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【発明の名称】 中空成形体の製造方法
【発明者】 【氏名】景山 英治

【氏名】景山 政光

【氏名】田中 賢司

【氏名】森田 三郎

【要約】 【課題】軽量で取扱い易く、丈夫で長期間使用できると共に、自然循環型のリサイクルが可能で自然環境に優しい生分解性中空成形体のブロー成形による製造方法を提供すること。

【解決手段】材料が、生分解性ポリ乳酸樹脂ペレット単独、生分解性ポリ乳酸樹脂100重量部に対して他の生分解性脂肪族ポリエステル樹脂を300重量部以下の割合でコンパウンドした生分解性樹脂Aペレット、又は生分解性ポリ乳酸樹脂100重量部に対して澱粉を100重量部以下の割合でコンパウンドした生分解性樹脂Bペレットのいずれかであり、当該生分解性樹脂がもつ固有のガラス転移温度以下で低温乾燥してその含水率を10〜200ppmに調整した後、エアー圧力0.5〜5.5kg/m2 で所望する所定形状にブローモールディングするところに構成的特徴がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】材料が、生分解性ポリ乳酸樹脂ペレット単独、生分解性ポリ乳酸樹脂100重量部に対して他の生分解性脂肪族ポリエステル樹脂を300重量部以下の割合でコンパウンドした生分解性樹脂Aペレット、又は生分解性ポリ乳酸樹脂100重量部に対して澱粉を100重量部以下の割合でコンパウンドした生分解性樹脂Bペレットのいずれかであり、当該生分解性樹脂がもつ固有のガラス転移温度以下で低温乾燥してその含水率を10〜200ppmに調整した後、エアー圧力0.5〜5.5kg/m2 で所望する所定形状にブローモールディングすることを特徴とする中空成形体の製造方法。
【請求項2】前記ポリ乳酸樹脂ペレットに、非晶性のラクチド系ポリ乳酸が1重量%以下含まれていることを特徴とする請求項1に記載の中空成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料が生分解性ポリ乳酸樹脂を主たる成分とする生分解性中空成形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の係る中空成形体の製造方法としては、そのほとんどが石油系合成樹脂を材料に用いるものであり、得られた中空成形体は自然環境下ではほとんど分解されないため、自然界に蓄積され、埋め立て地不足、土壌・河川・海洋汚染など、環境上、生態系上の社会的な大問題となっている。一方では、回収再利用しようとしても嵩高くて回収コスト高となり、さらに焼却時の焼却炉の損傷、有毒ガス発生等の問題があって、回収、再生は極めて困難である。
【0003】かかる環境負荷抑制手段の一つとして、土中や水中の微生物により分解され、自然界の物質循環系に組み込まれ、環境を汚染しない生分解性ポリマーの開発が望まれている。これら生分解性ポリマーとしては各種の合成、天然のポリマーが知られており、ポリヒドロキシブチレート、ポリ乳酸等に代表される脂肪族ポリエステル系生分解樹脂、セルロース、キトサン、澱粉等が開発されつつあり、環境保護への貢献が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のブロー成形加工条件を、例えば生分解性ポリ乳酸樹脂に適用して生分解性中空成形体に成形しようとすると、溶融した樹脂材料の粘性が低いため、その自重で下方に直ちに流れ落ちて、上方部分の肉厚が薄くなり過ぎるといういわゆるドローダウンを生じたり、チューインガムのようになってエアーを打ち込んでも膨らまない等の問題があり実質上成形加工が不能であった。
【0005】また、脂肪族ポリエステル系生分解樹脂のガラス転移温度は一般に低いため、成形時に金型から剥離し難く、従って、ブロー成形するような場合にはその際の冷却時間がかかり過ぎるため、非常に簡単な成形技術である筈のブロー成形が、結果、成形作業効率が悪いという問題になっていた。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、軽量で取扱い易く、丈夫で長期間の使用に耐えると共に、自然循環型のリサイクルが可能で自然環境に優しい中空成形体を製造するためのブロー成形技術を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するために各請求項の発明が採用した手段の要旨とするところは、叙上の特許請求の範囲の欄に記載のとおりである。
