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【発明の名称】 木目調クッション材の製造方法及び木目調クッション材
【発明者】 【氏名】原田 貴光

【要約】 【課題】どのような形状に裁断されても天然木材に近い木目模様が表れ、しかも構造がシンプルである木目調クッション材1の提供。

【解決手段】木目調クッション材1には、木目模様が形成されている。この木目模様は、木目調クッション材1の内部にまで至っている。従って、いかなるカット面で木目調クッション材1が裁断されても、カット面に木目模様が表れる。この木目調クッション材1を得るには、まず発泡剤が配合されたポリマー組成物からなりこげ茶色に着色された第一シートと、同様のポリマー組成物からなりうす茶色に着色された第二シートとが重ね合わされる。次にこれが筒状に巻かれ、成形型に投入されて加熱される。すると発泡剤が発泡し、発泡成形体が得られる。この発泡成形体が所定寸法に裁断されることにより、木目調クッション材1が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 共に発泡剤を含むポリマー組成物からなり、かつ互いに色目の異なる2種以上のシートを重ね合わせ、これを巻いて筒体を得る工程と、この筒体を成形型に投入して加熱し、発泡剤を発泡させて発泡成形体を得る工程と、を含む木目調クッション材の製造方法。
【請求項2】 請求項1に記載の製造方法によって得られた木目調クッション材。
【請求項3】 遊技用ブロック、履物用ソール、敷物、住宅用壁材、住宅用床材、段差解消スロープ、被覆用筒材、コーナークッション又は座面クッションに用いられる請求項2に記載の木目調クッション材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば積み木等の遊技用ブロック;履物用ソール;床敷き、簀の子等の敷物;住宅用壁材;住宅用床材;段差解消スロープ;机の脚部、椅子の脚部等のための被覆用筒材;コーナークッション;便座等の座面クッションに適した木目調クッション材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木造住宅の壁材には、木目調のものが好まれて用いられることがある。また、この壁材には、クッション性が要求されることもある。このような要求に応ずる目的で、発泡シートの表面に木目模様の化粧層が貼り合わされたクッション材が提案されている。
【0003】このクッション材では木目模様は表面にのみ形成されているので、裁断して用いられる場合はカット面に木目が表れないという問題がある。また、化粧層の貼り合わせは発泡シートの表面が平坦である場合は容易であるが、例えば丸め処理が施されたコーナー部のような湾曲面を発泡シートが有している場合は、貼り合わせに困難を伴う。また、化粧層によって発泡シートの特性(クッション性、風合い、耐薬品性、耐光性、耐腐食性、防火性、耐スリップ性等)が損なわれてしまうことがある。さらに、化粧層の貼り合わせは材料数の増加と工程の複雑化とを招くので、製造コストの観点からも好ましいことではない。
【0004】発泡シートの表面に木目模様の印刷が施されたクッション材も提案されている。このクッション材の場合も、前述のクッション材と同様に、カット面に木目模様が表れないこと、発泡シートの表面が湾曲している場合は印刷が困難であること、印刷によって発泡シートの特性が損なわれるおそれがあること、工程が複雑化すること等の問題がある。
【0005】ポリマー組成物を押し出してシート材を得るに際し、ポリマー組成物に配合される顔料の分散を不均一とすることで表面に木目調模様が形成されたクッション材も提案されている。このクッション材が、図4に示されている。このクッション材51では、押出方向(図4において矢印Aで示される方向)に方向性を持った模様が形成される。従って、得られる模様が単調である。また、通常は輪状の模様は形成されにくい。従って、天然木材の木目からはかけ離れた模様となってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、どのような形状に裁断されても天然木材に近い木目模様が表れ、しかも構造がシンプルである木目調クッション材の提供をその目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するためになされた発明は、共に発泡剤を含むポリマー組成物からなり、かつ互いに色目の異なる2種以上のシートを重ね合わせ、これを巻いて筒体を得る工程と、この筒体を成形型に投入して加熱し、発泡剤を発泡させて発泡成形体を得る工程と、を含む木目調クッション材の製造方法、である。
【0008】この製造方法では、互いに色目の異なる2種以上のシートが用いられているので、この色目の相違に起因して発泡成形体に模様が形成される。シートが巻かれているため、得られる模様は天然木材の年輪に近似したものとなる。この模様は発泡成形体の表面のみならず内部にまで形成されるので、この発泡成形体がどのような形状に裁断された場合でも、得られる木目調クッション材の表面には天然木材に近い木目模様が表れる。この木目調クッション材では、表面に化粧層が貼り合わせられる必要がなく、また、木目模様の印刷が施される必要もない。
【0009】この木目調クッション材は発泡剤の発泡によって形成された気泡を含んでいるので、衝撃吸収性能に優れる。従って、遊技用ブロック、履物用ソール、敷物又は住宅の壁材若しくは床材としての使用に好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、実施形態に基づいて本発明が詳説される。
