| 【発明の名称】 |
熱可塑性樹脂の溶媒分離方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】植田 致知
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| 【要約】 |
【課題】熱可塑性樹脂組成物中の特定の熱可塑性樹脂を高純度で回収する方法。
【解決手段】熱可塑性樹脂組成物を特定の温度で溶媒に溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分を分離させた後、残存溶液を特定の温度で処理を行うことにより特定の熱可塑性樹脂を高純度で回収する方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させた後、残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離することを特徴とする熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項2】 熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する1種類の熱可塑性樹脂のΘ溶媒中でΘ温度以上の温度で溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させた後、残存溶液をΘ温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離することを特徴とする熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項3】 残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離する方法が、傾瀉であることを特徴とする請求項1、または2に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項4】 残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離する方法が、遠心分離であることを特徴とする請求項1、または2に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項5】 該遠心分離が重力加速度10〜300m/sec2でなされることを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項6】 残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離する方法が、濾過であることを特徴とする請求項1、または2に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項7】 熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量で10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解させ、またはΘ溶媒中でΘ温度以上の温度で溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させる方法が、傾瀉であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項8】 熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量で10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解させ、またはΘ溶媒中でΘ温度以上の温度で溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させる方法が、遠心分離であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項9】 該遠心分離が、重力加速度10〜300m/sec2でなされることを特徴とする請求項8に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項10】 熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量で10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解させ、またはΘ溶媒中でΘ温度以上の温度で溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させる方法が、濾過であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項11】 熱可塑性樹脂組成物が、スチレン系樹脂を含有する組成物であり、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂が、スチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項12】 該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも1成分が難燃剤または金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項13】 残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離した後に、なお溶媒に溶解している成分の少なくとも1成分が難燃剤であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項14】 該難燃剤がハロゲンを含有する難燃剤であることを特徴とする請求項12または13に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。 