| 【発明の名称】 |
ポリオレフィン多層フィルム |
| 【発明者】 |
【氏名】森田 真司
【氏名】根岸 和彦
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| 【要約】 |
【課題】水性インキとの付着性を阻害せず、且つ帯電防止性に優れたポリオレフィン多層フィルムを提供する。
【解決手段】多価アルコール脂肪酸の部分エステル、好ましくはグリセリン脂肪酸の部分エステルを0.1〜2重量%含むポリオレフィン組成物から得られうるポリオレフィンフィルム、好ましくは二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に印刷層、好ましくは水性インキ印刷層を有してなることを特徴とするポリオレフィン多層フィルムであるに関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】多価アルコール脂肪酸の部分エステルを0.1〜2重量%含むポリオレフィン組成物から得られうるポリオレフィンフィルムの少なくとも片面に印刷層を有してなることを特徴とするポリオレフィン多層フィルム。 【請求項2】印刷層が水性インキ印刷層である請求項1記載のポリオレフィン多層フィルム。 【請求項3】ポリオレフィンがポリプロピレンである請求項1若しくは2記載のポリオレフィン多層フィルム。 【請求項4】ポリオレフィンフィルムが二軸延伸されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン多層フィルム。 【請求項5】多価アルコール脂肪酸の部分エステルがグリセリン脂肪酸部分エステルである請求項1記載のポリオレフィン多層フィルム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、油性インキ層に限らず、水性インキ印刷層との付着性に優れ且つ帯電防止性を有するポリオレフィン多層フィルムに関する。 【0002】 【従来の技術】ポリプロピレンフィルムに代表されるポリオレフィンフィルムは、ポリアミドフィルム等の有極性ポリマーからなるフィルムに比べ帯電し易く、そのままで包装用フィルムに用いると空気中の埃を吸着したり、フィルム同志がブロッキングし易いことから、ほとんど例外なく、帯電防止剤が添加されている。しかしながら、帯電防止剤を添加したフィルム面に印刷、特に水性インキで印刷した場合は、帯電防止剤が水性インキの付着性を阻害することが知られている。 【0003】水性インキの付着性を阻害しない帯電防止剤として、N−エタノール酸アミドあるいはN,N−ジエタノール酸アミドを添加することが提案されている(特開平6−345904号公報、特開平7−164608号公報)。しかしながら、かかる構造の帯電防止剤を添加しても、水性インキとの付着性を未だ阻害することが分かった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは水性インキとの付着性を阻害せず、且つ帯電防止性に優れたポリオレフィンフィルムを開発すべく種々検討を行うことを目的とした。 【0005】 【課題を解決するための手段】即ち本発明は、多価アルコール脂肪酸の部分エステル、好ましくはグリセリン脂肪酸の部分エステルを0.1〜2重量%含むポリオレフィン組成物から得られうるポリオレフィンフィルム、好ましくは二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に印刷層、好ましくは水性インキ印刷層を有してなることを特徴とする水性インキとの付着性を阻害せず、且つ帯電防止性に優れたポリオレフィン多層フィルムである。 【0006】 【発明の具体的説明】ポリオレフィン本発明に係わるポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の、炭素数2〜10のα―オレフィンの単独重合体、若しくは2種以上のα―オレフィンの共重合体で、通常、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチルー1−ペンテン等として市販されている。 【0007】かかるポリオレフィンとしては、特に限定はされないが、通常MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)が0.5〜12g/10分のポリプロピレンがフィルムへの成形性、得られるフィルムの機械的強度に優れるので好ましい。かかるポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体若しくは0.1〜6モル%の少量のエチレン、1−ブテン等のα―オレフィンとのランダム共重合体あるいはそれらの混合物であっても良い。 【0008】多価アルコール脂肪酸の部分エステル本発明に係わる多価アルコール脂肪酸の部分エステルは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等の通常アルキル基の炭素数が7〜21の飽和脂肪酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸等との部分エステルである。かかる部分エステルとしては、具体的には、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンオレート、ジグリセリンカプリレート、ポリグリセリンモノステアレート等の(ポリ)グリセリンモノエステル、グリセリンモノ・ジステアレート、グリセリンモノ・ジ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンモノ・ジリシネート、グリセリンモノ・ジパルミテート、グリセリンモノ・ジベヘネート、グリセリンモノ・ジオレート等のモノ・ジエステル等が挙げられる。