| 【発明の名称】 |
真空熱圧着器 |
| 【発明者】 |
【氏名】長田 義寛
|
| 【要約】 |
【課題】真空熱圧着器において、簡単な構成で冷却水によるワークの冷却を可能とする。
【解決手段】ガラスG1,G2、デザインフィルムFを積層させてワークWを構成する。ワークWを圧着させるためのバキューム部材12と、ワークWを加熱するためのヒータ14とを別構成とする。ヒータ14による加熱終了後に、バキューム部材12によるワークWの圧着状態を維持したままで、開閉蓋を開放位置に移動させてヒータ14をバキューム部材12の上面から退避させることができる。またバキューム部材12の上面には防水シート25と縁部材26とによって冷却水受けが形成されているので、この冷却水受けを利用して冷却水により防水シート25を介してワークWを冷却することができる。防水シート25の上面に冷却水受けを設けた簡単な構成で冷却水によるワークWの冷却が可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 厚さの薄い少なくとも2枚の処理対象物を積層状態で圧着させて加熱する真空熱圧着器において、積層状態の前記処理対象物を下方から支持する支持手段と、前記支持手段上の前記処理対象物を上方から覆うとともに、前記支持手段との間に形成される密封空間の空気が抜かれることで、前記支持手段との間に前記処理対象物を挟み込む吸着手段と、前記支持手段に対して開閉自在で、前記支持手段の上方を覆う閉鎖位置と、前記支持手段の上方を開放する開放位置とをとる開閉手段と、前記開閉手段に取り付けられ、前記開閉手段が前記閉鎖位置に配置されることで前記吸着手段の上面に当接し、前記吸着手段を介して前記処理対象物を加熱する加熱手段と、を備え、前記吸着手段を前記支持手段に対して着脱自在に構成するとともに、前記吸着手段の上面に冷却水受けを形成する、ことを特徴とする真空熱圧着器。 【請求項2】 前記吸着手段は、前記支持手段上の前記処理対象物を上方から覆って前記支持手段との間に前記密封空間を形成する可撓性の防水シートと、前記防水シートの周縁部に上向きに突設されて前記防水シート上の冷却水の漏洩を防止する土手状の縁部材と、によって前記冷却水受けを構成する、ことを特徴とする請求項1に記載の真空熱圧着器。 【請求項3】 前記加熱手段は、前記開閉手段が前記閉鎖位置に配置されたときに前記防水シートの上面に密着される面状のヒータである、ことを特徴とする請求項2に記載の真空熱圧着器。 【請求項4】 前記支持手段は、前記処理対象物が載置されるベースプレートと、前記ベースプレートを下方から支持する下フレームと、前記下フレームと前記ベースプレートとの間に介装されて前記ベースプレートの上下動を許容する弾性部材と、を有する、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の真空熱圧着器。 【請求項5】 前記ベースプレートと、前記ベースプレート上に載置される前記処理対象物との間に、着脱自在な放熱板を介装する、ことを特徴とする請求項4に記載の真空熱圧着器。 【請求項6】 前記放熱板と、前記ベースプレート上に載置される前記処置対象物との間に、着脱自在な断熱シートを介装する、ことを特徴とする請求項5に記載の真空熱圧着器。 【請求項7】 前記開放手段が前記開放位置に配置された状態において、前記面状のヒータは、圧着状態にある前記吸着手段の前記冷却水受けよりも高い位置に配置される、ことを特徴とする請求項3ないし6のいずれか記載の真空熱圧着器。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えばガラスとガラスとの間や、ガラスと金属板との間にフィルムを挟み込んで圧着し加熱して張り合わせるのに使用される真空熱圧着器に関する。 【0002】 【従来の技術】ガラスとガラスとの間にフィルムを挟みこんで接着する真空熱圧着器が知られている。この真空熱圧着器は、圧着部と加熱部とを有している。ガラス、専用接着剤、フィルム、専用接着剤、ガラスを順次に重ね合わせ、これらを圧着部により厚さ方向に圧着し、この圧着状態を維持して加熱部により加熱して接着剤を溶融させ、その後、冷却して接着剤を固化させる。