| 【発明の名称】 |
防水シール材 |
| 【発明者】 |
【氏名】浜野 尚吉
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| 【要約】 |
【課題】長期にわたり高い防水性を発揮すると共に、取り扱いの容易な防水シール材を得る。
【解決手段】非親水性基材10の少なくとも片面に粘着剤層11,11を設け、この粘着剤層11,11上に水溶性樹脂被膜12及を形成する。このように構成された防水シール材1は、表層を成す水溶性樹脂被膜12,12が溶出することにより粘着剤層11が露出して取付面に付着して高い界面封止性を発揮する一方、常態において非粘着性であり、ダイカットや取り付け、保管の際の取り扱いに便利であると共に、ダイカットや取り付け作業を自動化する場合にも、抜き型等に付着せず取り扱いが容易である。また、剥離紙等を貼着することなくブロッキングや埃等の付着を防止でき、取付作業に際して剥離紙を剥がす等の煩雑な作業からも開放される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非水溶性基材の少なくとも片面に粘着面を形成し、該粘着面上に水溶性樹脂被膜を形成したことを特徴とする防水シール材。 【請求項2】 前記基材の材質を粘着性を有する材質と成し、該基材の表面を前記粘着面としたことを特徴とする請求項1記載の防水シール材。 【請求項3】 前記基材の少なくとも片面に非水溶性粘着剤層を設け、該粘着剤層表面を前記粘着面としたことを特徴とする請求項1記載の防水シール材。 【請求項4】 前記水溶性樹脂被膜が、常態において非粘着性で、水との接触により粘着性を発揮する水活性型の水溶性樹脂から成ることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の防水シール材。 【請求項5】 前記基材が、厚み方向の応力に対する厚み変形率が90%以下、好ましくは10〜60%で、縦横方向の伸び率が1200%以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の防水シール材。 【請求項6】 前記粘着剤層が、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、又はシリコーン系の粘着剤から成ることを特徴とする請求項3記載の防水シート材。 【請求項7】 前記水溶性樹脂被膜が、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキサイド系、ポリビニルアルミド系、ポリアクリル酸系、アラビアゴム系、又は澱粉系等の樹脂から成ることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の防水シール材。 【請求項8】 前記水溶性樹脂被膜が、ポリビニルアルコール樹脂100重量部に対して、可塑剤5〜100重量部、水50〜300重量部を撹拌して成る水溶性樹脂の溶液を塗布後、固形化して形成されて成ることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の防水シール材。 【請求項9】 前記水溶性樹脂の溶液が、ポリビニルアルコール樹脂100重量部に対して、さらに水溶性アクリル樹脂5〜200重量部を含むことを特徴とする請求項8記載の防水シール材。 【請求項10】 前記水活性型の水溶性樹脂被膜が、ポリエチレンオキサイド系樹脂100重量部に対して、増量安定剤5〜200重量部、軟化剤1〜20重量部、溶解液50〜300重量部から成る樹脂の溶液を塗布後、固形化して形成されて成ることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の防水シール材。 【請求項11】 前記粘着面における粘着力が、10g/25mm幅以上、好ましくは500g/25mm幅以上であることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載の防水シール材。 【請求項12】 前記基材の厚みが0.1〜5mm、好ましくは0.5〜2mmで、前記水溶性樹脂被膜が1〜200μm、好ましくは5〜35μmであることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項記載の防水シール材。 