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【発明の名称】 |
着色樹脂組成物の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 隆司 【氏名】森本 辰美 |
【課題】■顔料の飛散がなく、安全であり、■工業的にも採用可能で、しかも、■分散性、透明性などの品質が良好な樹脂着色組成物を製造する方法を提供することであり、具体的には、連続式混練機で、粗大粒子がなく、顔料の平均粒径が小さい樹脂着色組成物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】バレルに熱媒体を流通させるパイプを内蔵した温度調整ゾーンを2カ所以上有し、かつ、高分散機能を有する単軸押出機を用いて、熱可塑性樹脂と顔料とを混練して、顔料が熱可塑性樹脂中に分散された着色樹脂組成物を製造する方法において、材料投入孔に最も近い温度調整ゾーンのパイプに流通させる熱媒体の温度を熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも40℃以上低い温度に設定する着色樹脂組成物の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バレルに熱媒体を流通させるパイプを内蔵した温度調整ゾーンを2カ所以上有し、かつ、高分散機能を有する単軸押出機を用いて、熱可塑性樹脂と顔料とを混練して、顔料が熱可塑性樹脂中に分散された着色樹脂組成物を製造する方法において、材料投入孔に最も近い温度調整ゾーンのパイプに流通させる熱媒体の温度を熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも40℃以上低い温度に設定することを特徴とする着色樹脂組成物の製造方法。 【請求項2】 温度調整ゾーンのうち、材料投入孔に最も近い温度調整ゾーンのパイプに流通させる熱媒体の温度設定を、他の温度調整ゾーンのパイプに流通させる熱媒体の温度設定よりも低くすることを特徴とする請求項1記載の着色樹脂組成物の製造方法。 【請求項3】 熱媒体が冷媒である請求項1又は2記載の着色樹脂組成物の製造方法。 【請求項4】 材料投入孔に最も近い温度調整ゾーンに配置するスクリュウの練り機能を、他の温度調整ゾーンに配置するスクリュウの練り機能よりも弱く設定する請求項1、2又は3記載の着色樹脂組成物の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂用着色剤、電子トナーなどに有用な着色樹脂組成物の製造方法に関し、さらに詳しくは、粉末顔料と熱可塑性樹脂とを混練して着色樹脂組成物を製造する方法であって、顔料分散性に優れ、組成物中の顔料凝集物が固化した粗大粒子が最大でも80μm以下であり、透明性に優れた着色樹脂組成物を提供することができる製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】熱可塑性樹脂と粉末顔料を原料とする着色樹脂組成物の製造方法は、■顔料と熱可塑性樹脂とを混合し、加熱ニーダー、加熱3本ロール、加熱2本ロールなどのバッチ式混練機で混練する方法と、■二軸押出機、単軸押出機などの連続式混練機で混練する方法とに大別することができる。 【0003】上記■の方法で用いられる混練機は、バッチ式であるため運転操作に人手がかかり生産性が低く、また、開放系であるため、粉末顔料が飛散したり、回転部分に接触して怪我をするなど環境面と安全面に問題があった。 【0004】一方、上記■の方法で用いられる混練機は、連続生産が可能であるために生産性が高いという利点を有する。二軸押出機は、単軸押出機に比較し、一般に高い分散機能を有すると言われている。しかし、被混練物に顔料凝集物の固化した粗大粒子が残りやすく、また、バッチ式混練機で時間をかけて混練する方法に比較し、顔料の平均粒径が小さくなり難いため、十分な透明性や着色力を得ることは難しいという問題点があった。高い顔料分散を得るには、特開平6−11895号や特開平−66563号でも開示されているように、樹脂の軟化点以下の温度設定で混練することが有効と言われている。しかし、二軸押出機では、次のような問題点を抱えている。 【0005】二軸押出機は、狭いバレル内空隙に材料を押し込み、バレル内壁とスクリュウの間で材料を磨砕して顔料を分散させる機構である。しかし、バレル温度を樹脂軟化点より大幅に低くすると、被混練物の粘度が高くなるために過負荷となり、スクリュウを回転させることができなくなるので、二軸押出機のバレル温度は、樹脂軟化点近くか、それ以上に保つことが一般的である。