| 【発明の名称】 |
ゴム積層体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加山 和義
【氏名】斉藤 知二
【氏名】島田 淳
【氏名】宮地 淳
【氏名】島ノ江 哲
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| 【要約】 |
【課題】ゴム層と硬質板との接着時間が早く、かつ製造後の加硫ゴム層それぞれの形状寸法を均一とするゴム積層体の製造方法、及び製造されたゴム積層体の全体の高さを設定値通りの高さとするゴム積層体の製造方法の提供。
【解決手段】ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層が加硫ゴム組成物及び/又はセミ加硫ゴム組成物からなる層であり、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させるゴム積層体の製造方法、及びゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の少なくとも一層が未加硫ゴム組成物を含み、残部が加硫ゴム組成物及び/又はセミ加硫ゴム組成物からなる、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させることを特徴とするゴム積層体の製造方法により上記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させることを特徴とするゴム積層体の製造方法。 【請求項2】ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の一部が未加硫ゴム組成物を含み、残りが予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させることを特徴とするゴム積層体の製造方法。 【請求項3】前記ゴム層の少なくとも一層が未加硫ゴム組成物からなる層であり、残りの層が予め加硫したゴム組成物及び/又はセミ加硫したゴム組成物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム積層体の製造方法。 【請求項4】ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱しながら、前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするゴム積層体の製造方法。 【請求項5】ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の一部が未加硫ゴム組成物を含み、残りが予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱しながら、前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするゴム積層体の製造方法。 【請求項6】前記ゴム層の少なくとも一層が未加硫ゴム組成物からなる層であり、残りの層が予め加硫したゴム組成物及び/又はセミ加硫したゴム組成物からなることを特徴とする請求項4又は5に記載のゴム積層体の製造方法。 【請求項7】ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱するとともに、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするゴム積層体の製造方法。 【請求項8】ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の一部が未加硫ゴム組成物を含み、残りが予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱するとともに、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするゴム積層体の製造方法。 【請求項9】前記ゴム層の少なくとも一層が未加硫ゴム組成物からなる層であり、残りの層が予め加硫したゴム組成物及び/又はセミ加硫したゴム組成物からなることを特徴とする請求項7又は8に記載のゴム積層体の製造方法。 【請求項10】前記セミ加硫したゴム組成物が、完全に加硫した状態の粘度を最高粘度とし、未加硫の状態の粘度を最低粘度とした場合に、(目的粘度−最低粘度)/(最高粘度−最低粘度)≧0.15である目的粘度をもつことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のゴム積層体の製造方法。 【請求項11】前記セミ加硫したゴム組成物が、電子線照射によりセミ加硫されるゴム組成物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のゴム積層体の製造方法。 【請求項12】前記接着剤が、接着反応活性化エネルギーが126kJ/mol以下であり、最適接着反応時間における剥離力の30%の剥離力を発現できる接着反応時間が130℃において30分以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のゴム積層体の製造方法。 【請求項13】請求項1〜12のいずれかに記載のゴム積層体の製造方法で製造されたことを特徴とするゴム積層体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム積層体の製造方法及びゴム積層体に関し、より詳しくは、接着時間が短く、層間の接着が良好であり、積層体の高さが設定値通りである、各種の振動エネルギー吸収装置、特に免震装置として好適なゴム積層体及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、振動エネルギーの吸収装置、すなわち、防振、除振、免震装置等が急速に普及しつつある。このような装置の一形態として、鋼板とゴム層を交互に積層した免震用積層ゴムが挙げられる。免震用積層ゴムは、鉛直方向には非常に硬い物体として振る舞い、水平方向に対しては単体のゴム塊の場合と同様に大きくずれて、柔らかい物体として振る舞うことから、例えば建物、橋架等の支承体として用いた場合に、地面の揺れが直接建物等に伝わるのを抑制し、建物等を保護する。 