【請求項13】 前記粘着剤層の厚みが5〜200μm、好ましくは25〜80μmである請求項3記載の防水シール材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、防水シール材及びその製造方法に関し、たとえば、窓枠、戸枠、壁の開口の縁構造部材としての枠材など、いわゆる建造物の外枠として使用されるサッシ(以下「外枠用サッシ」という)の防水シール材など外枠用サッシの構造部材である枠材と枠材間の継ぎ目に挾着して雨の侵入、水漏れを防止するための用途に好適な防水シール材、あるいはその他の止水用途に用いる防水シール材及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来技術】従来から外枠用サッシに用いられている防水シール材を例に説明すると、一般に、外枠用サッシの枠材と枠材の継ぎ構造は、例えば図6に示すように縦枠材31の平滑面に横枠材32の端面を防水シール材を介して当接し、前記縦枠材31と横枠材32を締付けネジ33で締め付けて防水シール材を介して縦枠材31と横枠材32をしっかりと固定する。 【0003】一般に建造物は、外壁などに僅かな隙間があると、この隙間から雨水の浸透(以下「水漏れ」という)が生じる。特に風雨が激しい場合は著しい。この現象は外枠用サッシにおいても同様であり、従来の外枠用サッシにおける水漏れの原因の殆どは外枠用サッシの枠材と枠材の継ぎ目から侵入するものであった。 【0004】しかも、外枠用サッシの継ぎ目に防水シール材を設けているにもかかわらず、防水シール材と枠材の面との間の僅かな隙間から雨水が侵入するものであった。 【0005】また、建造物の耐用年数は、ビルにおいて約60年、住宅において約30年と言われているが、このような長期の寿命を有する建造物に使用される建材にもこの建造物と同様に長期の信頼性が求められるようになっている。 【0006】現行の止水用防水シール材の多くはゴム系、他等の有機系の弾性体が使用され、この防水シール材を例えば縦枠材31と横枠材32の接合部間に配置すると共にネジ締めにより挟持して、このネジ締めによる圧力を利用して接合部を封止する応力依存型で、有機系弾性体と塑性変形性に富むゴム系、塩化ビニル系、ポリエチレン系などのシート及びこれらの発泡体の片面側に粘着剤層を設け、所定の形状にダイカットした後、止水パッキンとして使用するのが一般的である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】前述した従来の防水シール材の多くは、その止水性能を接合部間の締め付け圧力と防水シール材自身の反発応力、すなわち「弾性」に多く依存しており、この弾性は防水シール材の経年劣化と共に消失することから、長期の止水性能の維持には疑問がある。 【0008】また、既知の各種防水シール材毎に考察すると、それぞれ以下に示す欠点を有しており、これらの原因により長期の止水性能の維持が妨げられていると考えられる。 【0009】1.加硫ゴム系シートから成る防水シール材ゴムシート等のゴム系の防水シール材のうち加硫型のものは、止水性能に決定的に重要な接合体との界面封止性に劣る。これを補うためには接合体間の圧縮力を高めればよいが、経時でネジ等による締め増しはできなくなり、ゴムシートの圧縮状態下では圧縮応力のへたり、架橋、劣化進行で防水シール材が収縮し、この収縮により接合体と防水シール材間に漏水の通路となる「チャンネル」が出来やすい。 【0010】2.熱可塑性樹脂系シートから成る防水シール材熱可塑性のポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ塩化ビニル系の樹脂系シートから成る防水シール材では、常温域での塑性変形による接合体との界面封止性に劣り、また常態ではサッシ枠材面の歪みに対する追従性に欠け、チャンネルが出来やすい。 【0011】3.発泡体から成る防水シール材ゴム系、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフイン系の発泡体は上述の無垢系シートから成る防水シール材に比べて低反発弾性に優れ、低圧での取付によっても好適に止水性能を発揮する。しかし止水性能は圧縮応力依存による界面封止により発揮されることに変わりなく、時間の経過と共にこのシート自身が有する反発弾性が消失ないしは低下した場合にはチンネルが生じることとなる。 【0012】また、独立気泡系発泡体はセル内のアウトガス化、架橋進行、高温度等による収縮等の要因により、反発応力、すなわち「弾性」の低下をきたし易く、また、連続気泡系の発泡体から成る防水シール材にあっても、熱可塑性、熱硬化性または経時で収縮、硬化する傾向があり、その結果、反発応力、すなわち「弾性」が消失して接合部材との界面に漏水の原因となるチンネルを生じさせることとなる。 