【0008】請求項1記載の発明によると、材料が、■ポリ乳酸樹脂ペレット、■ポリ乳酸100重量部に対して他の生分解性脂肪族ポリエステルを300重量部以下、好ましくは40〜240重量部の割合でコンパウンドした樹脂Aペレット、又は■ポリ乳酸100重量部に対して澱粉を100重量部以下、好ましくは65重量部以下の割合でコンパウンドした樹脂Bペレットのいずれかであるため、自然循環型のリサイクルが可能で自然環境に優しい生分解性を有する中空成形体が製造できる。
【0009】つぎに、当該生分解性樹脂がもつ固有のガラス転移温度以下(35〜70℃)で低温乾燥するから、樹脂自体を熱変性させることなく乾燥でき、成形時の金型剥離性の向上が図れ、従って、ブロー成形する際の冷却時間の短縮が図れる。
【0010】また、低温乾燥により当該樹脂の含水率を10〜200ppm、好適には20〜100ppmに調整すると、溶融樹脂材料の粘性を高めることができ、いわゆるドローダウンを生じ難く、チューインガムのようになり難いパリソンを形成することができるようになり、金型に挟んでエアー打込みすることで簡単に膨らませ、肉厚が均質の所定形状を有する中空成形体が作製できる。すなわち、作業効率に優れたブロー成形が可能となる。
【0011】特に、請求項2記載の発明によると、ポリ乳酸樹脂ペレットに非晶性のラクチド系ポリ乳酸を1重量%以下配合させてあるから、溶融時の樹脂材料の粘性をより高めることができ、請求項1記載の方法よりも作業効率に優れたブロー成形が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき、本発明をより詳しく説明するが、その代表的なものを示したに過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で設計変更可能である。
【0013】生分解性ポリ乳酸樹脂としては、D−乳酸とL−乳酸又はそれらのブレンドによる光学異性体のホモ重合体、D−乳酸とL−乳酸又はそれらのブレンドによる光学異性体の共重合体を構成要素とするヘテロ重合体等の各種ポリ乳酸樹脂が例示できる。ホモポリ乳酸重合体が、D−乳酸及び/又はL−乳酸に由来するモノマー単位だけからなる場合は、重合体は結晶性で高融点を有する。そして、D−乳酸、L−乳酸由来のモノマー単位の比率(D/L比)を変化させることにより、結晶性、融点を自在調整できるので、用途に応じ、実用特性を制御することが可能である。しかしながら、ホモポリ乳酸重合体のガラス転移温度は、分子量が大きければ、D/L比とはほとんど無関係に不変であり、おおむね55〜65℃、一般的には60℃である。
【0014】脂肪族ポリエステルとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールと、無水フタール酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、その他のジカルボン酸等の多塩基酸との重宿合体;ポリ(ε−カプロラクトン)等のポリラクトン;ラクトンやグリコシドを含むラクチド等との共重合体、等が例示できる。
【0015】脂肪族ポリエステルの好ましい数平均分子量は、30,000乃至1,000,000の範囲であり、好ましくは50,000乃至200,000の範囲である。平均分子量が30,000以下であると成形品の機械特性が劣り、1,000,000を越えると、溶融温度が高すぎて押出しが困難になるという問題がある。また、脂肪族ポリエステルは、ガラス転移温度が120℃以下であることが望ましい。その理由は、120℃より高いと耐衝撃性の改良効果が得難いからである。
【0016】ポリ乳酸にブレンドする脂肪族ポリエステルがポリカプロラクトン(ε−カプロラクトン)である場合、ポリカプロラクトンの数平均分子量は、好ましくは1,000乃至200,000の範囲であり、5,000乃至100,000の範囲であると特に好ましい。なお、ポリカプロラクトンの数平均分子量が200,000よりも大きいものであっても構わないが、このようなポリカプロラクトンを製造することは一般に困難であり、現実性に欠ける。また、ポリカプロラクトンとして、ε−カプロラクトンの単独重合体以外、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン等の各種メチル化カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトの単独重合体又はこれら2種以上のモノマーの共重合体、これらの単独又は共重合体を使用することができる。
