| 【発明の名称】 |
樹脂枠付き板状体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】長南 國男
【氏名】高橋 和浩
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| 【要約】 |
【課題】コーナ部を有する板状体の周縁部に、良好な形状の樹脂枠を連続して形成する。
【解決手段】板状体1および成形ダイ7の相対移動方向と、成形ダイ7の押出口15との成す角が、コーナ部14に向かって第1の辺1Aに樹脂枠3を形成するときには前傾角Xとし、コーナ部14から遠ざかる方向で第2の辺1Bに樹脂枠3を形成するときには後傾角Yとする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 成形ダイと板状体とを相対移動させることにより板状体の隅部を有する周縁部に樹脂枠を一体に固着するようにしている樹脂枠付き板状体の製造方法であって、板状体および成形ダイの相対移動方向と周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角が、第1の辺に対し隅部に向かって樹脂枠を形成するときには前傾角になるようにして隅部まで樹脂枠を形成し、つづいて隅部において板状体および成形ダイの相対移動方向が第2の辺に沿うように変更し、第2の辺に対し隅部から遠ざかる方向に樹脂枠を形成するときには、板状体および成形ダイの相対移動方向と周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角が後傾角となるようにすることを特徴とする樹脂枠付き板状体の製造方法。 【請求項2】 二つの隅部間の辺に樹脂枠を形成する際に、板状体および成形ダイの相対移動方向と周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角を、始めは前傾角とし、途中で後傾角に切替えることを特徴とする請求項1記載の樹脂枠付き板状体の製造方法。 【請求項3】 板状体および成形ダイの相対移動方向と、周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角を調節することにより樹脂枠の幅を変化させることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂枠付き板状体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両や建築物の窓のような開口に適した樹脂枠付き板状体の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両や建築物においては、ガラス板やプラスチック板などの板状体の周縁部に装飾性またはシール性を高めるために合成樹脂性のモール、ガスケットなどの樹脂枠を取り付けた樹脂枠付き板状体を、窓のような開口部に嵌め込むことが通常行われている。樹脂枠の材料としては、たとえばポリ塩化ビニル、塩化ビニルとエチレンとの共重合体、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂またはゾル状塩化ビニルなどが例示される。 【0003】図6は、車両窓用の樹脂枠付き板状体の一例を示している。この樹脂枠付き板状体は、ガラス板または樹脂板などの板状体1の片面(車内側)の周縁部に、接着剤2により樹脂枠3を一体に固着している。図6では、樹脂枠3を備えている板状体1を車体4に取付けるときに、板状体1の車外面が車体4の外面と一致するように車体4の形状を湾曲させた構造を有している。そして、樹脂枠3は、板状体1の周縁のさらに外側に突出するリップ5を備えており、該リップ5によって前記車体4との間のシールを行うようにしている。 【0004】図6のような樹脂枠付き板状体を製造する方法には、つぎのような方法がある。 【0005】図7に示す装置では、押出機6の成形ダイ7により樹脂枠用材料を所定の断面形状で押し出して樹脂枠用の成形体8を一旦形成し、この成形体8を圧着部材9に供給し、さらに吸盤10を備えた駆動ロボット11により支持された板状体1の周縁部を圧着部材9に嵌合させる。このとき、板状体1の周縁部の片面(図7では上面)には接着剤2があらかじめ塗布されている。このように、成形体8は圧着部材9によって板状体1に圧着されるので、この状態で駆動ロボット11により板状体1を圧着部材9に対して移動させると、板状体1の周縁部の片面に成形体8が接着剤2により固着されて、樹脂枠3が形成される(第一の方法)。なお、図7では、成形ダイ7から押し出される成形体8を、ガイドローラ13により板状体1の上部に持ち上げ、板状体1の上面に導いて圧着部材9により圧着する場合を示しているが、成形体8を板状体1の下面に圧着させるようにしてもよく、この場合にはガイドローラ13を省略できる。 