【0003】従来、ゴム積層体は、未加硫のゴム配合物をシート状に成形してゴム層とし、このゴム層と金属接着剤を塗布した鋼板とを交互に重ね、これらを加圧・加熱することにより、ゴムの加硫と、ゴム層と鋼板との接着を同時に行っていた。しかし、ゴムを加硫する際に未加硫のゴムシートがフローを起こし、ゴムゲージが設定値よりも薄くなる、特に熱源のある上下端板付近でのゴムゲージは著しく薄くなり、またシートの同一平面内でのゲージのばらつきも生じるという問題があり、所定のゴム層の厚みを得るためには、複雑な構造の金型を必要とし、製造も煩雑であった。また、未加硫ゴムからなるゴムシートを加硫する必要があるため、製造時間が長いという問題があった。 【0004】そこで、製造工程が簡単で低コストで厚み精度の優れたゴム積層体を提供すべく、特開平9−272173、9−272174号公報には、ゴム層として予め加硫されたシート状ゴムを使用し、このシート状ゴムと金属板とを交互に1層〜50層に積層した積層物を筒状ガイド内に保持し、この積層物を二つの押えプレートで挟持し、これらのプレートを押えボルトにより締結させて、温度100℃〜170℃に加熱する免震積層ゴムの作製方法が開示されている。これにより、厚みの精度がよく、製造工程が簡単な作製方法を得ることができる。 【0005】しかし、該作製方法は、筒状ガイドと二つの押えプレート等により挟持させた積層物を、空気、油などを媒体として加熱もしくは蒸気加熱しているため、筒状ガイドの熱容量の分も加熱する必要があり、多量の熱量が必要であるという問題があった。また、空気や油等を媒体にしているので熱の伝わりが遅く、加硫短縮効果があがらない、さらに大きな免震装置には対応できないという問題があった。 【0006】また、一方で、加硫ゴムシート1枚1枚の厚さにばらつきがある、例えば、すべての加硫ゴムシートがわずかに厚いものであった場合、積層体中のゴム層のトータルの厚さが設定値よりも厚くなってしまうことから、結果として作製された積層体全体の高さにばらつきがでて、設定値通りにすることができないという問題があった。これは、ゴム積層体を免震等に利用される免震用支承体として建物、橋架等の支承体に使用する場合には、複数個の支承体を使用するため、高さにばらつきがでることは好ましくなく、その性質上、高さを設定値通りになるように製造する必要がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゴム層と硬質板との接着時間が早く、かつ製造後の各加硫ゴム層の形状寸法を均一とするゴム積層体の製造方法を提供することを第一の目的とする。本発明はまた、製造されたゴム積層体の全体の高さを設定値通りの高さとするゴム積層体の製造方法を提供することを第二の目的とする。本発明はまた、以上の方法により製造された設定値通りの高さを持つゴム積層体を提供することを第三の目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、接着剤を介したゴム層と硬質板との接着において、ゴム層が未加硫ゴム組成物からなる場合に比べて、予め加硫したゴム組成物又は予め所定の加硫度にセミ加硫したゴム組成物からなるゴム層のほうが、硬質板との接着が良好であること、この際、熱源を備えたプレス機で積層体の上下を熱板により挟んで加熱・加圧することで、空気、油などを媒体とした加熱方法よりも接着時間を早めることができること、及び、加硫又はセミ加硫したゴム組成物からなるゴム層の厚みに場所によってわずかなばらつきがある場合、ゴム層の少なくとも一部を未加硫ゴム組成物を含む層とし、残りに加硫ゴム組成物及び/又はセミ加硫ゴム組成物を配することで、設定値通りの高さを持つゴム積層体を得ることができることを見出し、本発明を完成した。 【0009】即ち、本発明の第一の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させることを特徴とするものである。 【0010】ここで、前記セミ加硫したゴム組成物が、完全に加硫した状態の粘度を最高粘度とし、未加硫の状態の粘度を最低粘度とした場合に、(目的粘度−最低粘度)/(最高粘度−最低粘度)≧0.15である目的粘度をもつように加硫することが好ましく、また、前記接着剤が、接着反応活性化エネルギーが126kJ/mol以下であり、最適接着反応時間における剥離力の30%の剥離力を発現できる接着反応時間が130℃において30分以下であることが好ましい。なお、目的粘度とは、加硫時に製造者が任意に設定する架橋度における粘度であり、所望の設定粘度である。また、前記セミ加硫したゴム組成物が、電子線照射によりセミ加硫されるゴム組成物であるのが好ましい。 【0011】また、本発明の第二の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の一部が未加硫ゴム組成物を含み、残りが予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させることを特徴とするものである。また、本発明の第三の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の少なくとも一層が未加硫ゴム組成物を含み、残りの層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させることを特徴とするものである。なお、第二と第三の態様は、1つの積層体中で混在してもよく、すなわち、加硫(セミ加硫)と未加硫が混在するゴム層、未加硫のゴム層、加硫(セミ加硫)のゴム層とが組合わされていてもよい。 【0012】ここで、前記セミ加硫したゴム組成物が、完全に加硫した状態の粘度を最高粘度とし、未加硫の状態の粘度を最低粘度とした場合に、(目的粘度−最低粘度)/(最高粘度−最低粘度)≧0.15である目的粘度をもつよう加硫することが好ましい。また、前記接着剤が、接着反応活性化エネルギーが126kJ/mol以下であり、最適接着反応時間における剥離力の30%の剥離力を発現できる接着反応時間が130℃において30分以下であることが好ましい。