| 【発明の名称】 |
長繊維束への樹脂含浸方法並びに樹脂含浸装置、及び、長繊維強化樹脂成形体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】浅田 泰嗣
【氏名】柳本 嘉弘
【氏名】小野 宏
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| 【要約】 |
【課題】周囲が通路構成壁面で取り囲まれた含浸通路内に長繊維束を通過させつつ、長繊維束の進行方向の中途部で前記壁面に設けた樹脂注入口から含浸通路内に樹脂液を注入して、該樹脂液を長繊維束に含浸させる方法において、ポンプ吸引によることなく長繊維束への樹脂液の含浸が均一に行われるようにして、長期間安定して連続成形できるようにする。
【解決手段】樹脂注入口よりも進行方向の下流側で、樹脂注入口を設けた樹脂構成壁面に長繊維束が密接するように、該長繊維束を含浸通路内で案内する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 周囲が通路構成壁面で取り囲まれた含浸通路内に長繊維束を通過させつつ、長繊維束の進行方向の中途部で前記壁面に設けた樹脂注入口から含浸通路内に樹脂液を注入して、該樹脂液を長繊維束に含浸させる方法において、前記樹脂注入口よりも進行方向の下流側で、樹脂注入口を設けた前記壁面に長繊維束が密接するように、該長繊維束を含浸通路内で案内することを特徴とする長繊維束への樹脂含浸方法。 【請求項2】 含浸通路は上型と下型とを上下に組み合わせることにより幅方向に横長に形成され、樹脂注入口は下型の通路構成壁面に設けられ、該樹脂注入口は含浸通路の幅方向全体にわたって設けられ、長繊維束は、幅方向に横長の帯状である請求項1に記載の樹脂含浸方法において、下型の通路構成壁面を、樹脂注入口よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって下方側に屈曲させるとともに、上型の通路構成壁面の含浸通路下流端部を、前記下型の通路構成壁面の屈曲部よりも下方に位置させ、長繊維束に長手方向のテンションをかけながら前記含浸通路内を通過させることで、含浸通路の下流端において上型によって長繊維束を下方に押さえ付けるように案内して、含浸通路中途部において該長繊維束を下型の通路構成壁面の屈曲部に密接させることを特徴とする長繊維束への樹脂含浸方法。 【請求項3】 含浸通路は、内周面が通路構成壁面となる筒状の外型と、外周面が通路構成壁面となる内型とを、内外に組み合わせることにより筒状に形成され、樹脂注入口は内型の通路構成壁面に設けられ、該樹脂注入口は含浸通路の全周にわたって設けられ、長繊維束は、多数の長繊維が含浸通路の全周にわたって分散配置されてなる請求項1に記載の樹脂含浸方法において、内型の通路構成壁面を、樹脂注入口よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって径方向内側に屈曲させるとともに、外型の通路構成壁面の含浸通路下流端部を、前記内型の通路構成壁面の屈曲部よりも径方向内側に位置させ、長繊維束に長手方向のテンションをかけながら前記含浸通路内を通過させることで、含浸通路の下流端において外型によって長繊維束を径方向内方に押さえ付けるように案内して、含浸通路中途部において該長繊維束を内型の通路構成壁面の屈曲部に密接させることを特徴とする長繊維束への樹脂含浸方法。 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載の樹脂含浸方法により硬化性樹脂液を長繊維束に含浸させた後、該長繊維束を成形用通路に導き、該通路内で前記硬化性樹脂を硬化させることを特徴とする繊維強化樹脂成形体の製造方法。 【請求項5】 周囲が通路構成壁面で取り囲まれた含浸通路を有し、該含浸通路は、上流端に多数の長繊維の入口を有するとともに、下流端に樹脂液が含浸された多数の長繊維からなる長繊維束の出口を有し、長繊維束の進行方向の中途部で前記壁面には、含浸通路内に樹脂液を注入するための樹脂注入口が設けられた樹脂含浸装置において、前記樹脂注入口よりも進行方向の下流側で、樹脂注入口を設けた前記壁面に長繊維束が密接するように、該長繊維束を案内する案内部を前記壁面に設けたことを特徴とする長繊維束への樹脂含浸装置。 