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【発明の名称】 |
二軸連続混練機とこれによる混練方法 |
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【氏名】井上 公雄 【氏名】三宅 綱一 |
【課題】添加物を安定的に供給できるようにして、生産量を大幅に向上できる二軸連続混練機とこれによる混練方法を提供する。
【解決手段】混練室内に添加物を供給すべくバレル3の上流側端部又は中流部に接続された第二供給手段8を備え、各混練スクリュー2,2における第二供給手段8よりも下流側に、混練ゾーン16が設けられている二軸連続混練機において、その混練ゾーン16を、次の条件(a)及び(b)を充足する複数のロータセグメント22を軸心方向に並設してなるセグメント群とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに連通する左右一対の混練室を内部に有するバレルと、前記混練室内に回転自在に挿通された左右一対の混練スクリューと、前記混練室内に混練材料を供給すべく前記バレルの上流側端部に接続された第一供給手段と、前記混練室内に添加物を供給すべく前記バレルの上流側端部又は中流部に接続された第二供給手段と、を備えており、前記各混練スクリューにおける前記第二供給手段よりも下流側の部分に、前記添加物を前記混練材料に練り込むための混練ゾーンが設けられている二軸連続混練機において、前記混練ゾーンは、次の条件(a)及び(b)を充足する複数のロータセグメントを軸心方向に並設してなるセグメント群より構成されていることを特徴とする二軸連続混練機。(a) 前記セグメント群は、前記混練スクリューの回転によって混練材料を下流側に送る方向に捩じれたフライトを有する送りセグメントのみ、または、これに前記混練スクリューの軸心方向と平行なフライトを有する中立セグメントを付加することによって構成されている。 (b) 前記各ロータセグメントのフライトは、混練室の内面とのチップクリアランスが比較的小さい高位チップ部と、同チップクリアランスが比較的大きい低位チップ部とを軸心方向に交互に並設することによって構成されている。 【請求項2】 前記セグメント群は、更に次の条件(c)を充足することを特徴とする請求項1に記載の二軸連続混練機。 (c) 当該セグメント群を構成する各ロータセグメントは径方向で互いに反対向きに突出する一対のフライトを有する二条翼タイプであり、そのうちの一方のフライトが高位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが低位チップ部となっており、一方のフライトが低位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが高位チップ部となっている。 【請求項3】 左右一対の混練スクリューは、そのフライトがバレル内において互いに噛み合うように配置された噛み合いタイプであり、かつ、前記セグメント群は、更に次の条件(d)を充足することを特徴とする請求項2に記載の二軸連続混練機。 (d) 当該セグメント群を構成する各ロータセグメントは、チップ部を除いて断面形状が同一であり、かつ、軸方向で隣り合うロータセグメントに対して段差ができないように連続的に接合されている。 【請求項4】 バレル内に形成された互いに連通する左右一対の混練室の内部に混練材料と添加物を供給し、その各混練室に回転自在に挿通された左右一対の混練スクリューによって前記混練材料及び添加物を下流側にフィードしながら、当該混練スクリューに形成された混練ゾーンにおいて前記添加物を前記混練材料に練り込むようにした二軸連続混練機による混練方法において、前記混練ゾーンは、次の条件(a)及び(b)を充足する複数のロータセグメントを軸心方向に並設してなるセグメント群より構成されていることを特徴とする二軸連続混練機による混練方法。 (a) 前記セグメント群は、前記混練スクリューの回転によって混練材料を下流側に送る方向に捩じれたフライトを有する送りセグメントのみ、または、これに前記混練スクリューの軸心方向と平行なフライトを有する中立セグメントを付加することによって構成されている。 (b) 前記各ロータセグメントのフライトは、混練室の内面とのチップクリアランスが比較的小さい高位チップ部と、同チップクリアランスが比較的大きい低位チップ部とを軸心方向に交互に並設することによって構成されている。 【請求項5】 前記セグメント群は、更に次の条件(c)を充足することを特徴とする請求項4に記載の二軸連続混練機による混練方法。 (c) 当該セグメント群を構成する各ロータセグメントは径方向で互いに反対向きに突出する一対のフライトを有する二条翼タイプであり、そのうちの一方のフライトが高位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが低位チップ部となっており、一方のフライトが低位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが高位チップ部となっている。 【請求項6】 左右一対の混練スクリューは、そのフライトがバレル内において互いに噛み合うように配置された噛み合いタイプであり、かつ、前記セグメント群は、更に次の条件(d)を充足することを特徴とする請求項5に記載の二軸連続混練機による混練方法。 (d) 当該セグメント群を構成する各ロータセグメントは、チップ部を除いて断面形状の同一であり、かつ、軸方向で隣り合うロータセグメントに対して段差ができないように連続的に接合されている。 【請求項7】 互いに連通する左右一対の混練室を内部に有するバレルと、前記混練室内に回転自在に挿通された左右一対の混練スクリューと、前記混練室内に粉末状の混練材料を供給すべく前記バレルの上流側端部に接続された供給手段と、を備えており、前記粉末状の混練材料に剪断力を加えて溶融させるための混練ゾーンが前記混練スクリューの軸方向中途部に設けられている二軸連続混練機において、前記混練ゾーンは、次の条件(a)及び(b)を充足する複数のロータセグメントを軸心方向に並設してなるセグメント群より構成されていることを特徴とする二軸連続混練機。 (a) 前記セグメント群は、前記混練スクリューの回転によって混練材料を下流側に送る方向に捩じれたフライトを有する送りセグメントのみ、または、これに前記混練スクリューの軸心方向と平行なフライトを有する中立セグメントを付加することによって構成されている。 (b) 前記各ロータセグメントのフライトは、混練室の内面とのチップクリアランスが比較的小さい高位チップ部と、同チップクリアランスが比較的大きい低位チップ部とを軸心方向に交互に並設することによって構成されている。 【請求項8】 前記セグメント群は、更に次の条件(c)を充足することを特徴とする請求項7に記載の二軸連続混練機。 (c) 当該セグメント群を構成する各ロータセグメントは径方向で互いに反対向きに突出する一対のフライトを有する二条翼タイプであり、そのうちの一方のフライトが高位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが低位チップ部となっており、一方のフライトが低位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが高位チップ部となっている。 【請求項9】 左右一対の混練スクリューは、そのフライトがバレル内において互いに噛み合うように配置された噛み合いタイプであり、かつ、前記セグメント群は、更に次の条件(d)を充足することを特徴とする請求項8に記載の二軸連続混練機。 (d) 当該セグメント群を構成する各ロータセグメントは、チップ部を除いて断面形状の同一であり、かつ、軸方向で隣り合うロータセグメントに対して段差ができないように連続的に接合されている。 【請求項10】 バレル内に形成された互いに連通する左右一対の混練室の内部に粉末状の混練材料を供給し、その各混練室に回転自在に挿通された左右一対の混練スクリューによって前記粉末状の混練材料を下流側にフィードしながら、当該混練スクリューに形成された混練ゾーンにおいて前記粉末状の混練材料に剪断力を加えて溶融させるようにした二軸連続混練機による混練方法において、前記混練ゾーンは、次の条件(a)及び(b)を充足する複数のロータセグメントを軸心方向に並設してなるセグメント群より構成されていることを特徴とする二軸連続混練機による混練方法。 (a) 前記セグメント群は、前記混練スクリューの回転によって混練材料を下流側に送る方向に捩じれたフライトを有する送りセグメントのみ、または、これに前記混練スクリューの軸心方向と平行なフライトを有する中立セグメントを付加することによって構成されている。 (b) 前記各ロータセグメントのフライトは、混練室の内面とのチップクリアランスが比較的小さい高位チップ部と、同チップクリアランスが比較的大きい低位チップ部とを軸心方向に交互に並設することによって構成されている。 【請求項11】 前記セグメント群は、更に次の条件(c)を充足することを特徴とする請求項10に記載の二軸連続混練機による混練方法。 (c) 当該セグメント群を構成する各ロータセグメントは径方向で互いに反対向きに突出する一対のフライトを有する二条翼タイプであり、そのうちの一方のフライトが高位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが低位チップ部となっており、一方のフライトが低位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが高位チップ部となっている。 