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【発明の名称】 射出装置
【発明者】 【氏名】丸本 洋嗣

【氏名】今野 政昭

【要約】 【課題】型開きに伴って、糸引き現象を発生させることがないようにする。

【解決手段】シリンダ部材と、シリンダ部材の前端に取り付けられ、内側に第1の成形材料流路が形成された筒状部26と、内側に第2の成形材料流路が、前端にノズル口24が形成された蓋(ふた)部27と、筒状部26と蓋部27との間に配設され、内側に第3の成形材料流路が形成された挿入体とを有する。そして、第3の成形材料流路の内周面に、第3の成形材料流路の断面積を連続的に変化させることによって、成形材料の分断を促進する分断促進部が形成される。型開きが行われて可動金型が後退させられたときに、射出ノズル21の温度の設定が高く、成形材料の温度が高くなっても、シリンダ部材側の成形材料とスプルー16側の成形材料との分断が促進される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)シリンダ部材と、(b)該シリンダ部材の前端に取り付けられ、内側に第1の成形材料流路が形成された筒状部と、(c)該筒状部に取り付けられ、内側に第2の成形材料流路が、前端にノズル口が形成された蓋部と、(d)前記筒状部と蓋部との間に配設され、内側に第3の成形材料流路が形成された挿入体とを有するとともに、(e)前記第3の成形材料流路の内周面に、第3の成形材料流路の断面積を連続的に変化させることによって、成形材料の分断を促進する分断促進部が形成されることを特徴とする射出装置。
【請求項2】 前記分断促進部は、成形材料の流れ方向における上流側から下流側にかけて第3の成形材料流路の断面積を連続的に小さくする絞り部を備える請求項1に記載の射出装置。
【請求項3】 前記挿入体は複数の副挿入体に分割される請求項1に記載の射出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形機においては、射出装置の加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた成形材料としての樹脂を、射出して金型装置内のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において冷却して固化させることによって成形品を得ることができるようになっている。
【0003】前記射出成形機は金型装置、型締装置及び射出装置を有する。そして、前記金型装置は固定金型及び可動金型を備え、前記型締装置によって前記可動金型を進退させることにより、型閉じ、型締め及び型開きが行われる。また、前記射出装置は、加熱シリンダ、及び該加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリューを備える。そして、該スクリューを前進させることによって、加熱シリンダの前端に取り付けられた射出ノズルから樹脂が射出され、前記キャビティ空間に充填されるようになっている。
【0004】ところで、前記射出装置は、射出成形機のフレーム上に支持され、駆動源を駆動することによって進退させられ、射出ノズルの前端に形成されたノズル口が前記固定金型に対して接離させられる。
【0005】図2は従来の射出成形機における樹脂の糸引き現象を説明する図、図3は従来の射出成形機における樹脂の流出を説明する図、図4は従来の射出成形機における樹脂のノズル詰まりを説明する図である。
【0006】図において、11は図示されない加熱シリンダの前端に取り付けられた射出ノズル、12aは射出ノズル本体、12bは該射出ノズル本体12aの周囲に取り付けられたヒータ、13は前記射出ノズル11の前端に形成されたノズル口、15は固定金型、16は該固体金型15に形成されたスプルーである。前記固定金型15は、図示されない固定プラテンに取り付けられる。
【0007】前記構成の射出成形機において、図示されない型締装置によって、金型装置の型閉じ及び型締めが行われた後、溶融させられた樹脂が、前記射出ノズル11から射出され、前記スプルー16を通って金型装置内の図示されないキャビティ空間に充填される。続いて、前記金型装置が冷却されることによって、キャビティ空間内の樹脂が冷却され、固化させられて成形品14になる。また、前記スプルー16内に残留した樹脂は、同様に、冷却され、固化させられてスプルー部17になる。