【0013】4.粘着性、粘性表面を有する防水シール材表面が粘着性又は粘性を有するシートは、接合体間の界面封止が得られやすく、更に圧力に対しての依存が少なく低圧縮下においても優れた止水性能がえられるが、表面が粘着性を有するため、所望の形状に切断するダイカット等の加工や、止水位置に取り付ける際の貼り付け加工、保管時における取り扱いが困難であり、粘着性を有する表面にブロッキングの発生や埃の付着防止を目的として剥離紙、保護フイルム等を貼着して被覆する必要がある。 【0014】また、表面が有する粘着性や粘性のために、ダイカット、防水シール材の貼り付け加工の自動化対応に困難を生じさせていると共に、貼り付け加工時において剥離紙を剥がす作業が必要であると共に、剥がし終わった剥離紙はゴミとなり、これを回収して廃棄する必要がある等、作業が煩雑である。 【0015】5.高粘度液状パテないし防水シール高粘度の液状パテや防水シール材は、サッシ枠などの組み付け時のネジトルク圧でサッシ枠内面から、圧力の無い外側へと流動し、チャンネル化しやすい一方、パテが逃げないようにネジを緩く締めるとサッシの固定感が得られず、また、建物の振動、枠材の収縮などでネジ緩みの原因となりやすい。 【0016】6.従来技術における欠点の考察前述のように、防水シール材として弾性体を使用したり、表面に粘着性又は粘性を有する材料を使用する理由は、接合体間の止水因子の第1が界面の封止にあることに起因する。そのため、防水シール材がこの界面封止性に欠ける場合は、この界面封止の不十分な部分が水のチャンネルとなり、結果として漏水が発生する。 【0017】従来技術として説明した既知の防水シール材が弾性を有し、ネジなどによる締め付け圧縮を以て止水用の防水シール材と成り得るのは、この圧縮により防水シール材の表面が塑性変形して接合部に圧着されて界面封止を達成するためである。そのため、防水シール材が疎水性を有し、かつ弾性を有していても、防水シール材の表面が塑性変形性に欠け、接合部間の界面封止が不十分な場合には漏水が発生する。 【0018】建物は、常に振動と揺れにより歪を起こしており、このストレスは防水シール材にも影響を与えている。防水シール材はサッシ等の組み付け時、元の厚みに対して50〜70%比圧縮された状態で使用されており、この圧縮による防水シール材の反発弾性力で界面封止が得られているが、経時によるサッシの歪、防水シール材の反発弾性の低下等により界面封止性能が消失ないしは低下すると、漏水の通路と成るチャンネルを生じさせ易いものとなる。 【0019】本発明は、上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり、従来技術として説明した、表面に粘着性を有する防水シール材と同様にその界面封止性が応力に依存するところが少なく、したがって長期にわたって高い界面封止性を備えながら、常態においてその表面を非粘着性とすることにより、加工、保管等の際の取り扱いに優れると共に、ダイカットや取り付け作業の自動化に適し、さらに剥離紙等で表面を保護することなくブロッキングや埃付着等を防止することができることから、取り付けの際に剥離紙を剥がしたり、剥がし終わった剥離紙をゴミとして回収・廃棄する等の作業上の手間からも開放される防水シール材を提供することを目的とする。 【0020】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の防水シール材1は、非親水性基材10の少なくとも片面に粘着面11aを形成し、該粘着面11a上に水溶性樹脂被膜12及を形成したことを特徴とする(請求項1)。 【0021】前述の粘着面11aは、基材10の材質を粘着性を有するものと成し、これにより基材10の表面を前記粘着面11aとしても良く(請求項2)、また、前記基材10の少なくとも片面に非水溶性粘着剤層11を設け、該粘着剤層11により前記粘着面11aを形成しても良い(請求項3)。 【0022】なお、前述の防水シール材1において、前記水溶性樹脂被膜12が、常態において非粘着性で、水との接触により粘着性を発揮する水活性型の水溶性樹脂により形成することもできる(請求項4)。 【0023】前述の防水シール材1において、前記基材10は、厚み方向の応力に対する厚み変形率が90%以下、好ましくは10〜60%で、縦横方向の伸び率が1200%以下とすれば好適である(請求項5)。 