【請求項12】 左右一対の混練スクリューは、そのフライトがバレル内において互いに噛み合うように配置された噛み合いタイプであり、かつ、前記セグメント群は、更に次の条件(d)を充足することを特徴とする請求項11に記載の二軸連続混練機による混練方法。 (d) 当該セグメント群を構成する各ロータセグメントは、チップ部を除いて断面形状の同一であり、かつ、軸方向で隣り合うロータセグメントに対して段差ができないように連続的に接合されている。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、添加物を混入したプラスチックやゴム等の高分子樹脂材料を効率よく混練してプラスチックコンパウンドやゴムコンパウンドを得るのに適した二軸連続混練機とこれによる混練方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、プラスチックコンパウンドやゴムコンパウンド等の複合樹脂材料は、混練押出機のバレル内にタルク等の粉体状の添加物を供給し、そのバレル内に挿通された混練スクリューによって高分子樹脂よりなる混練材料を添加物と一緒に混練しながら下流側へ押し出し、造粒機等の後処理装置によって成形することによって製造される。かかる複合樹脂材料を製造するための二軸連続混練機は、互いに連通する左右一対の混練室を内部に有するバレルと、混練室内に回転自在に挿通された左右一対の混練スクリューと、混練室内に混練材料を供給すべくバレルの上流側端部に接続されたスクリューフィーダ等よりなる第一供給手段と、混練室内に添加物を供給すべくバレルの中流部に接続されたサイドフィーダ等よりなる第二供給手段と、を備えており、各混練スクリューにおける第二供給手段よりも下流側の部分には、添加物を混練材料に練り込むための混練ゾーンが設けられている。 【0003】一方、上記混練ゾーンには、低温下でも混練材料に高い剪断力を付与できるようにするため、混練材料が積極的に通過するチップクリアランスを有するロータセグメントが採用されているが、かかる混練ゾーンには、材料充満度を制御するために、材料の戻り方向に位相をずらした複数枚のニーディングディスクや、同戻し方向に捩じれたフライトを有するスクリューセグメントを設けるのが通常である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかるに、添加物を添加した直後の混練ゾーンに上記のような樹脂流れの戻し作用を有するニーディングディスクやスクリューセグメントを配置すると、当該混練ゾーンにおいて局所的に材料の充満度が上がって下流側へのガス抜けが阻害され、このためサイドフィーダから添加物を供給できなくなって送り能力が低下し、安定した運転を行えなくなる場合がある。そこで、かかる問題を解消する手段として、添加物を添加した直後の混練ゾーンについては、上記ニーディングディスクやスクリューセグメントを設けずに、送り方向に捩じれたフライトを有するロータセグメントのみで構成することが考えられる。 【0005】しかし、前述の通り、ロータセグメントは、他の混練セグメントに比べてチップクリアランスが比較的大きく設定されているので、添加物を添加した直後の混練ゾーンをすべてそのような従来のロータセグメントで構成すると、チップクリアランスを通過した混練材料が混練室の内面に層状に付着してその有効径を縮小させ、これによって生産量が低下したり、添加物の練り込みが悪くなることがある。また、他の混練セグメントに比べてチップクリアランスが比較的大きいロータセグメントを連続的に配置した混練ゾーンを採用すると、回転に伴う混練スクリューの触れが大きくなって機械的損傷を受け易くなるので、当該混練スクリューを高速で回転することができず、この点でも生産量を向上できなくなるという問題がある。 【0006】なお、上記した課題は、混練材料に粉体状の添加物を練り込む場合だけでなく、混練材料そのものが嵩密度の非常に小さい粉体状のものである場合においてもそのまま当てはまる課題である。本発明は、このような実情に鑑み、生産量の低下を招来することなく粉体状の添加物や粉体状の混練材料を安定的に供給できるようにして、高品質なコンパウンドの生産量を大幅に向上できる二軸連続混練機とこれによる混練方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発明は、混練室内に添加物を供給すべくバレルの上流側端部又は中流部に接続された第二供給手段を備えており、各混練スクリューにおける第二供給手段よりも下流側の部分に、前記添加物を混練材料に練り込むための混練ゾーンが設けられている二軸連続混練機において、その混練ゾーンを、次の条件(a)及び(b)を充足する複数のロータセグメントを軸心方向に並設してなるセグメント群より構成したことを特徴とする。 