| 【発明の名称】 |
成型金型、及びこれを用いた成型品の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】下村 尚登
【氏名】高橋 恵一
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| 【要約】 |
【課題】成型部材と下部金型との間の空間部を外部と連通させることによって、容易に成型部材を取り出せる成型金型、及びこの成型金型を使用して容易に成型部材を取り出せる成型品の製造方法を提供すること。
【解決手段】第2の金型26は、第1の金型25を外した際に、成型部材35を保持可能であり、第2の金型26には、保持された成型部材35を押し出すイジェクトピン31が移動可能に収納されると共に、キャビティ27と外部を連通する連通孔26cが設けられ、成型部材35を押し出す際に、成型部材35と第2の金型26との間に形成される空間部36に連通孔26cから空気が流入する構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の金型と、該第1の金型に合わされると共に、この第1の金型との間にキャビティを形成する第2の金型と、前記キャビティ内へ射出された溶融樹脂が固化して形成される成型部材を押し出すイジェクトピンとを備え、前記第2の金型は、前記第1の金型を外した際に、前記成型部材を保持可能であり、前記第2の金型には、前記保持された成型部材を押し出す前記イジェクトピンが移動可能に収納されると共に、前記キャビティと外部を連通する連通孔が設けられていることを特徴とする成型金型。 【請求項2】 前記第2の金型には、前記連通孔が分散して複数個設けられていることを特徴とする請求項1に記載の成型金型。 【請求項3】 前記成型部材は絶縁体と該絶縁体に埋設された接点板を有し、該接点板は前記連通孔を塞ぐ位置に設けられたことを特徴とする請求項1、又は2に記載の成型金型。 【請求項4】 前記接点板は固定接点を有し、該固定接点は前記連通孔を塞ぐ位置に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の成型金型。 【請求項5】 前記第1の金型には、前記溶融樹脂を射出する際、前記接点板もしくは固定接点を押圧して、該押圧面と反対面を前記第2の金型側に押しつける抑えピンが移動可能に収納され、該抑えピンの径が前記連通孔の径よりも大きいことを特徴とする請求項3、又は4に記載の成型金型。 【請求項6】 前記成型部材は、前記接点板が埋設された底壁部と該底壁部と一体に設けられた側壁部とを有するケースを備え、前記側壁部は前記第2の金型に設けられた凹部内に保持可能であり、前記イジェクトピンは前記側壁部の頂部を押圧可能であることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の成型金型。 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載した成型金型を備え、前記溶融樹脂の射出によって前記キャビティ内に前記成型部材を形成した後に、前記第1の金型を外し、前記イジェクトピンによって前記第2の金型に保持された前記成型部材を押し出す際に、前記成型部材と前記第2の金型との間に形成される空間部に前記連通孔から空気が流入することを特徴とする成型品の製造方法。 【請求項8】 前記接点板もしくは前記固定接点を前記連通孔を塞ぐ位置に設けた状態で、前記溶融樹脂が前記キャビティ内に射出されることを特徴とする請求項7に記載の成型品の製造方法。 【請求項9】 前記連通孔の径よりも径の大きい前記抑えピンが前記接点板もしくは固定接点を押圧して、該押圧面と反対面を前記第2の金型側に押しつけた状態で、前記溶融樹脂が前記キャビティ内に射出されることを特徴とする請求項7、又は8に記載の成型品の製造方法。 【請求項10】 前記第1の金型を外した後、前記成型部材の前記側壁部は前記第2の金型に設けられた前記凹部に保持され、前記イジェクトピンによって前記側壁部の頂部を押圧して、前記成型部材を取り出すことを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の成型品の製造方法。 