| 【発明の名称】 |
積層体及び積層体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 秀高
【氏名】西村 義雄
【氏名】武田 利人
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| 【要約】 |
【課題】風合いが良く、かつ剥離強度が強く、洗濯や長期間の使用に耐えられる積層体、及び該積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】繊維質基材の一方の面に発泡ポリウレタンシートをフレームラミネートし発泡ポリウレタン層を設け、該発泡ポリウレタン層に別の繊維質基材をフレームラミネートして2つの繊維質基材が発泡ポリウレタン層を介して積層された積層体を得、該積層体を水中に浸漬した後水分を切り加温乾燥して処理された積層体を得た。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2つの繊維質基材を厚さ0.1〜5mmの発泡ポリウレタン層を介在して積層したものであって、該発泡ポリウレタン層の三次元網目構造が部分的に破断しており、発泡ポリウレタン層の崩壊剥離強度が200〜1500g/2.5cmであることを特徴とする積層体。 【請求項2】 発泡ポリウレタン層と繊維質基材とが、フレームラミネートにより接着されている請求項1記載の積層体。 【請求項3】 繊維質基材上に発泡ポリウレタンシートをフレームラミネートする工程と、該発泡ポリウレタン層のもう一方の面に別の繊維質基材をフレームラミネートする工程と、得られた積層体を水中に浸漬する工程と、水分を切る工程と、積層体を加温乾燥する工程とを有する積層体の製造方法。 【請求項4】 水分を切る工程を加圧により行う請求項3記載の積層体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、2つの繊維質基材の間に発泡ポリウレタン層を有する積層体及び積層体の製造方法に関するものであり、詳しくは、衣類用材料やクッション体の被覆材等に特に有効であり、高い柔軟性を持たせることも可能な積層体及び積層体の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、2つの繊維質基材を溶剤系接着剤やエマルジョン系接着剤等により貼り合わせることが行われていた。しかし、これらの方法では、接着剤が繊維質基材に含浸したり、繊維質基材間の自由度が低いため、積層体の風合いが良くないという問題が生じた。そこで、繊維質基材間の自由度を高めるために、接着剤を用いて、点接着することが考えられたが、接着面積を少なくしすぎると、繊維質基材間の剥離強度が弱くなり、逆に接着面積を多くしすぎると、風合いが悪くなり、剥離強度と風合いの兼ね合いが難しかった。特に衣料用材料として使用する場合には、風合いが悪いと、着心地が悪く、また剥離強度が弱いと、洗濯や長期間の使用に耐えられないという問題が生じてしまう。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題を解決することを目的とするものであって、風合いが良く、かつ剥離強度が強く、洗濯や長期間の使用に耐えられなる積層体、及び該積層体の製造方法を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、(1)2つの繊維質基材を厚さ0.1〜5mmの発泡ポリウレタン層を介在して積層したものであって、該発泡ポリウレタン層の三次元網目構造が部分的に破断しており、発泡ポリウレタン層の崩壊剥離強度が200〜1500g/2.5cmであることを特徴とする積層体、(2)発泡ポリウレタン層と繊維質基材とが、フレームラミネートにより接着されている上記(1)記載の積層体、(3)繊維質基材上に発泡ポリウレタンシートをフレームラミネートする工程と、該発泡ポリウレタン層のもう一方の面に別の繊維質基材をフレームラミネートする工程と、得られた積層体を水中に浸漬する工程と、水分を切る工程と、積層体を加温乾燥する工程とを有する積層体の製造方法、(4)水分を切る工程を加圧により行う上記(3)記載の積層体の製造方法、を要旨とするものである。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明で使用される繊維質基材としては、特に限定されないが、具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維;綿、絹、羊毛、麻等の天然繊維;レーヨン、スフ、アセテート等の再生繊維;等の単独もしくは混紡繊維、或いは、海島型構造から少なくとも一成分を溶解除去したり、芯鞘型もしくは交互配列による蜜柑型構造の二成分繊維を分割したりすることにより極細繊維に変性された多成分繊維、等からなる、必要に応じて起毛処理された織布、編布、不織布等の一般に使用されている基布が好ましい。特に、用いられる繊維質基材において、発泡ポリウレタン層に接する面や発泡ポリウレタンシートとラミネートされる面が、起毛している又は、バフがけ処理を施していると接着性が向上し、耐洗濯性が良好となる。また2つの繊維質基材は、同種の材料であっても異種の材料であってもよい。 【0006】また、本発明で使用される発泡ポリウレタン又は発泡ポリウレタンシートは、ポリオール、イソシアネート化合物、触媒、発泡剤等からなるポリウレタンフォーム原料を混合し反応させて得られるものであり、公知の各種発泡ポリウレタンの配合組成を用いることができる。 