【0008】次に、前記金型装置の型開きが行われ、図示されない可動金型が後退させられるのに伴って、前記成形品14及びスプルー部17が後退(図における左方に移動)させられる。このとき、射出ノズル11の温度は樹脂の融点以上に設定されているので、樹脂は、溶融状態にあり、射出ノズル11と固定金型15との境界部分で切れる。
【0009】続いて、可動金型に配設された図示されないエジェクタピンが前進させられ、前記成形品14及びスプルー部17が突き落とされ、取り出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の射出成形機においては、射出ノズル11の温度の設定が高いと、前記境界部分で樹脂が切れなくなることがあり、その場合、糸引き現象が発生してしまう。その結果、図2に示されるように、スプルー部17の先端に糸状の樹脂18がスプルー部17と一体に形成されてしまう。そして、前記樹脂18は、前記成形品14及びスプルー部17を取り出す際に、金型装置の型閉じが行われるのに伴って可動金型と固定金型15との間に挟まり、金型装置を傷つけてしまう。また、図3に示されるように、射出ノズル11内の溶融させられた樹脂は、温度の設定が高いとノズル口13からスプルー16内に流出しやすいので、次の成形サイクルにおいて射出を円滑に行うことができず、成形品14の品質が低下してしまう。
【0011】そこで、前記射出ノズル11の温度の設定を低くすることが考えられるが、射出ノズル11の温度の設定を低くすると、図4に示されるように、射出ノズル11内の樹脂が固化しやすくなるので、ノズル口13においてノズル詰まりが発生してしまう。その場合、次の成形サイクルにおいて射出を円滑に行うことができず、成形品14の品質が低下してしまう。
【0012】また、射出ノズル11内にニードル弁、ピン等の閉鎖部材を配設し、該閉鎖部材によって成形サイクルごとにノズル口13を開閉するようにした射出成形機が提供されている。
【0013】この場合、前記閉鎖部材を射出ノズル11内に配設すると、樹脂流路が複雑になり、樹脂が滞留しやすくなって、樹脂の焼け、すなわち、樹脂焼けが発生してしまう。また、射出ノズル11内において前記閉鎖部材を移動させるために、射出ノズル11外に配設された操作部と閉鎖部材とを連結部材によって連結する必要があるので、連結部材を貫通させて形成された孔を介して、樹脂の漏れ、すなわち、樹脂漏れが発生してしまう。
【0014】本発明は、前記従来の射出成形機の問題点を解決して、型開きに伴って、糸引き現象を発生させることがなく、成形材料が金型装置を傷つけることがなく、成形品の品質を向上させることができるとともに、成形材料の焼け及び成形材料の漏れが発生するのを防止することができる射出装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の射出装置においては、シリンダ部材と、該シリンダ部材の前端に取り付けられ、内側に第1の成形材料流路が形成された筒状部と、該筒状部に取り付けられ、内側に第2の成形材料流路が、前端にノズル口が形成された蓋(ふた)部と、前記筒状部と蓋部との間に配設され、内側に第3の成形材料流路が形成された挿入体とを有する。
【0016】そして、前記第3の成形材料流路の内周面に、第3の成形材料流路の断面積を連続的に変化させることによって、成形材料の分断を促進する分断促進部が形成される。
【0017】本発明の他の射出装置においては、さらに、前記分断促進部は、成形材料の流れ方向における上流側から下流側にかけて第3の成形材料流路の断面積を連続的に小さくする絞り部を備える。
【0018】本発明の更に他の射出装置においては、さらに、前記挿入体は複数の副挿入体に分割される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の第1の実施の形態における射出成形機の要部を示す断面図である。
【0021】図において、21は図示されないシリンダ部材としての加熱シリンダの前端に取り付けられた射出ノズル、22は射出ノズル本体、23は該射出ノズル本体22の外周に取り付けられた加熱手段としてのヒータ、24は前記射出ノズル21の前端に形成されたノズル口、15は固定金型、16は該固定金型15に形成されたスプルーである。前記固定金型15は、図示されない固定プラテンに取り付けられる。