【0011】図1は、本発明の一実施形態にかかる木目調クッション材1が示された斜視図である。この図から明らかなように、木目調クッション材1の形状は板状である。もちろん、木目調クッション材1が塊状等の形状とされてもよく、また、湾曲面を備えた形状とされてもよい。
【0012】図1から明らかなように、木目調クッション材1は木目模様を備えている。後に詳説されるように、この木目模様は天然木材の木目に極めて近い。従って、審美性に優れ、見る者の趣味感を満足させるものである。この木目調クッション材1は、木造住宅等にも違和感なく使用されうる。また、サンダル等の履物に使用されれば、ファッション性が向上する。
【0013】木目調クッション材1は、ポリマー組成物から成形されている。用いられる基材ポリマーとしては、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、各種合成ゴム等が挙げられる。これらのポリマーは、単独で、又は2種以上が混合されて用いられうる。これらのポリマーのなかでも、焼却処分された場合に有害物質が発生しないポリオレフィン系プラスチック(エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等)が好ましく、形状復元力に優れるエチレン酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
【0014】木目調クッション材1は、気泡を含んでいる。このため、柔軟で且つ衝撃吸収性能に優れる。従って、この木目調クッション材1が遊技用ブロック(例えば積み木)として用いられた場合は、これで遊ぶ幼児等にとって安全である。また、サンダル等の履物のソールに用いられた場合は、着用者の足に加わる衝撃が低減される。また、敷物、壁材、床材等として用いられた場合も、居住者(特に老人や乳幼児)の安全が図られる。さらに、気泡を含む木目調クッション材1は断熱性にも優れるので、敷物、壁材、床材等として用いられた場合には省エネルギーにも寄与しうる。木目調クッション材1が壁材として用いられる場合は、例えば内壁の内側に木目調クッション材1が貼り付けられる。木目調クッション材1が床材として用いられる場合は、例えば床板の上に木目調クッション材1が貼り付けられる。
【0015】木目調クッション材が段差解消スロープとして用いられてもよい。この場合は、木目調クッション材は傾斜面を備えた形状に成形される。木目調クッション材は天然木材に近い木目模様を備えているので、木造住宅の段差部に用いられても違和感を生じさせない。
【0016】また、木目調クッション材が筒状に成形されてもよい。筒状の木目調クッション材は、机の脚部のための被覆用筒材として用いられる。また、筒状の木目調クッション材は、室内用椅子、屋外用椅子、車椅子、シャワーキャリー等の椅子の脚部や肘掛け部のための被覆用筒材としても用いられる。被覆用筒材により、乳幼児や高齢者が机や椅子に頭をぶつけた場合のけがが防止される。木目調クッション材は天然木材に近い木目模様を備えているので、特に木製の机や椅子に用いられた場合に、違和感を生じさせないという効果を発揮する。
【0017】同様に、住宅や家具のコーナークッションとして木目調クッション材が用いられた場合も、乳幼児や高齢者のけがが防止される。木目調クッション材は天然木材に近い木目模様を備えているので、木造住宅や木製家具に用いられても違和感を生じさせない。
【0018】木目調クッション材が、便座の座面クッションとして用いられてもよい。木目調クッション材は柔軟であり、かつ多孔質なため陶器等の便座に比べて暖かみがあるので、着座する者が快適である。また、木目調クッション材が室内用椅子、屋外用椅子、車椅子、シャワーキャリー等の椅子の座面クッションとして用いられてもよい。
【0019】木目調クッション材が簀の子として用いられてもよい。この場合は、木目調クッション材単体で簀の子が形成されてもよく、また、硬質プラスチック(ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル)、繊維強化樹脂、木材等の硬質材からなる本体の表面に木目調クッション材が積層されることによって簀の子が形成されてもよい。木目調クッション材は柔軟であり、かつ暖かみがあるので、簀の子を利用する者が快適である。また、簀の子を利用するものが転倒した場合でも、木目調クッション材によって人体に及ぶ衝撃が緩和される。
【0020】木目調クッション材1に含まれる気泡は、独立気泡であっても連続気泡であっても構わない。形状復元力等の観点からは、独立気泡が好ましい。一方、通気性等の観点からは、連続気泡が好ましい。気泡は、通常は熱分解型発泡剤の発泡によって形成される。用いられる熱分解型発泡剤としては、例えばアゾ化合物、ニトロソ化合物、トリアゾール化合物等が挙げられる。
【0021】木目調クッション材1の発泡倍率(気泡が存在する場合の密度に対する気泡が存在しない場合の密度の比)は、1.5倍以上20倍以下が好ましく、3倍以上10倍以下が特に好ましい。発泡倍率が上記範囲未満であると、木目調クッション材1の衝撃吸収性が不十分となることがある。逆に、発泡倍率が上記範囲を超えると、木目調クッション材1の強度が不足することがある。
【0022】木目調クッション材1には、例えば酸化ケイ素、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ゴム粉、樹脂粉末等の充填剤が適量配合されてもよい。充填剤の配合により、木目調クッション材1の表面の手触り感及び風合いが天然木材と近くなる。
