| 【発明の名称】 |
熱可塑性樹脂組成物の連続押出法 |
| 【発明者】 |
【氏名】白岩 信裕
【氏名】広沢 拓身
【氏名】岩下 敦
【氏名】藤井 昌道
|
| 【要約】 |
【課題】粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物の均一粒状品の高収率な製造方法を提供すること。
【解決手段】常温で軟質、かつ、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物を、第1の押出機を用いて混練した後、混練物を第2の冷却機能を備えた押出機に供給し、冷却しながら押出す熱可塑性樹脂組成物の連続押出法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 常温で軟質、かつ、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物を、第1の押出機を用いて混練した後、混練物を第2の冷却機能を備えた押出機に供給し、冷却しながら押出すことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の連続押出法。 【請求項2】 第2の押出機を用いて押出す温度が、第1の押出機を用いて混練する温度よりも低い温度で、かつ、熱可塑性樹脂組成物が軟化流動する温度よりも高い温度である請求項1記載の連続押出法。 【請求項3】 第2の押出機を用いて押出す温度が、熱可塑性樹脂組成物が軟化流動する温度よりも最大で50℃高い温度である請求項2記載の連続押出法。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の連続押出法で得られる第2の押出機から押し出された樹脂組成物を粒状化することを特徴とする粒状の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、軟質で粘着性を有する熱可塑性樹脂組成物の粒状化方法に関し、さらに詳しくは、熱可塑性樹脂と粘着性を有する材料からなる樹脂組成物を押出機にて混練加工する際、押出された組成物の粘着性を減じて、取り扱い易い粒状物として得る方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】軟質系熱可塑性樹脂は、近年の重合法の進歩により成形性や物性改善が進み、かつ、リサイクルがし易いという点から、あらゆる用途に使用されている。また、機能を高めるために、このような軟質系熱可塑性樹脂に無機化合物や有機化合物を複合化することは、ごく一般的に行われてきている。 【0003】このような状況にあって、地球環境に負荷を与えない樹脂材料が益々求められており、粘着材料の分野においても、脱ハロゲン化材料で有機溶剤を含まない材料が求められている。即ち、塩化ビニルや塩化ビニリデン或いは塩素化ポリエチレンの如き分子構造式中にハロゲン原子を含有する材料を用いず、かつ、粘着材料組成物として、粘着付与剤の有機溶剤溶液を用いないことが必要である。そこで、各種粘着付与剤と、化学構造にハロゲン原子を有しない熱可塑性樹脂とを混練して粘着樹脂組成物を得た後、無溶剤化された多層成形法によって粘着層を形成する方法が実施されている。 【0004】このような粘着樹脂組成物が指向されている分野は、消費財分野、特に包装材料や工業部品用途の分野であり、粘着性フィルムやテープ或いは軟質成形品が対象製品となる。製品を構成する樹脂組成物は、軟質熱可塑性樹脂と粘着付与剤を主成分とし、これにオイルや安定剤や分散剤を加えてなるものである。主成分の一つである軟質熱可塑性樹脂は、エチレンやプロピレンの重合体或いはスチレンなどとの共重合体であり、軟質であることを特徴としている。一方の粘着付与剤は、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、或いはポリブタジエンなどの液状ポリオレフィンの如き天然樹脂や合成樹脂からなる粘着性を有する樹脂が用いられる。 【0005】従来、このような樹脂組成物の調製方法としては、例えば、(1)粘着性付与剤と熱可塑性樹脂とその他成分を計量し、加熱ニーダやバンバリーミキサーなどの混練機で混合練肉するバッチ式生産方法、(2)計量した樹脂組成物の各成分を予め攪拌羽根を有するミキサーで混合した後、スクリュ式押出機で混練する連続式生産方法、(3)計量した樹脂組成物の各成分を押出機ホッパー口やバレル途中から投入する連続式生産方法、が採用されている。 【0006】通常、バッチ式生産方法(1)における混合混練温度は、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも数十度高い温度であり、その混練時間は粘着付与剤が樹脂へ混和するまで比較的長く行う。一方、連続式生産(2)及び(3)では、混練物が連続して排出され、しかも排出までの時間が早いので、混和時間が短かい。