【請求項15】 溶媒がハロゲンを含有しない溶媒であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物を特定の温度で溶媒に溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分を分離させた後、残存溶液を特定の温度で処理を行うことにより特定の熱可塑性樹脂を高純度で回収する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】熱可塑性樹脂は、その優れた物性バランスや加工性故に、さまざまな種類の熱可塑性樹脂がさまざまな用途で使用されている。しかしながら、例えば家電、事務機器等の用途においては難燃性が要求されるものがある。この難燃性を満たすためにさまざまな難燃剤、とりわけ臭素をはじめとするハロゲン系難燃剤及び金属酸化物による難燃処方が熱可塑性樹脂に対して施されている。難燃処方が施された熱可塑性樹脂(以下「難燃樹脂」と記述する)を用いた製品が廃棄された場合、難燃樹脂には適切な処理方法が存在しないため、その多くは埋め立て処理されている。しかしながら、近年埋め立て処分場の不足が社会的問題となっており、有効な処理方法が望まれている。この課題を解決する手段として、ケミカルリサイクル(例えばガス化して化学原料に利用)、または、燃料としてのサーマルリサイクルが提案されている。しかしながらこれらの方法では、熱可塑性樹脂成分は分解、焼却されてマテリアルリサイクルされない。従って、樹脂としてマテリアルリサイクルを可能にして、資源の有効活用を図ることが求められている。 【0003】これらの課題を解決する方法として、特開平7−214028に有機溶媒を用いて難燃剤入り発泡ポリスチレンからポリスチレンを回収する方法が開示されている。ところがこの方法では、有機溶媒の温度、種類は記載されているものの、有機溶媒で溶解された熱可塑性樹脂組成物溶液の温度を変更することで熱可塑性樹脂を回収する方法については記述も示唆もない。また、特開2000−198875には難燃剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を溶剤に分散し、難燃剤を分離する工程と、残存溶液から熱可塑性樹脂を除去する工程を備えることで熱可塑性樹脂を回収する方法が開示されている。ところがこの方法では、残存溶液からの熱可塑性樹脂の回収は減圧蒸溜と水、アルコール等の熱可塑性樹脂の貧溶媒を添加する方法しか開示されておらず、有機溶媒で溶解された熱可塑性樹脂組成物溶液の温度を変更することで熱可塑性樹脂を回収する方法については記述も示唆もない。 【0004】また、特開2000−334738には難燃剤入りスチロール樹脂廃材を溶剤に溶かし、難燃剤をデカンターまたは遠心分離して、スチロール樹脂をリサイクルする方法が開示されている。ところがこの方法では、有機溶媒の温度、種類は記載されているものの、有機溶媒は真空加熱脱揮により除去されている。この方法では、真空加熱脱揮の際に多大な熱エネルギーを必要とする。加えて、有機溶媒を真空加熱脱揮する際に有機溶媒が系外に蒸発することで必ずしも完全に有機溶媒が回収されないという課題があった。また、有機溶媒で溶解された熱可塑性樹脂組成物溶液の温度を変更することで熱可塑性樹脂を回収する方法については記述も示唆もない。さらに、樹脂組成物中の金属化合物についても何等記述がない。 【0005】有機溶媒で溶解された熱可塑性樹脂組成物溶液の温度を変更することで熱可塑性樹脂を回収する方法としては、例えばプラスチック廃棄物の規制動向と静脈産業 292頁(マーテック、平成6年)に記載されているように、混合プラスチックフレークを常温の溶剤キシレンに投入したあとで樹脂の溶液を抜き出し、その後さらにより高い温度の溶剤を投入して樹脂の溶液を抜き出した後、さらに高い温度の溶剤を投入する操作を繰り返すことで混合プラスチックフレーク中の樹脂相互を分離する方法がある。ところがこの方法では、単一の樹脂からなるフレークの混合物中の樹脂相互を分離することはできても、2種類以上の樹脂からなる樹脂組成物や1種類以上の樹脂に有機化合物または無機化合物からなる樹脂組成物を分離する場合は、所定の温度で溶剤に溶解しない樹脂中に存在している該温度で溶剤に溶解する樹脂は分離効率が低くなるという課題があった。さらに、樹脂組成物中の金属化合物についても何等記述がない。 【0006】また、自動車、家電をはじめとする各種構造材料用途によっては耐衝撃性が要求されるものがある。この耐衝撃性を満たすために、エラストマー成分をはじめとする耐衝撃改質剤、さらに用途によってはタルク、マイカ、炭酸カルシウム、ガラス等の無機物が添加されているものがある。これらをマテリアルリサイクルしようとしても、物性の低下によりリサイクル前と同じ用途への使用ができない場合がある。従って、より汎用性を持った樹脂としてのマテリアルリサイクルを可能にする有効な方法が求められているものの、かかる方法は未だ提示されていない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性樹脂組成物を特定の温度で溶媒に溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分を分離させた後、残存溶液を特定の温度で処理を行うことにより特定の熱可塑性樹脂を高純度で再度回収する方法に関する。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記処理方法を鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂組成物を特定の温度で溶媒に溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分を分離させた後、残存溶液を特定の温度で処理を行うことで特定の熱可塑性樹脂を高純度で再度回収する方法を見出し、本発明に至った。すなわち本発明は、1.熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させた後、残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離することを特徴とする熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、【0009】2.熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する1種類の熱可塑性樹脂のΘ溶媒中でΘ温度以上の温度で溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させた後、残存溶液をΘ温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離することを特徴とする熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、3.残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離する方法が、傾瀉であることを特徴とする上記1、または2に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、【0010】4.残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離する方法が、遠心分離であることを特徴とする上記1、または2に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、5.該遠心分離が重力加速度10〜300m/sec2でなされることを特徴とする上記4に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、6.残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離する方法が、濾過であることを特徴とする上記1、または2に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、【0011】7.熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量で10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解させ、またはΘ溶媒中でΘ温度以上の温度で溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させる方法が、傾瀉であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、8.熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量で10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解させ、またはΘ溶媒中でΘ温度以上の温度で溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させる方法が、遠心分離であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、【0012】9.該遠心分離が、重力加速度10〜300m/sec2でなされることを特徴とする上記8に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、10.熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量で10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解させ、またはΘ溶媒中でΘ温度以上の温度で溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも一部を分離させる方法が、濾過であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、11.熱可塑性樹脂組成物が、スチレン系樹脂を含有する組成物であり、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂が、スチレン系樹脂であることを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、【0013】12.該溶媒に溶解せずに分散している成分の少なくとも1成分が難燃剤または金属酸化物であることを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、13.残存溶液をさきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度にして、該残存溶液中に析出している熱可塑性樹脂を分離した後に、なお溶媒に溶解している成分の少なくとも1成分が難燃剤であることを特徴とする上記1〜12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、14.該難燃剤がハロゲンを含有する難燃剤であることを特徴とする上記12または13に記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、15.溶媒がハロゲンを含有しない溶媒であることを特徴とする上記1〜14のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の溶媒分離方法、に関する。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明中の熱可塑性樹脂とは、加熱により可塑化されて成型できる樹脂であればいずれであっても差しつかえない。具体例として、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリアクリロニトリル、オレフィン系樹脂等を言う。