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【発明の名称】 発泡成形品の製造方法
【発明者】 【氏名】田村 慎▲ご▼

【氏名】村越 秀和

【氏名】松岡 一郎

【要約】 【課題】発泡成形品の表面にフラッシュ、シルバーマークなどを生ずることがなく且つ薄肉部分を有する場合も問題なく発泡成形することができる発泡製品の発泡成形方法を開発すること。

【解決手段】金型(1)(2)の型締完了直前から型締完了後にかけて発泡剤を混入した樹脂(4)を金型キャビティ(3)に内に射出充填し、金型キャビティ(3)内に充填された樹脂(4)の表面にスキン層が形成された後、移動金型(2)を移動させて固定金型(1)と移動金型(2)との間に所定のキャビティクリアランス(K)のを形成して前記充填された樹脂(5)内の未硬化部分の発泡剤を発泡させ、続いて充填樹脂(5)を冷却して表面が密なスキン層を有し、内部が発泡状態となっている発泡成形品(6)を形成することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金型の型締完了直前から型締完了後にかけて発泡剤を混入した樹脂を金型キャビティ内に射出充填し、金型キャビティ内に充填された樹脂の表面にスキン層が形成された後、移動金型を後退させて固定金型と移動金型との間に所定のキャビティクリアランスを形成して前記充填された樹脂内の未硬化部分の発泡剤を発泡させ、続いて充填樹脂を冷却して表面が密なスキン層を有し、内部が発泡状態となっている発泡成形品を形成することを特徴とする発泡成形品の製造方法。
【請求項2】 金型の型締完了直前に充填される樹脂量が、全充填樹脂量の50〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形品の製造方法。
【請求項3】 金型の型締完了直前の樹脂の充填タイミングは、型締完了前5秒から型締完了と同時であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡成形品の製造方法。
【請求項4】 金型キャビティ内への射出充填速度が、5〜20cm/秒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成形品の製造方法。
【請求項5】 金型キャビティ内への射出充填開始から充填樹脂の内部発泡開始までの時間が3〜10秒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡成形品の製造方法。
【請求項6】 射出充填時の型締圧を20〜100kg/cm2、スキン層形成時の型締圧を20〜80kg/cm2の範囲に設定すると共に射出充填時の型締圧がスキン層形成時の型締圧とほぼ同等か或いは射出充填時の型締圧の方がスキン層形成時の型締圧より大きくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発泡成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シルバーやフラッシュマークが表面に形成されず、非発泡樹脂と同等の表面状態を有し、表皮材を必要としない発泡成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車部品業界を始めとし、あらゆる業界からそこで使用されるあらゆる部材において従来品と価格においてそして性能において遜色がなく、しかも軽量化された製品が要求されている。その要望に応える一つの手段として発泡成形品がある。自動車等車両のドアトリムやフロントトリム或いはリアトリムなどの内装トリムを例に取ると、ファブリック表皮材をその製品の表面に貼合し、その基材樹脂を低発泡した製品がある。この場合、表皮材の存在により軽量で表面の美しい製品が得られるが、製品の形状によって換言すれば凹凸の大きい製品では貼合時に表皮材に皺が発生することがあり、その適用範囲は限られている。