【0024】また、前述の粘着剤層11,11としては、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系の粘着剤を使用することができる(請求項6)。 【0025】また、前述の水溶性樹脂被膜12は、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキサイド系、ポリビニルアルミド系、ポリアクリル酸系、アラビアゴム系、又は澱粉系等の樹脂により構成することができる(請求項7)。 【0026】また、前述の水溶性樹脂被膜12は、一例としてポリビニルアルコール樹脂100重量部に対して、グリセリン等の可塑剤5〜100重量部、水50〜300重量部を撹拌して成る水溶性樹脂の溶液を塗布後、固形化して形成しても良く(請求項8)、さらに、前記水溶性樹脂の溶液が、ポリビニルアルコール樹脂100重量部に対して、水溶性アクリル樹脂5〜200重量部を含むものとしても良い(請求項9)。 【0027】また、前述の水活性型の水溶性樹脂被膜は、ポリエチレンオキサイド系の水溶性樹脂100重量部に対して、シリカ等の増量安定剤5〜200重量部、スピンドル油等の軟化剤1〜20重量部、例えば水及び/又はメチルアルコール等の揮発性溶液から成る溶解液50〜300重量部から成る樹脂の溶液を塗布後、固形化して形成することもできる(請求項10)。 【0028】なお、前述の粘着面11aは、その粘着力が、10g/25mm幅以上、好ましくは500g/25mm幅以上とすれば好適である(請求項11)。 【0029】また、前記基材10の厚みは、0.1〜5mm、好ましくは0.5〜2mmで、前記水溶性樹脂被膜12を1〜200μm、好ましくは5〜35μmとすれば好適である(請求項12)。 【0030】さらに、前記粘着剤層11の厚みは、これを5〜200μm、好ましくは25〜80μmとすれば好適である(請求項13)。 【0031】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につき以下説明する。 〔基本構成〕本発明の防水シール材1は、基材自体の材質を、粘着性を有するものとすることにより基材10の少なくとも片面に粘着性を持たせ、又は基材10の少なくとも片面に粘着剤層11を設け、これらの粘着性を有する表面(本明細書において、基材又は粘着材層の粘着性を有する表面を「粘着面」という。)11aに水溶性樹脂被膜12,12、又は水溶性樹脂被膜であって、常態では非粘着性であると共に水との接触により活性化して粘着性を発揮する樹脂被膜(本明細書において、このような水溶性樹脂被膜を「水活性型」という。)13,13を形成し、常態において粘着性を発揮しない防水シール材1としたものである。 【0032】こうして得られた防水シール材1は、常態においてその表面は粘着性を有しておらず、従って、加工、保管等における取り扱いに優れると共に、埃の付着防止やブロッキングの防止等を目的としてその表面に剥離紙や保護フィルムを貼着する必要がないので、取り付け時に剥離紙等を剥がす手間や、この剥離紙がゴミとして発生することがない。 【0033】水活性型の水溶性樹脂被膜13が設けられた防水シール材にあっては、これをサッシなどに貼り付ける際、水活性型の水溶性樹脂被膜13の表面又はサッシの貼り付け部を水で濡らすことにより、水活性型の水溶性樹脂被膜13が水に触れて活性化して粘着性を発揮し、この粘着性により取り付け位置に貼り付けて位置決めすることにより組み付け作業を容易に行うことができる。 【0034】また、このようにして組み付けられた防水シール材1は、組み付け後、雨などにより表層を成す水溶性樹脂被膜12(水活性型の水溶性樹脂被膜13)が溶出することにより下層の粘着面11aが表出し、防水シール材1自身の反発応力などが作用して粘着面11aが枠材等の表面に貼着されて恒久性を有する界面封止状態へと固定され、チャンネル化を阻止できる。 【0035】さらに、粘着面11aに吸水性膨潤樹脂を被膜とし単独で、又は前記水溶性樹脂等と併用して設けることにより、水潤による膨張により応力増加が期待できより高い界面封止性が得られる。 【0036】この防水シール材の基材10は、非親水性の材質により構成され、ゴムを含浸させて成る不織布、ゴム引き布、ゴム、ポリオレフイン、ポリ塩化ビニル、ウレタンから成るフィルムないしはシート、又はこれらを主材とするフィルムないしはシート等で構成することができ、複合体、多孔質体であるかは問わない。 