【0022】前記射出ノズル本体22は、前記加熱シリンダの前端に取り付けられた筒状部26、該筒状部26の前端に取り付けられた蓋部27、及び筒状部26と蓋部27との間に配設された糸引き防止手段及び挿入体としての環状のリング28を備える。そして、前記筒状部26は前端の近傍に小径部25を備え、該小径部25の外周面に雄ねじが、小径部25の内側に、第1の成形材料流路としてのテーパ状の樹脂流路36が形成される。また、前記蓋部27は、スカート部31、及び該スカート部31の前端に形成された頭部32を備え、前記スカート部31の内周面に雌ねじが、前記頭部32の内側に、第2の成形材料流路としての円筒状の樹脂流路37が形成される。そして、前記リング28の内側に、第3の成形材料流路としての樹脂流路38が形成される。したがって、前記雄ねじと雌ねじとを螺(ら)合させることによって、リング28を保持した状態で筒状部26に蓋部27を取り付けると、樹脂流路36〜38が互いに連通させられる。なお、筒状部26に蓋部27を取り付けたときに前記リング28を収容するための収容室が形成されるように、小径部25の前端面、及び頭部32の後端面に凹部が形成される。また、前記リング28は厚さが2〜3〔mm〕の金属板によって形成される。
【0023】前記構成の射出成形機において、図示されない型締装置によって、金型装置の型閉じ及び型締めが行われた後、溶融させられた成形材料としての樹脂が、前記射出ノズル21から射出され、前記スプルー16を通って金型装置内の図示されないキャビティ空間に充填される。続いて、前記金型装置が冷却されることによって、キャビティ空間内の樹脂が冷却され、固化させられて成形品14になる。また、前記スプルー16内に残留した樹脂は、同様に、冷却され、固化させられてスプルー部17になる。なお、樹脂に代えて他の成形材料、例えば、ガラス等を使用することもできる。
【0024】次に、前記金型装置の型開きが行われ、図示されない可動金型が後退させられるのに伴って、前記成形品14及びスプルー部17が後退(図における左方に移動)させられる。このとき、射出ノズル21の温度は樹脂の融点以上に設定されているので、樹脂は、溶融状態にあり、射出ノズル21と固定金型15との境界部分で切れる。
【0025】続いて、可動金型に配設された図示されないエジェクタピンが前進させられ、前記成形品14及びスプルー部17が突き落とされ、取り出される。
【0026】ところで、射出ノズル11の温度の設定が高い場合、溶融状態における樹脂の粘性が低い場合等において、前記境界部分で樹脂が切れなくなることがあり、その場合、糸引き現象が発生してしまう。
【0027】そこで、本実施の形態においては、射出ノズル21内にリング28が配設され、該リング28の樹脂流路38の内周面に樹脂の分断を促進する図示されない分断促進部が形成される。該分断促進部は、樹脂流路38の入口の面積と異なる断面積を有する部分によって形成され、樹脂の流れ方向における上流側から下流側にかけて断面積が連続的に変化させられ、本実施の形態においては、連続的に小さくなる絞り部を少なくとも備える。なお、樹脂の流れ方向における上流側から下流側にかけて断面積が不連続に小さくなる絞り部は、樹脂を滞留させるので好ましくない。
【0028】この場合、型開きが行われて可動金型が後退させられたときに、射出ノズル21の温度の設定が高く、樹脂の温度が高くなっても、前記分断促進部、特に、絞り部によって、加熱シリンダ側の樹脂とスプルー16側の樹脂との分断が促進されるので、糸引き現象が発生することがない。
【0029】したがって、糸引き現象の発生に伴って樹脂が金型装置を傷つけることがない。また、射出ノズル21内の溶融させられた樹脂がノズル口24からスプルー16内に流出することがなくなるので、次の成形サイクルにおいて射出を円滑に行うことができ、成形品14の品質を向上させることができる。
【0030】そして、樹脂の流れ方向における上流側から下流側にかけて断面積が連続的に変化させられるので、樹脂をキャビティ空間に充填する際に樹脂の流れを円滑にすることができる。また、絞り部において、樹脂の流れ方向における上流側から下流側にかけて樹脂流路38の断面積が連続的に小さくされるので、樹脂が滞留するのを防止することができる。したがって、樹脂焼けが発生するのを防止することができるので、成形品14の品質を向上させることができる。また、可動金型を後退させるときに、スプルー部17が後退させられるのに対して、加熱シリンダ側の樹脂は、絞り部が抵抗になり停止させられ、スプルー部17と共に後退させられるのが阻止される。したがって、加熱シリンダ側の樹脂とスプルー16側の樹脂との分断が一層促進される。