【請求項6】 含浸通路は上型と下型とを上下に組み合わせることにより幅方向に横長に形成され、樹脂注入口は下型の通路構成壁面に設けられ、該樹脂注入口は含浸通路の幅方向全体にわたって設けられた請求項5に記載の樹脂含浸装置において、下型の通路構成壁面が、樹脂注入口よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって下方側に屈曲されているとともに、上型の通路構成壁面の含浸通路下流端部が、前記下型の通路構成壁面の屈曲部よりも下方に位置されており、該上型の下流端部により案内部が構成されていることを特徴とする長繊維束への樹脂含浸装置。 【請求項7】 含浸通路は、内周面が通路構成壁面となる筒状の外型と、外周面が通路構成壁面となる内型とを、内外に組み合わせることにより筒状に形成され、樹脂注入口は内型の通路構成壁面に設けられ、該樹脂注入口は含浸通路の全周にわたって設けられた請求項5に記載の樹脂含浸装置において、内型の通路構成壁面が、樹脂注入口よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって径方向内側に屈曲されているとともに、外型の通路構成壁面の含浸通路下流端部が、前記内型の通路構成壁面の屈曲部よりも径方向内側に位置されており、該外型の下流端部により案内部が構成されていることを特徴とする長繊維束への樹脂含浸装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、長繊維強化発泡樹脂成形体、特にガラス長繊維強化発泡ウレタン樹脂成形体の製造に好適に適用し得る長繊維束への樹脂含浸方法並びにその樹脂含浸装置、及び、長繊維強化樹脂成形体の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】特開2000−296519号公報には、樹脂液を含浸させる際の樹脂液の飛散を軽減乃至防止することにより、清掃頻度の低減化や装置構造の簡素化を図り得る長繊維束への樹脂含浸方法が開示されている。この従来方法は、上部水平盤の硬化性樹脂液圧入室に硬化性樹脂液を圧入する工程と、硬化性樹脂液圧入室から上部水平盤下面に達する多数の硬化性樹脂液吐出孔より、長繊維束の進行方向と直交する方向を遮断するように上部水平盤及び下部水平盤が互いに装着されて形成された長繊維束の通過空間、を通過しつつある長繊維束に硬化性樹脂液を吐出する工程と、前記吐出された硬化性樹脂液を、長繊維束の通過空間から下部水平盤の下面に達する多数の硬化性樹脂液吸引孔を介して吸引する工程とを備えたものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来方法では、ポンプ吸引によって長繊維束に樹脂液を含浸させていた為に、含浸空間の幅方向両端部、或いは、長繊維束の上面部では、長繊維束への樹脂液含浸量が他の断面位置に比較して不足し、一定品質の確保が困難となることがあった。即ち、上記従来技術によれば、含浸空間の中央付近では多数の吸引孔による吸引力が大きくなる一方、幅方向両端部では吸引力が小さくなる傾向があり、含浸空間の幅方向両端部に樹脂液が滞留・蓄積して含浸空間寸法が変化してしまう。かかる状況では長繊維束への樹脂含浸量が幅方向位置によって変化してしまい、長期間安定させて連続使用することができず、頻繁にメンテナンスを行う必要が生じていた。 【0004】また、上記従来技術において、ポンプ吸引力を大きくすれば上記樹脂液含浸量の均一性を確保することもできるが、これによれば、長繊維束に含浸されずにポンプ側に吸引されてしまう樹脂量が多くなり、樹脂原料の歩留まりが悪化し、製品コストの増大を招く。 【0005】そこで、本発明は、樹脂原料の歩留まりが良好なものでありながら、樹脂液を含浸させる際の樹脂液の飛散を軽減乃至防止して、清掃頻度の低減化や装置構造の簡素化を図ることができ、さらに、長繊維束への樹脂含浸量の均一性を向上し得る長繊維束への樹脂含浸方法並びに樹脂含浸装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。 【0007】即ち、本発明は、周囲が通路構成壁面で取り囲まれた含浸通路内に長繊維束を通過させつつ、長繊維束の進行方向の中途部で前記壁面に設けた樹脂注入口から含浸通路内に樹脂液を注入して、該樹脂液を長繊維束に含浸させる方法において、前記樹脂注入口よりも進行方向の下流側で、樹脂注入口を設けた前記壁面に長繊維束が密接するように、該長繊維束を含浸通路内で案内することを特徴とするものである。 