や多量の時間、高価な設備等に頼らず高度の偽造防止を可能にする反射率変調積層体とその製造方法の提供で、有価証券等に利用できる。
【解決手段】基材1の片面に、光反射能を有する金属薄膜層2、赤外光吸収層3が順に設けられ、該赤外光吸収層3上にパターン状の高反射率領域22と低反射率領域20とで構成される反射率変調層30を有する反射率変調積層体100であって、前記パターン状の高反射率領域22が屈折率に境界を有しない層でなり、低反射率領域20が屈折率に境界Kを有する層でなる反射率変調積層体100とし、その製造では、屈折率の異なる2層以上の感光性樹脂層でなる反射率変調層30上にレーザー照射でパターン状の高反射率領域22とするその製造方法とするものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】基材の片面に、光反射能を有する金属薄膜層、赤外光吸収層が順に設けられ、該赤外光吸収層上にパターン状の高反射率領域と低反射率領域とで構成される反射率変調層を有する反射率変調積層体であって、前記パターン状の高反射率領域が屈折率に境界を有しない層でなり、低反射率領域が屈折率に境界を有する層でなることを特徴とする反射率変調積層体。 【請求項2】基材の片面に、光反射能を有する金属薄膜層、赤外光吸収層を順に設け、該赤外光吸収層上にパターン状の高反射率領域と低反射率領域とで構成される反射率変調層を設ける反射率変調積層体の製造方法であって、前記反射率変調層は、少なくとも2層以上の屈折率の異なる感光性樹脂組成物層で形成し、該2層以上の屈折率の異なる感光性樹脂組成物層面に一定もしくは異なる強度のレーザー光を照射して前記パターン状の高反射率領域を形成し、さらに前記2層以上の屈折率の異なる感光性樹脂組成物層面全面に露光を施すことを特徴とする反射率変調積層体の製造方法。 【請求項3】前記屈折率の異なる感光性樹脂組成物層の屈折率の差は、それぞれ0.02以上であることを特徴とする請求項2記載の反射率変調積層体の製造方法。 【請求項4】前記屈折率の異なる感光性樹脂組成物層の光学膜厚は、検出中心感度波長の1/4もしくは1/4と1/2の組み合わせであることを特徴とする請求項2または3記載の反射率変調積層体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成物の加熱部と非加熱部の熱軟化と溶融性の差を利用した新規な反射率変調画像の形成に関するものであり、例えば有価証券、クレジットカード等の偽造防止に利用することができる反射率変調積層体とその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、有価証券類等の印刷物への偽造防止性付与方法としては、例えば「すかし」による絵柄または文字、複雑な彫刻模様等が一般的であるが、このような偽造防止手段は熟練した技能と時間が必要である上に、多くの手間と時間を費やして作られたパターンが使用できる対象となる製品は一つのみに限られるもので、そのため目的や製品が異なる度に同じ工程を繰り返すことになり、手間と時間が多量に必要とされるものであった。 【0003】また、クレジットカード、抽選券等の大量発行に伴い、種々の偽造防止手段が考案されている。例えば、レリーフホログラム、オパールエンボス柄、赤外線の反射及び吸収、放電破壊記録、磁気記録等の技術がクレジットカードを中心に数多く利用されている。特にレリーフホログラムに代表されるような複雑で微細なパターンを作製するには、高度な撮影技術と設備が必要であり、そのため偽造複製が困難となるものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来の偽造防止技術の問題点を解決するものであり、その課題は、上述のごとく従来の偽造防止技術で必要とされる熟練した技能や多量の時間、高価な設備と高度な撮影技術等に頼らなくとも完全に近い偽造防止方法を実現できる反射率変調積層体とその製造方法を提供することにある。さらに、小ロット製品を生産する場合に於いては、より安価な偽造防止用の製品即ち反射率変調積層体の提供にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、基材の片面に、光反射能を有する金属薄膜層、赤外光吸収層が順に設けられ、該赤外光吸収層上にパターン状の高反射率領域と低反射率領域とで構成される反射率変調層を有する反射率変調積層体であって、前記パターン状の高反射率領域が屈折率に境界を有しない層でなり、低反射率領域が屈折率に境界を有する層でなることを特徴とする反射率変調積層体としたものである。 