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【発明の名称】 射出成形機におけるパージ廃材の処理法と処理装置
【発明者】 【氏名】中込 松爾

【要約】 【課題】パージ廃材のその後の取扱いを容易にするための処理法と処理装置を提供する。

【解決手段】射出成形機の噴出ノズルNから送り出されるパージ廃材Mをその温度が保持されているうちに受入口2に投入する。受入口から入り込んだパージ廃材は切断手段7(8),10によって所定の長さに切断される。切断されたパージ廃材切断片Pは、切断と同時あるいは切断直後に冷却手段11によって冷却媒体と接触されて強制冷却される。冷却後の切断片は排出口13から排出される。切断から排出口に向け、パージ廃材切断片は案内手段8によって案内される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】成形機から排出されるパージ廃材を温度が保持されているうちに適宜長さに切断し、切断されたパージ廃材を、切断と略同時あるいは切断直後に冷却用媒体と接触させて強制冷却し、切断片の集合体とする、射出成形機におけるパージ廃材の処理法。
【請求項2】前記冷却用媒体が液体である、請求項1記載の射出成形機におけるパージ廃材の処理法【請求項3】前記冷却媒体が気体である、請求項1記載の射出成形機におけるパージ廃材の処理法【請求項4】射出成形機の噴出ノズルから送り出されるパージ廃材を温度が保持されているうちに受け入れる受入口と、受入口から入り込んだパージ廃材を温度が保持されているうちに所定の長さに切断する切断手段と、切断と同時あるいは切断直後にパージ廃材切断片を冷却媒体と接触させて強制冷却する冷却手段と、冷却後の切断片を排出する排出口と、上記切断手段から冷却手段を経て排出口へとパージ廃材切断片を案内する案内手段とを有する、ことを特徴とする、パージ廃材の処理装置。
【請求項5】前記切断手段は、回転刃とこの回転刃と共働して前記パージ廃材を所定長さに切断する固定刃とから成る、請求項4記載のパージ廃材の処理装置。
【請求項6】前記回転刃は、縦断面略正方形状を成し、中心部を回転軸に固定されるとともに4つの角部に切断刃が形成され、前記固定刃は、受入口の奥側にあって上記切断刃の回転軌跡上の一点と所要の間隙をもって対向して配設されている、請求項5記載のパージ廃材の処理装置。
【請求項7】前記冷却手段は、前記切断手段によって切断されたパージ廃材を受け入れ、冷却媒体によって切断片を冷却する冷却部を備える、請求項4記載のパージ廃材の処理装置。
【請求項8】前記冷却部の冷却媒体として水を用いる、請求項7記載のパージ廃材の処理装置。
【請求項9】前記冷却部の冷却媒体として空気を用いる、請求項7記載のパージ廃材の処理装置。
【請求項10】前記回転刃の切断刃が、前記案内手段を兼ねる、請求項6記載のパージ廃材の処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機におけるパージ廃材の処理法と装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】射出成形機で種類や色の異なる製品を成形する場合、加熱シリンダ内の成形材料をいったん抜き取って新しい材料に置き換える作業を行う。こうしたパージ作業では、通常、加熱シリンダに比較的固い次の成形材料や洗浄材料を送り込み、これに前の成形材料を付着させて除去する。加熱シリンダから送り出されるこれらパージ廃材Mは、従来、図5に示すように、成形機の噴出ノズルNから吐出してそのまま固まらせていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、パージ廃材Mは、冷えて固まると同図に見られるように全体が大きな一つの塊状をなす。このため、再利用する場合にはそのままでは通常の粉砕装置で粉砕しにくく細粒化がやっかいである。また、破棄するにも、かさばって取扱いが面倒となる。
【0004】本発明の目的は、パージ廃材を、再利用するにしろ、廃棄するにしろ、いずれにあってもその取扱いを容易にするための処理法と処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を達成するための手段】本発明は、上記した目的を達成するために次の構成を備える。すなわち、本発明方法は、先ず、成形機から排出されるパージ廃材を温度が保持されているうちに適宜長さに切断する。次いで、切断されたパージ廃材を、切断と略同時あるいは切断直後に冷却用媒体と接触させて強制冷却し、切断片の集合体とする。