【0003】これに対して表皮材を用いず、成形品そのものを発泡材で形成する方法が提案されている(特公平7‐77739号)。このものは、噛み合わせ部分が互いに摺動可能な金型を用い、キャビティクリアランスを1mm以下に設定し、この状態からキャビティクリアランスを拡大させつつ発泡剤を混入したポリプロピレン樹脂を前記金型内に射出充填する。この間、キャビティ内の樹脂圧力が5〜100kg/cm2となるように前記キャビティクリアランスを調整する。そしてその状態を保持し、キャビティ面に接触している樹脂表面にスキン層を形成させ、スキン層が形成されたところで金型を所定位置まで移動させ、前記キャビティクリアランスを拡大させ、樹脂内部の未硬化部分を発泡させる。そしてこの状態を保持し、冷却して固化したところで金型から取り出し発泡製品を得るものである。
【0004】この方法によれば前述のように表皮材を用いない発泡製品を成形することができるのであるが、発泡剤をあらかじめ混入したポリプロピレン樹脂を使用するため、高圧に保たれている射出シリンダ内から大気圧に保持されている金型に射出充填されたときに、充填樹脂に加わっている圧力が急減するため表面部分の発泡剤の一部が発泡しつつ充填されることになり、樹脂の流れと共に該気泡が引き延ばされて発泡成形品の表面にフラッシュ、シルバーマークなどが生ずることがあり、必ずしも外観に優れた成形品を得ることができるというものではなかった。
【0005】また、成形品の形状によっては薄肉部分も存在するが、このような薄肉部分に発泡剤入りのポリプロピレン樹脂を過不足なく充填することは非常に困難である。換言すれば大気圧に保持されている金型キャビティ内に充填された樹脂は常に発泡しようとしており、抵抗が大きくて薄肉部分に入りにくいという傾向がある。従って、樹脂圧が不足すると薄肉部分に樹脂が入りきれず肉切れを起こすという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来例の問題点を解決しようとするもので、成形品の表面にフラッシュ、シルバーマークなどを生ずることがなく非発泡製品と同等の表面状態を呈し且つ薄肉部分を有する場合も問題なく発泡成形することができる発泡製品の発泡成形方法を開発することをその解決課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】「請求項1」に記載の本発明の発泡成形品(6)の製造方法は、「金型(1)(2)の型締完了直前から型締完了後にかけて発泡剤を混入した樹脂(4)を金型キャビティ(3)内に射出充填し、金型キャビティ(3)内に充填された樹脂(4)の表面にスキン層が形成された後、移動金型(2)を後退させて固定金型(1)と移動金型(2)との間に所定のキャビティクリアランス(K)を形成し、前記充填された樹脂(5)内の未硬化部分の発泡剤を発泡させ、続いて充填樹脂(5)を冷却して表面が密なスキン層を有し、内部が発泡状態となっている発泡成形品(6)を形成する」ことを特徴とする。
【0008】このようにすることで、発泡剤が混入されている樹脂(3)が高圧の射出シリンダ内から大気圧に保持されている金型キャビティ(3)に射出充填されたとしても移動金型(2)が型締方向に移動しているため、充填樹脂(3)には常時型締による金型圧力が加わっており、発泡剤による樹脂発泡が抑制される。前述のフラッシュやシルバーマークは、金型キャビティ(3)内に充填された直後に樹脂(4)の表面部分の発泡剤が発泡し、これが樹脂の流れと共に引きずられて形成されるのであるが、本発明方法では前述のように充填樹脂(4)の発泡剤の発泡が抑制されるため、フラッシュやシルバーマークの発生がなくなる。加えて、型締工程におけるキャビティクリアランス(S)が大きい状態で樹脂(3)の射出充填が行われるので、キャビティクリアランス(S)が大きい場合にはこれに比例して薄肉部分のクリアランスも大きく、それ故、内部に発泡剤が予め混入されていたとしても前記薄肉部分内への樹脂(4)の充填がスムーズに行われ、その後圧縮されて隅々に樹脂が行き渡るようになり、たとえ薄肉部分を有するようなものであっても健全な発泡成形品が得られることになる。
【0009】「請求項2」は請求項1に記載の発泡成形品(6)の製造方法の樹脂充填量に関し「金型(1)(2)の型締完了直前に充填される樹脂量が、全充填樹脂量の50〜80%である」ことを特徴とするもので、全充填樹脂量の50%以下の場合では充填量が少な過ぎてスキン層の形成が不十分になり、中心部の発泡跡が表面に現れる可能性があり、逆に80%以上の場合では、充填量が過大となり、後の発泡が不十分になることがある。