【0006】また、請求項2の発明では、基材の片面に、光反射能を有する金属薄膜層、赤外光吸収層を順に設け、該赤外光吸収層上にパターン状の高反射率領域と低反射率領域とで構成される反射率変調層を設ける反射率変調積層体の製造方法であって、前記反射率変調層は、少なくとも2層以上の屈折率の異なる感光性樹脂組成物層で形成し、該2層以上の屈折率の異なる感光性樹脂組成物層面に一定もしくは異なる強度のレーザー光を照射して前記パターン状の高反射率領域を形成し、さらに前記2層以上の屈折率の異なる感光性樹脂組成物層面全面に露光を施すことを特徴とする反射率変調積層体の製造方法としたものである。 【0007】また、請求項3の発明では、前記屈折率の異なる感光性樹脂組成物層の屈折率の差は、それぞれ0.02以上であることを特徴とする請求項2記載の反射率変調積層体の製造方法としたものである。 【0008】さらにまた、請求項4の発明では、前記屈折率の異なる感光性樹脂組成物層の光学膜厚は、検出中心感度波長の1/4もしくは1/4と1/2の組み合わせであることを特徴とする請求項2または3記載の反射率変調積層体の製造方法としたものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を用いながら説明する。本発明の反射率変調積層体は、図1の積層側断面図に示すように、例えば、基材(1)の片面に、光反射能を有する金属薄膜層(2)、赤外光吸収層(3)が順に設けられ、この赤外光吸収層(3)上にパターン状の高反射率領域(22)と低反射率領域(20)とで構成される反射率変調層(30)を有する反射率変調積層体(100)であって、前記パターン状の高反射率領域(22)が屈折率に境界を有しない層でなり、低反射率領域(20)が屈折率に境界(K)を有する層でなる反射率変調積層体(100)である。 【0010】以下、まず本発明の反射率変調積層体(100)を構成する各層の材料について説明し、次にその製造工程を詳細に説明する。 【0011】まず図2の積層側断面図に示す反射率変調積層体(100)の基材(1)としては、赤外光吸収層(3)との接着が十分満たされている限り、例えば金属、紙、高分子材料、ガラス又はセラミックス等の無機材料を含めてあらゆる素材のプレート、シート若しくはフィルムが挙げられ、使用目的に応じて適宜選定可能である。 【0012】また、図2に示す金属薄膜層(2)としては、例えばアルミニウム、金等を真空蒸着法、スパッタ法等の乾式プロセスや金属コロイド分散液を湿式法にてコーティングすることで容易に形成することができる。 【0013】また、図2に示す赤外光吸収層(3)としては、レーザー光のエネルギーを熱エネルギーに変換するための赤外光吸収層(3)であり、特に装置がコンパクトで利用価値が高い赤色から赤外域の光を発する半導体レーザーの発振波長域に吸収を持つ任意の染料、顔料等の色素をポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂や、架橋構造を形成する熱硬化性樹脂バインダーに溶解もしくは分散することにより作製し、レーザー光を有効に熱エネルギーに変換することが好ましい。近赤外もしくは赤外光吸収材の一般的な例としては、使用するレーザー光波長での吸収係数が大きい色素等が利用できる。例えば半導体レーザーに適合するものとしては、780〜830nm領域の波長で吸収係数が104以上の強い吸収となる分子構造を持つシアニン系やピリリウム系等のポリメチン系色素、銅フタロシアニン等のフタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン系色素、アルミニウム系色素、ジインモニウム系色素等が挙げられる。 【0014】また、図3の積層側断面図に示す反射率変調層(30)としては、2層以上の屈折率の異なる室温では固体状態の感光性樹脂組成物層で、光硬化性樹脂もしくはオリゴマー、モノマー等を少なくとも一成分とし、さらに光重合開始剤を添加した熱可塑性樹脂組成物から成り、例えば上層には相対的に低屈折率の低屈折率感光性樹脂組成物層(4)で、下層には高屈折率の高屈折率感光性樹脂組成物層(5)とするものである。