本発明中のスチレン系樹脂とは、芳香族ビニル単位が50重量%以上の重合体をいい、芳香族ビニル単独重合体、芳香族ビニルと芳香族ビニルと共重合可能な単量体との共重合体を言う。本発明中の芳香族ビニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン等が挙げられる。これら芳香族ビニル単量体は単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。 【0015】本発明中の共重合可能な単量体の具体例としては、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイミド、ブタジエン等が挙げられる。これらの単量体は芳香族ビニル単位が50重量%以上であれば単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。スチレン系樹脂の具体例としては、汎用ポリスチレン(GPPS)、シンジオタクチックポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレンメタクリル酸メチル共重合体(MS)、スチレンメタクリル酸共重合体(SMAA)、スチレン無水マレイン酸共重合体(SMAH)、スチレンメタクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。 【0016】本発明中のオレフィン系樹脂とは、エチレン及び/またはα−オレフィン単位が50重量%以上の重合体をいい、エチレン単独重合体、α−オレフィン単独重合体、エチレン及び/またはα−オレフィンと共重合可能な単量体との共重合体を言う。本発明中のオレフィン系樹脂の具体例としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂、酢酸ビニル含有量が0.1〜25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸含有量が0.1〜25重量%のエチレン−アクリル酸共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン含有量が2〜40モル%の結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体、エチレン含有量が0.5〜10モル%の結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体、ポリブテン、エチレン−プロピレンラバー、エチレン−プロピレン−ジエンラバー等が挙げられる。 【0017】本発明中の熱可塑性樹脂の好ましい具体例としてはスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、オレフィン系樹脂が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は単独で使用されてもよいし、2種類以上の熱可塑性樹脂が複合されてポリマーアロイとして使用されても差しつかえない。 また、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS)のように共役ジエン等で変性された成分を含有していても差しつかえない。 【0018】本発明中の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10,000以上の成分が溶媒に溶解される。溶解される熱可塑性樹脂の重量平均分子量は好ましくは20,000以上であり、さらに好ましくは50,000以上である。本発明中の溶媒とは、熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10,000以上の成分を溶解させることができれば通常使用される溶媒のいずれであっても差しつかえない。溶媒が熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10,000以上の成分を溶解させる温度は、常温でも冷却しても加熱してもいずれであってもよい。また、溶媒は有機物であっても無機物であっても、また混合されて1相になれば2種類以上の有機物の混合物、2種類以上の無機物の混合物、1種類以上の有機物と1種類以上の無機物の混合物であっても差しつかえない。好ましくは有機物である。 【0019】有機物の溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘプタン、クロロホルム、四塩化炭素、デカリン等が挙げられる。好ましくはハロゲンを含有しない溶媒である。好ましい溶媒の具体例としてΘ溶媒も挙げられる。本発明中のΘ溶媒とは、特定の樹脂に対してΘ温度を持つ溶媒のことを言う。Θ温度とは、樹脂溶液の浸透圧Πを樹脂の濃度cで展開したときに気体に対するビリアル展開に対応する式1が得られる。 Π≒RT(c/M+A2c2) (式1) 式1で、Tは絶対温度、Mは樹脂の分子量、その第2ビリアル係数A2が0となる温度のことを言う。 【0020】従って、Θ温度は樹脂の分子量を無限大に補外した場合の樹脂−溶媒系の臨界溶解温度である。本発明中のΘ温度以上とは、Θ温度の中で上の臨界溶解温度以上、下の臨界溶解温度以下の範囲にある温度のことを言う。多くの熱可塑性樹脂に対するΘ溶媒においてはΘ温度以上では樹脂−溶媒系が1相になる。これを上の臨界溶解温度と言う。熱可塑性樹脂の種類及びΘ溶媒の種類によっては、Θ温度を越えると2相以上に分離するものがある。これを下の臨界溶解温度と言う。 【0021】Θ温度は、従来公知の方法、例えば高分子学会編、高分子実験学 第11巻182頁から184頁(共立出版、昭和57年)に記載されているように分子量の異なる同じ樹脂を用いて溶媒ごとの臨界溶解温度を測定することによる方法、J.Brandrup、E.H.Immergut編、POLYMER HANDBOOK Third edition VII巻 205頁から207頁(John Wiley & Sons、1989年)に記載されているように曇点から測定する方法、極限粘度と分子量の関係から測定することによる方法等で測定することができる。