これにより、2枚のガラスとフィルムとを張り合わせて合わせガラスを製造することができる。このような合わせガラスは、飛散防止ガラスとして、例えば乗用車の窓ガラスや住宅用の窓ガラスに使用される。 【0003】一方、上述のフィルムとして、デザインフィルム(例えば、絵柄付のホワイトフィルム)を使用した場合には、いわゆるクリスタルアートと呼ばれる装飾品を作ることができる。また、2枚のガラスのうち一方を金属板に代えた場合には、いわゆるメタルアートと呼ばれる、同じく装飾品を作製することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述の真空熱圧着器における冷却は、自然冷却(空冷方式)で行われるのが一般的である。その理由の1つは、例えば水冷方式を採用すると、冷却のための特別な装置が必要となり、その分、真空熱圧着器の構成が複雑となって大型化してしまうという点があげられる。 【0005】しかしながら、空冷方式によると、冷却効率が低いために例えばクリスタルアートの製造に多くの工数がかかるという問題がある。 【0006】そこで、本発明は、冷却効率の高い水冷方式でありながら、しかも構成の簡単な真空熱圧着器を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明は、厚さの薄い少なくとも2枚の処理対象物を積層状態で圧着させて加熱する真空熱圧着器において、積層状態の前記処理対象物を下方から支持する支持手段と、前記支持手段上の前記処理対象物を上方から覆うとともに、前記支持手段との間に形成される密封空間の空気が抜かれることで、前記支持手段との間に前記処理対象物を挟み込む吸着手段と、前記支持手段に対して開閉自在で、前記支持手段の上方を覆う閉鎖位置と、前記支持手段の上方を開放する開放位置とをとる開閉手段と、前記開閉手段に取り付けられ、前記開閉手段が前記閉鎖位置に配置されることで前記吸着手段の上面に当接し、前記吸着手段を介して前記処理対象物を加熱する加熱手段と、を備え、前記吸着手段を前記支持手段に対して着脱自在に構成するとともに、前記吸着手段の上面に冷却水受けを形成する、ことを特徴としている。 【0008】この請求項1の発明によると、処理対象物を圧着させるための構成と、加熱するための構成とが別構成となっているので、加熱手段による加熱終了後に、吸着手段による処理対象物の圧着状態を維持したままで、開閉手段を開放位置に移動させて加熱手段を吸着手段の上面から退避させることができる。そして、吸着手段の上面には冷却水受けが形成されているので、この冷却水受けを利用して冷却水により吸着手段を介して処理対象物を冷却することができる。従来の空冷方式(自然冷却)に比べて、冷却効率を高めることができる。しかも、吸着手段の上面に冷却水受けを設けるといった簡単な構成で、水冷方式を実現することができる。 【0009】請求項2に係る本発明は、請求項1に記載の真空熱圧着器において、前記吸着手段は、前記支持手段上の前記処理対象物を上方から覆って前記支持手段との間に前記密封空間を形成する可撓性の防水シートと、前記防水シートの周縁部に上向きに突設されて前記防水シート上の冷却水の漏洩を防止する土手状の縁部材と、によって前記冷却水受けを構成する、ことを特徴としている。 【0010】この請求項2の発明によると、冷却水受けは、可撓性の防水シートの周縁部に土手状の縁部材を設けた簡単な構成で実現することができる。なお、防水シートは、支持手段との間に密封空間を形成して支持手段との間に処理対象物を挟み込むための部材としても使用され、またこの防水シートの周縁部の縁部材も、同様に処理対象物を挟み込むための部材の一部としても使用される。言い換えると、冷却水受けの構成要素である防水シートと縁部材とのいずれもが、冷却水による冷却のための専用の部材ではなく、処理対象物を圧着するための吸着手段としても作用する。つまり、冷却水を使用するための特別な(専用の)構成は設けていない。したがって冷却水を使用するものでありながら、特に構成を複雑にするようなことはない。 