なお、目的粘度とは、加硫時に製造者が任意に設定する架橋度における粘度であり、所望の設定粘度である。また、前記セミ加硫したゴム組成物が、電子線照射によりセミ加硫されるゴム組成物であるのが好ましい。 【0013】また、本発明者らは、接着剤を介したゴム層と硬質板との接着において、ゴム層が未加硫ゴム組成物からなる場合に比べて、予め加硫したゴム組成物又は予め所定の加硫度にセミ加硫したゴム組成物からなるゴム層のほうが、硬質板との接着が良好であること、この際、電磁誘導加熱により、または電磁誘導加熱と熱板を備えたプレス機で積層体の上下を熱板により挟んで加熱・加圧することにより、さらに接着時間を早めることができること、及び、加硫又はセミ加硫したゴム組成物からなるゴム層の厚みに場所によってわずかなばらつきがある場合、ゴム層の少なくとも一部を未加硫ゴム組成物を含む層とし、残りに加硫ゴム組成物及び/又はセミ加硫ゴム組成物を配することで、設定値通りの高さを持つゴム積層体を得ることができることを見出し、本発明を完成した。 【0014】即ち、本発明の第四の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱しながら、前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。 【0015】また、本発明の第五の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の一部が未加硫ゴム組成物を含み、残りが予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱しながら、前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。また、本発明の第六の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の少なくとも一層が未加硫ゴム組成物からなる層であり、残りの層が予め加硫したゴム組成物及び/又はセミ加硫したゴム組成物からなり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱しながら、前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。なお、第五と第六の態様は、1つの積層体中で混在してもよく、すなわち、加硫(セミ加硫)と未加硫が混在するゴム層、未加硫のゴム層、加硫(セミ加硫)のゴム層とが組合わされていてもよい。 【0016】また、本発明の第七の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱するとともに、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。 【0017】また、本発明の第八の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の一部が未加硫ゴム組成物を含み、残りが予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱するとともに、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。また、本発明の第九の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の少なくとも一層が未加硫ゴム組成物からなる層であり、残りの層が予め加硫したゴム組成物及び/又はセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱するとともに、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。なお、第八と第九の態様は、1つの積層体中で混在してもよく、すなわち、加硫(セミ加硫)と未加硫が混在するゴム層、未加硫のゴム層、加硫(セミ加硫)のゴム層とが組合わされていてもよい。 【0018】ここで、第四乃至第九の態様においては、前記セミ加硫したゴム組成物が、完全に加硫した状態の粘度を最高粘度とし、未加硫の状態の粘度を最低粘度とした場合に、(目的粘度−最低粘度)/(最高粘度−最低粘度)≧0.15である目的粘度をもつように加硫することが好ましく、また、前記接着剤が、接着反応活性化エネルギーが126kJ/mol以下であり、最適接着反応時間における剥離力の30%の剥離力を発現できる接着反応時間が130℃において30分以下であることが好ましい。なお、目的粘度とは、加硫時に製造者が任意に設定する架橋度における粘度であり、所望の設定粘度である。また、前記セミ加硫したゴム組成物が、電子線照射によりセミ加硫されるゴム組成物であるのが好ましい。 【0019】本発明の第十の態様にかかるゴム積層体は、上記のいずれかの製造方法で製造されたことを特徴とするものである。 【0020】 【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明する。 <第一の態様>本発明の第一の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層として、予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層を用いて、このゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層し、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させるものである。なお、本発明のすべての態様において、ゴム組成物とは、ゴム及び、必要がある場合には添加剤を含有する組成物である。 【0021】本発明で、ゴム層として加硫ゴム組成物及び/又はセミ加硫ゴム組成物からなる層を使用するが、この加硫ゴム組成物、セミ加硫ゴム組成物の原料として用いるゴムは、特に限定されず、天然ゴム(NR)系、イソプレンゴム(IR)系、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)系、天然ゴム/スチレン・ブタジエン共重合ゴム(NR/SBR)系、天然ゴム/ブタジエンゴム(NR/BR)系、天然ゴム/アクリロニトリルブタジエンゴム(NR/NBR)系、天然ゴム/クロロプレンゴム(NR/CR)系等が好適に例示される。 