【0008】(a) 前記セグメント群は、前記混練スクリューの回転によって混練材料を下流側に送る方向に捩じれたフライトを有する送りセグメントのみ、または、これに前記混練スクリューの軸心方向と平行なフライトを有する中立セグメントを付加することによって構成されている。 (b) 前記各ロータセグメントのフライトは、混練室の内面とのチップクリアランスが比較的小さい高位チップ部と、同チップクリアランスが比較的大きい低位チップ部とを軸心方向に交互に並設することによって構成されている。 【0009】上記の本発明によれば、混練ゾーンを構成するために複数のロータセグメントを軸心方向に並設してなるセグメント群が、前記送りセグメントのみまたはこれに前記中立セグメントを付加して構成されており、樹脂流れの戻り作用を有するセグメントが存在しないので、当該混練ゾーンにおいて局所的に材料の充満度が上がって下流側へのガス抜けが阻害されることがない。このため、第二供給手段から添加物が供給できなくなって送り能力が低下することがなく、安定した運転を行うことができる。 【0010】また、本発明によれば、各ロータセグメントのフライトが前記高位チップ部と低位チップ部とを軸心方向に交互に並設することによって構成されているので、混練材料が低位チップ部の比較的大きいチップクリアランスを通過する際に添加物の練り込みが促進され、その一方で、かかる低位チップ部のチップクリアランスの通過の際に混練室の内面に混練材料が付着しても、比較的小さいチップクリアランスの高位チップ部によってその混練材料が混練室の内面から掻き取られることになる。このため、添加物の練り込み効果を向上させつつ、混練材料が層状に付着することによる有効径の縮小が防止され、コンパウンドの生産量を大幅に向上させることができる。 【0011】なお、混練材料に対する添加物の練り込みを有効に行うためには、上記低位チップ部のチップクリアランスは、0.015D〜0.150D(Dはバレル内径:以下同じ。)に設定しておけばよい。また、混練室の内面からの混練材料の掻き取りを有効に行うためには、上記高位チップ部のチップクリアランスは、0.001D〜0.020Dに設定しておけばよい。上記の本発明において、セグメント群を構成する各ロータセグメントは、三つのフライトを有する三条翼タイプの混練スクリューであってもよいし、径方向で互いに反対向きに突出する一対のフライトを有する二条翼タイプであってもよいが、生産量の増加を図る観点からは、混練室内の有効面積がより大きく取れる後者の方が好ましい。 【0012】もっとも、二条翼タイプのロータセグメントは、三条翼タイプに比べて、横断面積が小さいため高速回転時における触れが比較的大きく機械的損傷を受けやすいことから、混練スクリューを高速で回転することができず、この点で、混練室内の有効面積が大きいにも拘わらず、生産量をさほど向上させることができないという矛盾があった。そこで、特に、前記セグメント群を構成する各ロータセグメントとして、径方向で互いに反対向きに突出する一対のフライトを有する二条翼タイプを採用する場合には、そのうちの一方のフライトが高位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが低位チップ部となっており、一方のフライトが低位チップ部である軸方向区間では他方のフライトが高位チップ部となっているものを採用することが好ましい。 【0013】この場合、一対のフライトのうちの双方がともに低位チップ部になることがないので、低位チップ部を形成することに伴うロータセグメントの断面欠損を可及的に最小限に抑えることができる。このため、混練スクリューを高速で回転させてもロータセグメントが機械的損傷を受け難くなるので、二条翼タイプのロータセグメントを採用しているにも拘わらず、混練スクリューを高速回転することでコンパウンドの生産量を向上させることができる。上記の本発明において、左右一対の混練スクリューとして、そのフライトがバレル内において互いに噛み合う用に配置された噛み合いタイプを採用した場合には、両混練スクリュー同士が互いに溶融した混練材料を相手方の混練スクリューから掻き取ってその付着を防止するので、混練材料が混練室内に滞留することによる劣化を防止できる点で好ましい。 【0014】しかるに、かかる噛み合い式の混練スクリューを採用した場合において、混練ゾーンのセグメント群を構成するロータセグメントの断面形状が大きく異なっていたり、それらが不連続に接合されていたりすると、各セグメントの接合部に生じた段差によって混練材料の流れが阻害され、同材料が混練室内に滞留しやすくなる。