【0011】請求項3に係る本発明は、請求項2に記載の真空熱圧着器において、前記加熱手段は、前記開閉手段が前記閉鎖位置に配置されたときに前記防水シートの上面に密着される面状のヒータである、ことを特徴としている。 【0012】この請求項3の発明によると、処理対象物の加熱に際し、防水シートの上面に面状のヒータを密着させているので、温度分布が偏ることがなく、処理対象物全体を均一に加熱することができる。このことは、積層状態の処理対象物を、支持手段上に複数個並べて同時に加熱するような場合、各処理対象物間で品質のばらつきをなくして均質なものを作製できることを意味している。 【0013】請求項4に係る本発明は、請求項1ないし3のいずれか記載の真空熱圧着器において、前記支持手段は、前記処理対象物が載置されるベースプレートと、前記ベースプレートを下方から支持する下フレームと、前記下フレームと前記ベースプレートとの間に介装されて前記ベースプレートの上下動を許容する弾性部材と、を有する、ことを特徴としている。 【0014】この請求項4の発明によると、弾性部材によってベースプレートの上下動が許容されるので、開閉手段を閉鎖位置に配置して加熱手段を吸着手段の上面に当接させたとき(面状のヒータを防水シートの上面に密着させたとき)に、良好な当接(密着)を行うことができるので、吸着手段(防水シート)を介して処理対象物に対して均一に熱を付与することができる。 【0015】請求項5に係る本発明は、請求項4に記載の真空熱圧着器において、前記ベースプレートと、前記ベースプレート上に載置される前記処理対象物との間に、着脱自在な放熱板を介装する、ことを特徴としている。 【0016】この請求項5の発明によると、処置対象物とベースプレートとの間に放熱板を介装することにより、加熱時に処理対象物からベースプレートに伝達される熱を低減させることができる。 【0017】請求項6に係る本発明は、請求項5に記載の真空熱圧着器において、前記放熱板と、前記ベースプレート上に載置される前記処置対象物との間に、着脱自在な断熱シートを介装する、ことを特徴としている。 【0018】この請求項6の発明によると、断熱シートにより、処理対象物の熱がベースプレート側に逃げないようにすることができるので、処理対象物を効率よく加熱することができる。 【0019】請求項7に係る本発明は、請求項3ないし6のいずれか記載の真空熱圧着器において、前記開放手段が前記開放位置に配置された状態において、前記面状のヒータは、圧着状態にある前記吸着手段の前記冷却水受けよりも高い位置に配置される、ことを特徴としている。 【0020】この請求項7の発明によると、例えば、ヒータが電気を使用するものである場合、このヒータが冷却水受けよりも高い位置に配置されているので、冷却水を使用した冷却時に、この冷却水がヒータにかかりにくくすることができる。また、万一、冷却水受けから冷却水が漏れた場合でも、漏れた冷却水がヒータに入り込むようなことがない。したがってヒータに冷却水が進入することに起因する漏電を有効に防止することができる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。 【0022】<実施の形態1>図1〜図5に、本発明に係る真空熱圧着器10の一例を示す。このうち図1は、支持部材(支持手段)11に対して開閉蓋(開閉手段)13を開放位置に配置した状態を正面の斜め上方から見た斜視図、図2は、バキューム部材(吸着手段)12、放熱板35、断熱シート36の積層状態を示す図であって図1と同方向の斜視図、図3は、開閉蓋13の一部を上方から見た拡大図、図4は、図1におけるX−X線矢視拡大図、図5は、図1におけるY−Y線矢視拡大図である。ただし、図5は、ワークW(後述)の加熱時の縦断面図を示している。 【0023】なお、以下では、図5に示すように、この真空熱圧着器10で、厚さの薄い処理対象物としての2枚の透明なガラスG1,G2の間に、同じく厚さの薄い処理対象物としてのデザインフィルム(絵柄付のホワイトフィルム)Fを挟み込んで接着して、クリスタルアートを製造する場合を例に説明する。また、以下では、積層状態の複数枚の加工対象物全体を「ワークW」というものとする。 