【0022】このゴムには、必要に応じて、充填剤、可塑剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等の種々の添加剤を配合することができる。充填剤としては、HAFカーボン、SAFカーボン等のカーボンブラック等が、可塑剤としては、アロマオイル、ワックス等が、加硫剤としては、硫黄、亜鉛華等が、加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)等が、加硫助剤としては、ステアリン酸等が挙げられる。 【0023】また、本発明の製造方法において使用する硬質板としては、従来公知の各種鋼板等が使用でき、特に限定されるものではないが、例えば、一般構造用鋼板、冷間圧延鋼板等を挙げることができる。 【0024】ゴム層及び硬質板の厚さ、大きさ及び形状は、製造されたゴム積層体が適用される用途に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されない。また、ゴム層及び硬質板の平面形状は、橋梁用の場合は角板状、建物用の場合には円板状とするのが一般的である。 【0025】ゴム層と硬質板との間に介在してこれらの層を接着させる接着剤としては、加硫接着剤を挙げることができる。加硫接着剤としては、ハロゲン化エラストマーを用いたものであり、塩化ゴム等を基材とし、クロロスルホン化ポリエチレン、架橋剤等が配合されているものが一般的である。 【0026】接着時間短縮の観点から接着反応速度の早い接着剤を好ましく使用することができる。通常、ゴム層と硬質板との接着反応は、ゴムの加硫と同時に行われているため、接着反応そのものの反応時間、及び接着反応の活性化エネルギーを求めることは困難であった。このため、従来、接着反応時間や接着反応の活性化エネルギーを測定することによる接着剤の最適化はなされていなかった。これに対し、本発明のゴム積層体の製造方法では、予め加硫したゴム組成物又は予め所定の加硫度にセミ加硫したゴム組成物からなるゴム層のほうが、硬質板との接着が良好であることを見出し、予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物を少なくとも一部に使用する。このため、例えば、既に、加硫反応が終了している加硫ゴムに対して接着試験を実施することにより、ゴム層と硬質板との接着反応そのものの反応時間を求めることができるようになる。このため、この反応時間の測定から、接着反応の活性化エネルギー等の測定が可能となり、本発明に係るゴム積層体の製造方法に最適な接着剤を選択することが可能となる。 【0027】本発明において、使用される接着剤は、接着反応活性化エネルギーが126kJ/mol以下であることが好ましく、更に好ましくは113.4kJ/mol以下である。また、最適接着反応時間における剥離力の30%の剥離力を発現できる接着反応時間が130℃において30分以下であることが好ましく、更に好ましくは20分以下である。このような接着剤を使用することにより、接着時間の更なる短縮が可能となる。 【0028】次に、本発明の第一の態様にかかるゴム積層体の製造方法の一例について説明する。まず、未加硫状態のゴム組成物に適宜添加剤を添加して混練し、所定の厚さ、形状として未加硫ゴムシートを得る。その後、この未加硫ゴムシートを130℃〜150℃で加硫又はセミ加硫し、必要があれば所定の形状となるように打ち抜き、ゴム層を得る。 【0029】ここで、セミ加硫とは、未加硫ゴム組成物を、完全に加硫するに至る前まで加硫させた状態を指す。セミ加硫ゴム組成物は、完全に加硫した状態の粘度を最高粘度とし、未加硫の状態の粘度を最低粘度とした場合に、(目的粘度−最低粘度)/(最高粘度−最低粘度)が0.15以上である目的粘度に加硫することが好ましく、0.15〜0.7の範囲であることが更に好ましい。このようにすることで、セミ加硫ゴム層はゴム積層体の加熱・加圧下でフローしにくい状態となり、セミ加硫ゴム層の厚さを層内で均一に保つことができるという効果がある。 【0030】加硫する方法は、特に限定されず、具体的には、加熱による方法(プレス、蒸気)、電子線照射による方法等が挙げられる。加熱による方法では、温度と圧力を制御する必要があるが、用いるゴム組成物等に応じて適宜決定される。セミ加硫する方法も、特に限定されず、具体的には、加熱による方法(プレス、蒸気)、電子線照射による方法等が挙げられる。加熱による方法では、温度と圧力を制御する必要があるが、用いるゴム組成物、加硫率等に応じて適宜決定される。電子線照射による方法では、吸収線量を制御する必要があるが、用いるゴム組成物、加硫率等に応じて適宜決定される。セミ加硫は、電子線照射による方法が好ましい。例えば、プレス加熱による方法では、未加硫ゴムシートの仕込み、セミ加硫ゴムシートの取り出しに時間を要し作業性が悪い。電子線では、帯状の未加硫ゴムシートを連続的にセミ加硫できるため作業性が良い。 【0031】続いて、所定の形状の硬質板を用意し、ゴム層との接着性を高めるため、必要に応じて、硬質板に予め塩素化処理や酸化処理等の化学的処理、段差や凹凸を設ける等の機械的加工等により表面処理をし、さらに表面を脱脂する。 【0032】次に、硬質板及びゴム層の積層する面の間に接着剤が介在するように、硬質板及び/又はゴム層に上述した接着剤を塗布し、交互に積層する。接着剤は、硬質板とゴム層の少なくとも一方に塗布すればよく、好ましくは硬質板に塗布する。接着剤の塗布量は、塗布面に対して、10μm〜20μmの厚さになるように塗布することが好ましい。また、硬質板と接着剤との接着性を高めるため、ゴム層の表面にゴムセメントを塗布しても良い。ゴムセメントは、ゴム層の原料であるゴムの配合物をベンゼン、トルエン、キシレンなどのような有機溶剤で溶解した溶液である。好ましくはゴム層と同一のベースゴムに加硫剤を配合した未加硫状態のゴム配合物の溶液であることが好ましく、ゴム層との相溶性がよいことが好ましい。 