【請求項11】 前記成型部材は、前記接点板が埋設されたケース付きのスイッチ部品で構成されたことを特徴とする請求項7〜10の何れかに記載の成型品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、テレビ等の部品として使用される合成樹脂の成型品を製造するための成型金型、及びこの成型金型を用いて合成樹脂の成型品を製造する製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の成型金型、及びこれを用いた成型品の製造方法の図面を説明すると、図17は従来の成型金型の要部断面図、図18、図19は従来の成型品の製造方法を示した説明図である。 【0003】従来の成型金型及びこれを用いた成型品の製造方法を図17〜図19に基づいて説明すると、上部金型50は、上下に貫通する複数の貫通孔50aと、下面に形成された第1の凹部50bとを有する。また、下部金型51は、リング状をなした第2の凹部51aと、この第2の凹部51aの一部に連通して外部に延びるように形成されたゲート51bと、第2の凹部51aの底部から下方に延びて形成された細孔51cとを有し、上部金型50と下部金型51とが合わされて、第1、第2の凹部50b、51aによってキャビティ52が形成される。 【0004】抑えピン53は、金属製からなる円柱であり、貫通孔50a内に隙間なく、上下動可能に保持されている。イジェクトピン55は、金属製の細棒からなり、細孔51c内に上下動可能に収納されている。 【0005】従来の成型金型は上記のような構成を有し、次にこの成型金型を用いた成型品の製造方法について説明すると、まず、金属製のフープ材からなり、複数の固定接点54aが形成された接点板54を上部金型50と下部金型51との間のキャビティ52内に配置して、この上部金型50と下部金型51を型締めする。この時、抑えピン53によって固定接点54aを下部金型51の表面に押しつける。その後、溶融されたポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性の樹脂を、ゲート51bからキャビティ52内に射出、充填し、所定の時間その状態で放置して固化て、接点板54を埋設した状態で、成型部材60が成型される。 【0006】成型部材60は、接点板54が埋設された底壁部60aと、該底壁部60aから立設された側壁部60bとを有し、側壁部60bが第2の凹部51a内に位置した状態で、キャビティ52内で成型される。そして、上部金型50を外し、イジェクトピン55で側壁部60bの頂部を押圧すると、成型部材60が押し出されて成型品であるケースが製造される。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】従来の成型金型は上記のような構成を有し、上記のような成型金型で成型品を製造した場合、イジェクトピン55によって成型部材60を押し出す際、成型部材60の内壁面と下部金型51との間に形成される空間部61が密閉状態となっているので、イジェクトピン55を相当の力で押し出す必要がある。この時、図19に示すように側壁部60bが強引に押圧されるため、底壁部60aが変形するという問題があった。このとき、底壁部60aをイジェクトピン55で押圧することが考えられるが、接点板54の形状が複雑であると、接点板54を傷つけて接触不良が生ずる恐れがあり、また、固定接点54aを直接傷つける恐れもあり、採用できなかった。 【0008】本発明はかかる課題に対してなされたものであり、成型部材と下部金型との間の空間部を外部と連通させることによって、容易に成型部材を取り出せる成型金型、及びこの成型金型を使用して容易に成型部材を取り出せる成型品の製造方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための第1の手段として、本発明の成型金型は、第1の金型と、該第1の金型に合わされると共に、この第1の金型との間にキャビティを形成する第2の金型と、前記キャビティ内へ射出された溶融樹脂が固化して形成される成型部材を押し出すイジェクトピンとを備え、前記第2の金型は、前記第1の金型を外した際に、前記成型部材を保持可能であり、前記第2の金型には、前記保持された成型部材を押し出す前記イジェクトピンが移動可能に収納されると共に、前記キャビティと外部を連通する連通孔が設けられている構成とした。 【0010】また、第2の手段として、本発明の成型金型の前記第2の金型には、前記連通孔が分散して複数個設けられている構成とした。 【0011】また、第3の手段として、本発明の成型金型の前記成型部材は絶縁体と該絶縁体に埋設された接点板を有し、該接点板は前記連通孔を塞ぐ位置に設けられた構成とした。 【0012】また、第4の手段として、本発明の成型金型の前記接点板は固定接点を有し、該固定接点は前記連通孔を塞ぐ位置に設けられた構成とした。 