【0024】図1〜図5に示す真空熱圧着器10は、支持手段としての支持部材11と、吸着手段としてのバキューム部材12と、開閉手段としての開閉蓋13と、加熱手段としてのヒータ14とを備えている。以下、この順に詳述する。 【0025】支持部材11は、ベースプレート15と、下フレーム16と、弾性部材17(図5参照)とを有している。 【0026】このうちベースプレート15は、四角の板状の部材によって形成されていて、その上面は、ワークWが載置される載置面15aとなっている。ベースプレート15における右端部近傍には、図4に示すように吸引口18が下方から取り付けられている。この吸引口18には、パイプ20が接続され、さらにパイプ20にはジョイント21、ジョイント21にはホース22が接続され、そして、ホース22は真空ポンプ23(図1参照)に接続されている。吸引口18には、ベースプレート15の載置面15a上に構成される後述の密封空間S(図5参照)に開口する透孔18aが穿設されており、この透孔18aは、パイプ20、ジョイント21、ホース22を介して真空ポンプ23に連通されている。したがって、真空ポンプ23を駆動することにより、この透孔18a等を介して、密封空間S内から空気を抜き取ることができるようになっている。 【0027】また、下フレーム16は、図1に示すように複数のパイプ状のフレーム材を前後方向及び左右方向に並べて相互に連結することにより構成されている。すなわち、前後方向の4本のフレーム材16a,16b,16c,16dと、左右方向の2本のフレーム材16e,16fとを相互に連結して枠状の下フレーム16を構成している。ただし、図1においては、フレーム材16b,16c,16fは、そのジョイントの部分を指し示している。前後方向のフレーム材16a,16dの前端には、開閉蓋13を閉鎖位置に配置したときに、後述の上フレーム30の一部に係脱可能なフック19a,19bが設けてある。上述の前後方向の4本のフレーム材のうちの最も左側に位置するフレーム材16aの後側には、シリンダ24の一方の端部が連結されている。なお、シリンダ24の他方の端部は、後述の上フレーム30に連結されている。 【0028】また、弾性部材17は、本実施の形態では合計4個のものが、上述の下フレーム16とベースプレート15との間に介装されてベースプレート15の上下動を許容している。このうち、1個の弾性部材17は、図5に示すように、前後方向のフレーム材16cの後側部分における上部と、ベースプレート15の下面との双方に接着剤で接着されている。他の3個の弾性部材(不図示)も同様の構成であり、配設位置は、フレーム材16cの前側部分と、フレーム材16bの前側部分と後側部分とである。このように、ベースプレート15は、4個の弾性部材17によって下フレーム16によって支持されているので、後述のように、開閉蓋13を閉鎖位置に配置してヒータ14をバキューム部材12の防水シート25の上面に密着させたときに、良好な密着を実現することができる。これにより、ヒータ14は防水シート25を介してワークWに対して均一に熱を付与することができる。弾性部材17は、例えば、発泡ウレタン(スポンジ)によって形成することができる。 【0029】バキューム部材12は、上述のベースプレート15の載置面15aに載置されたワークWを上方から覆ってベースプレート15との間に密封空間Sを形成する可撓性の防水シート25と、この防水シート25の周縁部に上向きに突設されて防水シート25上の冷却水の漏洩を防止する土手状の縁部材26とを有しており、これら防水シート25と縁部材26とによって防水シート25の上面に冷却水受けを構成している。また、縁部材26の下面26aには、その全周にわたって帯状に、シール部材27が取り付けられている。縁部材26の外周は、上述のベースプレート15の外周とほぼ一致するように形成されており、バキューム部材12を、その外周をベースプレート15の外周にあわせるようにしてベースプレートの載置面15aに載置すると、防水シート25の下面と、ベースプレート15の載置面15aと、シール部材27とによって囲まれた部分に密封空間Sが形成される。