【0006】図8、図9は、板状体1の上面の周縁部に、成形ダイ7からの樹脂枠用材料12を直接押し出して樹脂枠3を形成する場合の装置を示している。この図8、図9の装置において、板状体1を固定し、固定した板状体1の周縁部に沿って成形ダイ7を矢印aのように移動させながら、樹脂枠用材料12を押し出すことにより、板状体1の周縁部に樹脂枠3を形成する(第二の方法)。 【0007】図8、図9の装置において、成形ダイ7を固定し、また図7に示した駆動ロボット11のような装置によって板状体1を移動可能に支持し、板状体1の周縁部が固定の成形ダイ7に沿うように、板状体1を矢印bのように移動させながら、成形ダイ7から樹脂枠用材料12を押し出すことにより、板状体1の周縁部に樹脂枠3を形成する(第三の方法)。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】板状体1の周縁部が直線的な辺、または曲率半径が大きい曲面を有している場合、図7における圧着部材9と板状体1との相対移動、および図8、図9における成形ダイ7と板状体1との相対移動、を緩やかに行うことができるので、上記第一から第二の方法で樹脂枠3を連続して形成することは比較的容易である。 【0009】しかし、板状体1には、図7、図9に示すように、隣り合う第1の辺1Aと第2の辺1Bとの間に、曲率半径が小さい隅部14(以下コーナ部と称す)を有している場合がある。このコーナ部14の具体例としては、その内角が鋭角、直角、鈍角の場合がある。 【0010】このような板状体1のコーナ部14に、樹脂枠3を連続させて形成するには、圧着部材9と板状体1との相対移動、または成形ダイ7と板状体1との相対移動を、短時間に、しかもコーナ部14に合わせた正確なタイミングで行う必要があるが、このような制御は実際上非常に困難である。また、この問題に対処しようとして、相対移動の速度を低下させることも考えられるが、この場合には、生産性が著しく低下してしまう。 【0011】また、仮にコーナ部14への樹脂枠3の形成が可能になったとしても、コーナ部14に形成される樹脂枠3は変形を起こし易く、よって均一で良好な形状の樹脂枠3をコーナ部14に形成することは困難であった。 【0012】本発明は上述の実情に鑑みてなされたものであり、その目的はコーナ部を有する板状体の周縁部に、良好な形状の樹脂枠を連続して形成できるようにした樹脂枠付き板状体の製造方法を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、成形ダイと板状体とを相対移動させることにより板状体の隅部を有する周縁部に樹脂枠を一体に固着するようにしている樹脂枠付き板状体の製造方法であって、板状体および成形ダイの相対移動方向と周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角が、第1の辺に対し隅部に向かって樹脂枠を形成するときには前傾角になるようにして隅部まで樹脂枠を形成し、つづいて隅部において板状体および成形ダイの相対移動方向が第2の辺に沿うように変更し、第2の辺に対し隅部から遠ざかる方向に樹脂枠を形成するときには、板状体および成形ダイの相対移動方向と周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角が後傾角となるようにすることを特徴とする樹脂枠付き板状体の製造方法、に係るものである。 【0014】上記手段において、二つの隅部間の辺に樹脂枠を形成する際に、板状体および成形ダイの相対移動方向と周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角を、始めは前傾角とし、途中で後傾角に切替えてもよく、また、板状体および成形ダイの相対移動方向と、周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角を調節することにより樹脂枠の幅を変化させてもよい。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において、すでに図7〜図9において説明した部材などについては、図中に同一の符号を付すことにより説明を省略する。 【0016】図1に示すように、隣り合う第1の辺1Aと第2の辺1Bとの間にコーナ部14を有している板状体1の周縁部の片面に接着剤2を塗布し、該接着剤2を塗布した面に、周縁部上から周方向外方に向かって延びる押出口15を有する成形ダイ7により樹脂枠用材料を押し出し、同時に成形ダイ7と板状体1とを相対移動させることにより、板状体1の周縁部に樹脂枠3を一体に固着する。 