【0031】そして、前記射出ノズル21の温度の設定を低くする必要がないので、射出ノズル21内の樹脂が固化しやすくなることがなく、ノズル口24においてノズル詰まりが発生するのを防止することができる。したがって、次の成形サイクルにおいて射出を円滑に行うことができ、成形品14の品質を向上させることができる。
【0032】また、射出ノズル21内にニードル弁、ピン等の閉鎖部材を配設する必要がないので、樹脂流路を簡素化することができ、樹脂が滞留しやすくなることがなくなり、樹脂焼けが発生するのを防止することができる。さらに、前記閉鎖部材を配設する必要がないので、樹脂漏れが発生するのを防止することができる。
【0033】なお、前記樹脂流路38の断面積を小さくするほど樹脂を分断を促進する効果は高くなるが、断面積が小さすぎると樹脂に加わる抵抗及び圧力損失が大きくなる。そこで、蓋部27を筒状部26から外し、リング28を樹脂流路38の形状、寸法等が異なるものに交換することによって、樹脂の種類、特性等に容易に対応させることができる。
【0034】次に、リング28の例について説明する。
【0035】図5は本発明の第1の実施の形態におけるリングの横断面図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるリングの配設状態を示す図である。
【0036】図において、25は小径部、28はリング、32は頭部、36〜38は樹脂流路、39は樹脂流路38の入口、40は樹脂流路38の出口、51は分断促進部、52は絞り部である。
【0037】この場合、樹脂流路38の内周面に分断促進部51が形成され、該樹脂流路38の断面積は、入口39から中央にかけて連続的に小さくされ、中央から出口40にかけて連続的に大きくされる。そして、前記樹脂流路38の内周面は、縦方向の断面において弧状の形状を有する。
【0038】次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0039】図7は本発明の第2の実施の形態におけるリングの配設状態を示す図である。
【0040】この場合、第3の成形材料流路としての樹脂流路38の断面積は、入口39から中央にかけて連続的に小さくされ、中央から出口40にかけて連続的に大きくされる。そして、前記樹脂流路38の内周面は、縦方向の断面において二等辺三角形の形状を有する。
【0041】次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0042】図8は本発明の第3の実施の形態におけるリングの横断面図、図9は本発明の第3の実施の形態におけるリングの配設状態を示す図である。
【0043】この場合、第3の成形材料流路としての樹脂流路38の断面積は、入口39から中央にかけて連続的に大きくされ、中央から出口40にかけて連続的に小さくされる。そして、前記樹脂流路38の内周面は、縦方向の断面において弧状の形状を有する。
【0044】次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0045】図10は本発明の第4の実施の形態におけるリングの配設状態を示す図である。
【0046】この場合、第3の成形材料流路としての樹脂流路38の断面積は、入口39から中央にかけて連続的に大きくされ、中央から出口40にかけて連続的に小さくされる。そして、前記樹脂流路38の内周面は、縦方向の断面において二等辺三角形の形状を有する。
【0047】次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0048】図11は本発明の第5の実施の形態におけるリングの配設状態を示す図である。
【0049】この場合、糸引き防止手段及び挿入体としてのリング28は二つの副挿入体としての副リング53、54に分割される。そして、第3の成形材料流路としての樹脂流路38の断面積は、入口39から中央にかけて連続的に小さくされ、中央から出口40にかけて連続的に大きくされる。また、前記樹脂流路38の内周面は、縦方向の断面において二等辺三角形の形状を有する。
【0050】本実施の形態においては、副リング53、54を互いに入れ替えることによって、樹脂流路38の内周面の形状を変更して、図7に示されるような形状にしたり、図10に示されるような形状にしたりすることができる。
【0051】なお、前記第1〜第5の実施の形態においては、樹脂流路38の横方向の断面は円形の形状を有するが、樹脂流路38の横方向の断面を他の形状にすることもできる。