もちろんこれ以外の方法であっても、Θ温度が測定できれば差しつかえない。 【0022】樹脂の例としてポリスチレンの場合、Θ溶媒及びそのΘ温度を以下に示す。なお、Θ温度が1つだけ記載されている場合は上の臨界温度であり、Θ温度が氷点下の温度と氷点を越えている温度が併記されている場合は氷点下の温度が上の臨界温度であり、氷点を越えている温度が下の臨界温度である。酢酸イソアミル溶媒では−49℃と220℃、酢酸イソブチル溶媒では−46℃、蟻酸n−ブチル溶媒では−9℃、1−クロロデカン溶媒では6℃、1−クロロウンデカン溶媒では32.8℃、シクロヘキサン溶媒では34℃、重水素化シクロヘキサン溶媒では40.2℃、シクロヘキサノール溶媒では79〜88℃、シクロペンタン溶媒では20℃と154.2℃、シスデカリン溶媒では12.5℃、トランスデカリン溶媒では22.8〜23.8℃、ジエチルエーテル溶媒では−5℃と−27℃、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)溶媒では22℃、マロン酸ジエチル溶媒では31〜35.9℃、蓚酸ジエチル溶媒では51.5〜59.6℃、酢酸エチルでは−44℃と139℃、アセト酢酸エチル溶媒では108.5℃、エチルシクロヘキサン溶媒では70℃、ヘキシルメタキシレン溶媒では12.5℃、酢酸メチル溶媒では43℃と114℃、メチルシクロヘキサン溶媒では60〜70.5℃、3−メチルシクロヘキサノールでは38℃、dl−メントール溶媒では115℃、1−フェニルデカン溶媒では28〜30.6℃、酢酸イソプロピル溶媒では−27℃と107℃、酢酸n−プロピル溶媒では−80℃と178℃、dl−テルピネオール溶媒は78.5℃、ベンゼン/n−ブタノールの体積比58/42溶媒では35℃、ベンゼン/シクロヘキサノールの体積比38.4/61.6溶媒では25℃、ベンゼン/n−ヘプタン44/56の体積比溶媒では35℃、ベンゼン/n−ヘキサンの体積比39/61溶媒では20℃、ベンゼン/メタノールの体積比77.8/22.3溶媒では25℃、ベンゼン/イソプロパノ−ルの体積比66/34溶媒では20℃、ブタノン/メタノールの体積比89/11溶媒では25℃、ブタノン/イソプロパノールの体積比85.7/14.3溶媒では23℃、四塩化炭素/n−ブタノールの体積比65/35溶媒では35℃、四塩化炭素/ヘプタンの体積比53/47溶媒では35℃、四塩化炭素/メタノールの体積比81.7/28.3溶媒では25℃、クロロベンゼン/ジイソプロピルエーテルの体積比32/68溶媒では25℃、1−クロロデカン/3−メチルシクロヘキサンの体積比21.8/78.2溶媒では22.8℃、シクロヘキサン/メチルシクロヘキサンの体積比2/1溶媒では43℃、シクロヘキサン/トルエンの体積比86.9/13.1溶媒では15℃、マロン酸ジエチル/蓚酸ジエチルの重量比4/1溶媒では40℃、ジオキサン/n−ヘプタンの体積比38/62溶媒では20℃、ジオキサン/メタノールの体積比71.4/28.6溶媒では25℃、ジオキサン/イソプロパノールの体積比55/45溶媒では20℃、ヘプタン/ニトロプロパンの体積比58/42の体積比58/42溶媒では35℃、ヘプタン/トルエンの体積比52.4/47.6溶媒では30℃、ヘキサン/3−メチルブタノンの体積比48/52溶媒では20℃、メタノール/テトラヒドロフランの体積比28.7/71.3溶媒では25℃、メタノール/トルエンの体積比80/20溶媒では25℃、テトラヒドロフラン/水の体積比92.7/7.7溶媒では25℃である。 【0023】ここに挙げた以外の溶媒種、温度であってもΘ温度を持つ溶媒であれば溶媒種、Θ温度によらず、いずれが使用されても差しつかえない。好ましくはハロゲンを含有しない溶媒である。また、溶媒種は1種類であっても、2種類以上の溶媒が混合されていてもいずれであっても差しつかえない。さらに、ここに挙げた樹脂でなくてもΘ温度を持つ溶媒があれば、熱可塑性樹脂はいずれの種類であっても差しつかえない。溶媒中に溶解した熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、従来公知の重量平均分子量の測定方法で測定される。熱可塑性樹脂の重量平均分子量は溶液のまま測定されても、溶液を蒸発させたり、溶液中に熱可塑性樹脂の貧溶媒を添加したりして熱可塑性樹脂を分離した後に測定されてもいずれであってもよい。また、これ以外の方法であっても熱可塑性樹脂の重量平均分子量が測定できれば、いずれの方法であっても差しつかえない。 【0024】本発明中の、熱可塑性樹脂組成物を、該熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分とは、熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解しない成分であればいずれであっても差しつかえない。具体的には、熱可塑性樹脂組成物中の有機物質、無機物質、ごみ等の異物、さらに熱可塑性樹脂組成物が2種類以上の熱可塑性樹脂からなる場合はいずれか1種類の熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10,000以上の成分を溶解する温度で溶媒に溶解しない熱可塑性樹脂、さらには一部が溶媒に溶解している熱可塑性樹脂であっても、熱可塑性樹脂組成物を溶解している温度で溶解しない重量平均分子量を有する成分等が挙げられる。これら溶解せずに分散している成分は1種類であっても、2種類以上の混合物であってもいずれでも差しつかえない。 