【0017】生分解性脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸100重量部に対して300重量部以下、好ましくは40〜240重量部の割合でコンパウンドされる。例えばポリカプロラクトンの場合、ポリ乳酸100重量部に対して100重量部以下の割合、より好ましくは、ポリ乳酸100重量部に対し40〜90重量部の割合でブレンドすればよい。この範囲であると、自然循環型のリサイクルが可能で自然環境に優しい生分解性を有し、且つ機械強度特性及びより耐候性に優れた生分解性成形体を得ることができる。脂肪族ポリエステルの配合割合が多すぎると、組織が不均一となってパリソンを膨らませ難くなったり、成形品に偏肉が生じたり、縦裂きが発生する傾向がある。
【0018】澱粉は、ポリ乳酸100重量部に対して100重量部以下、好ましくは65重量部以下の割合でコンパウンドすると、自然循環型のリサイクルが可能で自然環境に優しい生分解性を有し、且つ機械強度特性及びより耐候性に優れた生分解性成形体を得ることができるが、ポリ乳酸100重量部に対して澱粉を100重量部以上配合すると、パリソンを膨らませ難くなったり、成形品に偏肉が生じたり、縦裂きが発生する傾向がある。
【0019】ポリ乳酸に添加する澱粉としては、生澱粉、加工澱粉及びこれらの混合物が挙げられる。生澱粉としては、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉、キャッサバ澱粉、サゴ澱粉、タピオカ澱粉、クズ澱粉、マメ澱粉等を挙げることができる。加工澱粉としては、α−澱粉、分別アミロース、湿熱処理澱粉等の物理変性澱粉、酸処理澱粉などの化学分解澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉、架橋澱粉等を挙げることができる。
【0020】上記エステル化澱粉としては、酢酸エステル化澱粉、コハク酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、キサントゲン酸エステル化澱粉、アセト酢酸エステル化澱粉等を挙げることができ、エーテル化澱粉としては、アリルエーテル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等を挙げることができ、カチオン化澱粉としては、澱粉と2−ジエチルアミノエチルクロライドの反応物等を挙げることができ、架橋澱粉としては、ホルムアルデヒド架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉などを挙げることができる。
【0021】本発明の成形品には、必要に応じて、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シリカ、マイカ、焼成陶土等の無機物を添加することができ、低分子ポリカプロラクトンようなポリエステルを可塑剤として添加することができる。また、カーボンブラックやホワイトカーボンなどの顔料た、公知艶消し剤等を添加することもできる。
【0022】本発明で使用するポリ乳酸、脂肪族ポリエステル若しくは澱粉を含有するコンパウンド樹脂は、一般的な混練方法が好ましく使用でき、具体的にはヘンシェルミキサーやリボンミキサーで混合し、単軸や2軸押出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの公知の溶融混練機に供給して溶融混練しペレットすること調整できる。また、液状の脂肪族エステル樹脂や澱粉を配合する場合でも、同様の方法で混練し、ペレット化することができる。
【0023】本発明の生分解性成形体は、上記ポリ乳酸を少なくとも含有する樹脂ペレットを、熱風乾燥機を使用して少なくとも当該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度以下の温度範囲で、その含水率が10〜200ppm、好ましくは20〜100ppmになるまで低温乾燥する。含水率を10ppm以下にするためには、長時間の乾燥が必要となり、作業性に問題がある。
