| 【発明の名称】 |
複合成形体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 由卓
【氏名】臼井 信裕
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| 【要約】 |
【課題】熱可塑性樹脂からなる基材部と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材がその端縁同士で接合されてなる複合成形体複合成形品であって、両者の接合強度が強く、外観も優れた複合成形品を低コストで製造する。
【解決手段】雄雌一対からなる金型間のキャビティ面の一部分に熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を供給したのち、前記シート部材が存在しないキャビティ面からキャビティ内に溶融状熱可塑性樹脂を供給、充填して、熱可塑性樹脂基材部を形成せしめるとともに、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材と熱可塑性樹脂基材とを端縁同士で接合一体化して複合成形体を製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】雄雌一対からなる金型間のキャビティ面の一部分に熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を供給したのち、前記シート部材が存在しないキャビティ面からキャビティ内に溶融状熱可塑性樹脂を供給、充填して熱可塑性樹脂基材部を形成するとともに、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端部と熱可塑性樹脂基材の端部を接合一体化することを特徴とする複合成形体の製造方法。 【請求項2】雄雌一対からなる金型間のキャビティ面のうちの熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の存在しないキャビティ面の一部または全部に表皮材を供給したのち、表皮材と一方の金型の成形面との間に溶融状熱可塑性樹脂を供給、充填して、熱可塑性樹脂基材の表面の少なくとも一部分に表皮材を貼合一体化した請求項1に記載の複合成形体の製造方法。 【請求項3】未閉鎖の金型間に溶融状熱可塑性樹脂を供給し、型締めによりキャビティ内に充填することを特徴とする請求項1または2に記載の複合成形体の製造方法。 【請求項4】熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端部を挟持体に挟持させ、この挟持体を金型内に設けた嵌合溝に嵌合して熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を金型成形面に固定することを特徴とする請求項1または3に記載の複合成形体の製造方法。 【請求項5】表皮材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端縁同士を重ねあわせて挟持体に挟持させ、この挟持体を金型内に設けた嵌合溝に嵌合して表皮材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を金型成形面に固定することを特徴とする請求項2または3に記載の複合成形体の製造方法。 【請求項6】熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の裏面側に対応する金型に凹部を設けた金型を用い、該凹部に溶融状熱可塑性樹脂を供給して、該凹部で成形される突起状部分と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を融着一体化させることを特徴とする請求項1から5に記載の複合成形体の製造方法。 【請求項7】雄雌一対の金型間に加熱して軟化状態にある熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を供給することを特徴とする請求項1から6に記載の複合成形体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂からなる基材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材が端縁同士で接合されてなる複合成形体の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる成形品は、その経済性、軽量性および良好な賦形性から自動車内装部品、家電製品の内外装部品その他の広い分野で多く使用されている。また、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材は近年の資源問題、環境問題などの観点から紙製ダンボールの代替として各種製品の梱包用等として、あるいは木質系合板の代替として各種構造部材や自動車内装部品に多く使用されている。また、これらの利点を利用して両者の端部同士を接合してなる複合成形体についても注目されている。 【0003】このような複合成形品は、図1にその平面を示すように、熱可塑性樹脂からなる基材部と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端部同士を接合してなる構造となっているが、かかる複合成形品は、射出成形やプレス成形により熱可塑性樹脂からなる基材(6)を、また、真空成形等により所定の形状になるように熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)をそれぞれ予め製造し、その後、これらの端部同士を互いに組み付け、熱かしめ等の手段を用いて接合させていた。(図2) 【0004】しかし、このような熱可塑性樹脂からなる基材部と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を、それぞれ別個に製造し、後工程で端部同士を組み付けて接合させた複合成形品は、工程が複雑になる他、両者の接合時に位置ずれが生じたり、熱かしめ時に表面にも熱が加わり、製品表面の外観不良が生じるという問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このようなことから、本発明者らは熱可塑性樹脂基材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材とからなる複合成形品であって、両者の端部同士の接合強度も強く、外観も優れた複合成形品を低コストで製造する方法について検討の結果、本発明に至った。 