【0025】熱可塑性樹脂組成物中の有機物質の具体例としては、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、オクタブロモジフェニルオキサイド、ビストリブロモフェノキシエタン、トリブロモフェノール、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA−エポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールA−エポキシポリマー、デカブロモジフェニルエタン、ポリジブロモフェニルオキサイド、ヘキサブロモベンゼン等の難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、老化防止剤、滑剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、静電防止剤、帯電防止剤、充填剤、結晶核剤、防黴剤、銅害防止剤等の熱可塑性樹脂組成物に通常添加されるような添加剤、加硫共役ジエンゴムや加硫共役ジエンゴム変性した熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等の架橋されて溶媒に不溶な樹脂等が挙げられる。これらの成分は1種類であっても、2種類以上の混合物であってもいずれでも差しつかえない。 【0026】熱可塑性樹脂組成物中の無機物質の具体例としては、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化第一錫、酸化第二錫、テトラフェニルスチビン、酸化ビスマス(蒼鉛鉱)、三酸化二アンチモン(輝安鉱)、酸化セリウム(セリア)、酸化チタン(チタニア)、オキソアンチモン(III)塩化物等の金属酸化物、硼酸亜鉛、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラス繊維、セラミックス繊維等がある。これらの成分は1種類であっても、2種類以上の混合物であってもいずれでも差しつかえない。 【0027】本発明中、熱可塑性樹脂組成物中に存在する少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分が溶解している溶媒に溶解せずに分散している成分は少なくとも一部が分離される。分散している成分を溶液から分離する方法は従来公知のいずれの方法でも差しつかえない。好ましい具体例としては、傾瀉、遠心分離、濾過が挙げられる。分散している成分を遠心分離により溶液から分離する場合、重力加速度は10〜300m/sec2であることが好ましい。 【0028】本発明中、重量平均分子量が10,000以上の成分が溶媒に溶解している熱可塑性樹脂は少なくとも一部が、熱可塑性樹脂組成物中の少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分が溶解している溶媒から溶解せずに分散している成分の少なくとも一部が分離された後、さきに熱可塑性樹脂組成物を溶解させた温度を下回る温度で溶媒中に析出される。この際析出される成分は、重量平均分子量が10,000以上の成分が溶媒に溶解している、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂を含んでさえいれば、その他の成分を含んでいても差しつかえない。好ましくは重量平均分子量が10,000以上の成分が溶媒に溶解している熱可塑性樹脂を50重量%以上含んでいることである。 【0029】本発明中、熱可塑性樹脂組成物中の少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分が溶解している溶媒から溶解せずに分散している成分の少なくとも一部が分離された後、さきに熱可塑性樹脂組成物を溶解した温度を下回る温度にして析出している成分を溶液から分離する方法は、従来公知のいずれの方法でも差しつかえない。好ましい具体例としては、傾瀉、遠心分離、濾過が挙げられる。析出している成分を遠心分離により溶液から分離する場合、重力加速度は10〜300m/sec2であることが好ましい。 【0030】さらに、熱可塑性樹脂組成物の種類によっては、熱可塑性樹脂組成物中の少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分が溶解している溶媒から溶解せずに分散している成分の少なくとも一部が分離された後、さきに熱可塑性樹脂組成物を溶解した温度を下回る温度にして析出している成分を溶液から分離した後の溶液中に、該熱可塑性樹脂の貧溶媒を添加することでさらに該熱可塑性樹脂を含有する成分を析出させて該熱可塑性樹脂を分離しても差しつかえない。また、熱可塑性樹脂組成物中の1種類の熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10,000以上の成分が溶解している溶液から溶解せずに分散している成分の少なくとも一部が分離された後、さきに熱可塑性樹脂組成物を溶解した温度を下回る温度にして析出している成分を溶液から分離した後の溶液を常圧または減圧で加熱脱揮して該熱可塑性樹脂を分離しても差しつかえない。 【0031】本発明では、熱可塑性樹脂組成物中の少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分が溶解している溶液から溶解せずに分散している成分の少なくとも一部が分離された後、さきに熱可塑性樹脂組成物を溶解した温度を下回る温度にして析出している成分を溶液から分離した後の溶液中にも溶媒以外の成分を存在させることで、溶媒に溶解させる前の熱可塑性樹脂組成物から熱可塑性樹脂を分離させることも好ましい方法である。熱可塑性樹脂組成物中の少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分が溶解している溶液から溶解せずに分散している成分の少なくとも一部が分離された後、さきに熱可塑性樹脂組成物を溶解した温度を下回る温度にして析出している成分を溶液から分離した後の溶液中に存在する溶媒以外の成分はいずれであっても差しつかえない。具体例としては、熱可塑性樹脂の単量体やオリゴマー成分、熱可塑性樹脂組成物中の少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の、重量平均分子量が10,000以上の成分が溶解している溶液から溶解せずに分散している成分の少なくとも一部が分離された後、さきに熱可塑性樹脂組成物を溶解した温度を下回る温度でも溶媒に溶解する難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、老化防止剤、滑剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、静電防止剤、帯電防止剤、充填剤、結晶核剤、防黴剤、銅害防止剤等の熱可塑性樹脂組成物に通常添加されるような添加剤等が挙げられる。