【0024】例えばガラス転移温度が65℃程度のポリ乳酸樹脂を低温乾燥する場合、約40℃で少なくとも5〜6時間程度、60℃では少なくとも1.3〜5時間程度、低温乾燥を行う必要がある。乾燥温度が35℃よりも低いと、長時間連続乾燥してもポリ乳酸ペレットの乾燥状態が不十分となって(水分率が高すぎるために)、成形体に水分の気泡や縦すじができたり、成形体自体が脆くなる傾向がある。乾燥温度が70℃以上であると、ポリ乳酸ペレットがホッパー内で互いにくっつきあって塊になるため、樹脂送りさせることができなくなるとか、成形体が硬くなって脆く耐衝撃性に問題が生じる傾向がある。なお、乾燥温度の適用範囲は、使用する樹脂がもつ樹脂に固有のガラス転移温度に基づき設定されるものである。
【0025】次に、図1にその要部を模式的に示す押出ブロー成形機20に基づき、本発明をより詳しく説明する。
【0026】先ず、カネボウ合繊株式会社から購入したポリ乳酸バージンペレット(商品名「ラクトロン 700DA」)を、熱風乾燥機にて、60℃、3.0時間乾燥処理した後、押出ブロー成形機20に装備されており且つ140〜190℃に保持されたホッパー(図示されていない)に投入する。
【0027】次に、ホッパー3に連設されるスクリュー内蔵シリンダ4内に提供し、該ポリ乳酸樹脂材料を攪拌すると同時に、スクリュー160〜200℃にて加熱溶融させる。シリンダ4内の圧力は、使用する機種により異なるが、例えば250kg/cm2 〜350kg/cm2 程度に設定する。この圧力が低くすぎると、ポリ乳酸樹脂に抵抗がなくなり、空気(エアー)を含んだ状態となってしまう。また、この圧力が高すぎると、スクリューに負荷が掛かり過ぎる。
【0028】次に、溶融したポリ乳酸樹脂を、上記シリンダ4の吐出側に連設されるダイス5(ダイス温度:140〜200℃)から下向きに送り出す。ダイスより送り出されたポリ乳酸樹脂は、略円筒状に順次連続して重力により下降しいわゆる中空のパリソン1を形成する。このパリソン1がまだ暖かいうちに、成形品の形状をしたキャビティーをもつ2つ割りの成形金型6で挟む。この際、金型の下端でパリソン1を喰切り、パリソン1に底をつける。
【0029】次に、例えば成形品がφ9cmの2連ポットである場合、パリソン中に備えた圧縮エアー供給ノズル7の先端7aから、圧力0.5 〜5.5kg/m2 、好ましくは0.7 〜2.5kg/m2のエアーを一気ではなく若干時間をかけてゆっくり吹き込み、パリソン1を膨らませると、金型6の内面にパリソン1の外面を押し付けることができ、且つ金型6の内面6aに触れさせることで冷却固化させることができる。すなわち、ポリ乳酸樹脂が金型6の内面6aに沿う形状に成形できる。金型6を開き、成形品を取り出す。上記の工程を繰り返すことにより、中空成形体(2連ポット)10を連続的に製造する。ブロー成形された時に生じるエアー口2を有する。
【0030】なお、ダイス温度が140℃よりも低いとパリソンを押し出せなかったり、エアーを吹き込んでも、パリソン1を十分に膨らませることができない。また、上記温度が200℃より高いと、樹脂に抵抗がなくなってドローダウンし、成形品が偏肉するなどの不具合が生じる。
【0031】また、圧縮エアー供給ノズル7より吹き込むエアーの圧力が0.5kg/m2以下であると、パリソン1を十分に膨らませることができない。エアーの圧力が、5.5kg/m2 以上であると、金型の内面にパリソンを押し付ける応力が大き過ぎ、結果、成形体が硬くなって脆くなり、耐衝撃性に不具合が生じる傾向があり、成形体の生分解速度が小さくなって生分解特性が劣るという不具合も生じる。また、ブロー成形時のエアー圧が高すぎると、成形体に縦スジ入ったり、成型時に破裂することがある。
【0032】ところで、円筒状のアキュームレーター本体と、ダイスと、ダイス支持軸とピストンと、ピストン支持筒とからなるアキュームレーターを、シリンダ4の吐出側に連設し、前記シリンダ4から送られてくる溶融樹脂をこのアキュームレーターに圧入してほぼ一回の射出相当分の樹脂を溜め、ついで、駆動機構により、樹脂溜め部内に溜められていたポリ乳酸樹脂を、アキュームレーター本体とダイスとの間隙から一挙に射出することでパリソンを成形し、そして、成形品の形状をしたキャビティーをもつ2つ割りの成形金型6で挟み、エアーを吹き込んでパリソンを膨らませると、ポリ乳酸樹脂が金型の内面に沿う形状に成形でき、冷却硬化させることでも、所望する所定形状を有する中空成形体を製造することができる。