【0006】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、雄雌一対からなる金型間のキャビティ面の一部分に熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を供給したのち、前記シート部材が存在しないキャビティ面からキャビティ内に溶融状熱可塑性樹脂を供給、充填して熱可塑性樹脂基材部を形成するとともに、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端部と熱可塑性樹脂基材の端部を接合一体化することを特徴とする複合成形体の製造方法を提供するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。尚、この説明は本発明の一例であり、本発明がこれに限定されるものではない。 【0008】本発明により製造される複合成形体は、熱可塑性樹脂からなる基材(6)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)とからなっており、その代表的な形状の複合成形体(1)は、表面側から見た平面図は図1に示されるとおりであるが、図1におけるA−Aで切断したときの断面を図3(a)で示すように、熱可塑性樹脂基材(6)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなる基材(7)との接合部(F’部)は、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の端縁と熱可塑性樹脂からなる基材(6)の端部同士が熱融着により一体的に接合した構造となっている。あるいは、図3(b)で示すように熱可塑性樹脂からなる基材(6)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)との接合部(F部)において、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の端縁が基材(6)を構成している熱可塑性樹脂で包み込まれるように一体的に接合した構造となっている。 【0009】この接合部は、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)と熱可塑性樹脂基材(6)との端縁同士の接触面において接合一体化していることが必要であるが、接合一体化の方法としては熱融着であってもよいし、熱可塑性樹脂基材(6)が熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)を包み込んで物理的に接合している形態であってもよい。また、接合面は、熱可塑性樹脂基材(6)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の合縁部の全てであってもよいし、部分的であってもよく、接合強度に問題がない程度に両者が接合していれば特に制限されるものではない。 【0010】本発明により製造される複合成形品の熱可塑性樹脂からなる基材部分にはその表面の一部または全部に表皮材が積層されていてもよく、例えば図4(a)に複合成形品の表面側から見た平面を、図4(b)に図4(a)におけるC−Cで切断したときの断面を示すように、熱可塑性樹脂基材(6)部の表面全面に表皮材(8)が積層された形態や、図5(a)にその平面を、図5(b)に図5(a)におけるD−Dで切断したときの断面を示すように、熱可塑性樹脂基材(6)の表面の一部分に表皮材(8)が積層された形態であってもよい。 【0011】また、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材と熱可塑性樹脂基材との接合部における断面として、図6(a)に示すように熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の表面に表皮材(8’)が積層されていたり、図6(b)に示すように熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の裏面に補強シートなどの裏打ち材(9)等が積層されていてもよい。 【0012】更に、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の裏面には製品強度を向上させるためのリブや、他の部品との組み付けのためのボス等の突起物が一体的に設けられていてもよい。このリブやボスは、例えば図7(a)に示すように熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の裏面の全長にわたってリブ(10)が形成されていてもよいし、図7(b)に示すように熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の裏面に部分的にリブ(10)が形成されていてもよく、また、図7(c)に示すようにリブ(10)の配置や形状は特に制限されず、その大きさや数についてもその使用目的によって適宜決定される。 【0013】もちろん、このようなリブやボスは熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材のみに限られず、熱可塑性樹脂基材部に設けられていてもよいし、その両方に設けられていてもよい。 【0014】また、本発明により製造される複合成形体は、上記例で説明したような熱可塑性樹脂基材(6)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の端部同士を突き合わせ状態で接合した形態の他、図8(a)に示すように熱可塑性樹脂基材(6)が熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)ではさみ込まれた形態であってもよいし、図8(b)に示すように熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の全周が熱可塑性樹脂基材(6)で囲まれた形態であってもよく、あるいはその反対に熱可塑性樹脂基材(6)の全周が熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)で囲まれた形態であってもよい。熱可塑性樹脂基材(6)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(7)の配置は特に制限されるものではなく、複数の熱可塑性樹脂や複数の熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材が適宜組み合わされたものであってもよい。 【0015】このような複合成形品は次のような方法によって製造される。