そのため、樹脂組成物の各成分を早く可塑化させる必要性から、バッチ式混練機より更に数十度高い温度にて混合混練している。このようにして均一に混練された樹脂組成物は、専用の粒状化機器により粒状化された後、広範囲な粘着付与活用の製品に供されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】粒状化の方法は、樹脂組成物を混練機から排出した後、数本のロールにて圧延シート化した上で帯状物にして引き出し、裁断機にて切断する方法や、直接に混練機から押し出されたストランド状物、或いは混練機から樹脂組成物を賦形専用押出機に投入しそれから押し出されたストランド状物を、通称ペレタイザーといわれる裁断機にて細かく切断する方法であったり、混練機押出口で押出物を裁断機の切断羽根で直接かき落とす通称ホットカットという方法である。 【0008】しかしながら、これらの切断方法において、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物は、切断時に裁断機の刃や切断箇所周辺に付着し、切断したもの同士のくっつき合いや、形状の不安定化を招来していた。また、ホットカットに分類される水流を用いたアンダーウオーターカットやウオータリングカットにおいては、切断刃に付着を起こすと共に、水との分離作業において、切断された粒状物が互いにくっつき合うという問題があった。更に、均一粒状化を維持するため、裁断機をしばしば分解掃除する必要があり、また、互いにくっつき合った切断物の篩い分け選別という方法を併用しても、篩分機が解砕し、整粒品の割合を多くする程の有効性を発揮することができていなかった。 【0009】この状況を改善するべく、裁断機の切断刃の形状や固定方法、或いは裁断機の材料引き取り部の改造がなされてきているが、均一粒状品を安定して生産するまでには至っていなかった。また一方、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物の粘着性は冷却されるにつれ低減するので、ストランドや帯状シートを冷却すると切断が容易になるので、バッチ式生産では混練機の混練温度を低く設定して生産することがなされたり、連続式生産では、押出物を冷却水槽をよく通過させる方法がなされてきている。しかしながら、バッチ式生産による低温生産では、混練に長時間を要し、単位時間当たり生産量が低く、人力を必要とするという問題をかかえていた。また、連続式生産の押出物を冷却水で冷却する方法では、押出物の表面は冷却されるが、熱伝導率の低い樹脂層が固化しているため、中心部の冷却が不足するので、裁断機で切断した押出物切断面に粘着性が強く残り、従来の不均一粒状化の諸問題を起こしていた。 【0010】以上のように、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物は、粒状化の段階で、組成物成分である粘着剤の粘着性が発現し易く、均一な粒状品にすることが往々にして困難であった。また、一度、不均一な形状の樹脂組成物が様々な成形に供されると、嵩や流動性が不安定なため計量性不良の問題が生じていた。 【0011】本発明が解決しようとする課題は、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物の均一粒状品の高収率な製造方法を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、このような状況の下、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物の粒状化し易く、かつ、収率の良い効率的な生産方法を鋭意研究した結果、連続式生産において、押出機を2台直列で繋ぎ、第1の押出機で樹脂組成物の混合混練を大量に行い、第2の押出機で押出物温度を可塑性が保てるまでに低下させ、押出された物が冷却水槽等で簡単に冷却するだけで、容易に切断ができることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0013】即ち、本発明は上記課題を解決するために、常温で軟質、かつ、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物を、第1の押出機を用いて混練した後、混練物を冷却機能を備えた第2の押出機に供給し、冷却しながら押出すことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の連続押出法を提供する。 【0014】また、本発明は上記課題を解決するために、上記の連続押出法で得られる第2の押出機から押し出された樹脂組成物を粒状化することを特徴とする粒状の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供する。