【0013】また、第5の手段として、本発明の成型金型の前記第1の金型には、前記溶融樹脂を射出する際、前記接点板もしくは固定接点を押圧して、該押圧面と反対面を前記第2の金型側に押しつける抑えピンが移動可能に収納され、該抑えピンの径が前記連通孔の径よりも大きい構成とした。 【0014】また、第6の手段として、本発明の成型金型の前記成型部材は、前記接点板が埋設された底壁部と該底壁部と一体に設けられた側壁部とを有するケースを備え、前記側壁部は前記第2の金型に設けられた凹部内に保持可能であり、前記イジェクトピンは前記側壁部の頂部を押圧可能である構成とした。 【0015】また、第7の手段として、本発明の成型金型を用いた成型品の製造方法は、前記成型金型を備え、前記溶融樹脂の射出によって前記キャビティ内に前記成型部材を形成した後に、前記第1の金型を外し、前記イジェクトピンによって前記第2の金型に保持された前記成型部材を押し出す際に、前記成型部材と前記第2の金型との間に形成される空間部に前記連通孔から空気が流入する構成とした。 【0016】また、第8の手段として、本発明の成型金型を用いた成型品の製造方法は、前記接点板もしくは前記固定接点を前記連通孔を塞ぐ位置に設けた状態で、前記溶融樹脂が前記キャビティ内に射出される構成とした。 【0017】また、第9の手段として、本発明の成型金型を用いた成型品の製造方法は、前記連通孔の径よりも径の大きい前記抑えピンが前記接点板もしくは固定接点を押圧して、該押圧面と反対面を前記第2の金型側に押しつけた状態で、前記溶融樹脂が前記キャビティ内に射出される構成とした。 【0018】また、第10の手段として、本発明の成型金型を用いた成型品の製造方法は、前記第1の金型を外した後、前記成型部材の前記側壁部は前記第2の金型に設けられた前記凹部に保持され、前記イジェクトピンによって前記側壁部の頂部を押圧して、前記成型部材を取り出す構成とした。 【0019】また、第11の手段として、本発明の成型金型を用いた成型品の製造方法の前記成型部材は、前記接点板が埋設されたケース付きのスイッチ部品で構成されることとした。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の成型金型、及びこれを用いた成型品の製造方法の図面について説明すると、図1は本発明の成型金型によって製造された成型品が使用されている多方向入力装置の上面図、図2は図1の2−2線における断面図、図3は本発明の成型金型によって製造された成型品が使用されている多方向入力装置の分解斜視図、図4は本発明の成型金型によって製造された成型品が使用されている多方向入力装置に係る下ケースの下面図、図5は図4の5−5線における断面図、図6は本発明の成型金型によって製造された成型品が使用されている多方向入力装置に係る下ケースのスイッチの要部拡大断面図である。 【0021】また、図7は本発明の成型金型によって製造された成型品が使用されている多方向入力装置に係る操作部材の要部断面図、図8は本発明の成型金型によって製造された成型品が使用されている多方向入力装置に係る各部材が埋設された支持部材の下面図、図9は図8の9−9線における断面図、図10、図11は、本発明の成型金型によって製造された成型品が使用されている多方向入力装置の動作説明図、図12は本発明の成型金型の第1の実施の形態における要部断面図、図13、図14は本発明の成型品の製造方法の第1の実施の形態を示した説明図である。 【0022】本発明の成型金型の第1の実施の形態によって製造される成型品は、多方向入力装置の下ケース1として利用され、まずはこの多方向入力装置について説明する。下ケース1は、図3〜図5に示すように、8角形状の平板からなる底壁部2と、底壁部2の外周側縁から立設された側壁部3とを有し、底壁部2は、中央に形成された上下に貫通し、同一円周上に配設された扇状の4個の第1の孔2aと、これ等の第1の孔2a間に位置して十字状に形成されている受け部2bと、第1の孔2aを挟むような位置に形成されている一対の第2の孔2cとを有している。また、底壁部2は、図3に示すように、上面に互いに対向するように4箇所に設けられた突起2dを有し、また、図4、図5に示すように、下面の外縁に対向するように設けられた複数の凹部2eを有している。 【0023】側壁部3は、中央に突出する突出部3cが形成された第1の側壁部3aと、第1の側壁部3aに隣り合う第2の側壁部3bとで構成されており、この第1、第2の側壁部3a、3bが交互に円周上に配設されて1つの8角形状の側壁部3が形成されている。 