【0033】積層するゴム層及び硬質板の厚さ及び枚数は、特に限定されず、ゴム積層体が適用される用途に応じて適宜決定される。また、必要により、積層体の側面を被覆ゴムによりくるんでも良い。 【0034】上述した積層体は、熱源を備えたプレス機により上下を熱板により挟んで130℃〜150℃の温度、0.5MPa〜15MPaの圧力で加熱・加圧され、ゴム層と硬質板とが接着し、ゴム積層体が製造される。プレス機によれば、オーブン等の空気や油等を媒体とした加熱方法に比べて、50%〜75%の時間ですべてのゴム層と硬質板間を接着させることが可能となる。また、さらに接着時間を短くする観点から、ゴム層と硬質板とを予め130℃〜150℃程度に加温しておき、積層体製造時に接着剤を介して一気に積層し、上述の圧力の範囲でプレス機により圧着させることにより製造しても良い。プレス機により圧着させる際に、プレス機の熱板を130℃〜150℃の温度に加温してもよいし、特に温めなくてもよい。 【0035】<第二の態様>本発明の第二の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層の一部が未加硫ゴム組成物を含み、残りが予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させるものである。セミ加硫は、電子線照射による方法が好ましいのは第1の態様と同様である。 【0036】まず、本発明の第二の態様にかかるゴム積層体の製造方法に特徴的であるゴム層について図示例の好適実施例に基づいて詳細に説明する。図2は、第二の態様にかかる製造方法の一例により製造されたゴム積層体を積層方向に対して垂直に切った断面図であり、未加硫ゴム組成物を一部に含む層の様子を示している。円板状のゴム層は、加硫ゴム部分10と未加硫ゴム部分12とから構成されており、円板状の未加硫ゴム部分12中に、この円板よりも小さい円板状の加硫ゴム部分10が点対称に配置されている。 【0037】ゴム層の一部を未加硫ゴム組成物により構成する場合は、未加硫ゴム層中に加硫又はセミ加硫ゴム層を一部配置することによってゴム層を作製してもよいし、また未加硫ゴム層を所定の形状として、加硫済又はセミ加硫済のゴム層の一部に配置してもよい。この場合、製造後の各加硫ゴム層の形状寸法を均一とするという第一の目的及びゴム積層体の全体の高さを設定値通りの高さとするという第二の目的を効果的に達成すべく、加硫ゴム組成物及び/又はセミ加硫ゴム組成物の配置位置は、図2のようにゴム層の平面形状の中心点に対して点対称、又は平面形状の中心線に対して線対称に設けることが好ましい。 【0038】未加硫ゴム層中の加硫及び/又はセミ加硫ゴム部分の効果は、加硫中にスペーサーとして各層の厚さを保持(未加硫ゴムの余分なフローを防止)し、各ゴム層の形状寸法を均一にする効果を持つ。第二の態様の製造方法は、接着時間の短縮効果があるがその効果は第一の態様よりは小さくなる。 【0039】<第三の態様>本発明の第三の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層の少なくとも一層全体が未加硫ゴム組成物を含み、残りの層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層し、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体を加熱、加圧して接着させるものである。セミ加硫は、電子線照射による方法が好ましいのは第1の態様と同様である。 【0040】図1は、第三の態様にかかる製造方法の一例により製造されたゴム積層体を積層方向に切った断面図である。積層体の上下端部を含む複数の層として、加硫ゴム組成物からなる加硫ゴム層13が配置されており、積層体の中央部を含む複数の層として、未加硫ゴム組成物からなる未加硫ゴム層15が配置されており、それぞれのゴム層の間には接着剤14を介して硬質板16が配置されている。 【0041】本発明の第三の態様において、ゴム積層体の高さを設定値通りにするため、未加硫ゴム組成物を含むゴム層を少なくとも一層用いる。ここで、未加硫ゴム組成物を含むゴム層とは、図1のようにゴム層一層全体が未加硫ゴム組成物より構成されるものである。ゴム層全体が未加硫ゴム組成物により構成される場合は、原料ゴムに適宜添加剤を添加して混練した未加硫ゴム組成物を所定の形状に成形する。未加硫ゴム組成物を含むゴム層の厚さ、大きさ及び形状は、製造されたゴム積層体が適用される用途に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されない。 【0042】未加硫ゴム組成物からなるゴム層は少なくとも一層あればよく、残りの層は加硫ゴム組成物及び/又はセミ加硫ゴム組成物からなる層又は一部が未加硫、残部が加硫(セミ加硫)のゴム層である。また、未加硫ゴム組成物の原料であるゴム、及び必要な添加剤としては、第一の態様において、加硫ゴム組成物、セミ加硫ゴム組成物の原料として記載したすべてのゴム、添加剤を挙げることができる。また、本発明で使用される硬質板、接着剤としては、第一の態様において記載したものすべてを挙げることができる。 【0043】次に、本発明の第三の態様にかかるゴム積層体の製造方法の一例について説明する。まず、加硫ゴム組成物及び/又はセミ加硫ゴム組成物から構成されるゴム層を第一の態様に記載したように作製し、未加硫ゴム組成物を含むゴム層を上述のように作製する。ここで、セミ加硫の定義及び好ましい範囲は第一の態様で記載したと同様である。次に、第一の態様に記載したと同様の方法で、ゴム層と硬質板とを接着剤、必要に応じてゴムセメントを介して積層する。 【0044】ここで、本発明の製造方法では、プレス機を使用して、ゴム積層体の上下を熱板により挟んで加熱・加圧することによりゴム積層体を製造するため、図1に示すように、ゴム積層体の積層方向に対して中心部を占める層が未加硫ゴム組成物を含むゴム層であることが好ましい。中心部を占める層の上下複数層に渡って、未加硫ゴム組成物を含む層であってもよい。例えば、ゴム積層体の上下端からそれぞれゴム積層体の高さの40%〜30%の間に積層されるゴム層が加硫ゴム組成物及び/又はセミ加硫ゴム組成物からなる層であり、ゴム積層体の中心部を占める、ゴム積層体の高さの20%〜40%の間に積層されるゴム層が未加硫ゴム組成物を含む層であることが好ましい。 