【0037】基材10としては、厚み変形率が厚み方向の応力に対して90%(100mm×100mm試片で500kg荷重)以下が好ましく、より好ましくは10〜60%の範囲で、縦横方向の伸び率が1200%以下で、表面又は裏表が粘着性を有する粘着面を備えれば好適だが、粘着性を有してなくも良い。 【0038】基材10の粘着面11a、又は基材10に積層された粘着剤層11の粘着面11aの粘着力は、10g/25mm幅以上、好ましくは500g/25mm幅以上であり、基材10は吸水性を有してもかまわないが、シール材として水の通過を阻止し得る程度の非親水性を有することが必要で、疎水性であることが好ましい。また、基材10上に粘着剤層11を設ける場合には、この粘着剤層11は固形化後、水溶性でないものを使用する。 【0039】基材10の厚みは、0.1〜10mmで、好ましくは0.5〜2.5mmの範囲である。また、粘着剤層11を設ける場合には、この粘着剤層11の厚みは5〜200μm、好ましくは25〜80μmである。 【0040】そして、この基材10又は粘着剤層11の片面又は両面に水溶性樹脂又は水活性型の水溶性樹脂を固形分厚み1〜200μmとなるよう被膜化させて、水溶性樹脂被膜12又は水活性型の水溶性樹脂被膜13を形成する。 【0041】以下に、本発明の防水シール材1の好適な実施例を示すが、本発明の防水シール材1は以下に示す実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。 〔実施例1〕図1に示す防水シール材1は、基材10の両面に重合された粘着剤層11,11を有し、この粘着剤層11,11のいずれとも、その表面を水溶性樹脂被膜12,12で被覆した構成である。 【0042】基材10としては、不織布ゴム含浸系、ゴム引き布系、ゴム系、ポリオレフイン系、ポリ塩化ビニル系等の厚み0.1〜5mm好ましくは0.5〜2mmのフィルムないしはシートを使用し、この基材10の片面又は両面に、厚み5〜200μm、好ましくは25〜80μmの粘着剤層11,11を形成し、少なくとも一方の粘着剤層11の表面に、厚み1〜200μm、好ましくは5〜35μmの水溶性樹脂被膜12,12又は水活性型の水溶性樹脂被膜13.13を被膜化形成して粘着剤層表面の粘着性を見かけ上消失させている。 【0043】粘着剤層11,11を構成する粘着剤は、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等、固形被膜が非水溶性であれば如何なる材質のものを用いても良く、塗布液としては溶剤系、エマルジョン系、無溶剤系いずれをも使用することができる。 【0044】この粘着剤層11,11の表面に水活性又は水溶性樹脂を1〜100μm、好ましくは5〜35μmの範囲で押し出し法、塗布法、転写法などの既知の各種の方法により被膜化して貼合することにより、水溶性樹脂被膜12,12又は水活性型の水溶性樹脂被膜13,13を形成する。 【0045】水溶性樹脂被膜12,12は、例えば水溶性塗料を塗布することにより形成することができ、この水溶性樹脂被膜12,12を構成する樹脂材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミド、ポリアクリル酸、アラビアゴム、澱粉、その他の既知の水溶性の材料を使用することができる。 【0046】また、これらの材料を主材となし、これにアンチブロッキング剤、油脂軟化剤、水溶性調整剤として金属系、無機系、有機系、植物系等フイラーまたは、ラテックス、アクリル系、酢酸ビニル系、ウレタン系のものを併用して使用しても良い。 【0047】図1に示す実施例にあっては、基材10として厚み1.5mmのクロロプレン系のゴムスポンジ〔商品名:「CR#4305」(3〜5倍発泡);イノアック製〕を使用し、この基材10の両面に、コンマコーターで剥離紙にブチルゴム系粘着剤(共同技研化学株式会社製「135K」)を固形分45μmとなるように塗布してこれを転写して粘着剤層11,11を形成している。 【0048】さらにこの粘着剤層11,11の表面(粘着面11a,11a)に、予め水溶性ポリビニールアルコール(商品名「ゴーセニールGM14」;日本合成化学工業株式会社製)を主成分とした樹脂をOPPフイルム38μm上で固形分15μmになるようにコンマーコーターにてキャストし、これを粘着剤層11,11上に貼合・転写して水溶性樹脂被膜12,12を形成した。 【0049】水溶性樹脂被膜12,12を成す水溶性樹脂の配合比は、一例としてPVA樹脂100重量部に対して可塑剤としてのグリセリン5重量部と、溶媒としての水60重量部であり、これらを加温攪拌し水溶化したものである。 