【0024】金属板からなる第2の固定接点4は、丸形状の接点部4aと、該接点部4aから外方に延びる端子部4bとを有しており、接点部4aは第1の孔2aの上方を塞いだ状態で底壁部2の表面に露出し、端子部4bは外方に向かって埋設された後裏面に露出し、再び埋設されて側面に突出し、先端が折り曲げられて凹部2eに収納されている。このように埋設された第2の固定接点4の接点部4aの背面には、中央部を通って十字状横切るように受け部2bが位置し、接点部4aの背面はこの受け部2bによって支持された状態となっている。 【0025】金属板からなるコモン接点5は、弓状をなす基部5aと、基部5aの両端の先端に位置する長方形状の接点部5bと、基部5aの一部から外方に延びる端子部5cとを有している。そして、接点部5が一対の第2の孔2cの上方を塞いだ状態で底壁部2の表面に露出すると共に、基部5aが接点部4aを囲んだ状態で底壁部2の表面に露出し、端子部5cの先端が折り曲げられて凹部2eに収納された状態で、このコモン接点5は底壁部2に埋設されている。 【0026】第2の可動接点6は、金属製のドーム状の板バネからなり、底壁部2の4個の突起2dにガイドされて、底壁部2の表面に載置される。第2の可動接点6が載置されると、この第2の可動接点6の外周縁がコモン接点5の接点部5bに常時接触し、頂部6aが第2の固定接点4の接点部4aと接離可能な状態となる。なお、この第2の可動接点6は、突起2dによって移動が規制されている。そして、この第2の可動接点6と第2の固定接点4、及びコモン接点5とでプッシュスイッチS1が形成されている【0027】操作部材10は、金属製の8角形状をなした薄板からなる第1の可動接点11と、該第1の可動接点11の中央部が埋設される合成樹脂からなるつまみ部12とを有し、第1の可動接点11には、つまみ部12の外周を囲むように軸方向に上方に突出して、8角形をなす凸条からなる突起部11aと、外周に桟部を残してこの突起部11aから外方に向かって形成された逆三角形状をなす貫通孔である複数(8個)の逃げ部11bと、桟部の外周部に形成されている凹部11cと、下面の中央部に半球状に形成されている接触部11dを有している。つまみ部12は、略角柱状からなり、薄板状の基部12aと、該基部12aの中心から上方に延びて形成された先端が4角柱からなる柱部12bとを有しており、第1の可動接点11の中央部に形成された接触部11dが基部12aに埋設されている。 【0028】そして、つまみ部12に第1の可動接点11が埋設されると、第1の可動接点11はつまみ部12の基部12aから外方に放射状に延びるように位置し、接触部11dは基部12aの下面から下方に露出する状態となる。なお、図2に示すように、第1の可動接点11と接触部11dとの間には、複数の通孔11eが形成されているが、この通孔11eは、樹脂が充填されて、つまみ部12の基部12aと柱部12bとを繋ぐための連結部として機能するものである。このような構成をなした操作部材10は、第2の可動接点6が載置されている下ケース1内に傾倒可能に収納される。この時、第1の可動接点11の凹部11c内に、第1の側壁部3の突出部3cが位置して、ガイドされて、第1の可動接点11は下ケース1に収納されると共に、この凹部11cと突出部3cのはめ合わせによって、操作部材10の回転止めとしても機能する。また、操作部材10が下ケース1に収納されると、第1可動接点11の接触部11dの外表面が、第2可動接点6に接触するので、球面同士の接触となり、操作部材10がスムーズに傾倒するようになる。 【0029】4個の第1の固定接点15はそれぞれ金属製からなり、図3、図8に示すように、略扇状をなす基部15aと、この基部15aから下方に折り曲げられて形成された端子部15bとを有しており、また、当接部16は、金属製の薄板からなり、中央に8角形状の通孔16aを有するリング状部16bと、このリング状部16bから4方に延びて形成されている脚部16cとを有する。なお、当接部16bは必ずしも金属からなる必要はなく、リジッドな合成樹脂から構成しても良い。 【0030】これら第1の固定接点15及び当接部16は、合成樹脂からなり、上ケースを形成する支持部材17に埋設されて、支持部材17に一体化されて固定される。支持部材17は、合成樹脂の成型品からなり、図3、8,9に示すように、8角形状の薄板からなり、中央部に8矩形状の通孔17dを有する基体17aと、基体17aの下面において下方に突出して形成されている三角形状の凸部17bと、基体17aの外縁に形成され互いに対向するように位置する繋ぎ部17cとを有する。 