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【発明の名称】 樹脂結合型成形物の製造方法
【発明者】 【氏名】伊藤 登

【氏名】鈴木 正明

【氏名】大島 國雄

【要約】 【課題】柔軟性ある成形物として、タングステンの大比重としての特性を生かした釣具用の錘や低周波を減衰させる電波吸収材としての樹脂結合型成形物を提供する。

【解決手段】熱可塑性樹脂または生分解性プラスチックの一方または両方をタングステンと混合し、加熱軟化してニーダールーダー・ニーデックス・ヘンシェルミキサーで棒状やペレット状に成形し、さらに整形性を高めるために押出成形・カレンダー成形・圧縮成形によりシート状およびベルト状に成形することで樹脂結合型成形物となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂または生分解性プラスチックにタングステンを混合したものを加熱軟化して、ニーダールーダー・ニーデックス・ヘンシェルミキサーにより成形することを特徴とする樹脂結合型成形物の製造方法。
【請求項2】 成形したものをより混練し、整形性高めるために押出成形・カレンダー成形・圧縮成形によりシート状およびベルト状に成形することを特徴とする樹脂結合型成形物の製造方法。
【請求項3】 熱可塑性樹脂と生分解性プラスチックを適宜混合することを特徴とする請求項1記載の樹脂結合型成形物の製造方法。
【請求項4】 成形過程において酸化チタンを混入することを特徴とする請求項1および2記載の樹脂結合型成形物の製造方法。
【請求項5】 成形した樹脂結合型成型物を電波吸収材および電磁波シールド材などの壁材やシール材に使用することを特徴とする請求項1および2記載の樹脂結合型成形物の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タングステン含有樹脂結合型成形物の製造方法に関わり、特に各種測定器械器具や医療機械機器などコンピュータ関連機器における電磁波やノイズを吸収またはシールドするために使用されるタングステン含有樹脂結合型成形物の製造方法の成形に関する。
【0002】
【従来の技術】タングステンを含有した成形物は、電磁波を吸収する電波吸収材や機械装置からのノイズを遮蔽する遮音材としての効果を有している。
【0003】また、タングステン100%の成形物や熱硬化性樹脂結合型成形物などによりさまざまな形状に加工され、その大比重から釣り具の錘やアクアラングの錘として一般的に広範囲に利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように広く利用されるタングステン含有素材であるが、大比重であるために成形することが難しく、ペレット状にする成形方法が提案されている(特開平11−048242公報)や硫酸バリウムを10%以上含有させる(特開平09ー087514)があり、それぞれタングステン含有成形物を工夫して成形しているが、簡易な方法でシート状や棒状に成形する樹脂結合型成形物の出現が待たれている。
【0005】そこで本発明は、ニーダールーダー・ニーデックス・ヘンシェルミキサーで混合し、さらに整形性を向上させるために押出成形・カレンダー成形・圧縮成形によりシート状およびベルト状に成形できる樹脂結合型成形物を製造することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するため、本発明の樹脂結合型成形物の製造方法は、熱可塑性樹脂または生分解性プラスチックのいずれか一方、もしくは両方とタングステン混合したものを加熱軟化して、ニーダールーダー・ニーデックス・ヘンシェルミキサーにより成形することで樹脂結合型成形物となることを特徴とするものである。
【0007】この段階でタングステン含有樹脂結合型の成形物として棒状やペレット状に製造することができるが、成形したものをより混練し、整形性高めるために押出成形・カレンダー成形・圧縮成形によりシート状およびベルト状に成形することことで樹脂結合型成形物となることを特徴とするものである。
【0008】また、上記成形過程において各構造式を持つ酸化チタンを混入することで、光触媒を利用した抗菌効果のある衛生的な樹脂結合型成形物となることを特徴とするものである。
【0009】また、成形したタングステン含有樹脂結合型成形物は、大比重により電波吸収材や電磁波シールド材などの壁材やシート材に使用してもよい。
【0010】
【発明の実施形態】本発明の実施形態の樹脂結合型成形物について下記のとおり説明する。
【0011】
【発明の実施形態】本実施形態では、まず熱可塑性樹脂にタングステンを混合したものを加熱軟化して、ニーダールーダーにて成形しペレットを製造する。
【0012】この熱可塑性樹脂とタングステンの混入比は、タングステンの比重が大比重であること、およびタングステンの金属としての特性を発揮させることの観点により、少なくとも結合剤である熱可塑性樹脂が総重量の5%以上45%以下で成形することとする。
【0013】また、このタングステンに混入する熱可塑性樹脂を塩素を含まないノンハロゲン系樹脂にした場合は、成形性がハロゲン系樹脂より若干難しいが、総重量の5%以上45%以下でタングステンの特性を維持しながら成形することができた。
【0014】また、このタングステンに混入する結合剤を生分解性プラスチックにした場合は、成形温度を低めにしないとロールに貼り付いて混合が難しいが、総重量の5%以上45%以下でタングステンの特性を維持しながら成形することができた。