【0017】板状体1と成形ダイ7とを相対移動させる方法としては、図9に示したごとく、板状体1を固定とし、固定した板状体1の周縁部に沿って成形ダイ7を矢印aのように移動させる方法、または成形ダイ7を固定とし、図7に示した駆動ロボット11などを用いて板状体1を支持し、板状体1の周縁部が成形ダイ7に沿うように板状体1を矢印bのように移動させる方法がある。 【0018】図1は、固定した板状体1に対して、成形ダイ7を矢印aのように移動させる場合の形態を示している。図1中実線で示すように、第1の辺1Aに対して、コーナ部14に向かって樹脂枠3を形成するときには、前記成形ダイ7の矢印aの移動方向(板状体1と成形ダイ7の相対移動方向)と、板状体1の周縁部上から周方向外側に向かって延びている押出口15との成す角が、90゜より小さい移動方向前方に傾いた前傾角Xとする。図1においては、前傾角Xがほぼ45゜の場合を示している。 【0019】そして、そのままの状態でコーナ部14位置まで樹脂枠3を形成する。すると、このときの押出口15の位置は、コーナ部14が直角の場合にはコーナ部14を二等分する位置となる。 【0020】押出口15がコーナ部14に来たら、押出口15の向きはそのままの状態で、成形ダイ7の移動方向のみを第2の辺1Bに沿う方向に変更する。このとき、コーナ部14が直角の場合には90゜の方向変換を行う。 【0021】つづいて、第2の辺1Bに対し、コーナ部から遠ざかる方向(矢印a’の方向)に樹脂枠3を形成する。このとき、押出口15の向きはそのままで、成形ダイ7の移動方向のみを第2の辺1Bに沿うように変更したので、成形ダイ7の矢印a’の移動方向と、板状体1の周縁部上から周方向外方に向かって延びている押出口15との成す角は、進行方向後方に傾いたほぼ45゜の後傾角Yとなる。 【0022】上記図1に示した方法によれば、コーナ部14に樹脂枠3を形成する際に、板状体1と成形ダイ7との相対移動させる方向を変更するのみであるため、相対移動の制御が容易であり、したがって図2に示すように、コーナ部14に、連続した良好な形状の樹脂枠3を形成できるようになる。ここで、前記したように押出口15の前傾角Xおよび後傾角Yが45゜になるようにしているので、第1の辺1Aと第2の辺1Bとに形成される樹脂枠3の幅は同一の幅となる。 【0023】一方、図1の第1の辺1A側での押出口15の前傾角Xを45゜より小さくすると、第2の辺1B側での押出口15の後傾角Yは45゜より大きくなり、また、第1の辺1A側での押出口15の前傾角Xを45゜より大きくすると、第2の辺1B側での押出口15の後傾角Yは45゜より小さくなる。したがって、このように前傾角Xを調節することにより、第1の辺1Aと第2の辺1Bとに形成される樹脂枠3の幅を違えて変化させることができる。 【0024】図3は、本発明の他の形態を示している。図3では、二つのコーナ部14、14’間の辺1Cにおいて、固定した板状体1に対して、成形ダイ7を矢印aのように左から右に移動させる場合を示している。 【0025】図3の辺1Cにおいて、一方のコーナ部14から遠ざかる方向に樹脂枠3を形成するときには、成形ダイ7の矢印aの移動方向と、周方向外方に延びる押出口15との成す角がたとえば45゜の後傾角Yとなるようにする。 【0026】そして、辺1Cの途中において、成形ダイ7を板状体1の平面と平行な面でたとえば90゜旋回させることにより、押出口15の向きが途中から前傾角Xとなるように切替える。これにより、他方のコーナ部14’に向かって、辺1Cに樹脂枠3を形成するときには、図1に示したように、押出口15が前傾角Xを保持した状態で樹脂枠3を形成する。 【0027】上記において、辺1Cの途中で成形ダイ7を旋回させて後傾角Yから前傾角Xに切替えるとき、押出口15の辺1Cに直交する方向の長さが変化するために、樹脂枠3の幅が変化することになる。しかし、この問題は、成形ダイ7の押出口15から押し出す樹脂枠用材料の押出量を調節することによって対処でき、辺1Cには均一幅の樹脂枠3を形成させることができる。なお、成形ダイ7を旋回させて押出口15の向きを後傾角Yから前傾角Xに切替える操作は、一方のコーナ部14と他方のコーナ部14’との間で行えばよく、図3のように辺1Cの中間部において迅速に切替えてもよく、またはコーナ部14、14’間でゆっくり切替えてもよい。 【0028】図3に示したように、辺1Cの途中で成形ダイ7を旋回させて後傾角Yから前傾角Xに切替えるようにすると、複数のコーナ部14、14’を有している板状体1の周縁部に、連続した樹脂枠3を良好な形状で形成することができる。 【0029】また、図3の場合にも、板状体1および成形ダイ7の相対移動方向と、周方向外方に延びる押出口15との成す角を調節すれば、樹脂枠3の幅を変化させることができる。 