また、二軸押出機では、磨砕による発熱量が大きく、一方冷却が十分できないため、混練温度が上昇し、被混練物の粘度が低下する結果、スクリュウによる練り効果が低くなり、十分な顔料分散が得られ難くなると言われている。 【0006】ここで、バレル温度とは、温度調整ゾーン別にバレル内壁に設けられたセンサーで測定された温度であり、バレル温度が低いとは、個々のゾーンを問わず、バレル全体に低いことを意味する。材料を混練していない場合は、一般の押出機においてはバレルに内蔵された電熱ヒーターの温度に近い温度であり、また、バレルに内蔵されたパイプに熱媒体を流通させる押出機においては、熱媒体の温度に近い温度である。材料を混練している場合は、材料の摩擦熱の影響を受けるため、バレル温度は当初の温度設定より高くなる。また、温度設定とは、一般に混練する前の電熱ヒーター又は熱媒体を特定の温度に設定することである。温度調整ゾーンを2カ所以上有する場合、個々のゾーンの温度設定を同一温度にしても、バレル内を通過する材料はスクリュウ構成の影響を受け、練られる場所によって発生する摩擦熱の熱量が異なるため、個々の温度調整ゾーンに対応するバレル温度も異なってくる。混練温度とは、本来、混練されている材料の温度であるが、実際には、バレル内を通過する被混練物の温度は測定できないため、一般には押出機の排出孔から出た直後に熱伝対温度計や輻射温度計で測定した被混練物の温度を意味する。 【0007】特開平6−11895号公報には、混練物の温度を低くし、粘度を高くして、シェアーを高め、分散を良くする方法が開示されている。一本のロールに温度調整ゾーンを二カ所有する連続式二本ロール型混練機において、実施例では、原料投入側のロールの表面温度を60℃、30℃、混練物排出側のロールの表面温度を45℃、30℃と設定している。この混練機は、開放系であり負荷がかかりにくいため低温でも混練することができる。しかしながら、当該公報に記載された方法では、上記したように、環境、安全面における課題は未解決である。また、連続式二本ロール型混練機は、装置が高価な割には、材料処理速度が5kg/時間と生産性が低いので、工業的生産には適さない。 【0008】また、特開平2−66563号公報には、バインダー樹脂軟化点より30〜65℃低い温度で混練することにより、分散に優れたトナーが得られることが開示されているが、混練機、混練条件は何ら開示されていない。当該公報において指定された温度も、混練温度か設定温度か明確でないが、軟化点132℃の樹脂を95℃の混練温度では練れないため、設定温度と推察する。当該公報は、混練温度を低くして、被混練物の粘度を高め、顔料分散性を高めようとの考えであるが、有効な混練方法がないため、重量平均分子量が10万以上の高い樹脂を用いている。すなわち、たとえば70℃以下の温度設定にしなくても、被混練物の粘度が高くなるような樹脂を用いれば、顔料の分散を良くできるという方法であるが、樹脂が限定される問題点を残している。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、■顔料の飛散がなく、安全であり、■工業的にも採用可能で、しかも、■分散性、透明性などの品質が良好な樹脂着色組成物を製造する方法を提供することであり、具体的には、連続式混練機で、粗大粒子がなく、顔料の平均粒径が小さい樹脂着色組成物を製造する方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者は、この様な状況に鑑みて鋭意研究した結果、高分散機能を有する単軸押出機の2カ所以上の温度調整ゾーンのうち、材料投入孔に最も近い温度調整ゾーンのパイプに流通させる熱媒体の温度を熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも40℃以上低い温度として、■顔料凝集物が固化して粗大粒子となるのを抑制し、かつ■混練機中の被混練物の粘度を高め、剪断力を高くし、混練中に生じた粗大粒子の微細化および顔料の平均粒径の微小化を図ることにより、顔料の分散性を高め、その結果、透明性、着色力を良くするという方法を見出し、本発明を完成するに至った。 【0011】即ち、本発明は上記課題を解決するために、バレルに熱媒体を流通させるパイプを内蔵した温度調整ゾーンを2カ所以上有し、かつ、高分散機能を有する単軸押出機を用いて、熱可塑性樹脂と顔料とを混練して、顔料が熱可塑性樹脂中に分散された着色樹脂組成物を製造する方法において、材料投入孔に最も近い温度調整ゾーンのパイプに流通させる熱媒体の温度を熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも40℃以上低い温度に設定することを特徴とする着色樹脂組成物の製造方法を提供する。 