【0045】上述した積層体は、熱源を備えたプレス機により上下を熱板により挟んで、130℃〜150℃の温度、0.5MPa〜15MPaの圧力で加熱・加圧され、ゴム層と硬質板とが接着し、ゴム積層体が製造される。この方法により、ゴム積層体の全体の高さを設定値通りの高さに調節することができる。 【0046】<第四乃至第九の態様>本発明の第四の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱しながら、前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。 【0047】また、本発明の第五及び第六の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、■前記ゴム層の一部が未加硫ゴム組成物を含み、残りが予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、或いは、■前記ゴム層の少なくとも一層が未加硫ゴム組成物からなる層であり、残りの層が予め加硫したゴム組成物及び/又はセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱しながら、前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。 【0048】本発明の第七の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、前記ゴム層が予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱するとともに、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。 【0049】また、本発明の第八及び第九の態様にかかるゴム積層体の製造方法は、ゴム層と硬質板とを接着剤を介して交互に積層したゴム積層体の製造方法において、■前記ゴム層の一部が未加硫ゴム組成物を含み、残りが予め加硫したゴム組成物及び/又は予めセミ加硫したゴム組成物からなり、或いは、■前記ゴム層の少なくとも一層が未加硫ゴム組成物からなる層であり、残りの層が予め加硫したゴム組成物及び/又はセミ加硫したゴム組成物からなる層であり、前記硬質板が金属板であり;前記ゴム層と前記金属板とを交互に積層してなるゴム積層体を誘導コイルの影響下に配置し、前記誘導コイルに交流を通電して前記ゴム積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記ゴム層を加熱するとともに、熱源を備えたプレス機により前記ゴム積層体の積層方向に加圧力を作用させて接着させることを特徴とするものである。 【0050】第四乃至第六の態様は、電磁誘導加熱できる、プレス機を備えた装置により行い、かつ、前記した特定のゴム層を用いるゴム積層体の製造方法である。第七乃至第九の態様は、電磁誘導加熱できる、上下に熱板を有するプレス機を備えた装置により、加熱とプレスを同時に行い、かつ、前記した特定のゴム層を用いるゴム積層体の製造方法である。これらの態様においては、必要によりゴム積層体の側面を被覆ゴムでくるむ場合は、外周面を拘束するモールド等を使用してもよい。該モールドは、特に限定されず、一般的なものを用いることができる。ここで、特定のゴム層は、第一乃至第三の態様で製造、使用したゴム層であり、前記のとおりである。電磁誘導加熱法は近年よく用いられる加熱方法であり、その装置、条件等は特に限定されず、一般的な方法でもよい。例えば、特開平10−193504号公報に記載の方法、装置により行うこともできる。 【0051】なお、第四乃至九の態様においても、前記セミ加硫したゴム組成物が、完全に加硫した状態の粘度を最高粘度とし、未加硫の状態の粘度を最低粘度とした場合に、(目的粘度−最低粘度)/(最高粘度−最低粘度)≧0.15である目的粘度をもつように加硫することが好ましく、また、前記接着剤が、接着反応活性化エネルギーが126kJ/mol以下であり、最適接着反応時間における剥離力の30%の剥離力を発現できる接着反応時間が130℃において30分以下であることが好ましいのは、第一乃至第三の態様と同じである。また、前記セミ加硫したゴム組成物が、電子線照射によりセミ加硫されるゴム組成物であるのが好ましいことも同様である。 【0052】第四乃至九の態様により、製造後のゴム積層体の優れた形状寸法性、寸法精度等を保持し、かつ、接着時間のさらなる短縮が可能である。具体的には、ゴムシートを予め加硫し、かつ、電磁誘導加熱により製造することで、未加硫ゴムシートをプレス加硫する製造法に対し製造時間を約半分以下にまで短縮でき、電磁誘導加熱とともに熱板プレスを併用するとさらに製造時間を短縮できる。 【0053】<第十の態様>本発明の第十の態様にかかるゴム積層体は、上述したゴム積層体の製造方法で製造されたものである。これらの製造方法により製造されたゴム積層体はゴム層と硬質板とが交互に積層され、互いに強固に接着されており、均一なゴム厚を有し、又はゴム積層体全体の高さが設定値通りのものである。このゴム積層体は、ビル等の構造物を支え耐震性を与えるために、通常、施工地面を半地下とし、建物の下部との間に設けられるゴム積層体であり、安定板として鋼板等の硬質板を用い、これと薄いゴム板を強固に接着した構造物である。その型状や構造は施工される構造物の大きさや型状、施工場所に応じて種々のものが考えられ、特に限定されない。 【0054】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。 (ゴムシートの作製)まず、下記に示される組成の未加硫ゴム組成物を混練し、成形し、0.32cm(厚さ)×13cm×13cmの形状を有する未加硫ゴムシートAを作製した。次に、別に下記に示される組成の未加硫ゴム組成物を2MPa、150℃×30分の条件で加硫して、0.3cm(狙い厚さ)×13cm×13cmの加硫ゴムシートBを作製した。