【0023】木目調クッション材1には、前述の発泡剤及び充填剤の他、発泡助剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、軟化剤、加工助剤、架橋剤、増量剤等の添加剤が、必要に応じ適量配合されてもよい。
【0024】この木目調クッション材1を得るには、まず基材ポリマー、発泡剤、発泡助剤、着色剤(例えば顔料)、充填剤、各種添加剤等をニーダー等の密閉式混練機で混練し、ポリマー組成物を得る。次に、このゴム組成物をロール機、カレンダー、押出機等でシート状とし、図2に示されるように矩形である第一シート2を得る。この第一シート2の色目は、こげ茶色である。
【0025】次に、同様の方法にて、第一シート2と同一寸法の第二シート3を得る。この第二シート3の色目は、うす茶色である。このうす茶色の色目は、第二シート3に配合される着色剤の量を第一シート2の配合量よりも少なくすることによって得られる。もちろん、種類の異なる着色剤が用いられることによって、第一シート2と第二シート3との色目が異ならされてもよい。
【0026】次に、図3(a)に示されるように、1枚の第一シート2と2枚の第二シート3とが重ね合わされる。そして、これらが重ね合わされたまま、図3(b)に示されるようにその一端から巻き取られ、筒体が得られる。筒体の巻きがばらけないように、筒体が紐状体で結ばれてもよい。この紐状体は、第一シート2及び第二シート3と類似の材質のものが好ましい。具体的には、第一シート2及び第二シート3と同一の基材ポリマーが用いられ、発泡剤を含む紐状体が好ましい。また、紐状体の色目は、第一シート2及び第二シート3のうちのいずれか一方と同一とされるのが好ましい。
【0027】次に、板状のキャビティ部を備えた成形型に、筒体が投入される。投入数は1本でもよく、複数本(例えば数本)であってもよい。そして、プレス機によって成形型が型締めされ、加熱される。加熱温度は、発泡剤の分解温度よりも高い温度に設定される。加熱によって発泡剤が発泡してシート2、3が膨張し、キャビティ面に沿った形状の発泡成形体が得られる。この発泡成形体が所定寸法に裁断されることによって、図1に示された木目調クッション材1が得られる。もちろん、裁断されることなく、発泡成形体がそのまま木目調クッション材1とされてもよい。
【0028】発泡成形体には、第一シート2の色目と第二シート3の色目とが異なることに起因して、模様が生じる。前述のようにシート2、3は巻き取られて成形型に投入されるので、生じる模様は天然木材の年輪に近似した模様となる。この模様は発泡成形体の表面から内部に至るまで形成されているので、この発泡成形体がいかなる箇所で裁断されても、そのカット面に木目模様が表れる。発泡成形体から湾曲面を備えたもの(例えば球状体)が切り出されても、その表面には木目模様が存在する。湾曲面を備えた木目調クッション材1は化粧層貼り合わせや印刷では製造に困難が伴うが、本発明の製造方法によれば比較的容易に得られる。さらに、出荷された後の木目調クッション材1が施工現場等で裁断(二次加工)されても、そのカット面にも木目模様が表れる。
【0029】この木目調クッション材1では、化粧層貼り合わせや印刷によって木目模様が形成される必要がない。従って、クッション性、風合い、耐薬品性、耐光性、耐腐食性、防火性、耐スリップ性等の特性が化粧層や印刷層によって損なわれてしまうことがない。もちろん、必要に応じ、木目調クッション材1の表面にクリヤー層、非透水性層、難燃層等が設けられてもよい。
【0030】この木目調クッション材1では1枚の第一シート2と2枚の第二シート3とが用いられているが、例えば3枚以上の第二シート3が用いられてもよく、第一シート2と第二シート3とが同数ずつ用いられてもよい。また、互いに厚みの異なる第一シート2及び第二シート3が用いられることにより、両者のボリュームが異ならされてもよい。第一シート2と第二シート3とのボリュームの比率は、木目模様における色相の薄い部分と濃い部分との比率として表れる。
【0031】この木目調クッション材1では、図3(b)に示されるように各シート2、3が一端から巻かれているが、例えばコーナー部から斜め方向に巻かれてもよい。また、単に一方向から連続的に巻き取るのではなく、巻き取り状態を不連続又は不均一としてもよい。これらの工夫が施されることによって、変化に富んだ美しい木目模様が形成されうる。
【0032】この木目調クッション材1ではこげ茶色の第一シート2とうす茶色の第二シート3とが用いられているが、各シート2、3の色目はこれには限られない。両者が目視で区別でき、模様が形成されうるものであれば、いかなる色目のシート2、3が用いられてもよい。また、互いに色目の異なる3種以上のシートが用いられてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の製造方法によれば、天然木材に近い木目模様を備えた木目調クッション材が容易に得られる。この木目模様は、カット面の如何にかかわらず表面に表れる。この木目調クッション材は、クッション材本来の特性を備えたものである。
【出願人】 【識別番号】591091618
【氏名又は名称】株式会社タイセイ
【出願日】 平成13年4月12日(2001.4.12)
【代理人】 【識別番号】100107940
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 憲吾
【公開番号】 特開2002−337177(P2002−337177A)
【公開日】 平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願番号】 特願2001−113785(P2001−113785)