【0012】 【発明の実施の形態】一般に単軸押出機と比較して、混練物の顔料分散性に優れている二軸押出機は、樹脂の軟化点近くか軟化点以上にバレル温度を設定するのが一般的である。二軸押出機のバレルには、電熱ヒーターが内蔵されており、また、過昇温した場合の温度調整のために冷却用通水パイプも内蔵されているが、70℃以下にバレル温度を設定することは稀である。また、70℃以下に設定したとしても、被混練物の温度が低く、粘度が高いために負荷が増大し、スクリュウの回転が不可能となる。二軸押出機は、バレル内壁とスクリュウエレメントの端の狭い空隙を利用して、顔料を分散させるため、負荷がかかり易い構造となっている。 【0013】本発明の製造方法で使用する高分散機能を有する単軸押出機は、二軸押出機に比較して空隙率が高く、かつ、スクリュウのニーディング部の長さ(L)とニーディングスクリュウの径(D)との比(L/D)が11〜22の範囲にあり、スクリュウが短かいので被混練物の負荷が少なく、より低温での混練が可能な装置である。また、この高分散機能を有する単軸押出機は、バレル内壁に設置されたピンと、回転運動と前後運動するスクリュウの間を、塊状の被混練物を移動させ、被混練物自体のずり応力によって、顔料を分散させことができる装置である。その際、低い温度設定でも、被混練物は自己発熱するため樹脂の軟化点以上の温度となり、樹脂を溶融させることができる。 【0014】高分散機能を有する単軸押出機が有する温度調整ゾーンは、2カ所以上であれば良く、その数には特に限定はないが、温度調整ゾーンに流通する熱媒体の温度が個々に異なれば、熱媒体を送り込む熱媒体循環装置の数もそれだけ必要とするため、多い方が好ましいとも言えない。したがって、異なる温度の熱媒体を流通させる温度調整ゾーンの数は、3ないし5カ所が好ましい。材料投入孔に近い温度調整ゾーンは、他の温度調整ゾーンより低い温度とする。用いる熱可塑性樹脂の化学的性質、物理的性質によって顔料分散は異なるため、その温度は明確に規定はできないが、用いる熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも40℃以上低い温度に設定することが好ましく、用いる熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも60℃以上低い温度に設定することが特に好ましい。その結果、材料を材料投入孔に投入してから、直ちに樹脂が可塑化しないため、その間に顔料凝集物がほぐされるので、顔料凝集物が固化して粗大粒子となる現象が抑制でき、分散性を高めることができる。また、この場合、他の温度調整ゾーンにおいても、同様に、用いる熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも40℃以上低い温度に設定することが好ましく、用いる熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも60℃以上低い温度に設定することが特に好ましい。また、温度調整ゾーンが3カ所あるならば、一番排出口に近い温度調整ゾーンの熱媒体の温度は、他の温度調整ゾーンの熱媒体の温度よりも少し高めとするのが好ましい。換言すれば、被混練物の混練温度が、用いる熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも10〜30℃高い温度となるように、熱媒体の温度を設定あるいは調整することが好ましい。混練物を排出するまでには、一度、混練温度を高めて、完全に樹脂を溶融させる必要があるからである。なお、本発明における樹脂の軟化点は、JIS K2207に規定された方法により測定した値である。 【0015】図1に、温度調整ゾーンを3カ所有する高分散機能を有する単軸押出機の概略図と温度調整ゾーンの区分(1、2、3)を示した。 【0016】バレルに内蔵されたパイプ内に流通させる熱媒体は、調温された水や油でも十分であるが、冷却効率が高い冷媒であっても良く、熱媒体循環装置によってパイプに送り込む。前者の水の場合には加圧することにより、常温から140℃の調温が可能であり、後者の場合には、不凍液を添加した水で、たとえば0℃から30℃の調温、あるいは0℃以下の調温も可能となる。温度調整ゾーンの温度設定とその温度を一定に保つよう、適切な熱媒体および熱媒体供給装置を選定することが好ましい。 