そこで、噛み合い式の混練スクリューを採用する場合には、混練ゾーンのセグメント群を構成する各ロータセグメントとして、すべて、チップ部を除いて断面形状が同一のものを採用し、軸方向で隣り合うロータセグメントに対して段差ができないように連続的に接合することが望まれる。 【0015】なお、本発明は、混練材料に粉体状の添加物を練り込む場合だけでなく、それ自体が嵩密度の小さい粉体状の混練材料を扱う二軸連続混練機やこれによる混練方法にも採用することができ、この場合には、前記サイドフィーダ等よりなる第二供給手段は必ずしも設けなくてもよい。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1〜図4は本発明に係る二軸連続混練機の第一実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態の混練機1は、左右一対の混練スクリュー2,2と、これらの混練スクリュー2,2を回転自在に支持するバレル3とを有している。本実施形態のバレル3は複数のバレルセグメントを軸心方向に接続してなる分割タイプのものが採用されており、このバレル3の外面壁には、混練材料を冷却するための図示しない冷却配管が接合されている。 【0017】一方、バレル3の内部には、その上流側(図1の右側)から下流側(図1の右側)に向かって当該バレル3を軸心方向に貫通する左右一対の混練室4,4が形成されている。そして、バレル3の上流側端部には、ゴムやプラスチック等の混練材料を混練室4,4に供給するための材料供給口5が形成されており、この供給口5に接続したホッパー6にスクリューフィーダ等よりなる混練材料の第一供給手段7が設けられている。また、バレル3の中流部のやや上流側よりには、混練室4内にタルク等の補強パウダーを供給するための第二供給手段8が設けられており、本実施形態の第二供給手段8は、バレル3の側面に接続された内部に搬送スクリューを回転自在に有するサイドフィーダよりなる。更に、バレル3の中流部の下流側よりには、混練室4の内部を大気開放によって脱気するためのオープンベント9が設けられ、このベント9の更に下流側には、混練室4の内部を真空引きによって脱気するための真空ベント10が設けられている。 【0018】図1に示すように、混練スクリュー2,2には、合計四つのフィードゾーン11〜14と合計三つの混練ゾーン15〜17が軸心方向に交互に配列されている。このうち、最も上流側の第一フィードゾーン11は第一供給手段7が接続されているバレルセグメントにほぼ対応する範囲に配置されており、第一混練ゾーン15は上記第一フィードゾーン11の下流端から前記第二供給手段8の手前に至る範囲に配置されている。また、第二フィードゾーン12は第二供給手段8が接続されているバレルセグメントにほぼ対応する範囲に配置されており、第二混練ゾーン16は上記第二フィードゾーン12の下流端から前記オープンベント9の手前に至る範囲に配置されている。更に、第三フィードゾーン13はオープンベント9が形成されているバレルセグメントにほぼ対応する範囲に配置されており、第三混練ゾーン17は上記第三フィードゾーン13の下流端から前記真空ベント10の手前に至る範囲に配置されている。そして、最も下流側の第四フィードゾーン14は真空ベント10が設けられているバレルセグメントからバレル3の下流端に形成された材料排出口18に至る範囲に配置されている。 【0019】図2に示すように、各混練室4,4は横断面がほぼ円形に形成されており、それらの一部分同士をバレル3中央部の連通部19において互いに連通させることによって、当該バレル3の内部がめがね孔状にくり抜かれている。そして、これらの各混練室4,4の内部に前記各混練スクリュー2,2がそれぞれ回転自在に挿通されている。両混練スクリュー2,2は、その軸心同士が互いに平行となるように配置されており、バレル3の外部において図示しない駆動機構に連結され、この駆動機構により同じ方向に回動駆動される。駆動機構による両混練スクリュー2,2の回転中心(軸心)Oは、バレル3内部の各混練室4,4の中心に一致している。なお、混練室4の中心とは、断面円弧形状に形成された当該混練室4の壁面から等距離に位置した中心点のことを意味する。 【0020】各混練スクリュー2,2は、混練材料を下流側へ搬送して押し出すための二条翼タイプのスクリューセグメント21と、混練材料を混合及び分散する二条翼タイプのロータセグメント22と、混練材料を主に混合する二条翼タイプのニーディングディスクセグメント23と、を備えている。