これらの中でも、(ポリ)グリセリンモノエステルが最も好ましい。 【0009】ポリオレフィン組成物本発明にかかわるポリオレフィン組成物は、上記ポリオレフィンに多価アルコール脂肪酸の部分エステルを0.1〜2重量%、好ましくは、0.2〜1重量%含むポリオレフィン組成物からなる。多価アルコール脂肪酸の部分エステルの含有量が0.1重量%未満では、ポリオレフィンフィルムにした場合フィルムの帯電防止効果の発現が不十分であり、一方2重量%を超えるとフィルムがブロッキングしたり、過剰の部分エステルがフィルム表面にブリードアウトしてフィルムの外観が損なわれる虞がある。 【0010】ポリオレフィンフィルム本発明に係わるポリオレフィンフィルムは、上記ポリオレフィン組成物から得られる得るフィルムである。かかるポリオレフィンフィルムは、無延伸フィルムでも、一軸若しくは二軸延伸フィルムの何れでも良いが、ポリプロピレン二軸延伸フィルムが、透明性、剛性、耐傷性等に優れているので好ましい。かかるポリオレフィンフィルムは種々公知の方法で得られる。ポリオレフィンフィルムの厚さは用途により適宜決められるが通常5〜100μm、好ましくは10〜40μmの範囲にある。 【0011】又、本発明に係わるポリオレフィンフィルムは、上記ポリオレフィン組成物から得られる単層フィルムでも良いし、かかる単層フィルムの片面あるいは両面に単層フィルムを形成するポリオレフィンに比べて低融点のポリオレフィン層、アンチ・ブロッキング剤を添加した層等、他の層が形成されていても良い。かかる他の層の厚さは通常0.5〜5μm、好ましくは0.5〜3μmの範囲にある。当該層が厚くなるとポリオレフィンフィルムに添加されている多価アルコール脂肪酸の部分エステルが当該層を通してフィルム表面に滲み出し難くなるので、得られるポリオレフィンフィルムの帯電防止効果が発現し難くなる虞がある。 【0012】本発明のポリオレフィンフィルムには、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、アンチ・ブロッキング剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリプロピレンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。 【0013】ポリオレフィン多層フィルム本発明のポリオレフィン多層フィルムは、上記ポリオレフィンフィルムの少なくとも片面に水性インキ印刷層、を有してなる。ポリオレフィンフィルムの水性インキが印刷される面は、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、火炎処理等の表面処理を行った方が、多価アルコール脂肪酸の部分エステルによる帯電防止効果が発現され、且つ、水性インキの接着性が向上するので好ましい。 【0014】本発明のポリオレフィン多層フィルムの水性インキ印刷層を形成する水性インキは種々公知のものが使用し得る。かかる水性インキとしては無機顔料、有機顔料からなる顔料及び染料である色料、樹脂を分散あるいは溶解したビヒクル及び界面活性剤、静電防止剤、消泡剤、可塑剤等の補助剤とから構成され、樹脂として水溶性アクリル共重合系樹脂、ポリエステル系樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリアミド樹脂等を例示できる。水性インキは少量、例えば40%以下のアルコールを含んでいても良い。又、本発明のポリオレフィン多層フィルムに、他の樹脂層、例えば低温ヒートシール性に優れた低融点のポリオレフィン層、ガスバリア性に優れたポリエステル、ポリアミド、エチレン・ビニルアルコール共重合体層等を積層しても良い。 【0015】 【発明の効果】本発明のポリオレフィン多層フィルムは、印刷層、中でも水性インキ印刷層のインキがポリオレフィンフィルムに充分に転写されているので印刷層が鮮明であり、しかも帯電防止性も優れるという特徴を有する。したがって、本発明のポリオレフィン多層フィルムはかかる特徴を活かして食品包装用フィルムをはじめ、カセットテープ、フロッピー(登録商標)ディスク等の電子情報材料の包装用フィルム、たばこ包装用フィルム等あらゆる分野の包装用フィルムに好ましく使用できる。 【0016】 【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。 【0017】実施例1グリセリンモノラウレート0.5重量%含む融点162℃、MFR2.0g/10分のポリプロピレン組成物をコア層とし、その両面(スキン層)をポリメチルメタクリレート粒子からなるアンチ・ブロッキング剤を0.12重量%含む融点162℃、MFR2.4g/10分のポリプロピレン組成物とした三層フィルムを押出し成形した後、縦方向の延伸倍率5倍(延伸温度115℃)、横方向の延伸倍率10倍(延伸温度160℃)で二軸延伸した後、片面(印刷面)をコロナ放電処理して、スキン層/コア層/スキン層:1μm/23μm/1μmからなる二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。ついで、得られた二軸延伸フィルムのコロナ放電処理した面に、東洋インキ製造株式会社製水性インキ(商品名JW220アクワエコール)を東洋インキ製造株式会社製溶剤(商品名AQ602F)で希釈し、縦50μm及び横50μmのセルを有するヘリオ版でグラビア印刷し、多層フィルムを得た。 【0018】得られた多層フィルムを以下の方法で評価した。〔印刷性〕セルからフィルムに転写されたインキの広がりを目視で観察し、版上のセル面積より2倍以上広がりを示したものを○、セル面積と同等〜2倍未満の広がりを示したものを△、セル面積未満の広がりしか示さないものを×とした。