【0008】かかる本発明の長繊維束への樹脂含浸方法によれば、ポンプ吸引によることなく、樹脂注入口を設けた壁面に対して密接するように長繊維束を沿わせることにより、含浸通路内に注入された樹脂液を長繊維束に含浸させるようにしているので、従来のようにポンプ吸引圧の差による樹脂液の滞留・蓄積が生じず、長繊維束に樹脂液を均一に含浸させることが可能となるとともに、樹脂原料の歩留まりも向上し、製品コストの低減をも図られる。さらに、長繊維束を含浸通路内を通過させつつ上記含浸を行わせるものであるから、ジェットミキサーなどにより二液混合されたウレタン樹脂などの硬化性樹脂液が含浸通路に圧入される場合においても、周囲への樹脂液の飛散が殆どなく、付着樹脂を除去する清掃作業の頻度を低減できる。また、往復動する部材も必要でなく、装置構成が簡素化する。 【0009】上記本発明方法において、含浸通路は上型と下型とを上下に組み合わせることにより幅方向に横長に形成することができる。また、樹脂注入口は、上型の通路構成壁面に設けることもできるが、好ましくは下型の通路構成壁面に設けるのが良い。この樹脂注入口は含浸通路の幅方向全体にわたって設けることができる。例えば、複数の小孔状の樹脂注入口を幅方向に所定間隔で配設することにより、該複数の樹脂注入口を含浸通路の幅方向全体にわたって設けてもよく、また、樹脂注入口を、幅方向に延びるスリット状に構成することによっても、該樹脂注入口を含浸通路の幅方向全体にわたって設けることもできる。上記長繊維束は、含浸通路の断面形状に対応して、幅方向に横長の帯状として、含浸通路内を通過させることができる。 【0010】上記したように上下型の組み合わせによって含浸通路を構成した場合は、下型の通路構成壁面を、樹脂注入口よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって下方側に屈曲させるとともに、上型の通路構成壁面の含浸通路下流端部を、前記下型の通路構成壁面の屈曲部よりも下方に位置させ、長繊維束に長手方向のテンションをかけながら前記含浸通路内を通過させることで、含浸通路の下流端において上型によって長繊維束を下方に押さえ付けるように案内して、含浸通路中途部において該長繊維束を下型の通路構成壁面の屈曲部に密接させることが好ましい。これによれば、帯状に引き取られる長繊維束に対して、吸引ポンプを用いることなく、長時間にわたって安定して樹脂液を均一に含浸させることができる。 【0011】また、含浸通路は、内周面が通路構成壁面となる筒状の外型と、外周面が通路構成壁面となる内型とを、内外に組み合わせることにより筒状に形成することができる。この場合、樹脂注入口は、外型の上記壁面に設けることもできるが、好ましくは、内型の通路構成壁面に設けるのが良い。また、複数の樹脂注入口を周方向に所定間隔で配設するか、或いは、周方向に延びるスリット状の樹脂注入口とすること等によって、該樹脂注入口を含浸通路の全周にわたって設けることができる。長繊維束は、含浸通路の断面形状に対応して、多数の長繊維を含浸通路の全周にわたって分散配置した状態で含浸通路を通過させることができる。 【0012】上記のように内外型の組み合わせにより含浸通路を構成した場合、内型の通路構成壁面を、樹脂注入口よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって径方向内側に屈曲させるとともに、外型の通路構成壁面の含浸通路下流端部を、前記内型の通路構成壁面の屈曲部よりも径方向内側に位置させ、長繊維束に長手方向のテンションをかけながら前記含浸通路内を通過させることで、含浸通路の下流端において外型によって長繊維束を径方向内方に押さえ付けるように案内して、含浸通路中途部において該長繊維束を内型の通路構成壁面の屈曲部に密接させることができる。これによれば、筒状乃至軸状に引き取られる長繊維束に対して、吸引ポンプを用いることなく、長時間にわたって安定して樹脂液を均一に含浸させることができる。 【0013】また、本発明の繊維強化樹脂成形体の製造方法は、上記した樹脂含浸方法により硬化性樹脂液を長繊維束に含浸させた後、該長繊維束を成形用通路に導き、該通路内で前記硬化性樹脂を硬化させることを特徴とするものである。