図9は本発明の方法に用いる金型例の概略断面図であり、この金型は雄型(11)の外周部と雌型(12)の内周部が摺動面となって相互に摺動する雄雌一対からなっており、雄型の成形面には熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端部を挟持する挟持体(13)を嵌合する嵌合溝(14)を有しているとともに溶融樹脂供給通路(15)を介して溶融樹脂供給口(16)が開口している。この溶融樹脂供給口は熱可塑性樹脂基材の形成部に対応する箇所にあればよく、製品形状や大きさに応じてその数や配置を決定すればよい。 【0016】次にこのような金型を用いて図1に示す複合成形品を製造する方法について説明する。図10(a)は熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁を挟持体(13a)に挟持した例を平面図で模式的に示したものである。熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の挟持は成形時に位置ずれを起こさない程度に固定されていればよく、この例では熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端縁を挟持している部分と挟持していない部分を交互にした状態を示している。すなわち、図10(a)のG−Gの部分は図10(b)で示されるように熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端縁は挟持体(13a)によってしっかりと挟持されているが、図10(a)のH−Hの部分は図10(c)で示されるように、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端縁は挟持体(13a)には直接的には挟持されていない。この図10(c)に示す熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁を挟持していない部分は、成形時に溶融状熱可塑性樹脂が入り込み、成形後の複合成形品となった時に熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁が熱可塑性樹脂基材(6)と接合される部分に対応しており、この部分を多くすれば、熱可塑性樹脂基材(6)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)との接合強度が強くなるが、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の位置決め性が悪くなってしまうという問題がある。このため、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端縁を挟持体によってしっかりと挟持されている部分と、直接的には挟持されていない部分とが交互に細かく配置されていることが好ましい。 【0017】この時に挟持体(13a)に挟持する熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)は、そのままの状態で挟持体(13a)に挟持してもよいが、予め加熱をして軟化した状態で挟持することが好ましい。また、予め製品形状に賦形した状態のものを挟持しても構わない。この挟持体(13)は嵌合溝(14)から脱離可能であって、挟持体を嵌合溝から脱離させて取り出し、上記のようにして熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を予め挟持体に挟持させた後、この挟持した状態を保持しながら嵌合溝に嵌合されるのが一般的である。 【0018】図11は熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端部を挟持した挟持体(13a)を雄型(11)に設けられた嵌合溝(14)に嵌合した状態を示している。この時、雄型(5)の外周部にクランプ枠(図示せず)等を設けて、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の外周部を固定してもよい。図12は金型間にセットした熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)が存在しない部分の雄型内に設けられた溶融樹脂供給口(16)から溶融樹脂供給通路(15)を介して溶融状熱可塑性樹脂(18)を供給している状態を示している。この溶融樹脂供給口(16)の数や配置は、製品の形状や大きさにより適宜決定される。また、この溶融状熱可塑性樹脂(18)を供給するときの雄雌金型のキャビティクリアランスは製品に要求される外観品質によって適宜決定される。 【0019】図13は型締めを完了してキャビティ内に溶融状熱可塑性樹脂を充填した状態を示しており、図13(a)は熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)を挟持している部分の、図13(b)は熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)を挟持していない部分での型締めした状態をそれぞれ示しており、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)を挟持していない部分の隙間に溶融状熱可塑性樹脂が入り込み、熱可塑性樹脂基材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材とが端部同士で強固に接合されている。この型締めのタイミングは溶融状熱可塑性樹脂(18)を供給しながら、または供給完了後のどちらであってもよい。尚、溶融状熱可塑性樹脂(18)の供給完了後に型締めを行なう際には、溶融状の熱可塑性樹脂の供給完了後速やかに型締めを開始することが好ましい。また、雄雌金型の型締めは、図では縦方向の例を示しているが、型締め方向は縦方向であっても横方向であってもよい。この後、冷却・固化を行い、雄雌両金型を開放することにより、熱可塑性樹脂基材に熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材が端部同士で強固に接合された複合成形品が取出される。 【0020】この方法において、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を図14に示す挟持体(13b)を用いた場合も同様に、熱可塑性樹脂基材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を端部同士で一体化することができる。