【0030】図4は成形ダイの構成の他の例を示した側面図、図5は、図4の平面図である。図4、図5の装置では、成形ダイ7から板状体1の周縁部に樹脂枠用材料12を押し出し、この押し出された樹脂枠用材料12を圧着ローラ16によって板状体1に圧着することにより樹脂枠3を形成するようにしている。 【0031】この装置では、コーナ部14において、板状体1と成形ダイ7との相対移動させる方向を変化する際に、圧着ローラ16の位置と向きとを変更する必要がある。このために、成形ダイ7にレール17を設け、レール17に沿って移動するようにした移動台18に圧着ローラ16を取付けて移動できるようにしている。さらに、上記圧着ローラ16をレール17に沿って移動させる間は、圧着ローラ16により樹脂枠用材料12を圧着することができないので、シリンダなどの昇降装置19により圧着ローラ16を移動台18に対して昇降可能に支持する。そして、成形ダイ7がコーナ部14の手前の所定距離位置Hに来たら、圧着ローラ16を上昇させ、かつレール17に沿って移動させることにより、圧着ローラ16の向きと位置が、第2の辺1Bに押し出される樹脂枠用材料12を圧着するのに適した向きと位置になるようにする。 【0032】上記図4、図5に示した装置によれば、成形ダイ7の押出口15から押し出された樹脂枠用材料12を、押し出された直後に圧着ローラ16にて圧着することにより、板状体1の周縁部に樹脂枠3を確実に固着することができる。 【0033】なお、上記した形態では、板状体1を固定し、成形ダイ7を移動させる場合について例示したが、成形ダイ7を固定し、板状体1を移動させるようにしてもよい。さらに、本発明は、前述した各実施形態にのみ限定されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能であり、各実施形態において例示した板状体、樹脂枠の材質、形状、寸法などは本発明を達成できるものであれば任意である。 【0034】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、隣り合う第1の辺と第2の辺との間にコーナ部を有している板状体の周縁部に樹脂枠を形成する際に、板状体および成形ダイの相対移動方向と周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角が、第1の辺に対しコーナ部に向かって樹脂枠を形成するときには前傾角になるようにしてコーナ部まで樹脂枠を形成し、つづいてコーナ部において板状体および成形ダイの相対移動方向が第2の辺に沿うように変更し、第2の辺に対しコーナ部から遠ざかる方向に樹脂枠を形成するときには、板状体および成形ダイの相対移動方向と周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角が後傾角となるようにしたので、コーナ部に樹脂枠を形成する操作が、板状体と成形ダイとの相対移動させる方向を変更させるのみで済むため、相対移動の制御が容易になり、よって、コーナ部に、連続した良好な形状の樹脂枠を形成できる効果がある。 【0035】二つのコーナ部間の辺に樹脂枠を形成する際には、板状体および成形ダイの相対移動方向と周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角が、始めは後傾角であり、途中で前傾角に切替えると、複数のコーナ部を有する板状体の周縁部に樹脂枠を連続して形成する操作が容易になる効果がある。 【0036】板状体および成形ダイの相対移動方向と、周方向外方に延びる成形ダイの押出口との成す角を調節することにより樹脂枠の幅を変化させられる効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000044 【氏名又は名称】旭硝子株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月12日(2001.1.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062236 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−210801(P2002−210801A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月31日(2002.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2001−5157(P2001−5157) |
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