かかる製造方法によって得られた樹脂成形体は、樹脂硬化前の長繊維束への樹脂液の含浸量が全体にわたって均一であるから、硬化後における成形体の断面形状や密度などが安定化し、長期間にわたって一定品質を確保することが可能となる。なお、上記硬化性樹脂液としては、ウレタン樹脂液などの発泡性樹脂液を用いて、長繊維強化発泡樹脂成形体を製造することができる。 【0014】また、本発明は、周囲が通路構成壁面で取り囲まれた含浸通路を有し、該含浸通路は、上流端に多数の長繊維の入口を有するとともに、下流端に樹脂液が含浸された多数の長繊維からなる長繊維束の出口を有し、長繊維束の進行方向の中途部で前記壁面には、含浸通路内に樹脂液を注入するための樹脂注入口が設けられた樹脂含浸装置において、前記樹脂注入口よりも進行方向の下流側で、樹脂注入口が設けられた位置よりも、樹脂注入口を設けた前記壁面に長繊維束が密接するように、該長繊維束を案内する案内部を前記壁面に設けたことを特徴とするものである。 【0015】上記本発明の樹脂含浸装置において、含浸通路は上型と下型とを上下に組み合わせることにより幅方向に横長に形成され、樹脂注入口は下型の通路構成壁面に設けられ、該樹脂注入口は含浸通路の幅方向全体にわたって設けられ、さらに、下型の通路構成壁面が、樹脂注入口よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって下方側に屈曲されているとともに、上型の通路構成壁面の含浸通路下流端部が、前記下型の通路構成壁面の屈曲部よりも下方に位置されており、該上型の下流端部により案内部が構成されているものとすることができる。 【0016】また、上記本発明の樹脂含浸装置において、含浸通路は、内周面が通路構成壁面となる筒状の外型と、外周面が通路構成壁面となる内型とを、内外に組み合わせることにより筒状に形成され、樹脂注入口は内型の通路構成壁面に設けられ、該樹脂注入口は含浸通路の全周にわたって設けられ、さらに、内型の通路構成壁面が、樹脂注入口よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって径方向内側に屈曲されているとともに、外型の通路構成壁面の含浸通路下流端部が、前記内型の通路構成壁面の屈曲部よりも径方向内側に位置されており、該外型の下流端部により案内部が構成されているものとすることができる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0018】図1〜図4は本発明の第1実施形態として、多数(例えば70本程度)のガラスロービングからなる長繊維束Wに発泡性硬化性樹脂である発泡硬化前のウレタン樹脂液を含浸させる方法並びに装置、及び、ガラス長繊維強化発泡ウレタン樹脂成形体の製造方法について説明する。まず装置構成について説明すると、本実施形態の樹脂含浸装置1は、周囲が上下左右の4つの壁面(通路構成壁面)で取り囲まれた幅方向に長尺の断面矩形状の含浸通路4を有し、該含浸通路4は、上流端に多数のガラスロービング(長繊維)の入口5を有するとともに、下流端にウレタン樹脂液が含浸された長繊維束Wの出口6を有し、長繊維束の進行方向の中途部で下壁面には、含浸通路4内にウレタン樹脂液を注入するための複数の樹脂注入口7が幅方向全長にわたって所定間隔で配設されている。 【0019】含浸通路4の入口5側には、多数のロービングガイド8が固定されており、図外の長繊維供給部から供給される多数のロービングをガイド8で案内しつつ、各ロービングを含浸通路4の入口5の所定部位から含浸通路4に導入するようにしており、含浸通路4内で長繊維束Wが全体として帯状を呈するようにしている。なお、ガイド8により案内される各ロービングは、上型21の下面端部に摺接若しくは近接するようになっている。 【0020】一方、出口6側には適宜の引取装置が設けられ、成形開始初期は、長繊維束Wの先端部をウインチ10によって長繊維束Wに所定のテンション(引張力)を作用させつつ引き取り、この長繊維束Wを、特公昭50−29751号公報、特開平6−198758号公報等に開示されているように成形用通路(図示せず)に導き、該通路内で長繊維束Wに含浸されたウレタン樹脂を発泡硬化させ、多数のロービングが断面の全範囲に均等に分散された均質なガラス長繊維強化発泡ウレタン樹脂成形体を製造するようになっている。 