【0031】そして、第1の固定接点15及び当接部16は、支持部材17に対して同一平面上に埋設されて一体化される。また、図8に示すように、第1の固定接点15は、基体17aと凸部17bとに挟まれて保持されると共に、隣り合う第1の固定接点15同士は、繋ぎ部17cによって一体化している。また、第1の固定接点15より中央側に位置する当接部16は、リング状部16bが基体17aと凸部17bとに挟まれた状態で保持されると共に、凸部17bによって第1の固定接点15と一体化し、通孔16aが支持部材17の通孔17dと連通した状態となっている。 【0032】このような構成をした、第1の固定接点15及び当接部16が埋設されている支持部材17は、上ケースとして下ケース1の開放部を覆うように固定され、上ケースたる支持部材17と、下ケース1とでケーシング7が構成される。この時、図2に示すように、第1の固定接点15の端子部15bが、内方に折り曲げられて底壁部2の凹部2e内に係合し、固定が確実となる。また、操作部材10のつまみ部12は、当接部16の通孔16aから突出した状態となる。 【0033】支持部材17が下ケース1に固定されると、図2に示すように、操作部材10は第2の可動接点6の付勢力によって、突起部11aが当接部16の下面に圧接する状態となる。この突起部11aが当接部16の背面に当接して位置決めされることにより、第1可動接点11が第1の固定接点15に対して離間している。そして、第1可動接点11と第1の固定接点15とで、傾倒スイッチS2を構成し、通常時OFF状態となっており、省電力化を図ることができる。 【0034】そして、操作部材10は、図10を参照するに、突起部11aと当接部16との当接点を第1の支点Aとして傾倒可能であり、操作部材10が傾倒すると、第1の固定接点15と第1の可動接点11とが接触し、第1の固定接点15とコモン接点5とが、第1の可動接点11と第2の可動接点6を介して導通して、ONされ、第1の電気信号たる方位検出信号を出力する。即ち、第1の固定接点15の端子部15bとコモン接点5間がONとなり、方位検出信号が出力されるようになっている。 【0035】さらに、操作部材10を同一方向に傾けると、図11を参照するに、操作部材10は、第1の固定接点15と第1の可動接点11との接触点を第2の支点Bとして傾倒する。すると、接触部11dが下方に移動することにより第2の可動接点6を押圧して、この第2の可動接点6が反転し、頂部6aが第2の固定接点4の接点部4aと接触する。そして、コモン接点5と第2の固定接点4とが導通してONとなり、第2の電気信号たる確定信号を出力する。なお、第1の可動接点11の逃げ部11bに、凸部17bが出入り可能となっているので、薄型化が可能で操作部材10の傾倒がスムーズに行われると共に、傾倒のガイドにもなっている。また、【0036】カバー部材20は、金属製からなり、中央に円形の通孔20aが形成されている基板20bと、基板20bの対向する2辺から下方に折り曲げられて形成されている脚部20cとを有する。このような形状をしたカバー部材20は、支持部材17の表面を覆うと共に、脚部20cが内方に折り曲げられて底壁部2の凹部2e内に係合し、カバー部材20の固定が確実となる。このカバー部材20は、電気シールドとしての機能を有し、端子部20が図示せぬ配線基板に形成されたグランドパターン等に接続されて、外部から静電気等がグランドパターンに流れるようになっており、より確実な検出を可能とするものである。 【0037】本発明のプッシュスイッチが使用される多方向入力装置は、上記の様な構成を有するが、次にその動作について図10、図11に基づいて説明すると、操作部材10が、十字状の位置に配設された第1の固定接点15の内の1つの方向に傾倒されると、操作部材10は第1の支点Aを支点として傾倒し、第1の可動部材11と、第1の固定接点15とが接触して、第1の電気信号たる方位検出信号が、図示せぬ配線基板に配置されているマイコンに入力される。さらに、操作部材10が傾倒されると、操作部材10は第2の支点Bを支点として傾倒し、接触部11dによって第2の可動接点6が下方に押圧されて、第2の固定接点4と接触する。そして、第2の固定接点4と第2の可動接点6とが接触すると、第2の電気信号たる確定信号が図示せぬ前記マイコンに入力されて、該マイコンから傾倒方位が確定した信号(方位確定信号)が、外部の電気機器に出力される。この時、操作者は、第2の可動接点6が反転したことにより、クリック感が得られるので、確実に方位確定信号が出力されたことを認識できるようになっている。 