さらに、未加硫ゴムシートAを下記に示される条件で電子線照射し、吸収線量が200kGvのもの(条件1)をセミ加硫ゴムシートC、1720kGvのもの(条件2)をセミ加硫ゴムシートDとした。但し、仕上がりにはばらつきが加味され、0.32cm前後の加硫ゴムシートが出来上がった。 <組成>NR 100質量部カーボンブラック(HAF) 30質量部アロマオイル 3質量部硫黄 2.5質量部酸化亜鉛(亜鉛華) 5質量部加硫促進剤(CBS) 1.0質量部(CBS:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド) ステアリン酸 3質量部【0055】(電子線照射によるセミキュア)日新ハイボルテージ(株)製エリアビーム型電子照射装置EBC−250−AAを用いて、以下の条件で行なった。 条件1 条件2 加速電圧 200kV、 150kV 電流 10mA、 20mA ラインスピード 6m/min、 2m/min 吸収線量 200kGy、 1720kGy 走査幅 13cm、 13cm【0056】(接着性の評価)上記の未加硫ゴムシートA又は加硫ゴムシートBと鋼板とを接着したものについて、JIS K 6256に従い、90°剥離試験を実施し、剥離力(単位〔N/mm〕)を測定した。硬質板としては鋼板を使用し、サンドブラストにより表面処理を施した後、鋼板表面をトルエンで脱脂し、乾燥させたものを用意した。鋼板の表面に接着剤(シクソン)を塗布し、上述した未加硫ゴムシートA又は加硫ゴムシートBを2MPaにて、150℃で30分間圧着加熱後、25℃にて72時間放置した。測定結果を第1表に示す。 【0057】
【0058】第1表から、加硫ゴムシートBと硬質板との接着のほうが、未加硫ゴムシートAと硬質板との接着と比較して接着性に優れていることがわかる。 【0059】(接着反応の最適時間の測定)後述する実施例にて使用した接着剤の接着反応時間を求めるべく、以下の試験を行った。まず、上記の加硫ゴムシートBと鋼板とを接着したものについて、JIS K6256に従い、90°剥離試験を実施し、剥離力(単位〔N/mm〕)を測定した。但し、硬質板としては上述した接着性試験で使用したと同様の鋼板を使用した。鋼板の表面に接着剤(シクソン)を塗布し、加硫ゴムシートBを2MPaにて、130℃で圧着加熱後、25℃にて72時間放置した。この測定方法に従い、130℃にて、最も剥離力が高くなる(「100%剥離力」と称する)加熱時間を測定し、その剥離力の30%に相当する剥離力(「30%剥離力」と称する)となる加熱時間を求めた。測定結果を第2表に示す。 【0060】
【0061】(接着反応の活性エネルギーの測定)後述する実施例にて使用した接着剤の接着反応活性化エネルギーを求めるべく、以下の試験を行った。加硫ゴムシートBと鋼板を接着したものについて、上記測定法に基づいて、130℃、140℃及び150℃にて最も剥離力が高くなる加熱時間を求め、その剥離力の30%に相当する剥離力となる加熱時間を求め、各温度と加熱時間からアレニウス則により、接着反応活性化エネルギーを算出した。同様に、最も高い剥離力の50%、70%に相当する剥離力(それぞれ「50%剥離力」、「70%剥離力」と称する)となる加熱時間を求め、接着反応の活性化エネルギーを算出した。各温度における、これら30%、50%、70%での活性化エネルギーの平均を取り、接着反応の活性化エネルギーとした。結果を第3表に示す。 【0062】
【0063】以上から、後述する実施例に使用する接着剤は、接着反応活性化エネルギーが126kJ/mol以下であり、最適接着反応時間における剥離力の30%の剥離力を発現できる接着反応時間が130℃において30分以下である、本発明のゴム積層体を製造するのに最適な接着剤であることがわかる。 【0064】(ゴム積層体の作製) <実施例1〜5>上述した加硫ゴムシートB及び鋼板を使用し、鋼板をサンドブラストにより表面処理を施した後、鋼板表面をトルエンで脱脂し、接着剤(シクソン)を塗布した。接着剤が乾燥した後、4枚の加硫ゴムシートBと、3枚の鋼板0.30cm(厚さ)×13cm×13cmとを交互に積層した。これを、サンドブラストにより表面処理を施した後、鋼板表面をトルエンで脱脂し、接着剤(シクソン)を塗布した、3.0cm(厚さ)×13cm×13cmの端部鋼板及び、2.4cm(厚さ)×13cm×13cmの端部鋼板により、上下を挟んで、上下に熱板を備えたプレス機により5MPa、130℃の条件で加熱・加圧することにより、ゴム積層体を作製し、実施例1とした。 【0065】ゴム層として、未加硫ゴムシートAを積層方向に対して中心部に2枚使用した以外は実施例1と同様の方法でゴム積層体を作製し、実施例2とした。 【0066】未加硫ゴムシートAを用意し、半径2cmの筒形の穴を,ゴムシートの平面形状の中心点に対して点対称に4個くり抜いた。続いて、この円筒形の穴と同一の形状の加硫ゴムシートを加硫ゴムシートBをくり抜いて作製し、未加硫ゴムシートAの穴を埋めて、加硫ゴムシート含有未加硫ゴムシートEを作製した。ゴム層として、上記の加硫ゴムシート含有未加硫ゴムシートEを積層方向に対して中心部に2枚使用した以外は実施例1と同様の方法でゴム積層体を作製し、実施例3とした。 【0067】セミ加硫ゴムシートCを使用した以外は、実施例1と同様の方法でゴム積層体を作製し、実施例4とした。セミ加硫ゴムシートDを使用した以外は、実施例1と同様の方法でゴム積層体を作製し、実施例5とした。 【0068】<比較例1〜2>二つの押えプレートと、これらのプレートを押さえるボルトからなる挟持手段を有する金型を使用し、オーブン加熱をした以外は実施例1と同様の方法でゴム積層体を作製し、比較例1とした。 【0069】ゴム層としてすべて未加硫ゴムシートAを使用した以外は実施例1と同様の方法でゴム積層体を作製し、比較例2とした。 【0070】(接着時間)実施例1及び比較例1のゴム積層体を作製するにあたり、中心部に熱電対を仕込んで、中心部分の時間ごとの温度上昇を記録し、上記試験で求められた接着反応の活性化エネルギーから接着反応に必要な熱エネルギーを算出し、この熱エネルギーが加えられた時間を測定し、この時間を接着反応の完了する時間と規定した。結果を第4表に示す。 【0071】
