| 【発明の名称】 |
半可塑性体の切断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】八木 良樹
【氏名】中野 真輔
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| 【要約】 |
【課題】例えば未養生のALC(軽量気泡コンクリート)パネル等の半可塑性体を切断する場合などに用いる半可塑体の切断装置に係り、装置をあまり大型化することなく、半可塑性体を効率よく且つ平滑に切断できるようにする。
【解決手段】略平行に配設された直径が30mm以上、100mm以下の一対の巻取ドラム2a・2bと、その両巻取ドラムに両端部を連結固定して巻回する複数本の切断用ワイヤWと、上記両巻取ドラムを同期回転させて上記各ワイヤを一方の巻取ドラムから他方の巻取ドラムに向かって一方向に走行移動させる駆動手段と、上記各ワイヤに所定の張力を付与する緊張装置30とを備え、上記各ワイヤを一方向に走行移動させると共に、上記緊張装置により各ワイヤに所定の張力を付与した状態で、上記各ワイヤに向かって半可塑性体を所定の速度で進入させて上記半可塑性体Pを切断するように構成したことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 略平行に配設された直径が30mm以上で100mm以下の一対の巻取ドラムと、その両巻取ドラムに両端部を連結固定して巻回する複数本の切断用ワイヤと、上記両巻取ドラムを同期回転させて上記各ワイヤを一方の巻取ドラムから他方の巻取ドラムに向かって一方向に走行移動させる駆動手段と、上記各ワイヤに所定の張力を付与する緊張装置とを備え、上記各ワイヤを一方向に走行移動させると共に、上記緊張装置により各ワイヤに所定の張力を付与した状態で、上記各ワイヤに向かって半可塑性体を所定の速度で進入させて上記半可塑性体を切断するように構成したことを特徴とする半可塑性体の切断装置。 【請求項2】 上記各ワイヤの走行移動速度を、上記半可塑性体の進入速度と略同等もしくはそれ以上で4倍以下の速度となるようにした請求項1記載の半可塑性体の切断装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば未養生のALC(軽量気泡コンクリート)パネル等の半可塑性体(半硬化体)を切断する場合などに用いる半可塑体の切断装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記のようなALCパネルを製造する場合には、従来一般に原料スラリーを所定の型枠内に流し込んで所定硬さの半可塑状態に固まったところで型枠を外し、その半可塑性体をピアノ線等のワイヤにより所定の厚さに切断した後、オートクレーブ等で蒸気養生して所定の大きさ形状のALCパネルを得るものである。 【0003】この場合、上記のようなワイヤを用いた切断方法としては、一般に緊張状態に固定したワイヤを半可塑性体に対して相対移動させることによって切断するワイヤ固定切断方式が多く用いられてきた。しかし、ワイヤを単に半可塑性体に押し当てて相対移動させるだけでは、その切断面がケバ立って平滑に切断できない等の不具合があった。 【0004】そこで、切断面を平滑にする切断方法として数多くの提案がなされており、例えば、ワイヤを揺動させたり、往復運動させた状態で切断する方法(例えば特開昭60-260304号、特開昭64-82905号等参照)や、ワイヤを一方向に移動させた状態で切断する方法(例えば特開昭49-83087号、特開昭56-33295号等参照)等が提案されている。 【0005】しかしながら、上記前者のようにワイヤを揺動もしくは往復運動させる方法では、その揺動終点もしくは往復動時の移動方向が切り換わる度毎にワイヤが一時的に停止した状態となり、ワイヤが実質的に固定状態で半可塑生体を切断することとなるため、切断面に前記のようなケバが生じたり、切断面に周期的な模様が生じて外観体裁を損ねる等の不具合があった。 