【0038】次に、操作部材10への押圧力が解除されると、第2の可動部材6が復帰することによって、この付勢力によって接触部11dが上方に押圧されて、突起部11aが当接部16に当接することによって、操作部材10が中立位置に自動的に復帰して、図2の状態に戻る。操作部材10が中立位置に復帰すると、第2の固定接点4と第2の可動接点6とが離間するのはもとより、第1の固定接点15と第1の可動接点11とが離間するので、両方のスイッチS1、S2がOFF状態となり、小電力化に資する。 【0039】また、操作部材10は8方向に移動可能であるので、十字状の位置に配設された第1の固定接点15の隣り合う方向(斜め方向)に操作部材10が傾倒した時は、2個の第1の固定接点15と、第2の可動接点11とが接触して、マイコンに第1の電気信号が入力され、マイコンが斜め方向に傾倒したことを認識するようになっている。そして、この状態で操作部材10が更に傾倒されると、前述と同様に、プッシュスイッチS1が操作されて確定信号がマイコンに入力される。 【0040】なお、操作部材10が第1の支点Aを支点として傾倒している時に、傾倒動作に代えて、該操作部材10を軸方向に押圧動作して、第2の固定接点4と第2の可動接点6とをONにしても良い。 【0041】さらに、中立状態で操作部材10を軸方向に押圧すると、第1の固定接点15と第1の可動接点11とが離間した状態、即ち傾倒スイッチS2がOFF状態で、第2の固定接点4と第2の可動接点6とが接触してプッシュスイッチS1がON状態となり、マイコンに第2の電気信号のみが入力されるようになっている。この場合、マイコンは、独立のプッシュスイッチS1からの信号を外部の電気機器に出力するようになっている。 【0042】このように操作部材10が傾倒、押圧されることによって、第2の可動部材6が繰り返し反転して頂部6aが第2の固定接点4の接点部4aと接触し、該接点部4aに下方への押圧力が度々加わるが、接点部4aは十字状の受け部2bによって支持されているので、接点部4aが変形することがなく、頂部6aとのスイッチングが常時良好な状態で確実に保たれる。 【0043】本発明の成型金型によって製造される成型品は、上記に説明した多方向入力装置を構成するスイッチ部品である下ケース1に用いられており、次に本発明の成型金型、及びこれを使用した成型品である下ケース1の製造方法について説明する。 【0044】第1の金型たる上部金型25は、上下に貫通する第1の貫通孔25aと、該第1の貫通孔25aを挟むように形成されている一対の第2の貫通孔25bと、下面に形成された8角形状の底浅の第1の凹部25cとを有し、第2の金型たる下部金型26は8角形状のリング状をなした第2の凹部26aと、この第2の凹部26aの一部に連通して外部に延びるように形成されたゲート26bと、上下に貫通する複数形成された連通孔26cと、第2の凹部26aと連通して下方に延びて形成された細孔26dとを有し、この上部金型25と下部金型26とが組み合わされて、第1、第2の凹部25c、26aによって、キャビティ27が形成されている。そして、このキャビティ27は、連通孔26cによって外部に連通した状態となっている。 【0045】第1の抑えピン28は、金属製からなる円柱であり、その先端に十字状の溝部28aが切り欠かれて形成され、このような構成の第1の抑えピン28は、第1の貫通孔25a内に隙間なく上下動可能に保持されている。第2の抑えピン29は、金属製からなる円柱であり、第2の貫通孔25b内に隙間なく上下動可能に保持されている。これらの第1、第2の抑えピン28、29の径は、連通孔26cの径よりも大きくなっている。イジェクトピン31は、金属製の細棒からなり、細孔26d内に隙間なく上下動可能な状態で、その先端が第2の凹部26aと細孔26dとの連結部を塞ぐ位置にある状態で保持されている。 【0046】本発明の成型金型は上記のような構成を有し、次にこの成型金型を用いた成型品の製造方法について説明すると、第2の固定接点4とコモン接点5とを有する金属製からなるフープ状の接点板30を上部金型25と、下部金型26間のキャビティ27内に配置して、この上部金型25と下部金型26を型締めする。この時、第2固定接点4とコモン接点5とが連通孔26cの端部を塞ぐ状態になるように接点板30を配置する。そして、上下に移動可能である第1の抑えピン28の溝部28aが形成されている先端で、第2の固定接点4を押圧して、第2の固定接点4の押圧面と反対側の面を下部金型26側に押しつけ、接点部4aと下部金型26との間に間隙ができないようにすると共に、溶融樹脂の湯圧により接点部4aが移動しないようにしている。