【0017】本発明の製造方法で使用するバレルに熱媒体を流通させるパイプを内蔵した温度調整ゾーンを2カ所以上有し、かつ、高分散機能を有する市販の単軸押出機としては、ブス(Buss)社製のコ・ニーダーが挙げられる。 【0018】ブス社製のコ・ニーダーは、単軸のスクリュウ、ギアボックス、駆動接続部、2以上の温度調整ゾーンを有するバレル、温度調整用のパイプ等が収納されたベースとからなり、スクリュウの混練エレメントは、1周につき3カ所のギャップが設けられたフライトを有し、回転と同時に前後運動するスクリュウと、このギャップと、バレル内壁に3列に並べて設置されたピンの働きにより、混練効率を向上させることができるものである。 【0019】熱可塑性樹脂と粉末顔料を押出機で混練する場合、とりわけ分散が難しいと言われている有機顔料の場合、その分散機構を十分考慮して混練、押出しすることが重要である。顔料分散性が悪いと評価される着色樹脂組成物には、一般に樹脂中に顔料凝集物が固化して50μmないしは100μm以上の粗大粒子となつて残存するケースと、顔料の平均粒径が小さくなっていないケースがある。前者は、最終製品にブツとして残り平滑性を損なう要因となり、後者は着色力や透明性が得られない要因となる。後述の顔料分散性評価試験において、薄い着色フィルムを光学顕微鏡で観察した場合、1μ前後から10μ程度の顔料粒子が無数に存在するのは、顔料の平均粒径が小さくなっていないことを意味する。 【0020】前者の、粗大粒子が発生する原因は次のように考える。顔料は、合成直後は、0.01μmから1μm程度の1次粒子であるが、乾燥工程で2次凝集し、さらに保管、運搬中に凝集したりして、一般の粉末顔料には、10μm以上の顔料凝集物が10%以上混在したり、50μm以上の顔料凝集物が数%混在したりする。そこで、押出機による混練では、まず、顔料凝集物をほぐす工夫が必要である。このような粉末顔料と樹脂を、投入孔近くに練り機能の強いスクリュウエレメントを配置したり、投入孔に近いバレルの温度が高い状態の押出機で混練すると、顔料凝集物が十分にほぐされることなく、圧縮され固化し、粗大粒子となる。そこで、材料が投入孔から投入されたら、まず顔料凝集物をほぐすことが重要である。 【0021】また、顔料の平均粒径を小さくするには、被混練物の温度をできる限り低く保ち、被混練物の粘度を高くし、強い剪断力を与えて混練することが有効である。本発明の製造方法は、押出機における顔料分散機構を十分考慮して、顔料分散性を高めることができる方法である。 【0022】顔料の分散性を良くする具体的な方法としては、一般に■練り機能の強いエレメントを多用してスクリュウを構成する方法やスクリュウの回転数を高くする方法、■低い温度で混練する方法、などが挙げられる。しかしながら、最適スクリュウ構成は、混練材料によって個々に異なり、それを組むには熟練や試行錯誤が必要である。また、高速回転で混練する方法、あるいは低温で混練する方法は、押出機の構造上の問題から困難な場合が多い。 【0023】また、顔料分散機構を十分考慮せずに、これらの方法を採用すると、むしろ顔料分散性を低下させるケースも少なくない。スクリュウ構成において、材料投入孔近くに練り機能の強いエレメントを多用した場合、あるいは、スクリュウ回転数を高くした場合、材料を押出機に投入した直後に、顔料凝集物は圧縮され、固化し、粗大粒子を形成しやすい。そして、そのままの状態で微小化されず、被混練物に混入したままの状態で吐出孔から排出されるケースも多い。これらの条件では、発熱が大きいため、被混練物の粘度が低くなり、スクリュウの回転による剪断力がかからず、顔料の平均粒径も小さくならない。また、混練温度を低くすると、粗大粒子の形成が抑制され、かつ、被混練物の粘度が高いので、強い剪断力が加わり、顔料の平均粒径が小さくなる長所がある。しかし、樹脂が未溶融のまま残ることもあるので、混練後に着色剤としたりコンパウンドにしたりするなど、目的用途に応じて樹脂と混合し、混練する場合には、押出機の目詰まりの原因となる。あるいは、直接樹脂に加えて成形機で成形したりする場合には、成形品にブツとして現出する原因となる。したがって、混練物を排出するまでには一度温度を高めて、未溶融の樹脂を溶融させる必要がある。 【0024】図2に、単軸押出機のバレル内部におけるスクリュウエレメントおよび絞りリングの位置の関係を示した。 【0025】高分散機能を有する単軸押出機のスクリュウの構成は、練り機能の強いエレメント、あるいは材料をバレル内に滞留させ、混練時間を長くする機能を有するエレメントを多用した方が、顔料の分散性を高めることができるので、好ましい。ただし、材料投入孔に最も近い温度調整ゾーン(A)に設置するスクリュウエレメントは、練り機能の強いものを避けることが好ましい。