【0021】また、本実施形態の装置1は、互いに上下に装着された上型2と下型3とを備え、これら上下型2,3を組み合わせることによって、周囲が壁面で取り囲まれた幅方向に横長の矩形状の含浸通路(含浸空間)4を構成しており、この含浸通路4内を通過する長繊維束Wに対して所定の樹脂液を注入、含浸させるように構成されている。上型2は断面形状が下方開口コ字状を呈し、この上型2の内側面により含浸通路4の上側壁面と左右側壁面を構成し、下型3の上面により含浸通路4の下側壁面を構成している。 【0022】上記樹脂注入口7は含浸通路4の下側壁面(下型3の上面)に設けられている。より詳細には、複数の小孔状の樹脂注入口7を幅方向に所定間隔で配設することによって、該樹脂注入口7を含浸通路4の幅方向全体にわたって設けている。この樹脂注入口7の孔形状は、丸、楕円、矩形等、どのようなものであって良い。また、樹脂注入口7の数は適宜のものとすることができ、例えば12個程度とすることができる。また、複数の樹脂注入口7を幅方向に一列に配設してもよく2列以上に配設してもよく、各列を千鳥状に配設しても良い。なお、複数の小孔に代えて、幅方向に延びるスリット状の樹脂注入口7を設けても良い。 【0023】この樹脂注入口7は、下型3に設けた樹脂液供給路12に接続され、該供給路12には、適宜の構成の樹脂液供給装置13から樹脂供給管14を介してウレタン樹脂液が供給される。なお、内部に長繊維束が存在する含浸通路4内に確実に樹脂液を注入するために、ポンプの送出圧等によって樹脂液を含浸通路4内に圧入するように構成するのが好ましい。 【0024】上記含浸通路4は、断面形状が横幅方向に長尺の矩形状を呈し、縦方向(長繊維束の進行方向)に連続した空間となされており、該通路4の上流端の開口5が、長繊維束Wを構成する多数の長繊維の入口となり、通路4の下流端の開口6が、樹脂液が含浸された長繊維束Wの出口となる。また、含浸通路4は、上流側の水平部4aと、下流側の傾斜部4bとからなり、全体として図2に示すように側面視ヘ字状の通路を形成している。 【0025】下型3の上面は、樹脂注入口7よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって下方側に屈曲されており、この屈曲部Xの上流側の含浸通路が上記水平部4aとされ、屈曲部Xの下流側の含浸通路が上記傾斜部4bとされている。なお、樹脂注入口7は、水平部4aの進行方向中央部付近に配設するのが好ましいが、屈曲部X付近に配設することも可能である。 【0026】一方、上型2の上面も、下型3に対応して、樹脂注入口7よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって下方側に屈曲されており、この上型2の上面(通路構成壁面)の含浸通路下流端部Yが、前記屈曲部Xよりも下方に位置されており、この上型2の下流端部Yによって出口6付近の長繊維束Wを下方に押さえ付けることで、長繊維束Wの長手方向中途部が前記屈曲部X(樹脂注入口を設けた壁面)に密接させるようにしている。而して、上型2の下面により構成される含浸通路4の上側壁面の前記下流端部Yが、樹脂注入口7よりも進行方向の下流側で樹脂注入口7を設けた前記壁面に長繊維束Wが密接するように該長繊維束Wを案内する案内部を構成している。 【0027】次に、上記装置1を用いた樹脂含浸方法について詳細に説明する。 【0028】ガイド8によって案内される多数のロービングが含浸通路4内に導入されると、該多数のロービングは、含浸通路4の幅方向全長にほぼ均一に分散して、全体として帯状の長繊維束Wとなる。この長繊維束Wの先端側が下流側に引き取られていくと、該長繊維束Wにテンションが作用し、図2に示すように、長繊維束Wは含浸通路4内で張架された状態となり、上記屈曲部X近傍では、長繊維束Wが下型3の通路構成壁面の屈曲部Xに密接され、多数のロービングが密に集束されるようになる。一方、屈曲部Xの上流側では、長繊維束Wの下側の樹脂注入口7からウレタン樹脂液が含浸通路4内に圧入され、該樹脂液は、長繊維束Wとともに含浸通路4を下流側に流動しつつ、長繊維束Wに含浸されていく。ここで、上記屈曲部X付近では、長繊維束Wと含浸通路4の下面との間の樹脂液に対して、長繊維束Wが押圧されるようになるとともに、長繊維束Wが含浸通路4の下面に摺接して、該含浸通路4下面が、従来の揉み板として機能し、これらの相乗効果によって樹脂液が長繊維束Wに確実に含浸するようになる。