このとき、第2の固定接点4の押圧面と反対側にの中央に位置する接点面4cが連通孔26c内に露出するので、接点面4cが傷つく恐れが低減し、さらに第1の抑えピン28の径が連通孔26cの径よりも大きいので、第1の抑えピン28が連通孔26c内に突入されることがなく、接点板30が変形することなく支持を確実にできる。なお、押圧面側には十字状の溝部28aが位置するようになっている。 【0047】第1の抑えピン28と同様に上下動可能である一対の第2の抑えピン29も、第2のコモン接点5の接点部5bの押圧面を下部金型26側に押しつけて、接点部5bが、溶融された樹脂の湯圧により移動しないように保持している。また、コモン接点5の接点面5dも、第2の固定接点4の接点面4cと同様に連通孔26c内に露出しており、更に、第2の抑えピン29の径が連通孔26cの径よりも大きいので、この第2の抑えピン29が連通孔26c内に突入されることがなく、接点板30が変形することなく支持を確実にできる。 【0048】その後、溶融されたポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性の樹脂を、ゲート26bからキャビティ27内に射出、充填して、第2の固定接点4とコモン接点5が底壁部2に埋設されると共に、第2の凹部26a内に充填された樹脂によって側壁部3が成型され、収納された状態で、成型部材35が成型される。この時、第1の抑えピン28には十字状の溝部28aが形成されているので、該溝部28a内に溶融した樹脂が充填されて、十字状の受け部2bが、第2の固定接点4の接点部4aを支持するように形成される。そして、所定の時間経過させて樹脂を固化させた後、下部金型26が上部金型25から移動させることにより、上部金型25が成型部材35から外れると、成型部材35は、側壁部3が第2の凹部26aに保持された状態で、下部金型26上に位置している。また、上部金型25が外れることにより、第1の抑えピン28が取り去られると4個の第1の孔2aが接点部4aの背面に形成され、第2の抑えピン29が取り去られると、第2コモン接点5の接点部5bの背面から第2の孔2cが延びるように形成される。 【0049】その後、イジェクトピン31によって、側壁部3の頂部3dを押圧して、成型部材35を押し出すと、成型部材35と下部金型26の間に形成される空間部36に連通孔26cから空気が流入し、空間部36の気圧が大気圧になるので、スムーズに成型部材35が押し出されて、成型品たる下ケース1が製造される。なお、イジェクトピン31を側壁部3の頂部3dに設けているのは、接点に樹脂が付着しないようにするためである。すなわち、イジェクトピン31を接点形成面に当接するようにした場合、摩耗によって生ずる下部金型26と細孔26dと間に入り込んで、樹脂バリが発生するからである。 【0050】次に、本発明の成型金型及びこれを用いた成型品の製造方法の第2の実施の形態に係る図面を説明すると、図15、図16は本発明の成型金型、及び成型品の製造方法の第2の実施の形態を示す説明図である。 【0051】図15、16に基づく本発明の成型金型、及びこの成型金型を用いた成型品の製造方法の第2の実施の形態は、第1の実施の形態が、連通孔26cを接点板30で塞いでいることに対し、連通孔26cが、接点4、5に面した位置に配置されておらず、成型時にキャビティ27に直接連通して、連通孔26c内に塞ぎピン37を挿入して、キャビティ27内を密閉している。 【0052】次に、製造方法について説明すると、図15に示すように、連通孔26cに塞ぎピン37を挿入して、キャビティ27内を密閉状態とし、この状態で溶融樹脂をキャビティ27内に射出、充填する。このとき、塞ぎピン37が連通孔26cを塞いでいるので、溶融樹脂がキャビティ27から漏れることはない。そして、図16に示すように、溶融樹脂の充填後に塞ぎピン37を抜き、連通孔26cをキャビティ27と直接連通させ、イジェクトピン31によって成型部材25を押し出し、成型品たる下ケース1が製造される。本実施の形態では、連通孔26cの位置を接点4、5に合わす必要がないので、仮に接点板30の位置がずれたとしても、確実に成型部材35を成型することができる。でその他の構成、製造方法については第1の実施の形態と同様なので、同一部材に同一番号を付してここでは説明を省略する。 【0053】本発明の成型金型は上記の構成をし、この金型を使用した製造方法は上記に説明したが、上記説明に限られないことは言うまでもなく、上部金型25を第2の金型として連通孔を設け、下部金型26を第1の金型としても良い。