第4表から明らかなように、プレス機を使用したほうが接着時間を大幅に短縮できることがわかる。 【0072】(積層精度)実施例1〜5、及び比較例2において作製したゴム積層体を切断し、鋼板間の加硫ゴム層の厚みを測定した。測定は、各ゴム層で3箇所を測定し、その平均厚みを算出することにより行った。結果を第5表に示す。また、ゴム積層体全体の高さを求めて、結果を第5表に示した。なお、ゴム積層体の高さの設定値は7.50cmである。 【0073】 【表1】
【0074】以上から、実施例1〜5は、比較例2に比べてゴム厚が均一であることがわかる。また、実施例1〜5のゴム積層体全体の高さは、設定値と近い値を取ることがわかり、特に、未加硫ゴム組成物を含む層を使用した実施例2及び3のゴム積層体全体の高さは、ほぼ設定値となることがわかる。また、電子線によりセミ加硫したゴムシートC及びDを用いた実施例4及び5においても、実施例2及び3と同様にゴム積層体全体の高さはほぼ設定値となることがわかる。さらにセミ加硫時の作業性が良好であった。 【0075】(電磁誘導加熱によるゴム積層体の作製) <実施例6>上述した加硫ゴムシートBと同様の条件により未加硫ゴム組成物を加硫して29.1mm(高さ)×510mm×510mmの加硫ゴムシートFを作製した。加硫ゴムシートF及び鋼板を使用し、鋼板をサンドブラストにより表面処理を施した後、鋼板表面をトルエンで脱脂し、接着剤(シクソン)を塗布した。接着剤が乾燥した後、3枚の加硫ゴムシートFと、2枚の鋼板3.20mm(高さ)×510mm×510mmとを交互に積層した。これを、サンドブラストにより表面処理を施した後、鋼板表面をトルエンで脱脂し、接着剤(シクソン)を塗布した、32.0mm(高さ)×510mm×510mmの端部鋼板2枚で、上下を挟んだ積層体を、外枠を備えたモールドに入れ、以下に示す条件で電磁誘導加熱・プレスし、157mm(高さ)×510mm(幅)×510mm(長さ)のゴム積層体を作製し、実施例6とした。 電磁誘導加熱条件電流 435A周波数 6Hzプレス圧力 10MPa【0076】<実施例7>ゴム積層体の作製において、電磁誘導加熱時に上下からプレスする実施例6の方法に対し、電磁誘導加熱時に、上下に熱板を備えたプレス機により10MPa、135℃の条件で加熱・加圧すること以外は、実施例6と同様に方法により、ゴム積層体を作製し、実施例7とした。電磁誘導加熱条件はプレス温度以外は実施例6と同じである。 【0077】<比較例3>上述した未加硫ゴムシートAと同様のゴム組成物を30.7mm(高さ)×510mm×510mmの形状に作製し未加硫ゴムシートGとした。未加硫ゴムシートGを使用した以外は、実施例6と同様の方法(電磁誘導加熱・プレス)でゴム積層体を作製し、比較例3とした。 【0078】<比較例4>未加硫ゴムシートGを使用し、電磁誘導加熱・プレスの替わりに上下に熱板を備えたプレス機により10MPa、135℃の条件で加熱・加圧すること以外は実施例6と同様の方法でゴム積層体を作製し、比較例4とした。 【0079】(接着時間)実施例6及び7のゴム積層体を作製するにあたり、中心部に熱電対を仕込んで、中心部分の時間ごとの温度上昇を記録し、上記試験で求められた接着反応の活性化エネルギーから接着反応に必要な熱エネルギーを算出し、この熱エネルギーが加えられた時間を測定し、この時間を接着反応の完了する時間と規定した。結果を第6表に示す。 (加硫時間)比較例3及び4のゴム積層体を作製するにあたり、中心部に熱電対を仕込んで、中心部分の時間ごとの温度上昇を記録し、予め試験で求められる加硫反応に必要な熱エネルギーを算出し、この熱エネルギーが加えられた時間を測定し、この時間を加硫反応の完了する時間と規定した。結果を第6表に示す。 【0080】(積層精度)実施例6、7及び比較例3、4において作製したゴム積層体を切断し、鋼板間の加硫ゴム層の厚みを測定した。測定は、各ゴム層で3箇所を測定し、その平均厚みを算出することにより行った。結果を第6表に示す。また、ゴム積層体全体の高さを求めて、結果を第6表に示す。なお、ゴム積層体の高さの設定値は157mmである。なお、実施例6及び7の物性試験等(例えば、各ゴム層の接着性等)は、実施例1〜5とほぼ同様であった。 【0081】 【表2】
【0082】以上から、実施例6及び7は、比較例3及び4に比べてゴム厚が均一であることがわかる。また、実施例6及び7のゴム積層体全体の高さは、設定値と近い値を取ることがわかり優れた積層精度を有する。また、電磁誘導加熱によるゴム積層体の製造においても、加硫ゴムシートを用いると加硫時間を短縮でき(実施例6及び比較例3)、電磁誘導加熱と熱板プレスを併用すると、優れた積層精度を損ねることなくさらに加硫時間を短縮できる(実施例7)。 【0083】 【発明の効果】本発明のゴム積層体の製造方法によれば、ゴム層と硬質板との接着時間が早いため、ゴム積層体の製造時間を短縮することができ、またゴム積層体全体の高さを設定値通りの高さとすることができるため、橋梁の支承やビルの基礎免震等に用いられる構造体として最適なものである。また、本発明によれば、さらに大きな免震装置の製造にも柔軟に対応することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006714 【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年11月8日(2001.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080159 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 望稔 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−210831(P2002−210831A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月31日(2002.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2001−342828(P2001−342828) |
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