【0050】このようにして形成された防水シール材1は、これを取り付け後、水との接触により水溶性樹脂被膜12,12が溶出して粘着剤層11,11が露出し、ネジの締め付け等による応力に対する依存が少なく好適な界面封止性が得られる。 【0051】なお、図1に示す実施例にあっては、表裏の粘着材層11,11はいずれも水溶性樹脂被膜12,12により被覆されている例を示しているが、いずれか一方を水活性型の水溶性樹脂被膜13により被覆しても良く、双方共に水活性型の水溶性樹脂被膜13,13により被覆しても良い。〔実施例2〕本発明の防水シート材1の別の実施例を図2に示す。図2に示す防水シート材1は、基材10の表裏に、常態においては非粘着性であるが、水との接触により溶解すると共に活性化して粘着性を発揮する水活性型の水溶性樹脂被膜13,13を設けたものである。 【0052】基材10としては、樹脂を含浸させて成る不織布、ゴム引き布、ゴム系、ポリオレフイン系、ポリ塩化ビニル系のフィルムないしはシート等の厚み0.1〜3mmの各種のフィルムないしはシートを使用することができる。 【0053】この基材10の両面には、水活性型の水溶性樹脂を厚み1〜200μmの範囲で塗布して被膜化した水活性型の水溶性樹脂被膜13,13を設けている。 【0054】なお、図2に示す例では、この水活性型の水溶性樹脂被膜13,13を基材10の両面に設けた構成を示しているが、水活性型の水溶性樹脂被膜13は、少なくとも基材10の片面に設ければ良い。 【0055】本実施例において、基材10はカレンダーロールによりブチルゴム粘着剤を割布の表裏にトッピングした1mm厚みの防水用ブチルゴム両面テープ(商品名:「#261」;共同技研化学株式会社製)を使用している。 【0056】水活性型の水溶性樹脂被膜13,13は、一例として水溶性樹脂(商品名:「パオゲンPP−15」;第一工業製薬株式会社製)100重量部に対して、アンチブロッキング剤として粒径5μmのシリカ100重量部、軟化剤としてスピンドル油5重量部、溶媒(溶解液)として水150重量部、メチルアルコール20重量部を配合した溶液をコンマコーターでOPPフイルム上に固形分厚みが15μmとなるようにキャストして形成する。 【0057】このようにして得られた水活性型の水溶性樹脂被膜13,13を、基材10である防水用両面ブチルゴム両面テープ(#261)の表裏に貼合して防水シール材1とした。このようにして形成された防水シール材1は、裏表共に常態では粘着性が全く無く、剥離紙の不要なものとなっている。 【0058】一方、取り付けに際しては、表層を成す水活性型の水溶性樹脂被膜13,13に水を塗り、又はこの防水シール材1を取り付ける位置に水を塗ることにより、水活性型の水溶性樹脂被膜13,13が水と接触して粘着性を発揮して、取り付けの際の位置決め等を容易に行えると共に界面封止性を発揮する。 【0059】また、基材10を構成するブチルゴムは、それ自身粘着性を有するものであることから、この水活性型の水溶性樹脂被膜13,13が溶出して基材10の粘着面11a,11aが露出し、これにより高い界面封止性が発揮される。 〔実施例3〕更に別の本発明の防水シール材1の一例を図3に示す。図3に示す実施例にあっては、基材10の両面に粘着剤層11,11を形成する点においては、前述の実施例1の防水シール材1と同様の構成であるが、この粘着剤層11,11のいずれかの表面を水溶性樹脂被膜12で被覆する一方、他方の粘着剤層11の表面は、これを剥離紙で被覆する構成としたものである。 【0060】基材10としては、他の実施例と同様にゴムを含浸させて成る不織布や、ゴム引き布、ゴム系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系等のフィルムないしはシートを使用することができ、この基材10の表裏に粘着剤層11,11を形成する。 【0061】一方の粘着剤層11(図3中上側)の表面に、水溶性樹脂を押し出しダイ、キスコーター、コンマコーター、リバースコーター等でダイレクトに又は転写方式等で塗布して水溶性樹脂被膜12を形成し、防水シール材1表面の粘性を見かけ上消失させている。 【0062】本実施例において、基材10として厚み1mmの防水シール材(商品名:「#MZK」;共同技研化学株式会社製)を使用し、粘着剤として溶剤型アクリル系粘着剤(商品名:「SKダイン1717」;綜研化学株式会社製)を使用し、これをコンマコーターで固形分50μmとなるように剥離紙に塗布し、これを転写方法で基材10上に塗布して粘着剤層11,11を形成した。