【0006】一方、前記後者のようにワイヤを一方向に移動させる方法では、通常巻取ドラムを用いるが、ワイヤに巻き癖が付き、その巻き癖により切断面の平面が得られにくいという欠点がある。また上記の巻き癖を少なくするには、ドラムの曲率を大きくすればよいが、ドラム径および装置全体が大型化する等の問題があった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、装置をあまり大型化することなく、前記のような半可塑性体を効率よく且つ平滑に切断することのできる半可塑性体の切断装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明による半可塑性体の切断装置は、以下の構成としたものである。 【0009】即ち、略平行に配設された直径が30mm以上で100mm以下の一対の巻取ドラムと、その両巻取ドラムに両端部を連結固定して巻回する複数本の切断用ワイヤと、上記両巻取ドラムを同期回転させて上記各ワイヤを一方の巻取ドラムから他方の巻取ドラムに向かって一方向に走行移動させる駆動手段と、上記各ワイヤに所定の張力を付与する緊張装置とを備え、上記各ワイヤを一方向に走行移動させると共に、上記緊張装置により各ワイヤに所定の張力を付与した状態で、上記各ワイヤに向かって半可塑性体を所定の速度で進入させて上記半可塑性体を切断するように構成したことを特徴とする。また上記各ワイヤの走行移動速度を、上記半可塑性体の進入速度と略同等もしくはそれ以上で4倍以下の速度となるようにしたことを特徴とする。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図に示す実施形態に基づいて本発明を具体的に説明する。図1は本発明による半可塑性体の切断装置の一実施形態を示す正面図、図2(a)はその一部の拡大正面図、同図(b)はその側面図である。 【0011】本実施形態の切断装置は、正面略長方形状の枠体1の上部と下部にワイヤ巻取ドラム2a・2bを、それぞれ軸受部材3a・3b等を介して回転自由に設け、その両ドラム2a・2bをモータ等の原動機4により減速器5・6等を介して互いに反対方向に等速度で同期回転させる構成である。 【0012】上記原動機4から減速器5の入力軸5aへはチェーン等の伝動機構7を介して伝動し、その減速器5の入力軸5aから減速器6へはドライブシャフト等の伝動機構8を介して伝動する構成である。また上記減速器6の出力軸6aには巻取ドラム2aが連結され、また減速器5から下側の巻取ドラム2bには、チェーン等の伝動機構9を介して伝動する構成である。 【0013】上記各巻取ドラム2a・2bの外周面には、それぞれリング状の突条21が軸線方向に等間隔に多数設けられ、その隣り合う突条21・21間にワイヤ巻取部20が設けられている。そのワイヤ巻取部20は上記両ドラム2a・2bの軸線方向ほぼ同位置に同数それぞれ対向して設けられ、その各対向する巻取部20にそれぞれワイヤWの両端部を連結固定すると共に、いずれか一方の巻取部、図の場合は上側の巻取部20に所定長さのワイヤが巻き取られている。 【0014】上記ワイヤWの連結固定方法としては、例えばワイヤ端部をかしめ冶具等で処理する方法や、ドラムにスリットを設け、ワイヤ端部を締め込んで固定する方法等その他適宜であり、適時使用しやすい方法を用いればよい。またワイヤの本数や長さ及び隣り合うワイヤの間隔等は、パネルの長さや厚さ等に応じて適宜設定すればよい。 【0015】ワイヤWの径(太さ)は適宜であるが、上記のような未養生のALCパネル等の半可塑性体Pを切断する場合には、断面の直径が0.6mm以上で1.2mm以下のピアノ線等の鋼線を用いるのが望ましい。直径が0.6mmに満たない鋼線では、切断中に往々にして切れるおそれがあり、1.2mmを超える太さのものでは、切断時の抵抗が大きく、しかも切断面がケバ立つおそれがあるからである。 