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明で使用する常温で軟質、かつ、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物は、常温で軟質の熱可塑性樹脂と粘着付与剤を主成分とし、これにオイルや安定剤や分散剤を加えてなるものである。 【0016】本発明で使用する熱可塑性樹脂組成物を構成する軟質熱可塑性樹脂としては、常温で軟質のものであって、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、スチレン系共重合体が挙げられる。 【0017】エチレン系重合体としては、例えば、低密度から高密度までのポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。プロピレン系重合体としては、例えば、プロピレン単独重合体のほか、プロピレンと、エチレン、ブテン、オクテンの如きα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。上記した共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれもが使用できる。スチレン系重合体としては、ゴム質な共重合体が挙げられ、例えば、スチレンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、これらの水素添化物などが挙げられる。本発明の連続押出法に適用する際の軟質熱可塑性樹脂の形状は、粉状、粒状等であってもよい。また、これらの軟質熱可塑性樹脂は、適宜組み合わせて使用することもできる。 【0018】本発明で使用する熱可塑性樹脂組成物を構成する粘着付与剤は、天然樹脂や合成樹脂からなる粘着性を有する樹脂であり、そのような粘着付与剤としては、例えば、天然樹脂ロジン、重合ロジン、水添ロジン、グリセルネステルロジン、ペンタエリスリトールエステルロジンの如きロジン系樹脂;テルペン、芳香族変性テルペン、テルペンフェノール、水添テルペンの如きテルペン系樹脂;脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環式化合物系石油樹脂の如き石油樹脂;常温で液状のポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。これらの粘着付与剤の性状は、液体、固体であっても良い。また、これらの粘着付与剤は、適宜組み合わせて使用することもできる。 【0019】本発明で使用する常温で軟質、かつ、粘着性を示す熱可塑性樹脂組成物中の軟質熱可塑性樹脂と粘着付与剤との割合は、重量比で、99:1〜50:50の範囲が好ましい。一般的に粘着性の高い樹脂組成物は、液状粘着付与剤を構成成分として多量に加える場合がある。その場合には、これら基本組成に、軟質の調整や粘着性の調整を目的として、脂肪族系オイル或いは芳香族系オイルを適宜加えたり、アクリル酸エステル樹脂やポリスチレンなどの硬質な樹脂を加えることもできる。また、粘着樹脂組成物の加工性や耐久性付与のため、耐熱安定剤、耐光安定剤の如き安定剤、無機充填剤、発泡剤、難燃剤、顔料、分散剤などの助剤を更に加えることもできる。 【0020】本発明の熱可塑性樹脂組成物の連続押出法は、2台の押出機を直列に配置し、第1の押出機で樹脂組成物の混合混練を達成させ、第2の押出機で混練物を冷却して、可塑性が保持される温度域で連続生産するものである。第1の押出機は、樹脂組成物の混練と搬送が充分に満足させる能力があれば単軸スクリュ押出機、多軸スクリュ押出機の何れでも構わないが、2軸スクリュ押出機が好適である。樹脂組成物は構成成分全量を混合機で混合した後、押出機へ供給する場合と、成分の一部を混合し他成分を別個に供給したり、或いは全成分を個別に供給する場合がある。粘着付与剤やオイルが液状であると、押出機バレルの途中から液添ポンプによる圧入を行うことが多く、これにより混合混練を容易にし高い生産性による単位時間当たりの押出量を増すことがなされる。 【0021】押出機の混練能力は、連続して均一な組成物が如何に大量に得られるかにあるので、樹脂組成物を構成する各成分の混合の仕方、投入方法にも影響されるが、スクリュデザイン、スクリュ駆動方式、スクリュ長さと径、設定押出温度やスクリュ回転数などの影響を受ける。押出量を増大させながら混練を充分に達成させるには、スクリュ長さと径を増し、樹脂組成物各成分の投入量を図り、スクリュ回転数を増すことでなされ、押出温度を高く設定する傾向がある。これにより樹脂組成物を構成する各成分を早く可塑化し混練させることができる。この場合、混練時に発生する機械的エネルギーが熱的エネルギーへ変換し、混練組成物温度が上昇する。この状態で、押出物をホットカットや水槽で冷却し切断すると、不均一な切断や裁断機の正常運転がなされない状態が現出する。 