この挟持体を用いた場合、溶融状熱可塑性樹脂供給後の型締め完了時(図15)において、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)を挟持していない部分(図15(b))の端縁周囲に溶融状熱可塑性樹脂が入り込み、熱可塑性樹脂基材が熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端縁を包み込むように形成され、熱可塑性樹脂基材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材が強固に接合される。 【0021】図16は熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の裏面側にリブを設けた複合成形品の製造例である。このときに用いる金型は、前記した金型構造に加えて雄型内の熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材に覆われる部分の一部分にリブやボスを形成するための凹部(19)が設けられており、この凹部にも溶融樹脂供給通路が接続され、溶融樹脂供給口(20)より溶融状熱可塑性樹脂が供給できる構造になっている。この溶融樹脂供給口には開閉弁(図示せず)を設け、基材部となる部分に溶融状熱可塑性樹脂を供給する溶融樹脂供給口(16)とリブ又はボス部に溶融状熱可塑性樹脂を供給する溶融樹脂供給口(20)が、それぞれ独立して溶融樹脂の供給タイミングや供給時間を調節できることが好ましい。図17は雄型内に設けたリブやボスを形成するための凹部(19)に溶融樹脂供給通路を通じて溶融樹脂供給口(20)から溶融状熱可塑性樹脂を供給し、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の裏面にリブ(10)が熱融着により一体的に形成されたところを示している。このリブやボスを形成するための溶融状熱可塑性樹脂を供給するタイミングは雄雌金型の型締めが完了した後に行なうことが好ましい。 【0022】次に熱可塑性樹脂基材の表面に表皮材が貼合一体化された複合成形品を製造する方法について説明する。図18(a)は表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁を重ねあわせて挟持体(13c)に挟持した例を平面図で模式的に示したものである。表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の挟持は成形時に位置ずれを起こさない程度に固定されていればよく、この例では表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁を重ねあわせて挟持している部分と挟持していない部分を交互にした状態を示している。すなわち、図18(a)のI−Iの部分は図18(b)で示されるように、表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁同士は挟持体(13c)によってしっかりと挟持されているが、図18(a)のJ−Jの部分は図18(c)で示されるように、表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁同士は挟持体(13c)には直接的には挟持されていない。この図18(c)に示す表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁同士を挟持していない部分は、成形時に熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁周辺の隙間に溶融状熱可塑性樹脂が入り込み、成形後の複合成形品となった時に熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁が熱可塑性樹脂基材(6)で包み込まれる部分に対応しており、この部分を多くすれば、熱可塑性樹脂基材(6)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)との接合強度が強くなるが、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の表面部に熱可塑性樹脂が入り込んだり、位置決め性が悪くなってしまうという問題がある。このため、表皮材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端縁同士を挟持体によってしっかりと挟持されている部分と、直接的には挟持されていない部分とが交互に細かく配置されていることが好ましい。 【0023】この時に挟持体(13c)に挟持する熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)は、そのままの状態で挟持体(13c)に挟持してもよいが、予め加熱をして軟化した状態で挟持するのが好ましい。また、予め製品形状に賦形した状態のものを挟持してもよい。表皮材(8)についても、そのままの状態で挟持してもよいし、予め加熱した状態で挟持してもよく、また、予め製品形状に賦形した状態のものを挟持しても構わない。 【0024】図19は表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁同士を重ねあわせて挟持した挟持体(13c)を雄型(11)に設けられた嵌合溝(14)に嵌合したところを示している。この時、雄型(11)の外周部にクランプ枠(図示せず)等を設けて、表皮材および、または熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の外周部を固定してもよい。図20は金型間にセットした表皮材と雄型との間に、溶融状熱可塑性樹脂を雄型内の溶融樹脂供給通路を介して溶融樹脂供給口(16)から供給したところを示している。この溶融樹脂供給口(16)の数や配置は製品の形状や大きさによって適宜決定されるが、表皮材が熱可塑性樹脂基材表面の一部分にのみ貼合一体化される場合においては、少なくとも表皮材の存在する場所に配置することが必要である。また、この溶融状熱可塑性樹脂(18)を供給するときの雄雌金型のキャビティクリアランスは使用される表皮材の種類によって適宜決定される。 【0025】図21は型締めを完了したところの状態を示しており、図21(a)は表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁を挟持している部分の、図21(b)は表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁を挟持していない部分での型締めした状態をそれぞれ示しており、表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁を挟持していない部分において熱可塑性樹脂基材が表皮材(8)と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材(17)の端縁周囲を包み込むように形成され、熱可塑性樹脂基材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材が強固に接合される。