【0010】「請求項3」は請求項1または2に記載の発泡成形品(6)の製造方法の充填タイミングに関し「金型(1)(2)の型締完了直前の樹脂(4)の充填タイミングは、型締完了前5秒から型締完了と同時である」ことを特徴とするもので、充填タイミングが型締完了から5秒以上前であれば、充填された樹脂(4)が金型(1)(2)によって冷却され過ぎ、スキン層が大きくなり過ぎて後の発泡が不十分になるという問題を生じる。これに対して、型締完了以後に樹脂(4)の射出充填を開始するのであれば、射出充填された樹脂(4)に金型(1)(2)の型閉方向への移動による圧力が加わらず、樹脂(4)内の発泡剤の発泡を抑制することができず、従来例のようにフラッシュやシルバーマークの発生を解消することができない。加えて前述のように薄肉部分を有する場合には樹脂(4)が当該部分に入らず肉切れを起こすことがある。
【0011】「請求項4」は請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成形品(6)の製造方法の射出充填速度に関し「金型キャビティ(3)内への射出充填速度が、5〜20cm/秒である」ことを特徴とする。射出充填速度が5cm/秒以下と非常に遅い場合、射出充填途中の樹脂(4)の表面にスキン層が発生してこれを引きずるため、表面に皺が発生することがあり、逆に20cm/秒と速過ぎる場合には、金型キャビティ(3)内で樹脂(4)に乱流が発生してスキン層の発生が遅れ、内部の発泡跡が表面に現れて外観が悪くなる。
【0012】「請求項5」は請求項1〜4のいずれかに記載の発泡成形品(6)の製造方法の射出充填開始から充填樹脂の内部発泡開始までの時間を規定したもので「金型キャビティ(3)内への射出充填開始から充填樹脂(4)の内部発泡開始までの時間が3〜10秒である」ことを特徴とする。内部発泡開始までの時間が3秒以下と短すぎる場合には、スキン層の形成が不十分であり前述のように表面が悪くなり、10秒以上と長い場合には、スキン層が発達し過ぎて後工程における発泡が不十分となる。
【0013】「請求項6」は請求項1〜5のいずれかに記載の発泡成形品(6)の製造方法における型締圧に関し「射出充填時の型締圧を20〜100kg/cm2、スキン層形成時の型締圧を20〜80kg/cm2の範囲に設定すると共に射出充填時の型締圧がスキン層形成時の型締圧とほぼ同等か或いは射出充填時の型締圧の方がスキン層形成時の型締圧より大きくする」ことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の態様】以下、この発明の実施例を図示実施例に従って説明する。図1(a)〜(f)は本発明方法の工程図で、本実施例の金型(1)(2)はスタンピング成形に適用されるもので、上部に配設された固定金型(1)と、その直下に配設され、上下方向に移動する移動金型(2)とで構成されており、固定金型(1)の下面にコア型(1a)が突設され、移動金型(2)の上面にメス型(2a)が形成されており、その側面の噛み合わせ部分は摺動状態にて嵌り込むようになっている。また、固定金型(1)には樹脂充填用のランナ(1b)が形成されている。勿論、本発明方法はスタンピング成形のみに適用されるわけでなく、射出成形にも適用することができるが、ここではスタンピング成形をその代表例として説明する。
【0015】本発明において、使用される樹脂は発泡剤が混入された熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではないが、ここではポリプロピレン樹脂組成物をその代表例として説明する。前記ポリプロピレン樹脂組成物は、少なくともポリプロピレン樹脂と発泡剤とで構成されており、前記2成分のほかにプロピレン・α‐オレフィン共重合体及び/またはフィラーを含有させてもよい。
【0016】前記ポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体またはプロピレンブロック共重合体或いはこれらの混合物からなる樹脂であって、メルトフローレート(ASTMD−1238、230℃、荷重2.16kg)が通常10〜100g/分の範囲にあるものが使われる。また、一般的に、発泡成形品は気泡のために衝撃強度が低下する傾向にあるので、プロピレン・α‐オレフィン共重合体を配合したり、或いはプロピレンブロック共重合体においてブロック共重合体成分を特に多く配合することが前記衝撃強度の低下を防止する上で好ましい。