この低屈折率感光性樹脂組成物層(4)と高屈折率感光性樹脂組成物層(5)の上下が逆であっても構わず、反射率を変調する目的を達することができる。 【0015】上記光硬化性で且つ室温では固体状態の熱可塑性樹脂組成物としては、一般的な熱可塑性樹脂と少なくとも2官能以上で良好な架橋反応を行うアクリレート若しくはメタクリレートとの混合物に光重合開始剤を少量添加したものが使用できる。具体的には、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等が使用できる。また、アクリレート若しくはメタクリレート単独でも室温では固体状態を呈する熱可塑性樹脂であれば使用することができる。例えば、種々のウレタンアクリレート及びメタクリレートオリゴマー、分子内にイソシアヌレート環構造を有する種々のアクリレート及びメタクリレート、分子内にビスフェノールA、ビスフェノールS等の構造を有するエポキシアクリレート及びメタクリレート、ポリブタジエンウレタンメタクリレート、ポリスチリルエチルメタクリレート等が挙げられ、さらに水性UV硬化型樹脂も使用することができる。 【0016】上記の感光性樹脂組成物に対し、相対的に低屈折率の性能を付与するには、分子構造内にフッ素原子を含有するポリマーやオリゴマー、モノマー類、MgF2、SiO2 等の低屈折率無機微粒子を配合することが効果的である。また、高屈折率の性能を付与するには、分子構造内にフッ素原子以外のハロゲン原子を含有するポリマーやオリゴマー、モノマー類、TiO2 、ZnO、SnO2 等の高屈折率無機微粒子を屈折率調整用として配合することが好ましい。 【0017】また光重合開始剤としては使用する光の波長に吸収を有する化合物であれば任意に使用でき、特に限定するものではない。例えば、ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノン等の誘導体に代表される自己開裂型の化合物及びベンゾフェノン、芳香族ケトン、ミヒラーズケトン等の分子構造を有する種々の水素引き抜き型の光重合開始剤を配合することが好ましく、さらに必要に応じて種々の増感剤との併用も可能である。 【0018】次に本発明の反射率変調積層体の製造工程について説明する。先ず図2に示すように、例えば基材(1)の片面に真空蒸着法等で金属薄膜層(2)を形成し、さらにその上にグラビア法等で赤外光吸収層(3)を形成する。 【0019】続いて図3に示すように、上記で得られた赤外光吸収層(3)面に高屈折率の感光性樹脂組成物層(5)を、さらにその上に低屈折率の感光性樹脂組成物層(4)をロールコート、バーコート等、公知の塗布方法によって形成して2層の反射率変調層(30)とする。一方、部分的に上記高低屈折率感光性樹脂組成物層(5,4)を形成する場合には、グラビア印刷法等の一般的な印刷技術を応用する方法、あるいは転写技術を利用することもできる。 【0020】次に図4の積層側断面図に示すように、上記高低屈折率感光性樹脂組成物層(5,4)でなる反射率変調層(30)の表面の任意の部分に一定もしくは異なる強度のレーザー光(6)を位置を変えながら照射することにより、レーザーの熱モードによって部分的に軟化、溶融せしめ、高低屈折率感光性樹脂組成物層(5,4)の境界面を消失させることで光の干渉効果を変化させ、レーザー照射部(22a)とレーザー未照射部(20a)の間に反射率のコントラストに基づくパターンが可視化される。 【0021】上記で用いるレーザー光(6)としては、ArイオンレーザーやHe−Neレーザー等の気体レーザーや、Nd:YAGレーザー等の固体レーザー、GaAs等で構成される半導体レーザー等からのレーザー光を、各種レンズや空間フィルター等の光学素子によって光ビーム化したものを用いることができる。これらのレーザー光ビームにより画像を形成するためには、画像情報に従ったレーザー光の強度変調が必要であり、上記の気体レーザーと固体レーザーは、電気光学効果や音響光学効果による光強度変調器を外部に必要とするが、半導体レーザーでは、駆動電流の変調だけでレーザー光強度を変調できるので、光強度変調器が不要となり、装置全体が簡便になるという利点がある。レーザー光の走査方法には、走査速度の順に、多角形の回転鏡を用いる方法、共振型のガルバノミラーによる方法、通常のガルバノミラーによる方法、画像形成材が置かれたステージを移動させる方法等があり、これらの方法の中から、画像形成材に必要な露光エネルギー量(熱量)とレーザー光強度で設定される走査速度範囲に適合するものが選択される。 