【0022】そこで、本発明の連続押出法では2台の押出機を直列に配列し、第1の押出機において混練溶融した押出物を第2の押出機で受け取り、第2の押出機において、押出物を冷却しながら押出し、材料温度を第1の押出機から排出された場合より低下させる。2台の押出機を直列で連続して運転する方法は、タンデム押出機として公知の押出方法であり、異形押出成形分野や電線分野のような最終製品の成形に用いられたり、主に無機充填剤を樹脂へ強力に分散混練し、それを粒状に賦形する方法に採用されている。しかしながら、前出の公知の直列連続押出法では、第2の押出機は、第1の押出機の溶融混練物を受け取り、溶融混練物の押出安定性補助或いは押出物の形状賦形のために用い、特に樹脂組成物を溶融流動開始温度に近い温度まで、冷却させる機能を有するものではない。押出機による溶融混練物の冷却法は、特開平7−52230号や特開平11−90926号に開示されている。前者特許の場合は樹脂組成物の架橋を防ぐため、第1の押出機で、その押出口までに溶融混練物を冷却する方法が述べられており、第2の押出機では冷却された混練物を、そのままの温度にて押出成形させるというものである。第2の押出機で積極的に冷却させるものではない。また、後者特許の場合は樹脂組成物の混合分散を、樹脂温度上昇を避け効率良く達成させるため、第1の押出機も第2の押出機も2軸スクリュ押出機とし、第1の押出機に対し第2の押出機のスクリュ回転速度を二分の一以下で運転する事が記述されている。これも、第2の押出機でのせん断発熱を防いで、樹脂温度を上昇させないという考えであり、第2の押出機の冷却機能を著しく高めて、混練物の温度を著しく下げるとは述べられてはいない。一方、ゴムの加硫異形押出成形においては、通常バッチ式生産で作られた混練物を、均等な組成と性状になるよう取り出し、加硫を均等になすように冷却して押出している。このような成形法は、2台の押出機を連動させるというものではない。更に、特開昭63−168312号或いは特開平5−305612号にあるようにゴム組成物の連続式生産法も考案されているが、これもバッチ式生産で作られた混練物を連続して加工処理していく方法であり、冷却を特別な冷却乾燥装置で実施しているものである。冷却方法の工夫で、樹脂組成物を連続的に得る方法としては、この他に特開平11−254432号や特開平11−90926号に記述されている。前者は2台の押出機を用いる方法でなく、かつ重合直後の組成物を押出機投入前に、粉砕均質化装置で冷却させるというものである。後者も同様に、1台の押出機で押出た溶融混練物をホットカット装置で切り落とし、水で冷却させながら搬送し、これを圧縮成形でペール状に加工するという方法である。これら方法は何れも押出機にて著しい冷却を行うというものではない。 【0023】樹脂組成物の冷却は、粘着性発現を抑制するという点から、組成物温度がより低くなるまで冷却することが望ましいが、低くなり過ぎると組成物の流動がなくなる。この場合、押出機内部でスクリュ搬送中に受ける機械的エネルギーで、組成物が圧縮せん断や磨砕を受けて熱が発生する結果、逆に組成物を溶融させ、押出が可能となる。しかしながら、押出機の負荷が大きくなるので、押出量を増大させることは困難である。更に、スクリュ搬送のないストレーナ以降の押出口までは、流動性の乏しい組成物は固化し易く、押出できない状態になる。従って、組成物の冷却は、組成物が押出機の押出口で流動する温度までとすることが望ましい。往々にしてこのような状態における押出組成物の外観はやや平滑性を欠くが、それはむしろ粒状物に切断された後で、互いのくっつき合いを阻害するという副次的好結果を生んでいる。本発明者等は種々検討した結果、組成物に荷重を加えた状態で流動する温度を観察し、その温度から50℃以内ならば、押出機からの押出と、裁断機での組成物の切断が容易であることを認めた。 【0024】本発明は、第2の押出機の冷却機能を積極的に利用し、熱可塑性樹脂組成物の粘着性を減じることを目的とし連続生産を可能にするものである。第2の押出機は、樹脂組成物の搬送と冷却が充分に満足される能力があればよく、単軸スクリュ押出機、多軸スクリュ押出機の何れでも構わないが、単軸スクリュ押出機で充分である。冷却は押出機バレルの効率良い熱媒体循環が可能で、奪った熱を別媒体へ移送させる能力の高いことが重要である。例えば、バレル周辺やバレル内部に緻密に導管を巡らせ、或いはスクリュ内部に導管を巡らせ、熱伝導率の良い媒体を、温調した上で循環装置によって送り込ませるのが望ましい。また、樹脂組成物の押出機内の搬送中に生ずる発熱を極力抑える観点から、スクリュは混練部の少ない低圧縮比、低L/D(スクリュ長さと径の比)のものが好適である。第1の押出機で混練された押出物は、押出口から垂直に下り、真下に配置された第2の押出機供給口に供給してもよいし、第1の押出機から押出された押出物を金属製導管で、第2の押出機供給口へ導入してもよく、連続で供給する必要がある。 