【0017】また前記プロピレン・α‐オレフィン共重合体は、プロピレンとエチレンまたは炭素原子数4〜10のα‐オレフィンとからなる共重合体であり、この共重合体の配合はプロピレンの重合時に配合されてもよいし、プロピレン重合後に配合されてもよい。
【0018】また、本発明で使用される発泡剤は、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムなどの無機発泡剤またはアゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニオリルなどの有機発泡剤あるいはその混合物であってよく、炭酸水素ナトリウムが最も好ましい。前記発泡剤は、ポリプロピレン樹脂に直接添加してもよいが、発泡剤の分散のより高めるため、高濃度に配合したマスターバッチを使用することが好ましい。本実施例ではブロック共重合体に対し無機系発泡剤を1重量%添加しがものを撹拌混合して成形に用いた。
【0019】本発明で使用されるフィラーは、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維などがあげられる。この発明では発泡性及び発泡成形品の剛性の向上という点からタルクやガラス繊維が特に好ましい。
【0020】更に、本発明のポリプロピレン樹脂には、本発明の効果を損なわない程度において、通常用いられる各種添加剤などを配合してもよい。添加剤としては通常のポリプロピレンに配合使用される核剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤などがあげられる。
【0021】次に、本発明にかかる発泡樹脂(4)の成形方法に供される射出シリンダの温度条件について説明する。混練計量された前記発泡樹脂(4)内には発泡剤が予め混入しており、射出充填直後に発泡剤が発泡してしまうのは好ましくない。そこで本発明にあっては射出シリンダの加熱温度を通常の成形条件(200〜230℃)より5〜70℃の範囲で低く設定し、発泡剤の発泡を抑制するようにしている。一例を示すと、射出シリンダの後部を160〜190℃に設定し、前部を190〜215℃に設定するのが好ましい。本実施例では、前部210℃、後部170℃とした。前記温度条件は使用する樹脂の種類、製造場所の温度環境などによって調整されるため本発明はは前記実施例に限定されるものではない。
【0022】次に、本発明の成形方法について説明する。
「型締及び型閉射出工程」図1(a)(b)に示すように、固定金型(1)に向かって移動金型(2)を所定の速度で上昇させる。移動金型(2)が固定金型(1)に対して近接し、所定の位置に達したところでランナー(1b)から計量樹脂(4)を金型キャビティ(3)内に射出充填する。射出充填のタイミングは、型締完了前5秒から型締完了と同時である。型締完了と同時あるいはその直前では若干タイミングとしては遅いので、型締完了前2〜4秒程度がタイミングとして好ましい。また、射出充填速度は、5〜20cm/秒となるようにコントロールされている。型締完了時点では金型キャビティ(3)に充填される樹脂量は、全充填樹脂量の50〜80%である。従って、その残量は型締完了後、型閉状態において引き続いて充填されることになる。なお、型締完了後の「型閉射出工程」における型締力は20〜100kg/cm2の範囲で制御されている。
【0023】前記射出充填において、型締方向に移動金型(2)が移動している状態において発泡剤入りの樹脂(4)を金型キャビティ(3)に充填すると、移動中の金型(1)(2)によって前記樹脂(4)は圧縮応力を受けながら金型キャビティ(3)内に充填されていくので、樹脂(4)内の発泡剤の発泡が抑制される。従って、表面にフラッシュやフローマークなどが生ずることなくスムーズに充填されていくことになる。しかも、金型キャビティ(3)内に「薄肉部分」があったとしても、型締完了前であれば「薄肉部分」も十分なクリアランスを有しているため、発泡剤があらかじめ混入されている樹脂(4)でも十分に侵入していくことができる。