【0022】続いて図5の積層側断面図に示すように、図4に示す上記レーザー照射部(22a)とレーザー未照射部(20a)全面に、全面露光(8)を加えることによって、感光性樹脂組成物でなる反射率変調層(30)全体を硬化させることによって、可視化せしめた反射率変調のパターンを定着するものである。 【0023】以上のように、本発明の反射率変調積層体の製造方法においては、光学薄膜として2層構成の感光性樹脂組成物薄膜を代表例とし、例えば図3に示す反射率変調層(30)の構成で高低屈折率感光性樹脂組成物層(5,4)の光学膜厚nd(屈折率n×形状膜厚d)をそれぞれλ/4とすれば、低反射機能を有する膜となる。そこで、図4に示すように、レーザー光(6)で高低屈折率感光性樹脂組成物層(5,4)の境界(K)面を消失させると、レーザー照射部(22a)では1層構成のλ/2膜に変化させることができ、反射強調膜として機能させることができる。従って、レーザー照射部(22a)は反射強調領域、レーザー未照射部(20a)は低反射領域としてパターンを形成することができ、よって図1に示すように、基材(1)の片面に金属薄膜層(2)、赤外光吸収層(3)が形成され、この赤外光吸収層(3)上にパターン状の高反射率領域(22)と低反射率領域(20)とで構成される反射率変調層(30)を有する反射率変調積層体(100)とすることができる。 【0024】 【実施例】次に実施例により、本発明を具体的に説明する。 〈実施例1〉以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、部は特に断りのない限り重量基準である。 【0025】下記の組成から成る赤外光吸収層用組成物を混合して樹脂と色素を溶解させた後、ワイヤーバーによりポリエステルフィルム基材(厚み:100μm)上に塗布し、100℃、5分間乾燥後、膜厚が約2μmとなるように形成した。 〔赤外光吸収層用組成物〕 ポリエステル樹脂(ユニチカ社製 エリーテルUE−3201) 4部 ポリエステル樹脂(東洋紡社製 バイロン#200) 6部 イソシアネート(旭化成社製 デュラネート24A100) 0.1部 近赤外吸収色素(日本化薬社製 CY−9) 0.1部 トルエン 45部 2−ブタノン 45部【0026】また下記組成の光硬化性オリゴマーを含有する熱可塑性樹脂組成物を高屈折率感光性樹脂組成物とした。各成分の屈折率の加成性から見積もることができる屈折率を約1.76とした。 〔高屈折率感光性樹脂組成物〕 飽和共重合ポリエステル樹脂 (ユニチカ社製、エリーテルUE−3201) 1部 アクリル樹脂(三菱レイヨン社製、ダイヤナールBR−77) 3部 ペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.5部 酸化チタンゾル(平均粒子径約40nm) 3.5部 光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー651) 1部【0027】また下記組成の光硬化性オリゴマーを含有する熱可塑性樹脂組成物を低屈折率感光性樹脂組成物とした。各成分の屈折率の加成性から見積もることができる屈折率を約1.49とした。 〔低屈折率感光性樹脂組成物〕 アクリル樹脂(三菱レイヨン社製、ダイヤナールBR−77) 4部 ペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.5部 コロイダルシリカ(平均粒子径約30nm) 3.5部 光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー651) 1部【0028】そこで低反射薄膜層の形成で、上記、高屈折率感光性樹脂組成物を酢酸エチルにて、固形分が4wt%となるように希釈した後、厚み120μmのポリエステルフィルム上にバーコーターによって塗布し、80℃、1minの熱乾燥を施すことで成膜した。さらに、低屈折率感光性樹脂組成物をその下地である高屈折率感光性樹脂組成物の薄膜層を溶解しないように、エタノールを溶媒として使用し、前記、高屈折率感光性樹脂組成物の塗布・乾燥条件と同一条件にて積層、成膜した。光学膜厚(nd=屈折率n×形状膜厚d(nm))が高、低それぞれnd=550/4nmとなるように低反射薄膜層を形成した。