この状態において、上述の吸引口18はシール部材27の内側、つまり密封空間S内に透孔18aを開口させるようになっている。防水シート25としては、例えば防水性及び耐熱性を有するゴムシートを使用することができる。本実施の形態では、バキューム部材12は、他の部材とは個別に形成されていて、ベースプレート15に対して着脱自在となっている。なお、バキューム部材12は、ベースプレート15の載置面15aを開閉できるように、例えば、下フレーム16によって支持するようにしてもよい。 【0030】開閉蓋13は、ヒータ14を保持する保持プレート28と、この保持プレート28を支持する上フレーム30とを有している。 【0031】このうち保持プレート28は、上述のベースプレート15とほぼ同形に形成された板状の部材である。 【0032】また、上フレーム30は、前後方向の2本のフレーム材30a,30bと、左右方向の3本のフレーム材30c,30d,30eとを相互に連結させることにより枠状に形成されている。前後方向のフレーム部材30a,30bの後端は、前述の下フレーム16の前後方向のフレーム材16a,16dの後端に揺動可能に連結されている。これにより、上フレーム30は、下フレーム16に対して開閉可能となっている。上フレーム30と、下フレーム16との間には、上述のシリンダ24が介装されている。上フレーム30は、このシリンダ24により、閉鎖位置と開放位置との間の任意の位置で、停止できるようになっている。前後方向のフレーム30a,30bの前端側には、上述のフック19a,19bが係脱される係合部31a,31bが設けてある。なお、開閉蓋13を閉鎖位置に配置し、フック19a,19bを係合部31a,31bに係合させた状態において、左右方向のフレーム材30cは、真空熱圧着器10全体を持ち運ぶ際の把手(とって)として作用する。 【0033】また、ヒータ14は、上述の保持プレート28の下面に固定されている。ヒータ14は、熱伝導率が高くて軽い部材、例えばアルミニウムで形成された熱板32と、その周囲に土手状に設けられた枠部材33と、熱板32を加熱するための発熱部材(不図示)とを有する面状のヒータである。ヒータ14は、前述のバキューム部材12をベースプレート15の載置面15aに載置し、開閉蓋13を閉鎖位置に配置すると、バキューム部材12の縁部材26の内側にちょうど入る大きさに形成されている。さらに、このときヒータ14の枠部材33は、ワークWや後述の断熱シート36や放熱板35よりも外側に位置するようになっている。これにより、熱板32を防水シート25の上面に密着させることが可能となる。保持プレート28の上面の前側における左端側には、図3に示すように、ヒータ14の温度調整ダイヤル34が配置されている。 【0034】本実施の形態においては、さらに、ベースプレート15の載置面15aと、ワークWとの間に、着脱自在な放熱板35が下方に、また着脱自在な断熱シート36が上方に重なるようにして介装される。放熱板35は、金属性の金網状の部材であり、全体としての表面積が大きくなるように構成されている。また、断熱シート36は、例えば、テフロン(デュポン社の登録商標)製の袋にフェルトマットを挿入して作製したものである。 【0035】上述構成の真空熱圧着器10は、以下のようにしてワークWを圧着し、加熱し、冷却してクリスタルアートを製造することができる。 【0036】まず、デザインフィルム(絵柄付のホワイトフィルム)Fを作製する。 【0037】原稿をホワイトフィルムにカラーコピーし、コピー後のホワイトフィルムの絵柄の上に指定のガラスをおいて、カッターでガラスの大きさにカットする。カット後、ホワイトフィルムを中性洗剤で水洗いして油分を洗い流す。水洗い後、タオルで水分を拭き取って乾燥させる。これでデザインフィルムFが完成する。 【0038】ワークをセットする。 【0039】図5に示すように、ガラスG1、シート状の専用接着剤(不図示)、デザインフィルムF、シート状の専用接着剤(不図示)、ガラスG2の順に重ね合わせてワークWを形成し、これをセロテープ(登録商標)等で仮止めする。これでワークのセットが終了する。 