【0007】上記ポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ショ糖等の多価アルコールを開始剤としたアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのような多価フェノール類のアルキレンオキサイド付加物、リン酸、ポリリン酸(例えばトリポリリン酸やテトラポリリン酸)などの多価ヒドロキシ化合物、フェノール−アニリン−ホルムアルデヒド三元縮合生成物、アニリン−ホルムアルデヒド縮合生成物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン、4,4’-および2,4’-ジフェニルメタンジアミン、2,4-トリレンジアミン、2,6-トリレンジアミンなどのポリアミン類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイドなどの1種または2種以上を付加して得られるエーテルポリオール類またはポリテトラメチレンエーテルグリコールである。また、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-および1,4-ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物の1種または2種以上とマロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、セバシン酸、シュウ酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、へメリット酸などの少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物の1種または2種以上から得られたポリエステルポリオール、またはポリカプロラクトンなどの環状エステルの開環重合体類、エステル変性ポリオール、ウレタン変性ポリオール等も用いられる。 【0008】上記の各種ポリオールのヒドロキシル価の好ましい範囲は、20〜160mgKOH/gであり、これらのポリオールは単独又は混合して用いられる。 【0009】上記のイソシアネート化合物は特に限定はなく、芳香族系、脂環族系、脂肪族系のポリイソシアネート、及びそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートが用いられる。これらのイソシアネート化合物は、単独又は混合して用いられる。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネートなどが挙げられる。脂環族系イソシアネートとしては、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。 【0010】上記の触媒は、例えばアミン系触媒や有機金属系ウレタン触媒等の公知のものが用いられる。アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン等がある。また有機金属系ウレタン触媒としては、オクチル酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等がある。 【0011】発泡剤としては、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロフルオロエタン、トリクロロエタン等が挙げられる。 【0012】整泡剤としては、有機珪素界面活性剤等の公知のものが用いられる。有機珪素界面活性剤としては、例えば、日本ユニカー社製のL-520、L-532、L-540、L-544、L-3550、L-5740S、L-5740M、L-6202等があり、トーレシリコーン社製のSH-190、SH-192、SH-193、SH-194、SRX-294、SRX-298等があり、信越シリコーン社製のF-114、F-121、F-122、F-230、F-258、F-260B、F-317、F-341、F-601、F-606等がある。 【0013】本発明において積層体の製造に使用される発泡ポリウレタン又は発泡ポリウレタンシートとしては、柔軟性やコスト、フレームラミネート性、加水分解性の面から、ポリエーテル系ポリウレタンが好ましい。 【0014】本発明積層体における発泡ポリウレタン層の厚さは、0.1〜5mmに形成されるが、好ましくは0.1〜2mmである。発泡ポリウレタン層の厚さが薄くなり、0.1mm未満になると、2つの繊維質基材間の自由度が少なくなり、風合いが悪くなる。また発泡ポリウレタン層の厚さが厚くなり、5mmを越えると積層体が硬くなって柔軟性が低下する。 【0015】本発明で使用される発泡ポリウレタンシートの厚さとしては、0.85〜6mm程度が好ましく、フレームラミネートして積層体としたときに、残った発泡ポリウレタン層の厚さが0.1〜2mmとなるのがより好ましい。 【0016】本発明で使用される繊維質基材と発泡ポリウレタンシートの積層方法としては、溶剤系又はエマルジョン系接着剤を用いる方法や、熱ラミネートする方法、フレームラミネートする方法等があるが、コストや得られた積層体の風合い等からフレームラミネートする方法が好ましい。 【0017】発泡ポリウレタン層の三次元網目構造を部分的に破断させる方法としては、ロール間で積層体に圧力を加える方法等が挙げられる。加える圧力としては、1〜10t程度が好ましい。圧力が1t未満であると、発泡ポリウレタン層の三次元網目構造が全く破断されないおそれがあり、10tを越えると圧力を加えるロールが傷付き易くなったり、生産性が低下する虞がある。 【0018】また本発明でいう、発泡ポリウレタン層の三次元網目構造の部分的な破断とは、製造直後の積層体の発泡ポリウレタン層と比較して、発泡ポリウレタン層の三次元網目構造を構成しているセル骨格の1%以上100%未満が、分断されていることを示す。本発明積層体は、発泡ポリウレタン層の三次元網目構造が部分的に破断している構成を備えるため、2つの繊維質基材間の自由度が増し、非常に柔軟で風合いのよい積層体が得られる。この三次元網目構造の破断は、発泡ポリウレタン層の表面のみが破断しているのではなく、層の内部においても破断しているからである。積層体の柔軟で風合いが向上するのは、発泡ポリウレタン層と繊維質基材シートの間の接着力の低下によるものだけではない。また接着層が発泡ポリウレタン層ではなく、非発泡のポリウレタン層を用いたのでは、柔軟性や風合いの向上効果は得られない。 