【0025】このようにして、本発明の連続押出法が達成されるが、第2の押出機から押出された物は、樹脂組成物の軟化溶融流動温度の近くまで冷却されたものであるので、押出口におけるホットカット或いはストランド引き取りによるペレタイザーで切断することにより、裁断機の刃や周辺への付着もなく、互いのくっつき合いもなく、均一な形状の粒状品を安定的に生産することができる。 【0026】 【実施例】次に本発明を実施例、比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されず幅広い応用範囲を持つものである。なお、実施例、比較例における部及び%表示はすべて重量基準である。 【0027】<実施例1>熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエンブロック共重合体(固状、メルトフローインデックス=8g/10分;以下、「熱可塑性樹脂A」と省略する。)60重量部、粘着性付与剤としてロジンエステル(軟化点100℃;アビエチン酸エステル、以下「ロジンエステルS」と省略する。)40重量部、安定剤として高分子量ヒンダードフェノール(融点110℃;フェノール系酸化防止剤)0.5重量部を高速ミキサーで混合し、図1に示した押出生産ラインの押出機で溶融混練した。 【0028】その際、図1中の押出機Aはスクリュ径60mm、L/D45の2軸スクリュを有し、同方向回転にて運転し、押出機Bはスクリュ径150mm、L/D12の単軸スクリュを有しており、押出機Aの押出量が1時間当たり250kgに合わせ、押出量を比例させて運転した。それぞれの押出機温度は押出機Aは160〜180℃とし、押出機Bは温水ジャケットで35℃に設定した。 【0029】押出機押出口の組成物温度を計測すると共に、押出機Bから押出されるストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態を観察した。同様に、ペレタイザーによる粒状物の切断状態を観察した。また、押出された樹脂組成物は、別途、溶融流動開始温度を計測した。以上の計測値などは、表1にまとめて示した。 【0030】なお、観察項目と判定基準は次の通りである。 (1)溶融流動開始温度高化式フローテスターにて20kg荷重下(20kg/cm2圧)で、押し出された樹脂組成物を室温から昇温させ、オリフィス(φ1×L1mm穴)から排出される温度を溶融流動開始温度とした。 【0031】(2)ストランド表面状態ストランドを30cm長切り出し、表面を観察した。その際、評価結果を次の3区分とした。 3:艶あり 2:艶なし 1:微細な凸凹がある【0032】(3)粒状物の形状粒状物の形状を、次の3区分に評価した。 ○:長さが揃っている△:長さに大小のばらつきがある×:不揃いで正常に切断されていない【0033】(4)粒状物の互着粒状物の互着状態を、次の3区分に評価した。 ○:一つ一つが独立している△:くっつき合っている場合があるが、振動を与えると一つ一つになる×:くっつき合っており、簡単には分離しない【0034】<実施例2>実施例1において、ロジンエステルSに代えて、別のロジンエステル(20℃で液状;アビエチン酸エステル、以下、「ロジンエステルL」と省略する。)を用い、かつ、ロジンエステルLを押出機Aのバレルから液添ポンプにて計量圧入した以外は、実施例1と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表1にまとめて示した。 【0035】<比較例1>実施例1において、図1に示した押出生産ラインに代えて、図2に示した押出生産ラインを用いた以外は、実施例1と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表1にまとめて示した。ただし、ストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態の観察は、押出機Aから押出されたものを観察対象とした。 【0036】<比較例2>実施例1において、ロジンエステルSに代えて、ロジンエステルLを用い、図1に示した押出生産ラインに代えて、図2に示した押出生産ラインを用い、かつ、ロジンエステルLを押出機Aのバレルから液添ポンプにて計量圧入した以外は、実施例1と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表1にまとめて示した。ただし、ストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態の観察は、押出機Aから押出されたものを観察対象とした。 【0037】<比較例3>実施例1において、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の使用量を80重量部とし、ロジンエステルS40重量部に代えて、ロジンエステルL20重量部を用い、図1に示した押出生産ラインに代えて、図2に示した押出生産ラインを用い、かつ、ロジンエステルLを押出機Aのバレルから液添ポンプにて計量圧入した以外は、実施例1と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表1にまとめて示した。ただし、ストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態の観察は、押出機Aから押出されたものを観察対象とした。 【0038】 【表1】