【0052】次に、樹脂流路38の横方向の断面を他の形状にした第6〜第10の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0053】図12は本発明の第6の実施の形態におけるリングの横断面図、図13は本発明の第7の実施の形態におけるリングの横断面図、図14は本発明の第8の実施の形態におけるリングの横断面図、図15は本発明の第9の実施の形態におけるリングの横断面図、図16は本発明の第10の実施の形態におけるリングの横断面図である。
【0054】図12において第3の成形材料流路としての樹脂流路38の内周面は横方向の断面において六角形の形状を、図13において分断促進部51における樹脂流路38の内周面は横方向の断面において星形の形状を、図14において分断促進部51における樹脂流路38の内周面は横方向の断面において楕(だ)円の形状を、図15において分断促進部51における樹脂流路38の内周面は横方向の断面において十字形の形状を、図16において分断促進部51における樹脂流路38の内周面は横方向の断面において二つ重ねの扇状の形状を有する。
【0055】なお、前記第1〜第10の実施の形態においては、入口39(図11)の断面積と出口40の断面積とが等しくされるが、出口40の断面積を入口39の断面積より小さくすることもできる。
【0056】次に、出口40の断面積を入口39の断面積より小さくした第11及び第12の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0057】図17は本発明の第11の実施の形態におけるリングの配設状態を示す図、図18は本発明の第12の実施の形態におけるリングの配設状態を示す図である。
【0058】この場合、図17に示されるように、分断促進部51における第3の成形材料流路としての樹脂流路38の断面積は、入口39から中央にかけて連続的に小さくされ、中央から出口40にかけて連続的に大きくされる。また、前記樹脂流路38の下半部の内周面は、縦方向の断面において二等辺三角形の形状を、上半部の内周面は直角三角形の形状を有する。
【0059】そして、図18に示されるように、第3の成形材料流路としての樹脂流路38の断面積は、入口39から出口40にかけて連続的に小さくされる。また、前記樹脂流路38の内周面は、縦方向の断面において直角三角形の形状を有する。
【0060】なお、第1〜第12の実施の形態において、分断促進部51は、樹脂流路38の内周面に形成されるようになっていて、樹脂流路38の軸心部分には形成されていないが、樹脂流路38の軸心部分に分断促進部51を形成することもできる。
【0061】次に、樹脂流路38の軸心部分に分断促進部51が形成された第13〜第15の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0062】図19は本発明の第13の実施の形態におけるリングの横断面図、図20は本発明の第13の実施の形態におけるリングの縦断面図、図21は本発明の第13の実施の形態におけるリングの変形例を示す縦断面図、図22は本発明の第14の実施の形態におけるリングの横断面図、図23は本発明の第14の実施の形態におけるリングの縦断面図、図24は本発明の第14の実施の形態におけるリングの変形例を示す縦断面図、図25は本発明の第15の実施の形態におけるリングの横断面図、図26は本発明の第15の実施の形態におけるリングの縦断面図、図27は本発明の第15の実施の形態におけるリングの変形例を示す縦断面図である。
【0063】この場合、図19〜21において、分断促進部51は第3の成形材料流路としての樹脂流路38を二つの小室61、62に分割するように配設される。図20に示される樹脂流路38の場合、断面積は、入口39から中央にかけて連続的に小さくされ、中央から出口40にかけて連続的に大きくされ、前記分断促進部51は、縦方向の断面において楕円形の形状を有する。そして、図21に示される樹脂流路38の場合、断面積は、入口39から出口40にかけて連続的に小さくされ、前記分断促進部51は、縦方向の断面において半楕円形の形状を有する。
【0064】また、図22〜24において、分断促進部51は第3の成形材料流路としての樹脂流路38の中央において、樹脂流路38の半分を占めるように配設される。図23に示される樹脂流路38の場合、断面積は、入口39から中央にかけて連続的に小さくされ、中央から出口40にかけて連続的に大きくされ、前記分断促進部51の外周面は、縦方向の断面において弧状の形状を有する。そして、図24に示される樹脂流路38の場合、断面積は、入口39から出口40にかけて連続的に小さくされ、前記分断促進部51の外周面は、縦方向の断面において直角三角形の形状を有する。