【0033】アキュームレーターから、溜めておいポリ乳酸樹脂を金型内へ急速射出するときのアキュームレーター内の温度は、使用機種により異なるが、例えば160℃〜 220℃程度、好ましくは180〜200℃に設定する。上記温度が160℃よりも低いと、パリソンを押し出せなかったり、エアーを吹き込んでも、パリソン1を十分に膨らませることができない。また、上記温度が220℃より高いと、樹脂に抵抗がなくなってドローダウンし、成形品が偏肉するなどの不具合が生じる傾向がある。
【0034】また、押出機(シリンダ4)でパリソンを押し出す代わりに、射出成形法などで有底のパリソンを製造し、これを予熱してから成形用の金型の中でエアーを吹き込みブロー成形を行ういわゆるコールドパリソン法にて中空成形体を製造することができる。この方法によると、パリソンの製造とブロー成形を別途に行うので、多量生産に適し、加熱温度を十分精密に保てるという利点があるものの、工程を分けているためエネルギーの消費が大きいという不都合がある。
【0035】上記各ブロー成形法にあっては、ブロー成形体の形状によってはパリソンを用いるよりは2枚のボードを使ってその間にエアーを吹き込む方法を採用する方が好適な場合がある。この場合はパイプ状にパリソンを押出す代わりに、2枚のボードを押出機から押し出すようにすればよい。
【0036】さらにまた、本発明の製造方法として、射出成形法とブロー成形法を1台の成形装置で行ういわゆるインジェクションブロー成形法を採用することができる。この方法は、射出成形用の型によりパリソンを成形し、このパリソンが熱いうちに、外型をブロー成形用の型に代えてブロー成形を行うものである。この方法によると、1台の機械でパリソン形成とブロー成形の両方を行うので、エネルギー消費が少なく、生産性が高く特に多量生産でき、しかも精度の高い成形体が製造できるという利点を有するものの、成型機自体の構造が複雑で高価であり、且つ金型も複雑で精度を要するため、コストアップになるという不都合がある。
【0037】これらの方法によると、材料がポリ乳酸樹脂単独であっても、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとのコンパウンド樹脂であっても、また、ポリ乳酸と澱粉とのコンパウンド樹脂であっても、平均肉厚が0.3mm〜5.0mmでありその容積が例えば140リットルの大型の成形体を製造できた。
【0038】なお、平均肉厚が1mmで直径が9cmの植栽容器を製造し、これを粉砕してコンポスト化したところ、2〜3ヶ月で形態を留めなくなり、良好な生分解性を示すことが解った。
【0039】ところで、中空成形体の寸法形状等によって、成形時の条件設定を詳細に検討し最適化する必要があることはいわゆる当業者に取っては周知のことである。一般に、生分解性ポリ乳酸樹脂、又は生分解性ポリ乳酸をブレンドしたコンパウンド樹脂をブロー成形する場合には、特には、使用するポリ乳酸樹脂のもつ固有のガラス転移温度以下の温度で低温乾燥しその含水率を10〜200ppmにすることが肝要である。また、パリソンに吹き込むエアー圧は、ポリ乳酸単独、又はポリ乳酸と生分解性脂肪族ポリエステル樹脂のコンパウンド樹脂Aの場合には、例えば低密度ポリエチレン樹脂をブロー成形する際に採用するエアー圧の90%以下、樹脂がポリ乳酸と澱粉のコンパウンド樹脂Bである場合には例えば低密度ポリエチレン樹脂をブロー成形する際に採用する55%以下にすることが、優れた生分解特性を有する中空成形体を製造するための目安となる。
【0040】
【発明の効果】本発明は、上述の如く構成されるので、次の作用効果が得られる。エアーが溶融樹脂内に混入することがなく、ブロー成形を行うことができ、そして、生分解性を有し丈夫で軽い大型の成形体でも簡単に作製することができ、廉価に提供できる、等の極めて実効性に優れた作用効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】593049914
【氏名又は名称】株式会社東海化成
【識別番号】595001321
【氏名又は名称】株式会社パールマネキン
【出願日】 平成12年6月28日(2000.6.28)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典
【公開番号】 特開2002−11778(P2002−11778A)
【公開日】 平成14年1月15日(2002.1.15)
【出願番号】 特願2000−193784(P2000−193784)