なお、本実施形態では、左右一対の混練スクリュー2,2として、そのフライトがバレル3内において互いに噛み合う用に配置された噛み合いタイプのものを採用している。このため、両混練スクリュー2,2同士が互いに溶融した混練材料を相手方の混練スクリュー2,2から掻き取ることにより同材料の付着が防止され、これによって混練材料が混練室4,4,内に滞留することによる劣化を防止するようにしている。 【0021】このうち、スクリューセグメント21は回転中心Oを挟んで径方向で互いに反対向きに突出する一対のフライトを有し、これらのフライトは混練室4の内面に対するチップクリアランスが極めて小さい状態で軸心方向に螺旋状に捩じれている。そして、前記各フィードゾーン11〜14は、かかるスクリューセグメント21をそのフライト同士が連続するように複数個接合して構成されていて、このため、スリューセグメント21のフライト間で形成された溝部で混練材料を下流側に搬送する機能を有しているが、同混練材料を混練する機能は有していない。 【0022】他方、ニーディングディスクセグメント23は平板状の複数枚のニーディングディスクを互いに接合することによって構成されている。この各ニーディングディスクのフライトは、上記スクリューセグメント21と同じ断面を有するチップクリアランスの極めて小さい二条翼タイプであるが、軸心方向に平行に延びた形状に形成されている。このため、当該ニーディングディスクセグメント23を通過する混練材料は、ディスクのフライトの小さいチップクリアランスを通過する際に高い剪断力を受けて混練される。 【0023】本実施形態では、前記ロータセグメント22として、送りセグメント22F、中立セグメント22N及び戻しセグメント22Bの三種類が採用されている。このうち、送りセグメント22Fは、図3に示すように、混練材料を下流側に向かって前進させるべくフライト24が軸心方向に対して螺旋状に捩じれており、混練材料を積極的に送りながら混練することで生産能力を高める機能を有する。これに対して、中立セグメント22Nは、図4に示すように、混練材料を下流側及び上流側のいずれにも勢いづけないように、フライト24が軸心方向に平行に延びており、このため、上記送りセグメント22Fに比べて、混練材料を送る機能がない分だけ混練材料の混練度合いを高める機能を有する。 【0024】更に、戻しセグメント22Bは、図3に示す送りセグメント22Fのフライト24をちょうど逆向きに捩じった形状に形成されており、混練材料を上流側に戻しながら混練することで混練室4内の混練材料の充満率を増大させて混練度合いを高める機能を有する。図2〜図4に示すように、上記各ロータセグメント22(送り、中立及び戻しセグメント22F,22N,22B)のフライト24は、混練室4の内面とのチップクリアランスが比較的小さい高位チップ部25と、同チップクリアランスが比較的大きい低位チップ部26とを軸心方向に交互に並設することによって構成されている。これらの各チップ部25,26のうち、高位チップ部25は、混練スクリュー2が回転したときに一部の混練材料を比較的小さいチップクリアランスに通過させて大きな剪断力をその混練材料に付与するとともに、混練室4の内面に付着した混練材料の表層を掻き落とす機能を有する。 【0025】一方、低位チップ部26は、高位チップ部25に比べて大きなチップクリアランスが出現するように径方向の突出度合いが小さくなっている。このため、混練スクリュー2が回転したとき、チップクリアランスにおける混練材料により小さな剪断力を加えて混練材料の通過量を増加させ、混練室4内における混練材料の流動を促進して材料の混合度合いを高めるとともに、混練材料に局所的に大きな剪断力が付与されるのを防止して、混練材料の過剰な昇温を抑制する機能を有する。 【0026】なお、本実施形態では、混練材料に対する添加物の練り込みを有効に行うために、低位チップ部26のチップクリアランスを0.015D〜0.150Dに設定し、混練室の内面からの混練材料の掻き取りを有効に行うために、高位チップ部25のチップクリアランスを0.001D〜0.020Dに設定してある。また、送りセグメント22F(図4)のフライト24の捩じれ角度は軸心方向に対して約30度に設定され、かつ、戻しセグメント22Bのフライトの捩じれ角度はその逆の約−30度に設定されている。 【0027】また、図1の例では、各混練ゾーン15,16,16のセグメント群を構成する各ロータセグメント22N,22F,22Bは、隣り合うセグメントに対して不連続に接合された状態で描かれているが、実際には、これらの核ロータセグメント22F,22N,22Bは、すべて、チップ部を除いて断面形状が同一のものが採用され、しかも、軸方向で隣り合うロータセグメントに対して段差ができないように連続的に接合されている。