このとき、一方の粘着剤層11(図3中の下側)については、転写に使用した剥離紙14はこれを貼着したままの状態とする。 【0063】この粘着剤層11,11の一方(図3中上側)の表面に、水溶性樹脂から成る被膜を転写して、一方の粘着剤層11の表面が水溶性樹脂被膜12で被覆され、他方の粘着剤層(図3中下側)は、剥離紙14で覆われた防水シール材1を得た。 【0064】水溶性樹脂被膜12は、ポリビニールアルコール樹脂(商品名:「ゴーセニールGM14」;日本合成化学株式会社製)100重量部に対し、水70重量部、水溶性アクリル系樹脂(DM772「ヘキスト合成」)50重量部、可塑剤としてグリセリン5重量部を配合したものを使用し、水溶液化してOPPフイルムの非コロナ処理面にコンマコーターで固形分25μmとなるように塗布し、キャステングして形成した。 【0065】なお、図3に示す実施例にあっては、図3中上側の粘着剤層11を水溶性樹脂被膜12で被覆する例について説明したが、この水溶性樹脂被膜12に代え、水活性型の水溶性樹脂被膜13により被覆しても良い点については前述の実施例1として説明した防水シール材1の場合と同様である。 【0066】以上のように構成された防水シール材1にあっては、例えば剥離紙14を剥離して一方の粘着剤層11を露出させ、この粘着剤層11を例えばアルミサッシの枠材の一方の取り付け位置に押し付けて貼着した後、他方の枠材を連結する等して取り付けられるが、このとき、水溶性樹脂被膜12で覆われた粘着剤層11は粘着性を有していないために、枠材の位置合わせ等の作業を容易に行うことができ取り付けの際の作業性が向上される。 【0067】また、取り付けに際して片面側の剥離紙を剥がす必要があるが、両面の粘着剤層11,11共に剥離紙にて被覆する場合に比較して、その手間は半分であり、また、ゴミとして発生する剥離紙の量も二分の一とすることができる。 【0068】このようにして取り付けられた防水シール材1は、水と接触することにより水溶性樹脂被膜12が溶出して粘着剤層11が露出し、この粘着剤層11が水漏れ防止部の表面に付着して好適な界面封止性を発揮して、長期にわたり水漏れの防止性能を発揮する。 〔実施例4〕図4に示す実施例において、防水シール材1は、粘着性を有する基材10の片面に水溶性樹脂被膜12が形成されていると共に、他面に剥離紙14が貼着された構成である。 【0069】本実施例において基材10は、不織布、織布、紙、プラスチックフイルムの片面に非加硫又は半加硫ゴム層を備えた非加硫又は半加硫ゴム系シートであり、この基材10の不織布、織り布、紙、プラスチックフイルムなどを除いたゴム系成分層の引っ張り強さは10〜700kgf/cm、伸び率100〜1200%、引き裂強さ5〜80kgf/cmの範囲で厚みが0.1〜3mmの範囲のものを使用し、この基材10のゴム系成分層101の表面に水溶性樹脂を厚み1〜100μmの範囲で被膜化形成して水溶性樹脂被膜12を形成し、更に基材10の反対面(不織布、織り布、紙、プラスチックフイルム側の面)に粘着剤層を担持させている。 【0070】なお、図4に示す実施例にあっては、基材10の片面(図4中上側)を水溶性樹脂被膜12で被覆した例を示しているが、これに代え、水活性型の水溶性樹脂被膜13を設ける構成としても良い。 【0071】本実施例において、基材10のゴム系成分層101は、部分架橋ブチルゴム(商品名:「ブチルゴム#268」;エッソ化学株式会社製)100重量部に、ポリブデン(商品名:「HV−300」;日本石油化学製)50重量部、タッキファイャー(商品名:「エスコレッ1102B」;エッソ化学製)15重量部、炭酸カルシュウム(商品名:「ホワイトンSB」;白石カルシュウム製)100重量部、カーボン15重量部を加圧ニーダーで混練りし、40g/m2のポリエステル系不織布102の上に厚みが1mmとなるようにトッピングし、これを基材10とした。 【0072】この基材10のゴム系成分層101は、それ自体粘着性を有し、この基材10の粘着面(ゴム系成分層の表面)11aに、前述の実施例1〜3と同様の材質及び方法で水溶性樹脂被膜12又は水活性型の水溶性樹脂被膜13を形成した。 【0073】また、基材の不織布面側に、粘着剤の塗布された剥離紙14を貼着して粘着剤層11を形成している。 【0074】このように構成された防水シール材1は、前述した実施例3におけ防水シール材と同様の用法により使用することができ、取り付けの際の作業性が向上すると共に、ゴミとして発生する剥離紙の量も減少する。 