【0039】表1に示した結果から、本発明の連続押出法による押出物の材料温度は、樹脂組成物の溶融流動開始温度よりも高いが、第1の押出機Aから押出された組成物温度より約60℃も低くなり、しかも、粒状物は寸法も揃っており、互いのくっつき合いもなく、ペレタイザーの運転は正常であった。 【0040】<実施例3>熱可塑性樹脂としてスチレン−イソプレンブロック共重合体(固状、メルトフローインデックス=4g/10分;以下、「熱可塑性樹脂B」と省略する。)70重量部、粘着性付与剤として脂環式化合物系石油樹脂(軟化点125℃;以下、「石油樹脂A」と省略する。)30重量部、安定剤として高分子量ヒンダードフェノール(融点110℃;フェノール系酸化防止剤)0.5重量部を高速ミキサーで混合し、図1に示した押出生産ラインの押出機で溶融混練した。 【0041】その際、図1中の押出機Aはスクリュ径60mm、L/D45の2軸スクリュを有し、同方向回転にて運転し、パラフィンオイル(20℃で液状)1重量部を、押出機Aのバレルから液添ポンプにて計量圧入した。また、押出機Bはスクリュ径150mm、L/D12の単軸スクリュを有しており、押出機Bの押出量が1時間当たり250kgに合わせ、押出量を比例させて運転した。それぞれの押出機温度は押出機Aは110〜150℃とし、押出機Bは温水ジャケットで50℃に設定した。 【0042】実施例1と同様にして、押出機押出口の組成物温度を計測すると共に、押出機Bから押出されるストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態を観察した。同様に、ペレタイザーによる粒状物の切断状態を観察した。また、押出された樹脂組成物は、別途、溶融流動開始温度を計測した。以上の計測値などは、表2にまとめて示した。 【0043】<実施例4>実施例3において、石油樹脂Aに代えて、脂環式化合物系石油樹脂(軟化点115℃;以下、「石油樹脂B」と省略する。)を用い、パラフィンオイルを使用しなかった以外は、実施例3と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表2にまとめて示した。 【0044】<比較例4>実施例3において、図1に示した押出生産ラインに代えて、図2に示した押出生産ラインを用いた以外は、実施例3と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表2にまとめて示した。ただし、ストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態の観察は、押出機Aから押出されたものを観察対象とした。 【0045】<比較例5>実施例3において、石油樹脂Aに代えて、石油樹脂Bを用い、パラフィンオイルを使用せず、かつ、図1に示した押出生産ラインに代えて、図2に示した押出生産ラインを用いた以外は、実施例3と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表2にまとめて示した。ただし、ストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態の観察は、押出機Aから押出されたものを観察対象とした。 【0046】<比較例6>実施例3において、熱可塑性樹脂B及び石油樹脂Aの使用量をそれぞれ、90重量部及び10重量部とし、パラフィンオイルを使用せず、かつ、図1に示した押出生産ラインに代えて、図2に示した押出生産ラインを用いた以外は、実施例3と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表2にまとめて示した。ただし、ストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態の観察は、押出機Aから押出されたものを観察対象とした。 【0047】 【表2】