型締めのタイミングは溶融状熱可塑性樹脂(18)を供給しながら、または供給完了後のどちらであってもよい。尚、溶融状熱可塑性樹脂(18)を供給完了後に型締めを行なう際には、溶融状の熱可塑性樹脂の供給完了後速やかに型締めを開始することが好ましい。この後、冷却・固化を行い、雄雌両金型を開放することにより、熱可塑性樹脂基材の表面に表皮材が貼合一体化され、しかも熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材が強固に接合された複合成形品が取出される。 【0026】このような本発明の熱可塑性樹脂基材に適用される熱可塑性樹脂としては圧縮成形、射出成形、押出成形などで通常使用される樹脂であり、たとえばポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルースチレンーブタジエンブロック共重合体、ポリスチレン、ナイロンなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、スチレンーブタジエンブロック共重合体などの一般的な熱可塑性樹脂、EPMやEPDMなどの熱可塑性エラストマー、これらの混合物、あるいはこれらを用いたポリマーアロイ等があげられ、これらは非発泡性であっても発泡性であってもよい。また、これらの熱可塑性樹脂には必要に応じて通常使用されるガラス繊維、各種の無機もしくは有機フィラーなどの充填材が含有されていてもよく、もちろん通常使用される各種の顔料、滑材、帯電防止剤、安定剤などの各種添加材が配合されていてもよい。 【0027】本発明に適用される表皮材としてはモケットやトリコット等の織物や編み物、ニードルパンチカーペット等の不織布、金属フォイルや熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーのシートまたはフィルムがあげられる。これらの表皮材は必要に応じて発泡層や裏打ち層が適宜積層された2層あるいは3層以上とした積層表皮材であってもよいが、熱可塑性樹脂と熱融着可能なもの、あるいは表皮材裏面に溶融状態の熱可塑性樹脂が含浸して基材樹脂部分と接着可能なものであることが必要である。この場合の発泡層としては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンの発泡体や、ポリ塩化ビニル発泡体、軟質あるいは半硬質のポリウレタン発泡体等が、また、裏打ち層としては、不織布や合成樹脂シートやフィルムなどが挙げられる。不織布を構成する繊維としては、綿、毛、絹、麻等の天然繊維あるいはポリアミド、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維が使用でき、これらを単独であるいは混紡して種々の方法により不織布としたものが用いられる。例えばニードルパンチ式、サーマルボンド式、スパンボンド式、メルトブロー式、スパンレース式等の不織布があげられる。合成樹脂からなるシートやフィルムとしては、ポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂やポリオレフィン系熱可塑性エラストマーのシートやフィルムがあげられ、基材樹脂として使用される熱可塑性樹脂と融着性のあるものが用いられる。 【0028】本発明に適用される熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材は、互いに平行または略平行に対面して配置された2枚のライナー部と、そのライナー部間に平行または略平行に配されて両ライナー部を連結する複数のリブとを有した構造からなるシート状物(図23)を所定の形状に成形してなるものである。この熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材として適用される熱可塑性樹脂としては、前記した熱可塑性樹脂基材として適用される熱可塑性樹脂と同様であるが、熱可塑性樹脂基材として適用する熱可塑性樹脂と同種のもので互いに融着可能なものが特に好ましい。また、ライナー部とリブとは同一の樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよいが、同一の樹脂を含む材料で一体的に形成されているものが好ましい。 【0029】熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材のリブの間隔や厚みには特に制限はないが、製品の重量と強度のバランスを考慮すると厚みは1〜10mm程度が好ましい。また、熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材には、その表面に不織布等の表皮材が積層されていてもよいし、裏面に補強用の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーのシート等が積層されていてもよい。 【0030】本発明の複合成形品に適用される成形方法としては、表皮材を貼合一体化する場合においては、表皮材に与えるダメージが低減できる圧縮成形が好ましく適用できるが、図11に示すように熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材を金型内にセットした後、図22に示すように雄雌金型を閉じ、その後に溶融状熱可塑性樹脂を供給して賦形する方法でもよい。 【0031】 【発明の効果】本発明の方法によって、熱可塑性樹脂基材と熱可塑性樹脂ダンボール構造体からなるシート部材の端部同士を一体的に接合しても、両者の接合強度が高く、しかも位置ずれのない、外観の良好な複合成形品を効率よく低コストで製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月2日(2001.4.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093285 【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−292745(P2002−292745A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−102940(P2001−102940) |
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