【0015】また、このタングステンに混入する結合剤を生分解性プラスチックと熱可塑性樹脂の混合物とする場合は、環境に配慮すると生分解性プラスチックをより多くすることが望ましいこともあり、配合割合を適宜行ったが、熱可塑性樹脂が混ざることによって全体の緩和剤となり、特に問題なく総重量の5%以上45%以下でタングステンの特性を維持しながら成形することができた。
【0016】次に、熱可塑性樹脂または生分解性プラスチックのどちらか一方または両方を結合剤としてタングステンに混合したものを加熱軟化して、上記ニーダールーダーと同条件・同要領でニーデックスにて成形しペレットを製造した。
【0017】その結果、このタングステン含有樹脂結合型成形物を製造するための混入比は、熱可塑性樹脂または生分解性プラスチックのどちらか一方または両方を混合したものが、総重量の5%以上45%以下であれば、タングステンの特性を維持しながら成形できることが判明した。
【0018】次に、熱可塑性樹脂または生分解性プラスチックのどちらか一方または両方を結合剤としてタングステンに混合したものを加熱軟化して、上記ニーダールーダーと同条件・同要領でヘンシェルミキサーにて成形しペレットを製造した。
【0019】その結果、このタングステン含有樹脂結合型成形物を製造するための混入比は、熱可塑性樹脂または生分解性プラスチックのどちらか一方または両方を混合したものが、総重量の5%以上45%以下であれば、タングステンの特性を維持しながら成形できることが判明した。
【0020】このタングステンに混入する熱可塑性樹脂は、まず合成ゴムとして、ニトリルゴム・シリコンゴム・ウレタンゴム・フッ素ゴムなどがあり、熱可塑性合成樹脂として、塩化ビニルエラストラマー・スチレン系エラストラマー・オレフィン系エラストラマー・ポリエステル系エラストラマー・ポリアミド系エラストラマー・ウレタン樹脂があり、現在、ダイオキシンの問題から特に、塩素を含まないノンハロゲン系樹脂として、ポリオレフィン系樹脂・ポリアミド系樹脂・ポリエステル系樹脂・スチレン系樹脂・ウレタン系樹脂などの合成樹脂およびこれらを共重合した合成樹脂がより有効的である。
【0021】このタングステンに混入する生分解性プラスチックは、天然物利用系生分解性プラスチックであるでんぷんやセルロースおよびキチン・キトサン・海産多糖類などの天然高分子、微生物産生系生分解性プラスチックであるバイオポリエステル・カードラン・プルラン・バクテリアセルロース・ポリアミノ酸などの高分子、化学合成系生分解性プラスチックである脂肪族ポリエステルおよび共重合体・ポリウレタン樹脂・ポリアミド系樹脂・ポリビニルアルコール・ポリエテールなどの合成高分子、およびこれらの天然物利用系・微生物産生系・化学合成系を複合した合成高分子、または光分解性プラスチックがある。
【0022】次に、同様の製造条件において光触媒用の酸化チタン(今回は昭和電工株式会社の開発した商品名ジュピターを使用する。)をニーダールーダー・ニーデックス・ヘンシャルミキサーの各成形工程にて混入したが、特に問題なくペレットを製造することができた。
【0023】また、紫外光だけでなく可視光領域まで光触媒反応をさせるには、酸素とチタン組成を傾斜構造した酸化チタンを各成形工程にて混入してもよい。
【0024】次に、上記各成形方法で製造したタングステン含有樹脂結合型のペレットを、押出成形機にてシート状に成形する。
【0025】すでに、ニーダールーダー・ニーデックス・ヘンシェルミキサーにて混練されペレット化しているので、スムーズにシート状に成形することができた。
【0026】次に、カレンダー成形機においてタングステン含有樹脂結合型のペレットを、シート状に成形したが、特に問題なく、成形することができた。
【0027】次に、同様に圧縮成形機においてタングステン含有樹脂結合型のペレットを、シート状に成形したが、特に問題なく、成形することができた。
【0028】各成形機にて成形したタングステン含有樹脂結合型のシートは、柔軟性があり比重もタングステンの大比重という特性を生かしたものであり、カットまたは抜き加工することのによって様々な形状にすることが可能である。
【0029】また、光触媒用の酸化チタンを混入したタングステン含有樹脂結合型のシートに大腸菌を付け、その抗菌効果を数日後調査したところ、大腸菌が死滅しており、抗菌効果があることが判明した。
【0030】また、この成形したタングステン含有樹脂結合型シートの電波吸収効果を計測したところ、低周波の減衰効果があり、電波吸収材や電磁波シールド材などの壁材やシート材に使用することができることが判明した。
【0031】
【発明の効果】以上詳述の如く、本発明のタングステン含有樹脂結合型成形物の製造方法によれば、柔軟性がありカットまたは抜き加工することで様々な形状にすることが容易であり、かつタングステンの大比重という特性を生かした各種錘として機能を発揮できる極めて有効的なものである。
【0032】また、この成形したタングステン含有樹脂結合型成形物は、低周波の減衰効果により電波吸収材や電磁波シールド材などの壁材やシート材に使用することができ、かつ成形工程において光触媒用の各種酸化チタンを混入することによって、抗菌効果のある衛生的な成形物をとすることができる。
【出願人】 【識別番号】398068901
【氏名又は名称】鈴木 正明
【出願日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−283342(P2002−283342A)
【公開日】 平成14年10月3日(2002.10.3)
【出願番号】 特願2001−89181(P2001−89181)