【0040】真空熱圧着器10の開閉蓋13を開けて開放位置に配置し、真空熱圧着器10の電源を入れて、温度調整ダイヤル34により、ヒータ14を所定の温度に加熱する。 【0041】ベースプレート15上面の載置面15aに、放熱板35、断熱シート36、ワークWの順に重ねる。そして、ワークWの上にバキューム部材12をかぶせる。これにより図5に示すように、ベースプレート15の載置面15aと防水シート25とシール部材27との間に密封空間Sが形成される。 【0042】真空ポンプ23のスイッチを入れて、密封空間Sから空気を抜いて、積載面15aと防水シート25との間にワークWを挟み込んで圧着する。このとき断熱シート36がクッションとして作用するので、良好な圧着を行うことができる。 【0043】密封空間Sから空気が完全に抜けて、ワークWに対して防水シート25が密着状態になったのを確認した後、温度計(不図示)によって熱板32の温度を測定する。熱板32の中央に温度計を垂直に立てて、温度が90〜95℃前後になるのを確認したら、開閉蓋13を閉じて閉鎖位置に配置して、熱板32を防水シート25の上面に密着させる。この際、前述したように、ワークWを支持しているベースプレート15が弾性部材17を介して下フレーム16により上下動可能に支持されているので、熱板32は防水シート25上面に良好に密着される。 【0044】10分間の加熱が終了した後、開閉蓋13を開いて開放位置に配置する。ワークWの温度を防水シート25の上から測定し、80℃に達していることを確認したら、真空ポンプ23を作動させたままの状態で、ワークWを冷却する。冷却水を十分に含ませたタオルを、防水シート25の上からワークWの部分にあてて冷却水によりワークWを冷やすのである。タオルが温まったら、一旦タオルを絞って、再び冷却水をタオルに含ませ、防水シート25の上からワークWを冷やす。このような冷却水による冷却を、防水シート25の上から測ったワークWの温度が30℃以下になるまで繰り返す。本発明においては、前述のように防水シート25と縁部材26とによって冷却水受けを構成し、この冷却水受けによって冷却水を滞留させることができるので、冷却水が漏れ出るようなことはない。 【0045】ワークWの温度が30℃以下になったら、真空ポンプ23のスイッチを切って、バキューム部材12を取り除く。 【0046】以上で、クリスタルアートが完成する。 【0047】なお、上述のワークWにおいて、一方のガラスG1を金属板に代えた場合には、メタルアートを作成することができる。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、処理対象物を圧着させるための構成と、加熱するための構成とを別構成とすることにより、加熱手段による加熱終了後に、吸着手段による処理対象物の圧着状態を維持したままで、開閉手段を開放位置に移動させて加熱手段を吸着手段の上面から退避させることができ、また吸着手段の上面には冷却水受けが形成されているので、この冷却水受けを利用して冷却水により吸着手段を介して処理対象物を冷却することができる。このように、空冷方式に比べて冷却効率の高い水冷方式を、吸着手段の上面に冷却水受けを設けるといった簡単な構成で実現することができる。水冷方式により、冷却時間を大幅に短くして、全体の処理時間を短縮することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】501210179 【氏名又は名称】株式会社クリエイティブジョイ
|
| 【出願日】 |
平成13年5月28日(2001.5.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082337 【弁理士】 【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−347116(P2002−347116A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月4日(2002.12.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−159584(P2001−159584) |
|