【0006】本発明装置は、射出成形機の噴出ノズルから送り出されるパージ廃材をその温度が保持されているうちに受け入れる受入口を有する。また、受入口から入り込んだパージ廃材を温度が保持されているうちに所定の長さに切断する切断手段と、切断と同時あるいは切断直後にパージ廃材切断片を冷却媒体と接触させて強制冷却する冷却手段とを有する。更に、冷却後の切断片を排出する排出口と、切断手段から冷却手段を経て排出口へとパージ廃材切断片を案内する案内手段とを有する。
【0007】パージ廃材を切断する手段は、回転式やシャッタ式といった切断刃による機械的手段が望ましいが、これに限定されるものではない。圧縮エア等他の公知の適宜切断手段を採用できる。噴出ノズルから送り出された直後のパージ廃材は適度に柔らかいので、構成部材への負荷もあまりかかることはなく、大きな圧力も必要としない。
【00008】回転式の切断手段としては、例えば回転刃とこの回転刃と共働して前記パージ廃材を所定長さに切断する固定刃とから構成すると良い。回転刃は、例えば縦断面略正方形状を成し、中心部を回転軸に固定されるとともに4つの角部に切断刃が形成される。これに対応する固定刃は、受入口の奥側にあって切断刃の回転軌跡上の一点と所要の間隙をもって対向して配設される。回転刃の場合、固定刃と共働してパージ廃材を切断した後は、このパージ廃材切断片をそのまま排出口へと案内する案内部材を兼ねる配置にすることもできる。
【0009】冷却用媒体は、液体であると気体であるとを問わない。一般的には、水や空気が用いられる。冷却手段は、切断手段によって切断されたパージ廃材を受け入れ、冷却媒体によって切断片を冷却する冷却部を備える。案内手段は、切断後のパージ廃材切断片を冷却手段から排出口へと導く手段であれば、その構造の如何を問わない。排出口から排出された冷却後のパージ廃材切断片の集合体は、排出口近傍に配設される受け函など適宜の容器内に収容される。
【0010】
【実施の最良の形態】以下、本発明を図示した実施例に基づいて詳説する。図1は、本発明の一実施例に係る処理装置の概略断面図、図2は同装置の平面図である。
【0011】図中符号1は、本処理装置のケーシングで、その一側には、射出成形機の噴出ノズルNから送り出されるパージ廃材Mを連続的に受け入れる投入口2が上向きに形成されている。ケーシング1の中心部には、モータ3(図2参照)からの駆動力を受けて回転する回転軸4が軸受け部材5を介して横架されている。回転軸4の軸周には、キー6を介して回転刃7が固定されている。回転刃7は、縦断面略正方形状に形成され、4つの角部に切断刃8を有する。切断刃8から切断刃8にかけての回転刃の平坦な4つの周面9は、受入口2の元部開口2aをほぼ塞ぐに足る表面積を持つ。
【0012】受入口2の元部内面には、切断刃8の回転軌跡(図1に一点鎖線で図示)の一点と所要の切断間隙Sをもって対向する固定刃10が取付けられている。固定刃は10、間隙中のパージ廃材Mを切断刃8と共働して一定長さに切断する。固定刃10は、切断刃8との切断間隙Sが調整できるように前後に移動可能に固定されている。
【0013】回転刃7の下方には、回転刃7の下部を収容するとともにパージ廃材Mの切断片Pを冷却する冷却空間11が形成されている。冷却空間内には、冷却水が注排水可能に充填されている。図中符号12は冷却水の供給管路で、図示しない基端を冷却水供給源に接続し、先端を冷却空間11に向けて開口させてある。冷却空間11は、回転刃7の回転に伴い、切断片Pが切断刃8に案内されて上手側から下手側に移動できるように浅めに形成されている。
【0014】ケーシング1の他側には、冷却された切断片Pを排出する排出口13が冷却空間11に隣接して設けられている。なお、図中符号14は排出口13の下方に配設された切断片Pの受け箱である。