このため、本実施形態では、噛み合い式の混練スクリュー2,2を採用した場合において、混練ゾーン15,16,17のセグメント群を構成するロータセグメント22F,22N,22Bの断面形状が大きく異なっていたり、それらが不連続に接合されていたりすることに伴う接合部の段差が生じることがなく、これにより、混練材料の流れが阻害されて滞留することに伴う材料劣化を有効に防止するようにしている。 【0028】図3及び図4に示すように、前記各ロータセグメント22(送り、中立及び戻しセグメント22F,22N,22B)は、径方向で互いに反対向きに突出する一対のフライト24を有する二条翼タイプであるとともに、そのうちの一方のフライト24が高位チップ部25である軸方向区間においては、他方のフライト24が低位チップ部26となっており、一方のフライト24が低位チップ部26である軸方向区間においては、他方のフライト24が高位チップ部25となっている。 【0029】図1に示すように、前記した三つの混練ゾーン15〜17のうち、混練材料のみの混練を行う第一混練ゾーン15については、上流側から順に、ニーディングディスクセグメント23、送りロータセグメント22F、ニーディングディスクセグメント23、戻しロータセグメント22B及びニーディングディスクセグメント23を軸心方向に並設することによって構成され、最も下流側の第三混練ゾーン17については、上流側から順に、送りロータセグメント22F、ニーディングディスクセグメント23及び戻しロータセグメント22Bを軸心方向に並設することによって構成されている。 【0030】これに対して、添加物を供給する第二供給手段8の直ぐ下流側において混練を行う第二混練ゾーン16については、合計九つの送りロータセグメント22Fを続けて軸心方向に並設し、その下流側に更に二つの中立ロータセグメント22Nを接合することによって構成されており、当該第二混練ゾーン16においては、混練材料の充満度が上がる原因となるニーディングディスクセグメント23や戻しロータセグメント22Bはまったく採用されていない。次に、上記構成に係る二軸連続混練機1の作用を説明する。 【0031】当該混練機1によってプラスチックコンパウンドやゴムコンパウンド等の複合樹脂材料を製造するには、まず、合成樹脂製のペレット等よりなる混練材料を第一供給手段7によってバレル3の上流側端部のホッパー6に供給し、その混練材料を第一フィードゾーン11で下流側にフィードして第一混練ゾーン15において一次的に混練して溶融させる。その後、一次的に混練された混練材料が第二混練ゾーン16に至る手前の第二フィードゾーン12において、同ゾーン12に対応するバレル3の中流部に設けた第二供給手段8によって強化粉末よりなる添加物を混練室4に供給する。すると、第二混練ゾーン16における混練材料の二次的な混練の際にその添加物が混練材料に練り込まれる。 【0032】そして、上記添加物が練り込まれた混練材料は、オープンベント9を通過する際に脱気されて第三混練ゾーン17に至って三次的な混練を受け、その後、第四フィードゾーン14において真空ベント10によって強制的に脱気及び脱水され、排出口18から外部の後処理装置に送られることになる。このさい、本実施形態の二軸連続混練機1によれば、添加物の練り込みを行う第二混練ゾーン16を構成するセグメント群が、前記送りセグメント22Fに中立セグメント22Nを付加した構成になっており、樹脂流れの戻り作用を有する戻しセグメント22Bやニーディングディスクセグメント23等が存在しないので、当該混練ゾーン16において局所的に材料の充満度が上がって下流側へのガス抜けが阻害されることがない。このため、第二供給手段8から添加物が供給できずに送り能力が低下することがなく安定した運転を行える。 【0033】また、当該混練機1によれば、各ロータセグメント22F,22Nのフライト24が高位チップ部25と低位チップ部26とを軸心方向に交互に並設することによって構成されているので、混練材料が低位チップ部26の比較的大きいチップクリアランスを通過する際に添加物の練り込みが促進され、その一方で、かかる低位チップ部26のチップクリアランスの通過の際に混練室4の内面に混練材料が付着しても、比較的小さいチップクリアランスの高位チップ部25によってその混練材料が混練室4の内面から掻き取られる。このため、添加物の練り込み効果を向上させつつ、混練材料が層状に付着することによる有効径の縮小が防止され、コンパウンドの生産量を大幅に向上させることができる。 