また、樹脂が可塑化し、溶融した後には、被混練物の粘度が高くなるように設定した方が、剪断力が高く、顔料の平均粒径は小さくなるので、好ましい。したがって、2番目以降の温度調整ゾーンも低い温度設定とした方が分散性を向上させる面から好ましい。2番目以降の温度調整ゾーンでは、スクリュウ構成も練り機能の強いエレメントを多用することが好ましい。また、被混練物をせき止め滞留させ、混練時間を長くする目的で、バレル内壁にリング状の絞りリング(6、7)を間隔を空けて2個以上取り付け、絞りリングの位置から材料投入孔に近い部分(B)のスクリュウには、練り機能が強いエレメントを連続で2ないし3個以上使用することが好ましい。 【0026】本発明の製造方法に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステル、およびこれらの低重合体、あるいはこれらに、不飽和脂肪酸、酢酸ビニル、アクリル酸などを付加した変性樹脂、またはこれらの混合物、などが挙げられる。2種類あるいは数種類の熱可塑性樹脂を混合して用いる場合、その軟化点温度は厳密に規定できないが、当該発明においては、用いる複数の熱可塑性樹脂の個々の軟化点温度と混合比率から求めた加重平均値をその軟化点温度とする。ただし、高分散機能を有する単軸押出機に過負荷がかからない範囲内で、温度調整ゾーンの熱媒体の温度を低く設定にすることは、顔料の分散を高めることができるので好ましい。また、高い軟化点温度を有する熱可塑性樹脂を完全に溶融させるため、たとえば、温度調整ゾーンを3カ所有する高分散機能を有する単軸押出機の場合、一番排出口に近い温度調整ゾーンの熱媒体の温度を、用いる複数の熱可塑性樹脂のうち、最も軟化点温度の高い熱可塑性樹脂の軟化点温度より10〜30℃高い温度となるように温度設定あるいは調整するなど、配慮することが好ましい。 【0027】本発明の製造方法で用いる顔料としては、有機顔料、無機顔料、体質顔料、金属粉、などがある。有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾの如きアゾ系顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンの如きフタロシアニン系顔料;アントラキノン、ペリノン、ペリレンの如きスレン系顔料;キナクリドン、イソインドリノン、ジオキサジンの如き縮合多環系顔料、などが挙げられる。 【0028】無機顔料としては、例えば、酸化チタン、チタンイエローの如きチタン系顔料;弁柄、黄色酸化鉄の如き酸化鉄系顔料;黄鉛、クロムバーミリオンの如きクロム酸塩系顔料;コバルトブルーの如きアルミン酸塩系顔料、カーボンブラック、などが挙げられる。 【0029】また、体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ砂、水酸化カルシウム、タルク、クレー、マイカ、などが挙げられる。 【0030】更に金属粉としては、例えば真鍮粉、アルミニウム粉等が挙げられる。 【0031】樹脂100重量部に対する有機顔料の使用割合は、5〜150重量部の範囲が好ましい。同様に、無機顔料の使用割合は、5〜400重量部の範囲が好ましい。なお、顔料の使用割合が高いほど、高分散機能を有する単軸押出機にかかる負荷は高いため、顔料の使用割合が低い場合より、温度調整ゾーンの熱媒体の温度を高く設定することが好ましい。ただし、熱可塑性樹脂が可塑化した時点以降は、顔料の使用割合が高いほど摩擦熱は多く発生するので、被混練物の混練温度は高くなる傾向がある。その場合は、温度調整ゾーンの熱媒体の温度を低く調整することが好ましい。 【0032】また、着色樹脂組成物には、顔料及び樹脂以外に、着色樹脂組成物の用途に応じて、顔料分散助剤、帯電防止剤、帯電制御剤、滑剤等の助剤を加えることもできる。 【0033】顔料及び樹脂は、単軸押出機に投入する前に、予備混合しておくことが好ましい。また、樹脂にはペレット状のものと粉末状のものがあるが、顔料と樹脂を均一に混合させるためには、粉末状の樹脂を用いるか、あるいはペレット状の樹脂の場合には、予め粉砕して粉末の状態で用いることが好ましい。粉末状の樹脂と顔料の混合物は、嵩比重が小さいので、飛散したり、押出機への供給量が制限される。そこで、縦型高速ミキサーを用いて予備混合し、その摩擦熱で樹脂を半溶融させ、樹脂表面に顔料を付着させ、あるいは樹脂同士を付着させて、軽く造粒させておくことが望ましい。とりわけ、有機顔料は嵩比重が小さいので、この方法を採用して、たとえば、有機顔料100部と樹脂100部を混合して材料とする場合、嵩比重0.2〜0.4の混合物を、嵩比重0.4〜0.6の範囲に軽く造粒させてから、本発明の製造方法に適用することが望ましい。 