| 【発明の名称】 |
ポリエステルフィルム |
| 【発明者】 |
【氏名】竪 雅司
【氏名】三橋 勝三
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| 【要約】 |
【課題】幅広い温度域において、優れた電気特性、機械的特性および耐熱性を有するコンデンサ用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】エチレンナフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる2軸配向フィルムであって、240℃における熱収縮率が12%以下であることを特徴とするコンデンサ用ポリエステルフィルム。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エチレンナフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる2軸配向フィルムであって、240℃における熱収縮率が12%以下であることを特徴とするコンデンサ用ポリエステルフィルム。 【請求項2】 150℃における熱収縮率が1.0%以下であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ用ポリエステルフィルム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、優れた電気特性、機械的特性および耐熱性を有するコンデンサ用ポリエステルフィルムに関する。 【0002】 【従来の技術】コンデンサの1形態として、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどの結晶性ポリマーからなる二軸配向フィルムに金属蒸着等によって金属薄膜を設けたフィルムコンデンサーがある。フィルムコンデンサーは、その他のコンデンサと同様に各種用途に用いられているが、近年、電気回路あるいは電子回路の小型化要求に伴い、小型化や実装可能化が押し進められており、耐熱性向上や薄物化が求められており、耐熱性と薄肉化の両要求を同時に満足させる素材として、新たにポリエチレンナフタレートが注目され、その使用が広がりつつある。特に、自動車エンジンルーム内等の苛酷な熱的環境で使用される用途などでの使用例が増えているが、優れた耐熱性である故に高温環境下の使用において、軟化しにくく破断等しにくい等の機械的性質の点においては十分であっても、電気特性の点で必ずしも十分といえる状態ではない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、幅広い温度域において、優れた電気特性、機械的特性および耐熱性を有するコンデンサ用ポリエステルフィルムを提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討の結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、エチレンナフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる2軸配向フィルムであって、240℃における熱収縮率が12%以下であることを特徴とするコンデンサ用ポリエステルフィルムに存する。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸成分とグリコール成分とが重縮合されたポリマーであって、ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、あるいはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられ、グリコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。本発明でいうエチレンナフタレートとは、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールとが縮合したエステル単位をいう。 【0006】本発明のフィルムは、エチレンナフタレートを主たる繰り返しエステル単位とするポリエステルからなるが、ここでいう主たる繰り返し単位とするというのは、具体的には全エステル単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上を繰り返し単位とするこという。一般に、コンデンサに限らず金属蒸着を要するフィルム用途においては、蒸着時の表面性状を平坦に保つために、むしろ熱収縮することを歓迎する傾向にあるが、本発明のフィルムは、240℃における熱収縮率が12%以下、好ましくは10%以下であることを特徴の一つとするものである。熱収縮率が12%を超えると、焼鈍過程で絶縁抵抗が低下するため好ましくない。240℃における熱収縮率を12%以下とする方法としては、二軸延伸後に十分な高温で熱固定を施すなど方法が挙げられる。 【0007】なお、従来のコンデンサ用ポリエチレンナフタレートフィルムにおいても“熱収縮率を低減すること”が電気特性改良効果を有していることは知られている。例えば特開平10−163064号公報では、電気特性改良の観点より150℃での熱収縮率を2%以下とすることが推奨されている。ところが、150℃における熱収縮率の序列と240℃における熱収縮率の序列とは一般的には独立であり、低温領域の熱収縮率が低減されても、200℃を超える高温域での熱収縮率は必ずしも低減されているとは限らず、焼鈍過程での電気特性低下の防止には直結していない。ただし、実際にコンデンサとして使用される環境においては、100〜150℃での熱収縮挙動も重要であることから、150℃における熱収縮率も1.0%以下、さらには0.7%以下であることが推奨される。 【0008】本発明のフィルムは、コンデンサの誘電体として使用されることから大容量化のためには可能な限り薄肉であることが望まれる。このため、ポリエステルフィルムコンデンサにおいては、通常1.5〜12μmのフィルムが使用されるのが一般的である。特に、数μmの極薄フィルムにおいては、長手方向の引張強さが220MPa以上、ヤング率が6.0GPaであることがより好ましい。また、一定以上の強度を保持し、かつ、良好な電気特性を保持する観点からは、フィルムの固有粘度は0.50dl/g以上、さらには0.60dl/g以上であることが望ましい。