【0034】更に、本実施形態の混練機1では、第二混練ゾーン16を構成する二条翼タイプのロータセグメント22が、一方のフライト24が高位チップ部25である軸方向区間では他方のフライト24が低位チップ部26となっており、一方のフライト24が低位チップ部26である軸方向区間では他方のフライト24が高位チップ部25となっているので、一対のフライト24のうちの双方がともに低位チップ部26になることがなく、低位チップ部26を形成することに伴うロータセグメント22の断面欠損を可及的に最小限に抑えることができる。このため、混練スクリュー2を高速で回転させてもロータセグメント22が機械的損傷を受け難くなり、二条翼タイプのロータセグメント22を採用しているにも拘わらず、混練スクリュー2を高速回転することでコンパウンドの生産量を向上させることができる。 【0035】図5は、本発明の第二実施形態に係る二軸連続混練機1を示している。本実施形態の混練機1が第一実施形態のものと異なる点は、添加物の第二供給手段8がバレル3の上流側端部のホッパー6に接続されたスクリューフィーダよりなり、添加物が供給当初の混練材料と一緒にバレル3の混練室4内に供給される点にある。このため、本実施形態では、最初に混練材料を溶融させる第一混練ゾーン15において添加物の練り混みが行われることになるので、当該第一混練ゾーン15を構成するセグメント群を、送りロータセグメント22Fと中立ロータセグメント22Nとで構成し、その後の第二混練ゾーン16や第三混練ゾーン17を構成するセグメント群には、戻しロータセグメント22Bやニーディングディスクセグメント23を採用している。 【0036】なお、その他の構成は第一実施形態とほぼ同様であるから、第一実施形態の場合と同じ構造ないし機能の部材については、同一の符号を図5に付することにより、冗長な説明を省略する。図6は、本発明の第三実施形態に係る二軸連続混練機1を示している。本実施形態では、混練スクリュー2に対して接近及び離反可能な上下一対のゲート板を有するゲート装置27がバレル3の中途部に設けられていて、かかるゲート装置27によって混練材料の混練溶融と同時に添加物の練り混みを行う混練ゾーン15での混練材料の充満度合いを調節するようにしている。 【0037】なお、本実施形態では、ゲート装置27の上流側に混練ゾーン15を一つだけ配置しているので、第二実施形態の場合と同様に、添加物の第二供給手段8がバレル3の上流側端部のホッパー6に接続されており、添加物を供給当初の混練材料と一緒にバレル3の混練室4内に供給するようにしている。なお、本発明は前記した各実施形態に限定されるものではない。例えば、図例では、すべて、添加物の練り混みを行う混練ゾーンに関して中立ロータセグメント22Nを採用したものを例示したが、送りロータセグメント22Fのみを軸心方向に並設して当該混練ゾーンを構成するようにしてもよい。また、本発明は三条翼タイプの混練スクリュー2を採用した混練機1にも採用することができる。 【0038】また、上記した各実施形態は、すべて、混練材料に粉体状の添加物を練り込む場合を例示しており、このため、混練機1には混練材料の供給手段とは別に添加物用の第二供給手段8を設けているが、本発明はそれ自体が嵩密度の小さい粉体状の混練材料をロータセグメントによる剪断力で溶融する場合にも採用することができ、この場合には、必ずしも添加物を供給するための当該第二供給手段8を設ける必要はない。 【0039】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、生産量の低下を招来することなく添加物を安定的に供給できるので、高品質なコンパウンドの生産量を大幅に向上することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001199 【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
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| 【出願日】 |
平成13年1月16日(2001.1.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100061745 【弁理士】 【氏名又は名称】安田 敏雄
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| 【公開番号】 |
特開2002−210731(P2002−210731A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月30日(2002.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−8302(P2001−8302) |
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