【0034】本発明の製造方法で得られる着色樹脂組成物は、粉砕、分級した後、後加工せずにそのままの状態で熱可塑性樹脂用着色剤として使用するか、あるいは熱可塑性樹脂、帯電防止剤などと混合した後、再度単軸押出機や二軸押出機で混練し、賦形してペレット状や粒状の熱可塑性樹脂用着色剤とする。また、この着色樹脂組成物と熱可塑性樹脂、帯電制御剤と混合した後、再度二軸押出機などで混練し、粗砕したものを、さらに5〜10μmに粉砕し分級して電子トナーとすることができる。 【0035】 【実施例】以下、実施例および比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」および「%」は重量基準である。 【0036】<実施例1>粉末状ポリエチレンワックス(分子量6,400、軟化点110℃)100部とジスアゾ系黄色顔料(Pigment Yellow TRV-2:山陽色素株式会社製)100部とを加熱型混合攪拌機に入れて攪拌混合し、これを温度調整ゾーン3カ所を有し、かつ、高分散機能を有する単軸押出機(ブス(Buss)社製のコ・ニーダーMDK−46)で混練した。3カ所の温度調整ゾーン(以下、材料投入孔に最も近いゾーンから、温度調整ゾーン1、温度調整ゾーン2、温度調整ゾーン3とする。)のパイプには、それぞれ70℃の水を流通させた。材料供給直後は、樹脂が可塑化せず、吐出口から粉状の材料が排出されたが、材料がシリンダ内に充満した段階で、材料同士の摩擦熱により樹脂が可塑化し、吐出口から溶融した混練物が排出された。このときの混練物の温度は123℃で、吐出量は20kg/時間であった。排出された混練物を冷却2本ロールで圧延した後、ロータリーカッター式粉砕機で粉砕して小片状の着色剤ベースを得た。この着色剤ベースを下記に示す評価方法で、顔料分散性を確認したところ、顔料分散性は合格であった。そこで、この着色剤ベース5部とポリエチレン樹脂100部をタンブラーで混合し、単軸押出機で混練しストランド状に押出し、ペレタイザーで切断してペレット状のポリエチレン樹脂用黄色着色剤とした。 【0037】[顔料分散性の評価]先のようにして得た小片状の着色剤ベース10部と低密度ポリエチレン90部とを150℃に加熱した直径6インチの2本ロールで5分間練肉した後、厚さ1mmの黄色シートを製造した。 【0038】このようにして得たシートから、約1mgの試料を切り取り、スライドグラス上に置き、カバーグラスを上にのせた後、230℃にて加熱プレスし、厚さ15〜20μmのフィルム状とした後、100倍の光学顕微鏡で最も分散の悪い視野を選定し、この視野内の粒径11μm以上の顔料固化物粒子の粒径(円相当径、すなわち粒子の面積と同等の面積を有する円の直径で表す)を画像解析装置を用いて個々に求めた。これを、11μmから20μm、21μmから30μmのように一定の粒径範囲ごとに粒子の個数を求め、これに表1に示した粒径範囲に該当する係数を乗じた値を全て合計し、これを1試料の面積指数とした。この操作を10回繰り返し、すなわち10個の試料に関して面積指数を求め、この平均値を着色剤ベースの面積指数とした。また、上記10個の試料中で認められた最大粗粒子の粒径を最大粗粒子径とし、それを表1に示したランクで評価した。実施例1における顔料分散性の結果を表2に示した。この着色剤ベースの顔料分散性の判定基準は、面積指数は200以下、最大粗粒子径は80μm以下(A1からB2に属する粒径)のものを「○」と評価し、それ以外のものを「×」と評価した。 【0039】 【表1】
【0040】<実施例2>実施例1において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、すべて50℃とした以外は、実施例1と同様にして、小片状の着色剤ベースを製造した。このようにして得た黄色着色剤ベースについて、実施例1と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表2に示した。 【0041】<実施例3>実施例1において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、すべて20℃とした以外は、実施例1と同様にして、小片状の着色剤ベースを製造した。このようにして得た黄色着色剤ベースについて、実施例1と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表2に示した。 