【0019】本発明において、得られる積層体の2つの繊維質基材どうしの間の中間層として形成される発泡ポリウレタン層は、崩壊剥離強度が200〜1500g/2.5cmである必要があり、好ましくは500〜1500g/2.5cmである。崩壊剥離強度が1500g/2.5cmを越える場合、発泡ポリウレタン層のセル骨格が太くなるか、あるいは強くなるため、発泡ポリウレタン層全体が硬くなって、積層体の風合いが低下する。また、崩壊剥離強度が200g/2.5cm未満では、耐洗濯性などが低下して繊維質基材が剥離しやすくなるため長期の使用に耐えられなくなる。尚、崩壊剥離強度は、発泡ポリウレタン層と繊維質基材とを剥離した場合に界面剥離ではなく発泡ポリウレタン層が凝集破壊する場合の剥離強度をいう。崩壊剥離強度はJIS L-1089に準拠する方法にて測定する。 【0020】本発明の積層体の製造方法は、繊維質基材上に発泡ポリウレタンシートをフレームラミネートして発泡ポリウレタン層を設ける工程と、該発泡ポリウレタン層のもう一方の面に別の繊維質基材とをフレームラミネートする工程と、得られた3層構造積層体を水に浸漬する工程(浸漬工程)と、水分を切る工程(水切工程)と、加温乾燥する工程(乾燥工程)とを有するものである。 【0021】積層体の浸漬工程においては、水に洗剤や柔軟剤等を添加することが好ましい。また水に浸漬する場合、撹拌することが好ましい。 【0022】積層体の生産性としては、長尺物とするのが一番効率がよいため、水分を切る工程としては、連続作業で行えるように、2つのロール間で圧力を加えて水分を切るようにするのが好ましい。 【0023】また上記の水に浸漬工程、水切り工程、及び乾燥工程は、この工程を順次行うサイクルを数回繰り返し行っても良い。 【0024】 【実施例】[実施例1〜3]実施例1として、ボア生地に厚さ2mmの発泡ポリウレタンシートをフレームラミネートした。さらにスエード生地に、ボア生地と発泡ポリウレタンシートをラミネートしたものをフレームラミネート法にてラミネートした。得られたボア生地/発泡ポリウレタン/スエード生地の積層体を柔軟剤を添加した水で洗浄し、2つのロール間で圧縮(ロール間の圧力は8t)することにより水分を切り、タンブラーにて乾燥させた。得られた積層体の発泡ポリウレタン層の厚さは、0.3mmであった。また、得られた積層体の2つの繊維質基材を剥がしてみると、中間層である発泡ポリウレタン層の三次元網目構造の一部が破断しているのが確認できた。実施例2として、発泡ポリウレタンシートの厚さを5mmとし、得られた積層体の発泡ポリウレタン層の厚さが3mmとなった以外は実施例1と同様の材料、製造方法を用いた。また、得られた積層体の2つの繊維質基材を剥がしてみると、中間層である発泡ポリウレタン層の三次元網目構造の一部が破断しているのが確認できた。実施例3として、裏面が起毛したスエード生地を使用した以外は、実施例1と同様の材料、製造方法を用いた。また、得られた積層体の2つの繊維質基材を剥がしてみると、中間層である発泡ポリウレタン層の三次元網目構造の一部が破断しているのが確認できた。 【0025】[比較例1〜4]比較例1として、発泡ポリウレタン層を形成させないように、実施例1と同様のボア生地及びスエード生地を溶剤系ポリウレタン接着剤を用いて貼り合わせた以外は実施例1と同様の材料、製造方法を用いた。比較例2として、発泡ポリウレタン層を形成させないように、実施例1と同様のボア生地及びスエード生地をエマルジョン系ポリウレタン接着剤を用いて貼り合わせた以外は、実施例1と同様の材料、製造方法を用いた。比較例3として、発泡ポリウレタン層を形成させないように、実施例と同様のボア生地及びスエード生地をエマルジョン系ポリウレタン接着剤を用いて点接着した以外は、実施例1と同様の材料、製造方法を用いた。比較例4として、実施例1と同様の材料を用いて、フレームラミネートして積層体を得た直後のものを試験した。 【0026】上記の実施例及び比較例について、接着層の崩壊剥離強度、剛軟度、風合い、耐洗濯性を評価した。尚、崩壊剥離強度はJIS L-1089に準拠する測定方法を用い、剛軟度はJIS L-1096に準拠する測定方法を用いた。 【0027】 【表1】
*1:風合いの評価基準◎:非常に風合いが良く、触った感じが心地よい○:風合いが良い×:ごわごわしている*2:耐洗濯性の評価基準◎:非常に耐洗濯性が良く、50回洗濯しても剥がれることがない○:5回洗濯しても積層体が剥がれることはない×:5回洗濯すると、端の方で剥がれるところが出てくる【0028】 【発明の効果】本発明は、上記のような構成とすることにより、柔らかく、風合いの良い繊維質基材を用いた積層体が得られる。特に、用いられる繊維質基材において、発泡ポリウレタン層に接する面や発泡ポリウレタンシートとラミネートされる面が、起毛している又は、バフがけ処理を施していると接着性が向上し、耐洗濯性が良好となる。本発明の積層体及び積層体の製造方法は、特に衣料用材料として好適に使用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000077 【氏名又は名称】アキレス株式会社 【識別番号】398045902 【氏名又は名称】日本ハイパイル工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月6日(2001.3.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077573 【弁理士】 【氏名又は名称】細井 勇
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| 【公開番号】 |
特開2002−254586(P2002−254586A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月11日(2002.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−62578(P2001−62578) |
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