さらに、含浸通路4の幅方向全体にわたって、含浸通路4の内圧、摺動抵抗、剪断力等がほぼ均一となるから、通路4の幅方向両端部のみに樹脂が滞留・蓄積することも防止され、略帯状の長繊維束に対して長期間にわたって安定して均一な含浸を行わせることができる。 【0029】図5〜図8は本発明の第2実施形態を示し、上記第1実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。 【0030】本実施形態の樹脂含浸装置1では、含浸通路4は、内周面21aが通路構成壁面となる筒状の外型21と、外周面22aが通路構成壁面となる内型22とを、内外に組み合わせることにより筒状に形成されている。樹脂注入口7は内型22の通路構成壁面22aに設けられている。内型22は、上流側の円柱状部22aと、該円柱上部22aの下流端から徐々に縮径するように一体成形された円錐状部22bとからなり、一方、外型21は、上流側の円筒状部21aと、上記円錐状部22bより傾斜角の小さい角度で徐々に縮径するように円筒状部21aの下流端に一体成形された円錐台形筒状部21bとからなる。そして、外型の円筒状部21aと内型の円柱状部22aとの間の空間により、略円筒状を呈する含浸通路の水平部4aが構成され、外型の円筒状部21bと内型の円柱状部22bとの間の空間により、下流側に従って縮径する筒状となる含浸通路の傾斜部4bが構成されている。この傾斜部4bの断面積は、下流側に至るにしたがって徐々に小さくなされており、上記水平部4aの断面積が、傾斜部4bの下流端(即ち、出口6)の断面積よりも大きくなるようになっている。かかる構成により、水平部4aにおいては樹脂液と長繊維束以外の隙間が生じるようにしつつも、出口6においては樹脂液と長繊維束により密に充満されるようになっており、この出口6における隙間の割合が0%になるようにしている。 【0031】また、複数の小孔状の樹脂注入口7を周方向に所定間隔で配設し、各注入口7を内型22の中心部から放射状に延びる小孔により構成することで、該樹脂注入口7を含浸通路4の全周にわたって設けている。なお、該樹脂注入口7を丸、楕円、矩形等の種々の小孔により構成し得る点や、周方向に連続するスリットにより構成し得る点は、上記第1実施形態と同様である。 【0032】ロービングガイド8は、円環状を呈し、外型21に固定されている。そして、このガイド8によって案内されつつ入口5に導入された多数のロービングによって、少なくとも該入口5付近においては筒状の長繊維束Wが形成されるようになっている。なお、ガイド8により案内される各ロービングは、外型21の内周端部に摺接若しくは近接するようになっている。 【0033】また、内型22の通路構成壁面(即ち、外周面)が、樹脂注入口7よりも進行方向の下流側で進行方向に向かって径方向内側に屈曲されているとともに、外型21の通路構成壁面(即ち、内周面)の含浸通路下流端部Yが、前記内型22の通路構成壁面の屈曲部Xよりも径方向内側に位置されており、この外型21の下流端部Yによって出口6付近の長繊維束Wを径方向内方に押さえ付けることで、長繊維束Wの長手方向中途部を前記屈曲部X(樹脂注入口を設けた壁面)に密接させるようにしている。而して、外型21の内周面により構成される含浸通路4の外周面の前記下流端部Yが、樹脂注入口7よりも進行方向の下流側で樹脂注入口7を設けた前記壁面(即ち、内型22の外周面)に長繊維束Wが密接するように該長繊維束Wを案内する案内部を構成している。 【0034】次に、第2実施形態に係る樹脂含浸方法について詳細に説明する。 【0035】円環状のガイド8によって案内される多数のロービングが含浸通路4内に導入されると、該多数のロービングは、含浸通路4の全周にほぼ均一に分散して、全体として筒状の長繊維束Wとなる。この長繊維束Wの先端側が下流側に引き取られていくと、該長繊維束Wにテンションが作用し、図6に示すように、各ロービングは含浸通路4内で張架された状態となり、上記屈曲部X近傍では、長繊維束Wが内型22の通路構成壁面(外周面)の屈曲部Xに密接され、多数のロービングが肉厚方向に密に集束されるようになる。一方、屈曲部Xの上流側では、長繊維束Wの内側の樹脂注入口7からウレタン樹脂液が含浸通路4内に圧入され、該樹脂液は、長繊維束Wとともに含浸通路4を下流側に流動しつつ、長繊維束Wに含浸されていく。