【0042】<実施例4>実施例1において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、材料投入孔に近いゾーン(温度調整ゾーン1)に流通させる水の水温を50℃、次のゾーン(温度調整ゾーン2)に流通させる水の水温を70℃、吐出口に近いゾーン(温度調整ゾーン3)に流通させる水の水温を100℃とした以外は、実施例1と同様にして、小片状の着色剤ベースを製造した。このようにして得た黄色着色剤ベースについて、実施例1と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表2に示した。 【0043】<比較例1>実施例1において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、材料投入孔に近いゾーンに流通させる水の水温を100℃、次のゾーンに流通させる水の水温を70℃、吐出口に近いゾーンに流通させる水の水温を30℃とした以外は、実施例1と同様にして、小片状の着色剤を製造した。このようにして得た黄色着色剤について、実施例1と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表2に示した。 【0044】<比較例2>実施例1において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、すべて100℃とした以外は、実施例1と同様にして、小片状の着色剤を製造した。このようにして得た黄色着色剤について、実施例1と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表2に示した。 【0045】<比較例3>実施例1において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、すべて130℃とした以外は、実施例1と同様にして、小片状の着色剤を製造した。このようにして得た黄色着色剤について、実施例1と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表2に示した。 【0046】 【表2】
【0047】<実施例5>直鎖ポリエステル樹脂(分子量10,000、軟化点100℃)100部とキナクリドン系赤顔料(KET RED 309:大日本インキ化学工業株式会社製)100部とを縦型混合機で20分間混合し、その際発生する摩擦熱で軽く造粒した後、これを温度調整ゾーン3カ所、スクリュウ通水冷却機能を有し、かつ、高分散機能を有する単軸押出機(ブス(Buss)社製のコ・ニーダーMDK−46)で混練した。スクリュウに内蔵するパイプに流通させる水温を0℃に設定し、3カ所の温度調整ゾーンのパイプには、すべて50℃の水を流通させた。材料供給直後は、樹脂が可塑化せず、吐出口から粉状の材料が排出されたが、材料がシリンダ内に充満した段階で、材料同士の摩擦熱により樹脂が可塑化し、吐出口から溶融した混練物が排出された。このときの混練物の温度は138℃で、吐出量は10kg/時間であった。排出された混練物を冷却2本ロールで圧延した後、ロータリーカッターで粗砕し、さらに2mmのスクリーンを設置したナイフ型粉砕機で粉砕し、粉粒状の電子トナーベース(マスターバッチ)を得た。 【0048】このトナーベースを下記に示す評価方法で、顔料分散性を確認したところ、顔料分散性は合格であった。そこで、このトナーベース12部と直鎖ポリエステル樹脂100部、荷電制御剤(サリチル酸クロム錯体)4部をタンブラーで混合し、二軸押出機で混練してベルト状に押出し、スチールベルトクーラーで冷却圧延、粗砕して小片状とした後、粉砕、分級して5〜10μmの大きさの赤色電子トナーを得た。 【0049】先のようにして得たトナーベースから、約1mgの試料を採取し、スライドグラス上に置き、その上にトルオールをピペットで1滴落とし、試料を膨潤させた後、カバーグラスを上にのせ、200℃にて加熱プレスし、厚さ約10μmのフィルム状とした後、100倍の光学顕微鏡で最も分散の悪い視野を選定し、この視野内の粒径5μm以上の顔料固化物粒子の粒径(円相当径、すなわち粒子の面積と同等の面積を有する円の直径で表す)を画像解析装置を用いて個々に求めた。次いで、5μmから10μmの粒径範囲の小粒子数を求めた以外は、実施例1と同様にして、面積指数と最大粗粒子径を求めた。実施例5における顔料分散性の結果を表3に示す。このトナーベースの顔料分散性の判定基準は、面積指数は50以下、最大粗粒子径はA1からA3の範囲(40μm以下)、5から10μmの小粒子が20個以下の何れをも満たすものを「○」と評価し、それ以外のものを「×」と評価した。 