【0065】また、図25〜27において、分断促進部51は樹脂流路38を四分割するように配設される。図26に示される樹脂流路38の場合、断面積は、入口39から中央にかけて連続的に小さくされ、中央から出口40にかけて連続的に大きくされ、前記分断促進部51の外周面は、縦方向の断面において楕円形の形状を有する。そして、図27に示される樹脂流路38の場合、断面積は、入口39から出口40にかけて連続的に小さくされ、前記分断促進部51の外周面は、縦方向の断面において半楕円形の形状を有する。
【0066】なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0067】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、射出装置においては、シリンダ部材と、該シリンダ部材の前端に取り付けられ、内側に第1の成形材料流路が形成された筒状部と、該筒状部に取り付けられ、内側に第2の成形材料流路が、前端にノズル口が形成された蓋部と、前記筒状部と蓋部との間に配設され、内側に第3の成形材料流路が形成された挿入体とを有する。
【0068】そして、前記第3の成形材料流路の内周面に、第3の成形材料流路の断面積を連続的に変化させることによって、成形材料の分断を促進する分断促進部が形成される。
【0069】この場合、型開きが行われて可動金型が後退させられたときに、筒状体、蓋体等によって構成される射出ノズルの温度の設定が高く、成形材料の温度が高くなっても、前記分断促進部によって、シリンダ部材側の成形材料とスプルー側の成形材料との分断が促進されるので、糸引き現象が発生することがない。
【0070】したがって、糸引き現象の発生に伴って成形材料が金型装置を傷つけることがない。また、溶融させられた成形材料がノズル口からスプルー内に流出することがなくなるので、次の成形サイクルにおいて射出を円滑に行うことができ、成形品の品質を向上させることができる。
【0071】そして、第3の成形材料流路の断面積が連続的に変化させられるので、成形材料をキャビティ空間に充填する際に成形材料の流れを円滑にすることができる。したがって、成形品の品質を向上させることができる。
【0072】そして、射出ノズルの温度の設定を低くする必要がないので、射出ノズル内の成形材料が固化しやすくなることがなく、ノズル口においてノズル詰まりが発生するのを防止することができる。したがって、次の成形サイクルにおいて射出を円滑に行うことができ、成形品の品質を向上させることができる。
【0073】また、射出ノズル内にニードル弁、ピン等の閉鎖部材を配設する必要がないので、成形材料流路を簡素化することができ、成形材料が滞留しやすくなることがなくなり、成形材料の焼けが発生するのを防止することができる。さらに、前記閉鎖部材を配設する必要がないので、成形材料の漏れが発生するのを防止することができる。
【0074】本発明の他の射出装置においては、さらに、前記分断促進部は、成形材料の流れ方向における上流側から下流側にかけて第3の成形材料流路の断面積を連続的に小さくする絞り部を備える。
【0075】この場合、絞り部において、第3の成形材料流路の断面積が連続的に小さくされるので、成形材料が滞留するのを防止することができる。したがって、成形材料の焼けが発生するのを防止することができるので、成形品の品質を向上させることができる。
【0076】本発明の更に他の射出装置においては、さらに、前記挿入体は複数の副挿入体に分割される。
【0077】この場合、挿入体は複数の副挿入体に分割されるので、該副挿入体を互いに入れ替えることによって、第3の成形材料流路の内周面の形状を変更することができる。
【出願人】 【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
【出願日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【代理人】 【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠 (外2名)
【公開番号】 特開2002−307486(P2002−307486A)
【公開日】 平成14年10月23日(2002.10.23)
【出願番号】 特願2001−117641(P2001−117641)