以下、本発明の実施の形態として、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。 【0032】 【実施例1】市販のポリプロピレンホモポリマー(モンテルエスケーディーサンライズ(株)製:商標名PM801A)70部、エチレンプロピレンゴム(ジェーエスアール(株)製:商標名EP02P)15部、タルク(日本タルク(株)製:商標名P−3)15部からなる樹脂組成物200gに対し、キシレン1,800gを加え、130℃で4時間攪拌しながら樹脂成分を溶解させ、白乳色のスラリー溶液を得た。 【0033】スラリー液を130℃に保持したまま5時間静置後、上澄み液を傾瀉して取り出した。沈澱物を沸騰キシレンで洗滌後、真空乾燥機にて200℃で2時間乾燥させるとタルクが回収された。回収されたタルクの重量は27gであった。これにより、タルクが分離操作でポリプロピレン樹脂組成物より除去されていることが認められた。上澄み液の一部を取り出し、真空乾燥機で200℃で1時間乾燥させると乳白色の樹脂成分が回収された。これをゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で分析したところ、重量平均分子量は420,000であった。残りの上澄み液は105℃に保持して3時間静置後、遠心分離機((株)日立製作所製:CR20)にて重力加速度100m/sec2の条件下で操作し、固体成分と液体成分を分離した。 【0034】分離後の液体成分を一部取り出し、真空乾燥機にて200℃で4時間乾燥させると半透明な樹脂成分が回収された。これをクロス分別クロマトグラフ((株)ダイアインスツルメンツ製:CFCT−150B)にて分析したところ、重量平均分子量6,300のピークと重量平均分子量380,000のピークが認められた。クロス分別クロマトグラフのフーリエ変換赤外分光測定から、重量平均分子量6,300のピークにエチレンは認められず、重量平均分子量380,000のピークにおけるエチレン含有量は71重量%であった。 【0035】分離後の固体成分は真空乾燥機にて200℃で5時間乾燥して半透明な樹脂成分を回収した。この樹脂成分の一部をクロス分別クロマトグラフにて分析を行った。クロス分別クロマトグラフのフーリエ変換赤外分光測定の結果、分離後の固体成分中にエチレンは認められなかった。これにより、エチレンプロピレンゴムが分離操作でポリプロピレン樹脂組成物より除去されていることが認められた。更に、操作前後の樹脂成分を圧縮成形してアイゾット衝撃強度を測定したところ、操作前153J/m、操作後41J/mを示した。分離操作によってアイゾット衝撃強度の低下が大きいことから、ゴム成分の減少が示唆された。 【0036】 【実施例2】市販の耐衝撃性ポリスチレン(エーアンドエムポリスチレン(株)製:商標名エーアンドエムポリスチレンH8117)80部、市販難燃剤(東ソー(株)製:デカブロモジフェニルエーテル)20部、及び市販三酸化アンチモン(中山産業(株)製)10部よりなる樹脂組成物100gに対し、シクロヘキサノール900gを加え95℃で3時間攪拌しながら樹脂成分を溶解させ白乳色のスラリー溶液を得た。スラリー液を95℃に保持したまま1時間静置後、上澄み液を傾瀉して取り出した。上澄み液の一部を取り出し、熱風乾燥機で80℃、3時間乾燥させた後、真空乾燥機にて200℃で1時間乾燥させると透明なポリスチレンが回収された。これをGPCで分析したところ、重量平均分子量は220,000であった。残りの上澄み液は20℃に保持して1時間静置後、遠心分離機((株)日立製作所製:CR20)にて重力加速度40m/S2の条件下で操作し、固体成分と液体成分を分離した。 【0037】分離後の固体成分は真空乾燥機にて200℃で5時間乾燥して透明なポリスチレンを回収した。操作前後の樹脂成分の一部をとり、以下の要領で臭素含有量を測定した。すなわち、分離操作前後の樹脂成分の一部を燃焼フラスコにより純酸素中で燃焼させ、発生するガスを燃焼フラスコにあらかじめ存在させてある水に吸収させ、酢酸及び酢酸ナトリウム混合溶液を添加後、臭素イオンメーター(東亜電波(株)製:IN55S)で測定した。操作前14.5wt%、操作後0.3wt%を示した。これにより、難燃剤が分離操作で耐衝撃性ポリスチレンより除去されていることが認められた。更に、操作前後の樹脂成分を圧縮成形してアイゾット衝撃強度を測定したところ、操作前83J/m、操作後18J/mを示した。分離操作によってアイゾット衝撃強度の低下が大きいことから、ゴム成分の減少が示唆された。 【0038】 【発明の効果】本発明により、熱可塑性樹脂組成物を特定の温度で溶媒に溶解させ、該溶媒に溶解せずに分散している成分を分離させた後、残存溶液を特定の温度で処理を行うことにより特定の熱可塑性樹脂を高純度で回収する方法を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000033 【氏名又は名称】旭化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月15日(2001.3.15) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−264129(P2002−264129A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月18日(2002.9.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−73566(P2001−73566) |
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