【0015】本装置の使用状態を説明する。パージ作業を終えて成形機の噴出ノズルNから送り出されたパージ廃材Mは、その温度が保持された状態のまま受入口2からケーシング内に入り込む。ケーシング内では、回転刃7が受入口2の元部開口2aをほぼ塞ぐようにしてゆっくりと回転している。固定刃10と回転刃7との間に生じる間隙Sは、切断刃8が固定刃10に接近して切断作業を行うときもっとも小さくなる(切断間隙)。切断間隙以外のときは、図3に見られるように固定刃10に対して回転刃7の周面9が対向しており、比較的広い間隙Sが確保される。したがって、受入口2に進入したパージ廃材Mは、先ず、回転刃7の周面9に案内され、回転刃7と固定刃10との比較的広い間隙Sを通過する。その後、回転刃7の切断刃8が固定刃10と対向する位置に達したところで、切断されて切断片Pとなる。このとき、パージ廃材Mは温かい状態にあるから、切断刃8あるいは回転刃7の回転力に負荷がかかることはない。
【0016】切断片Pは、そのまま冷却空間内に入り込み、冷却水によって冷やされる。回転刃7の切断刃8は、切断片Pの後端(切断端)を押すようにして冷却空間内を案内し、下手側へと移動させる。冷却空間11を通過した切断片Pは、ケーシング1の他側にある排出口13から排出され、受け箱内に落下する。各切断片Pは表面温度が低下しているので、受け箱内でくっ付き合うことはない。成形機の噴出ノズルNから送り出される速度や回転刃7の回転速度は、それぞれ等速に維持されているので、各切断片Pは、ほほ同じ長さの小片となる。受け箱内に滴下した冷却水の一部は、受け箱下部に介装した網板15を通過して受け箱底部に溜まる。溜まった冷却水は、ドレイン抜き16から外部に排出される。
【0017】図4は、本発明の他の実施例に係る装置の概略構成図である。この装置では、冷却空間の冷却媒体としてエアを用いる。冷却空間21を仕切るケーシング底壁にエア通路22が形成されている。エア通路22の基端は、管路を介して図示しないエア供給源と連通され、エア通路22の先端は冷却空間内にエアを噴射する噴射口22aとなっている。また、ケーシング底壁の表面には、エアの流れを誘導する案内溝23が形成されている。その他の構成は、上記した実施例と同じであるので、同一符号を付することによってその説明を省略する。
【0018】本実施例では、冷却室内に送り込まれた切断片Pは、エア噴射口22aから噴射されるエアによって冷却され、冷やされた切断片Pとなって受け箱内に集積される。水を用いる場合とは異なり、切断片Pを常時乾燥状態に保つことができる。したがって、受け箱内の切断片Pは、そのまま粉砕装置に投入されて再利用資源となる。
【0019】本発明においては、冷却用媒体として水や空気以外にも各種溶液や冷却気体などを用いることができる。また、パージ廃材の切断手段は、切断刃付きの回転刃と固定刃の組合せに限られるものではなく、パージ廃材を噴射ノズルから送り出されて温かいうちに切断可能な切断手段であれば、その構造の如何を問うものではない。ケーシング内での冷却手段や案内手段の位置や大きさも他の構成部材との関係で適宜設定される。冷却作用は、パージ廃材が完全に切断片となってからであっても、切断と同時に冷却を行うものであっても良い。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば次の効果を奏する。請求項1の方法あるいは請求項4の装置は、パージ廃材を、温度が保持されているうちに適宜長さに切断し、強制的に冷却して切断片の集合体にするので、成形機から送り出されたパージ廃材が大きな塊になるのを防止でき、パージ廃材のの取扱いをいたって容易にすることができる。特に、請求項3や請求項9の発明は、冷却媒体に気体を用いるので、切断片を常時乾燥状態に保つことができる。
【0021】また、パージ廃材を切断片にするにあたり、パージ廃材が温かく、柔らかなうちにこれを行うので、切断手段に大きな負荷がかかることがない。
【0022】更に、請求項5の発明は、切断刃が冷却手段内を通過して冷却媒体と接触するので、切断時に切断刃に付着したパージ廃材を自動的に除去でき、切断作用の低下を招きにくい。
【出願人】 【識別番号】592113843
【氏名又は名称】日水化工株式会社
【出願日】 平成13年6月13日(2001.6.13)
【代理人】 【識別番号】100085475
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 茂樹
【公開番号】 特開2002−361683(P2002−361683A)
【公開日】 平成14年12月18日(2002.12.18)
【出願番号】 特願2001−178150(P2001−178150)