〔表面固有抵抗値〕グラビア印刷前のコロナ放電処理面を、アドバンテスト社製デジタル超高抵抗/微少電流計R8340A及びレジスティビティ・チェンバR12704Aを用い、JIS K6911に準拠して測定した。その結果、多層フィルムの印刷性は○、表面固有抵抗値は1.4×1013Ωで、印刷性及び表面固有抵抗値ともに良好な結果を示した。 【0019】実施例2実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、グリセリンモノパルミテートを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムの印刷性は○、表面固有抵抗値は3.6×1012Ωで、印刷性及び表面固有抵抗値ともに良好な結果を示した。 【0020】実施例3実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、グリセリンモノステアレートを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムの印刷性は○、表面固有抵抗値は2.2×1015Ωで、表面固有抵抗値はやや劣るが印刷性は良好な結果を示した。 【0021】実施例4実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、ジグリセリンモノステアレートを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムの印刷性は○、表面固有抵抗値は8.4×1015Ωで、表面固有抵抗値はやや劣るが印刷性は良好な結果を示した。 【0022】実施例5実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、トリグリセリンモノステアレートを0.25重量%添加した組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムの印刷性は○、表面固有抵抗値は8.3×1015Ωで、表面固有抵抗値はやや劣るが印刷性は良好な結果を示した。 【0023】実施例6実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、テトラグリセリンモノステアレートを0.25重量%添加した組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムの印刷性は○、表面固有抵抗値は5.7×1015Ωで、表面固有抵抗値はやや劣るが印刷性は良好な結果を示した。 【0024】比較例1実施例1で用いた組成物に代えて、グリセリンモノラウレートを添加しないを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムの印刷性は○であったが、表面固有抵抗値は5.7×1016Ωと高い値を示し帯電防止性に劣った。 【0025】参考例1実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、ラウリン酸ジエタノールアミドを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムは、表面固有抵抗値は5.3×1012Ωと低い値を示したが、印刷性は△と印刷性に劣るフィルムであった。 【0026】参考例2実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、パルミチン酸ジエタノールアミドを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムは、表面固有抵抗値は1.1×1012Ωと低い値を示したが、印刷性は△と印刷性に劣るフィルムであった。 【0027】参考例3実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、ラウリルジエタノールアミドを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムは、表面固有抵抗値は2.0×1011Ωと低い値を示したが、印刷性は△と印刷性に劣るフィルムであった。 【0028】参考例4実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、ミリスチルジエタノールアミドを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムは、表面固有抵抗値は1.4×1011Ωと低い値を示したが、印刷性は×と印刷性に劣るフィルムであった。 【0029】参考例5実施例1で用いたグリセリンモノラウレートに代えて、ベタインを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムは、表面固有抵抗値は4.3×1011Ωと低い値を示したが、印刷性は△と印刷性に劣るフィルムであった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000220099 【氏名又は名称】東セロ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月22日(2001.1.22) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−210901(P2002−210901A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月31日(2002.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2001−13221(P2001−13221) |
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