波長500nmでの反射率は約0.8%であった。 【0029】続いて反射率変調パターンの形成で、上記の方法で得られた高・低屈折率感光性樹脂組成物から成る低反射薄膜層の表面に対し、以下の方法によってレーザービームの照射を行った。レーザー露光装置は半導体レーザー(ソニー社製 SLU304XR)及びレーザードライバー5(ゴローバル電子工業社製、GSB3530)と、レリーフ画像形成材を取り付け、移動させる手段としてXYステージ(中央精機社製 PS120EX・Y、コントローラーCAT−11、ドライバーパックSD−Pを組み合わせたもの)からなり、レーザー照射パターンはパーソナルコンピューター内にメモリされている画像情報に応じてLDドライバからの駆動電流をON/OFFし、これで制御される半導体レーザー光を光ファイバーで伝送後、収束光学系により走査面へ集光させることによってパターン露光を行った。この時の露光条件は出力0.8wで、波長800nmのレーザーを1/e2 直径が100μmとなるように集光したビームを主走査定速度40mm/秒、副走査ピッチ75μmの条件で走査露光を行った。この条件はあくまでも本実施例での適正値であり、使用する部分反射率変調パターン形成材の樹脂特性等で変化するので、各種条件を考慮すると共に、形成される可視画像を確認しながら調整することが必要である。 【0030】上記、レーザー照射方法によって、レーザー照射部の高・低屈折率感光性樹脂組成物間の境界面を消失させ、面積5×5mmのベタパターンを作製した。その結果、露光部の波長500nmでの反射率は約4.1%であり、レーザー照射部と未照射部のコントラストは鮮明に可視化された。次に、高・低屈折率感光性樹脂組成物薄膜層全体に、高圧水銀ランプ(出力:120W/cm)による紫外線を積算露光量として、500mJ/cm2 照射することによって、可視化した反射率変調パターンを定着した。 【0031】〈実施例2〉実施例1で作製した反射率変調積層体に、実施例1で作製したベタ部を塗りつぶす走査露光の代わりに、レーザー光を文字パターン情報に基づき、0N/0FFして画像形成をおこなった。その結果、途切れがほとんど見られず、高コントラストで視認性が高い良好な品質の高反射率でなる文字画像として作製することができた。 【0032】 【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。即ち、上述の実施例の説明からも明らかなように、本発明によれば、多層光学薄膜層間の界面を保持する部分と消失させる部分をレーザー照射で発生する熱によって形成することで、部分的に反射率が変調されたパターンを形成することを特徴とする反射率変調積層体であり、従ってこの反射率変調パターンの形成が、感光性樹脂へのパターン露光による画像の可視化と、それに続く像の光定着を利用する原理的に単純で簡便な乾式プロセスであるため、熟練した技能や多量の時間、高価な設備と高度な撮影技術等に頼らなくとも高度な偽造防止方法を実現することができる。さらには、小ロット製品を生産する場合、より安価な製造方法となる。また反射率変調パターンを得るための画像は露光プロセスで決定するため、異なる絵柄の多重露光等の方法を用いて、新規な意匠性を有する反射率変調パターンの開発が容易になる。そのため、さらに高度な偽造防止効果を付与する手段として有効である。 【0033】従って本発明は、例えば有価証券、クレジットカード等の偽造防止に利用することができる反射率変調積層体とその製造方法として、優れた実用上の効果を発揮する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003193 【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月28日(2001.5.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−347154(P2002−347154A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月4日(2002.12.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−158352(P2001−158352) |
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