【0048】表2に示した結果から、本発明の連続押出法による押出物の材料温度は、樹脂組成物の溶融流動開始温度よりも高いが、第1の押出機Aから押出された組成物温度より約50℃も低くなり、しかも、粒状物は寸法も揃っており、互いのくっつき合いもなく、ペレタイザーの運転は正常であった。 【0049】<実施例5>熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合(固状、メルトフローインデックス=5g/10分;以下、「熱可塑性樹脂C」と省略する。)80重量部、安定剤として高分子量ヒンダードフェノール(融点110℃;フェノール系酸化防止剤)0.3重量部を高速ミキサーで混合し、図1に示した押出生産ラインの押出機で溶融混練した。 【0050】その際、図1中の押出機Aはスクリュ径60mm、L/D45の2軸スクリュを有し、同方向回転にて運転し、粘着性付与剤としてポリブテン(重量平均分子量Mw=960、20℃で高粘性液状;以下、「ポリブテンA」と省略する。)20重量部を、押出機Aのバレルから液添ポンプにて計量圧入した。また、押出機Bはスクリュ径150mm、L/D12の単軸スクリュを有しており、押出機Bの押出量が1時間当たり250kgに合わせ、押出量を比例させて運転した。それぞれの押出機温度は押出機Aは110〜150℃とし、押出機Bは温水ジャケットで40℃に設定した。 【0051】実施例1と同様にして、押出機押出口の組成物温度を計測すると共に、押出機Bから押出されるストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態を観察した。同様に、ペレタイザーによる粒状物の切断状態を観察した。また、押出された樹脂組成物は、別途、溶融流動開始温度を計測した。以上の計測値などは、表3にまとめて示した。 【0052】<実施例6>実施例5において、ポリブテンAに代えて、別のポリブテン(Mw=570、20℃で低粘性液状;以下、「ポリブテンB」と省略する。)を用いた以外は、実施例5と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表3にまとめて示した。 【0053】<比較例7>実施例5において、図1に示した押出生産ラインに代えて、図2に示した押出生産ラインを用いた以外は、実施例5と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表3にまとめて示した。ただし、ストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態の観察は、押出機Aから押出されたものを観察対象とした。 【0054】<比較例8>実施例5において、ポリブテンAに代えて、ポリブテンBを用い、かつ、図1に示した押出生産ラインに代えて、図2に示した押出生産ラインを用いた以外は、実施例5と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表3にまとめて示した。ただし、ストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態の観察は、押出機Aから押出されたものを観察対象とした。 【0055】<比較例9>実施例5において、熱可塑性樹脂Cの使用量を90重量部とし、ポリブテンA20重量部に代えてポリブテンB10重量部を用い、かつ、図1に示した押出生産ラインに代えて、図2に示した押出生産ラインを用いた以外は、実施例5と同様にして、溶融混練し、実施例1と同様にして各種データなどを計測し、表3にまとめて示した。ただし、ストランドの外観及びペレタイザーへの引き取り状態の観察は、押出機Aから押出されたものを観察対象とした。 【0056】 【表3】
【0057】表3に示した結果から、本発明の連続押出法による押出物の材料温度は、樹脂組成物の溶融流動開始温度よりも高いが、第1の押出機Aから押出された組成物温度より約30℃も低くなり、しかも、粒状物は寸法も揃っており、互いのくっつき合いもなく、ペレタイザーの運転は正常であった。 【0058】 【発明の効果】常温で、軟質かつ粘着性を有する熱可塑性樹脂組成物を、押出機で混練し押出すと、押出物の中が冷えないので、ホットカットやストランドカットによる粒状化において、押出物の細かい切断が難しいため粒状物(ペレット)の不揃いやお互いのくっつき合いを起こす。本製造法ではこれが解消され、均一な形状の粒状物が連続して得られる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002886 【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社 【識別番号】599132580 【氏名又は名称】ディックテクノ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年5月17日(2001.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088764 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勝利
|
| 【公開番号】 |
特開2002−337139(P2002−337139A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月27日(2002.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−147615(P2001−147615) |
|