ここで、上記屈曲部X付近では、長繊維束Wと含浸通路4の内周面(内型22の外周面)との間の樹脂液に対して、長繊維束Wが押圧されるようになるとともに、長繊維束Wが含浸通路4の内周面に摺接して、該含浸通路4内周面が、従来の揉み板と同様の機能を奏し、これらの相乗効果によって樹脂液が長繊維束Wに確実に含浸するようになる。さらに、含浸通路4の全周にわたって、含浸通路4の内圧、摺動抵抗、剪断力等がほぼ均一となるから、通路4の周方向の一部のみに樹脂が滞留・蓄積することも防止され、出口6から引き取られる際に略筒状若しくは軸状となる長繊維束に対して長期間にわたって安定して均一な含浸を行わせることができる。 【0036】本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。例えば、含浸通路の断面形状は、矩形状、円筒状の他、円形、楕円等の適宜のものとすることができる。 【0037】また、長繊維束は、多数のロービングなどの長繊維を束ねた種々のものを用いることができる。この長繊維束を構成する長繊維は、連続した長い繊維状物であれば足り、モノフィラメントの他、短繊維を絡ませて長尺の糸状としたものを用いることもできる。繊維の種類としては、天然繊維の他、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の合成繊維であってもよいが、好ましくはガラスを基材としたガラス長繊維が良い。このガラス長繊維は、フィラメントを集めてロービングとしたものを用いるのが好適である。 【0038】硬化性樹脂液としては、ウレタン樹脂液の他、ポリウレタン系、フェノール樹脂系や尿素樹脂系等の適宜の樹脂を用いることができる。なお、ウレタン樹脂液は、ポリイソシアネート液とポリオール液の混合物である。ここで、ポリイソシアネート液は、ウレタン成形に一般的に用いられるジフェニルメタンジイソシアネートが好適である。ポリオール液は、ウレタン発泡成形に一般的に用いられるものなら特に制限はなく、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオールを利用できる。 【0039】その他、樹脂液には、発泡剤や整泡剤を添加することができ、さらに、難燃剤、可塑剤、着色剤、架橋剤、安定剤、ガラス短繊維、無機充填材等が含まれていても良い。 【0040】なお、長繊維束の樹脂に対する重量比が大きすぎると繊維に樹脂が十分に含浸しないという不具合が生じる一方、長繊維束の樹脂に対する重量比が小さすぎると成形品の曲げ弾性率等の物性が低くなるとともに、製造過程で長繊維が樹脂液を保持できないなどの不具合が生じるので、長繊維束の樹脂に対する重量比は、3:7〜7:3程度とするのが好ましい。 【0041】また、長繊維束Wの線速は0.1m〜10m/分とすることができ、10m/分以上の線速とすることも可能である。長繊維束Wの線速に応じて樹脂液の注入速度も適当に定めることができ、例えば、樹脂液の注入速度は、0.3〜200m/秒とすることができる。 【0042】また、含浸通路4内における長繊維及び樹脂以外の隙間の割合(空間密度)は、0〜50%程度とするのが好ましく、特に、出口6における隙間の割合は0%、即ち出口6では隙間が生じないように、出口6に至るにしたがって含浸通路4の断面積が小さくなるようにするとともに、長繊維束の線速並びに樹脂液の注入速度を制御するのが好ましい。 【0043】 【発明の効果】本発明によれば、ポンプ吸引などを行うことなく、含浸通路内の長繊維束の通過経路と樹脂液注入位置の改良によって、長期間にわたって安定して均一かつ確実に長繊維束に対して樹脂液を含浸させることができ、かつ、樹脂液の飛散をも防止でき、清掃作業を頻繁に行う必要がなく、さらに、装置構成の簡素化を図ることも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月9日(2001.4.9) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−307432(P2002−307432A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月23日(2002.10.23) |
| 【出願番号】 |
特願2001−110139(P2001−110139) |
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