さらに、高温熱処理時の熱劣化による固有粘度低下を抑止する観点からは、末端カルボキシル基濃度は50当量/トン以下であることが望ましい。 【0009】本発明のフィルムは、その特性を損ねない限りにおいて、種々の添加剤を含有させたり、表面処理を行うことができる。例えば、フィルムの滑り性を付与するために、各種滑剤粒子を含有させることができる。用いる粒子としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等々の無機化合物や、ポリスチレン等々の有機化合物が例として挙げられる。これらのほか、熱安定化剤を含有させたり、フィルム表面のアルミ蒸着易接着性付与のためのコート層を設けたりコロナ放電処理、プラズマ処理を施すことも可能である。 【0010】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例において、「部」とあるのは重量部の意味である。 【0011】(1)熱収縮率(%) 試料フィルムを長手方向、横方向に平行に幅20mm長さ1000mmに切り出し、両表面に(株)ニッカ製ニッカリコをまぶし、イナートオーブンにて窒素気流下所定温度にて3分間の熱処理を施した。ただし、寸法固定されないように自由端として熱処理を施した。熱処理後直ちに冷水に浸漬し急冷し、表面を水洗後試料を取り出し、長さL(mm)を測定し下式に従ってかかる温度における長手方向・横方向それぞれの熱収縮率を算出した上、大きい方の値を該試料の熱収縮率とした。 熱収縮率(%)=(1−L/1000)×100【0012】(2)絶縁抵抗(Ω) 試料フィルムをチップ型積層フィルムコンデンサとしたうえで、当該コンデンサを200℃5時間窒素雰囲気下で熱処理を施した後、コンデンサの絶縁抵抗を求め、高温耐熱性を以下の3段階に分類した。 ○(良好) 絶縁抵抗≧1.0×109△(使用可) 1.0×107≦絶縁抵抗<1.0×109×(不可) 絶縁抵抗<1.0×107【0013】(3)静電容量変化率(%) 試料フィルムをチップ型積層フィルムコンデンサとしたものの静電容量Cを求めた。さらに、当該コンデンサを、温度85℃湿度85%の環境下で100Vの直流電圧を印加しつつ1000時間保持した後、再び静電容量C’を求め、下式に従って静電容量変化率を算出した。 静電容量変化率(%)=(1−C’/C)×100得られた静電容量変化率より実用耐熱性を以下の3段階に分類した。 ○(良好) |静電容量変化率|≦10%△(使用可) 10<|静電容量変化率|<25%×(不可) |静電容量変化率|≧25%【0014】(4)固有粘度(dl/g) 試料をフェノール/テトラクロロエタン等重量比混合溶媒に溶解する。濃度の異なる4水準の溶液の比粘度を求め、濃度に対する2次関数として回帰を行い、1次項の係数を固有粘度とした。 【0015】(5)引張り強さ(MPa) 試料フィルムを幅15mmの矩形に切り出し、引張試験機で区間長を50mmとして200mm/分の引張速度で伸長し、引張り強さすなわち破断時の応力を求めた。 【0016】(6)ヤング率(GPa) 試料フィルムを幅20mmの矩形に切り出し、引張試験機で区間長を300mmとして30mm/分の引張速度で伸長し、ヤング率を求めた。 【0017】(ポリエステルの製造)ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100部、エチレングリコール65部およびエステル交換触媒として酢酸マグネシウム0.09部を使用し、常法に従いエステル交換反応を行った後、平均粒子径1.5μm無定形シリカ粒子のエチレングリコールスラリー添加した。次いで燐酸0.03部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を添加し、常法に従って重縮合反応を進め、ポリエステルaを得た。得られたポリエステルaの固有粘度は0.70dl/g、シリカ含有濃度は0.1部であった。 【0018】実施例1ポリエステルaをベント式2軸押出機にて減圧脱水しながら300℃で溶融し、Tダイよりシート状に押し出した後、静電印加しながら冷却ドラムに密着させ直ちに60℃にまで急冷し実質的に非晶質のフィルムを得た。得られた非晶質フィルムをロール延伸機にて140℃で長手方向に4.5倍延伸を施した。次に、かかる1軸延伸フィルムをテンター延伸機にて、160℃で横方向に4.1倍延伸を施し、引き続きテンター延伸機内にて240℃で幅方向に9%の幅弛緩を施しながら熱固定1秒間を実施し、更に定幅で240℃の熱固定を1秒間施した。室温まで冷却後、フィルムを巻き上げ、厚さ3.7μmのフィルムを得た。フィルムの固有粘度は0.65dl/g、長手方向の引張り強さは240MPa、長手方向のヤング率は6.6GPaであった。 【0019】実施例2幅弛緩しながらの熱固定後の定幅熱固定の温度を160℃とした以外は実施例1と同様にして、厚さ3.5μmのフィルムを得た。フィルムの固有粘度は0.64dl/g、長手方向の引張り強さは250MPa、長手方向のヤング率は6.5GPaであった。 【0020】比較例1横延伸後に幅弛緩しながらの熱固定を行わず、定幅で240℃2秒間の熱固定を施すのみとした以外は実施例1と同様にして、厚さ3.7μmのフィルムを得た。フィルムの固有粘度は0.64dl/g、長手方向の引張り強さは240MPa、長手方向のヤング率は6.6GPaであった。 【0021】 【表1】
【0022】 【発明の効果】本発明のフィルムは、電機特性、機械的特性および耐熱性に優れ、コンデンサ用途において有用であり、その工業的価値は高い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000108856 【氏名又は名称】三菱化学ポリエステルフィルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月21日(2001.5.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−337226(P2002−337226A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月27日(2002.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−150442(P2001−150442) |
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