また、上部金型25を可動金型としても良い。また、連通孔26cは、上記実施の形態では複数個設けられていたが、1つであっても良い。また、連通孔26cから圧縮空気を送り込んで、更に成型部材の取り出しを容易としても良い。なお、上記実施の形態では成型金型によって多方向入力装置を構成するスイッチ部品である下ケースが成型品として製造される例を説明したが、多方向入力装置に限られないことはいうまでもない。更に、接点板等の金属板を埋設しない、合成樹脂かならる成型品のみにも適用することができる。 【0054】 【発明の効果】本発明の成型金型の第2の金型には、キャビティと外部を連通する連通孔が設けられた構成をしているので、イジェクトピンによって成型部材を押し出す際に成型部材と金型の接触部分に空気が流入するので、成型部材を容易に取り出すことができ、成型部材の変形等の危険性が低減する。また、イジェクトピンを配置にも自由度を持たせることができる。 【0055】また、第2の金型に連通孔が分散して複数個設けられている構成としたため、空気がより流入しやすく、更に容易に成型部材を押し出して取り出すことができる。 【0056】また、接点板は連通孔を塞ぐ位置に設けられた構成としたため、連通孔に溶融樹脂が漏れる恐れがなく、所望の形状の成型品を得ることができる。また、接点板が傷つかないので、接触不良等の危険性が低減する。 【0057】また、固定接点は連通孔を塞ぐ位置に設けられた構成としたため、連通孔に溶融樹脂が漏れる恐れがなく、所望の形状の成型品を得ることができる。また、固定接点が傷つかないので、接触不良等の危険性が更に低減する。 【0058】また、抑えピンの径が連通孔の径よりも大きい構成としたため、接点板、もしくは固定接点を確実に第2の金型に押しつけることが可能なので、高品質の成型品を製造可能とすることができる。 【0059】また、イジェクトピンは成型部材であるケースの側壁部の頂部を押圧可能である構成としたため、接点板、及び固定接点から離れた位置において、成型部材を押し出すことができ、接点板、及び固定接点が傷つく危険性を回避することができる。 【0060】また、本発明の成型金型を用いた成型品の製造方法は、成型部材を押し出す際に、成型部材と前記第2の金型の間に形成される空間部に前記連通孔から空気が流入する構成としたため、イジェクトピンによって成型部材を押し出す際に空気が流入するので、成型部材を容易に取り出すことができ、成型部材の変形等の危険性が低減する。また、イジェクトピンを配置にも自由度を持たせることができる。 【0061】また、接点板もしくは固定接点を連通孔を塞ぐ位置に設けた状態で、溶融樹脂がキャビティ内に射出される構成としたため、連通孔に溶融樹脂が漏れる恐れがなく、所望の形状の成型品を得ることができる。また、接点板、もしくは固定接点が傷つかないので、接触不良等の危険性が低減する。 【0062】また、連通孔の径よりも径の大きい抑えピンが接点板もしくは固定接点を押圧第2の金型側に押しつけた状態で、溶融樹脂がキャビティ内に射出される構成としたため、接点板、もしくは固定接点を確実に第2の金型に押しつけることができるので、高品質の成型品を製造することができる。 【0063】また、イジェクトピンによって側壁部の頂部を押圧して、成型部材を取り出す構成としたため、接点板、及び固定接点から離れた位置において、成型部材を押し出すことができ、接点板、及び固定接点が傷つく危険性を回避することができる。 【0064】また、成型部材は、接点板が埋設されたケース付きのスイッチ部品で構成されたため、スイッチ部品にも本発明の成型金型を用いた製造法補を適用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000010098 【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月9日(2001.4.9) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−307496(P2002−307496A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月23日(2002.10.23) |
| 【出願番号】 |
特願2001−110502(P2001−110502) |
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