〔実施例5〕図5に示す実施例にあては、基材10の表裏に水活性型の水溶性樹脂被膜13,13を形成している点において、前述の実施例2における防水シール材と同様の構成であるが、実施例2の防水シール材1の基材10が、割布の表裏にブチルゴムをトッピングした構成であるのに対し、本実施例にあっては基材10は、ゴム系成分のみにより構成されている。 【0075】なお、図5においては、基材10の表裏に水活性型の水溶性樹脂被膜13,13を設けた例について説明しているが、この水活性型の水溶性樹脂被膜13,13に代えて水溶性樹脂被膜12,12を設けても良く、また、基材10のいずれか片面を水溶性樹脂被膜、他方を水活性型の水溶性樹脂被膜として構成しても良い。 【0076】本実施例において、基材を成すゴム系シートは、前述の実施例4として説明した防水シール材1の基材10のゴム系成分層101と同様のものを使用した。 【0077】このゴム系成分のみから成る基材10の両面に、前述の実施例1〜4と同様の材質及び方法の水溶性樹脂被膜及び/又は水活性型の水溶性樹脂被膜を形成して、防水シール材1を得た。 〔試験例〕以上の実施例1〜5に示した本発明の防水シール材と、既知の防水シール材(商品名:「♯MZK」;共同技研化学株式会社製)を使用した水漏れ比較試験の結果を以下に示す。 (測定条件) 1.アルミ角材(寸法:厚み1mm,外径25mm×24mm,高さ200mm)を使用して形成された水槽の角材間の連結箇所に本発明の防水シール材を取り付けて漏水試験を行った。 【0078】各アルミ角材間の連結部は、それぞれ2本のボルトにより連結し、この水槽内に水(水位100mm)を投入して、連結部からの漏水を観察した。 2.各試片体である防水シール材を、常態における厚みと加圧後の厚みの差(常態厚み−加圧後の厚み)が0.1mm,0.2mm,0.3mm,0.4mmなるよう圧縮して、24時間後に水の漏れの有無を視認した。 3.本願例の試験体の厚みは、それぞれの実施例に記載の通りであり、比較例の試験体(商品名:「#MZK」;共同技研化学株式会社製)の厚みは、これを1mmとした。 (試験結果)以上の比較試験を行った結果を表1に示す。 【0079】 【表1】 漏水比較試験の結果 評価法: ◎ 水漏れ無し。 ○ 初期僅かに減水ありだが評価時は水漏れ無し。 △ 水の沁みだし有り。 × 水漏れ有り。 【0080】以上の比較試験の結果から、本発明の防水シール材にあっては、従来の防水シール材に比較して低い圧縮値により水漏れを防止できることが確認され、よって応力に依存することなく高い界面封止性が得られていることが確認できた。 【0081】このように応力に依存することなく高い界面封止性が得られることは、応力、すなわち弾性の消失によっても防水性が失われにくく、長期にわたり高い防水性を発揮することを意味する。 【0082】 【発明の効果】以上説明した本発明の構成により、長期間にわたる高い界面封止性を備えながら、常態においてその表面を非粘着性とすることにより、加工、保管等の際の取り扱いに優れると共に、ダイカットや取り付け作業の自動化に適し、さらに剥離紙等で表面を保護することなくブロッキングや埃付着等を防止することができると共に、取り付けの際に剥離紙を剥がしたり、剥がし終わった剥離紙をゴミとして回収・廃棄する等の作業上の手間からも開放される防水シール材を提供することができた。 【0083】
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| 【出願人】 |
【識別番号】591015784 【氏名又は名称】共同技研化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月7日(2001.3.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081695 【弁理士】 【氏名又は名称】小倉 正明
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| 【公開番号】 |
特開2002−264264(P2002−264264A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月18日(2002.9.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−63981(P2001−63981) |
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