【0050】<実施例6>実施例5において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、材料投入孔に近いゾーン(温度調整ゾーン1)に流通させる水の水温を10℃、次のゾーン(温度調整ゾーン2)に流通させる水の水温を30℃、吐出口に近いゾーン(温度調整ゾーン3)に流通させる水の水温を50℃とした以外は、実施例5と同様にして、粉粒状のトナーベースを製造した。このようにして得たトナーベースについて、実施例5と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表3に示した。 【0051】<比較例4>実施例5において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、すべて70℃とした以外は、実施例5と同様にして、粉粒状のトナーベースを製造した。このようにして得たトナーベースについて、実施例5と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表3に示した。最大粗大粒子は、60μm以下であったが、5〜10μmの小粒子が多く、平均粒径が小さくなっておらず、透明性が実施例5に比較し劣っており、この用途では不合格であった。 【0052】<比較例5>実施例5において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、すべて100℃とした以外は、実施例5と同様にして、粉粒状のトナーベースを製造した。このようにして得たトナーベースについて、実施例5と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表3に示した。 【0053】<比較例6>実施例5において、3カ所の温度調整ゾーンのパイプに流通させる水温を、材料投入孔に近いゾーン(温度調整ゾーン1)に流通させる水の水温を130℃、次のゾーン(温度調整ゾーン2)に流通させる水の水温を100℃、吐出口に近いゾーン(温度調整ゾーン3)に流通させる水の水温を70℃とした以外は、実施例5と同様にして、粉粒状のトナーベースを製造した。このようにして得たトナーベースについて、実施例5と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表3に示した。 【0054】<比較例7>実施例5において、同様の処理をした材料を、高分散機能を有する単軸押出機の代わりに、6カ所の温度調整ゾーンを有する二軸押出機で混練した。加熱するための電熱ヒーターと冷却水を流通させるパイプを内蔵した温度調整ゾーンの6カ所すべてを70℃として、スクリュウ回転数200rpmで混練したが、トルクオーバーとなったため運転を停止した。 【0055】<比較例8>比較例7において、スクリュウ回転数を400rpmとした以外は、比較例7と同様にして、粉粒状のトナーベースを製造した。このようにして得たトナーベースについて、実施例5と同様にして、顔料分散性の評価を行い、その結果を表3に示した。 【0056】 【表3】
【0057】 【発明の効果】本発明の製造方法によれば、粗大粒子が最大でも80μm以下の顔料分散性に優れた着色樹脂組成物が得られる。また、本発明の製造方法で得られる着色樹脂組成物は、平滑性を有する熱可塑性樹脂のフィルム、射出成型品などを成形する際の着色剤、あるいは、紙やOHPフィルムに鮮明な可視画像を形成するための電子カラートナーに供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002886 【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月24日(2001.1.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088764 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勝利
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| 【公開番号】 |
特開2002−210733(P2002−210733A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月30日(2002.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−15704(P2001−15704) |
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