【0024】「表面形成工程」前述の型締及び型閉射出工程において、金型キャビティ(3)内に樹脂(4)が充填されると、樹脂(4)より温度の低い金型キャビティ(3)に接触している部分から冷却されてスキン層が形成される。このスキン層は射出速度が早すぎるとスキン層の背後の未硬化状態の樹脂(4)が乱流を起こし、前記スキン層を破壊して表面層の荒れの原因となるので、適正な射出速度で射出を行う必要がある。この段階ではこのスキン層はまだ十分柔らかく、膨張力を受けると裂けることなく柔軟に伸びることができる状態を保っている。そしてこの時点では金型キャビティ(3)内の圧力(20〜80kg/cm2)は十分高く、充填樹脂(4)の発泡剤は発泡できないように抑制されている。表面形成工程の保持時間は3〜10秒でスキン層が十分に形成されたところで移動金型(2)を所定位置まで後退させ、金型キャビティ(3)内の圧力を減ずる。なお、前述のように、保持時間が3秒以下の場合、スキン層の形成が不十分であり、10秒以上ではスキン層が発達し過ぎることになる。
【0025】「発泡工程」前述のように移動金型(2)を後退させて金型キャビティ(3)内の圧力を減ずると、これに合わせて充填樹脂(4)内の未硬化部分の発泡剤が発泡を開始し、金型キャビティ(3)形状に一致して充填樹脂(4)が膨張する。スキン層は前記発泡と共に柔軟に膨張し、内部の発泡層が表面に現れることを防止している。その結果、発泡層は内部に留まり、表面は非発泡成形体と同等の外観を呈するようになる。
【0026】「固化行程」移動金型(2)を若干後退させた前述の状態を所定時間保持して充填樹脂(4)全体の冷却による固化を図る。取り出し可能な状態になると型開を行い、内部の発泡製品(6)を取り出す。前記発泡製品(6)の表面は非発泡材にて成形したのと同じ極めてきれいな状態となり、内部は発泡状態となっている。このとき前述のように樹脂材料を適切に選定することで発泡させても剛性を十分保った発泡成形体とすることができる。
【0027】「実施例」「型締及び型閉射出工程」において、容積量を525ccの発泡成形品を以下の条件で成形した。初期型締速度150mm/秒で型締を行い、移動金型が所定位置に達したところで型締速度を2.9mm/秒に減速した。射出タイミングは、型締射出工程における射出樹脂量が全樹脂量の55%となるようにするために射出開始は型締完了位置の手前1.7mmとした。この工程における射出充填速度は、高速射出を採用し、8.2cm/秒とした。固定金型に移動金型が完全に嵌り込み、金型キャビティが閉じられた後においても更に樹脂の残量(49%)の射出が行われ、金型キャビティの隅々まで樹脂充填が行われた。「表面形成工程」では、射出完了後、1〜8秒程度保持されることになるが、ここでは2.9秒とした。「発泡工程」では、1.8mmだけ移動金型を後退させ、発泡成形体の厚みが2倍(1.8mmから3.6mm)となるように設定して内部の未硬化層を発泡させた。「固化行程」では、前記発泡工程の状態を維持しつつ冷却させ、発泡成形体全体を硬化させた。これにより非発泡部材と同等の表面を有する発泡部材を得ることができた。
【0028】
【発明の効果】本発明方法は、発泡剤が予め混入されている樹脂を型締途中の金型キャビティ内に射出充填するので、樹脂には金型キャビティ内においても常時は圧縮圧力が印加されており発泡剤の発泡が抑制される。その結果、発泡樹脂の成形において発生しやすいフラッシュやシルバーマークの発生をなくすことができる。そして、スキン層が形成された後、移動金型を後退させて金型キャビティ内の圧力を減少させることで内部の未硬化部分の樹脂を発泡させ、これによって表面のスキン層を損なうことなく膨張させ、結果として非発泡樹脂と同じ表面状態をもつ発泡成形体を形成することができた。また、前述のように型締途中の金型キャビティ内に樹脂を充填するので、発泡剤が予め混入されていたとしても薄肉部分内へ樹脂をスムーズに充填することができ、たとえ薄肉部分を有するようなものであっても健全な発泡成形品を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】591025082
【氏名又は名称】日泉化学株式会社
【出願日】 平成13年4月9日(2001.4.9)
【代理人】 【識別番号】100082429
【弁理士】
【氏名又は名称】森 義明
【公開番号】 特開2002−307474(P2002−307474A)
【公開日】 平成14年10月23日(2002.10.23)
【出願番号】 特願2001−110494(P2001−110494)