【0016】また前記ワイヤ巻取部20の外径寸法等は適宜であるが、好ましくは直径30mm以上で100mm以下とするのが望ましい。上記巻取部20の直径が30mm未満であると、半可塑性体の切断中にワイヤWに掛かる荷重を、上記巻取部20における曲率半径の小さな曲面で受けることとなるため荷重が局部的に集中してワイヤWの破断強度が不足するおそれがあり、一方、ドラム外周面20の直径を100mmを越える大きさにすると、荷重の集中は少なくなるが、装置が大型化するためである。 【0017】上記両巻取ドラム2a・2bの巻取部20に巻回した各ワイヤWは、上記各巻取ドラム2a・2bの近傍に設けた上下一対の櫛歯状の位置決め板11・12によって所定の位置に位置決め保持されると共に、緊張装置30によって常時所定の張力が付与されるように構成されている。その緊張装置30は本実施形態においては上記各ワイヤWに対応させて設けたテンションプーリ31と、そのテンションプーリ31を上記各ワイヤWに圧接させるエアシリンダ32等によって構成されている。 【0018】上記の構成において、未養生のALCパネル等の半可塑性体Pを切断するに当たっては、上記各ワイヤWの一端側をいずれか一方の巻取ドラム、例えば、上側の巻取ドラム2aの巻取部20に巻き取った状態で、その巻取ドラム2aと他方の巻取ドラム2bとの間の各ワイヤWを伸長状態に張設すると共に、前記緊張装置30のテンションプーリ11をエアシリンダ12等により圧接させて各ワイヤWに所定の張力を付与する。 【0019】そして前記モータ等の原動機4により巻取ドラム2a・2bを、それぞれ図中矢印方向に同期回転させることによって、各ワイヤWを巻取ドラム2a側から巻取ドラム2b側に向かって順次所定の速度で走行移動させると共に、順次巻取ドラム2bに巻き取っていく。 【0020】その状態で、前記枠体1を半可塑性体Pに向かって移動させ、もしくは半可塑性体Pを枠体1内に向かって移動させることによって上記半可塑性体Pをその移動方向全長にわたって前記各ワイヤWで切断するものである。その際、上記各ワイヤWは一方向にのみ一定速度で走行移動するので、前記のようなワイヤWが固定状態で切断した場合のようなケバ立ちが生じることなく、切断面を平滑に仕上げることができる。 【0021】また緊張装置30を設けたことにより、上記切断部における各ワイヤWには常時所定の張力が付与された緊張状態にあるので、巻取ドラムに巻回したワイヤの巻き癖も矯正され、従来の装置に見られたワイヤの巻き癖により切断面の平面が得られにくいといった問題は発生しない。しかも、ドラム径を必ずしも大きくしなくても前記従来の巻き癖による不具合を解消できるので、装置の小型化が可能となり、さらに、使用するワイヤの本数分の緊張装置を個別に設けることで、複数本のワイヤの同時使用が可能となるものである。 【0022】さらに上記各ワイヤWの走行速度(移動速度)は、半可塑性体Pのワイヤに対する進入速度とほぼ同等もしくはそれ以上で4倍以下の速度とするのが望ましい。例えば、枠体1に対する半可塑性体Pの進入速度を2m/secとする場合には、ワイヤWの走行速度は2m/sec以上、8m/sec以下とするのが望ましい。ワイヤWの走行速度が半可塑性体の進入速度より遅いと、切断面を平滑化する効果が少なく、またワイヤWの走行速度は速いほど平滑化の効果は大きいが、あまり速くすると、必要とされるワイヤが長くなりすぎ、実用的ではない。 【0023】すなわち本発明においては各ワイヤWを一方の巻取ドラムから他方の巻取ドラムに走行移動させまでに少なくとも1つの半可塑性体Pの全長を切断する必要があり、走行速度を速くすると、それに応じた長さのワイヤが必要となり、4倍を超える速さにしても平滑化の効果はさほど向上しない割にワイヤの重量やコストが増大するからである。 【0024】なお、上記のようにしてワイヤWを一方の巻取ドラム2aから他方の巻取ドラム2bに走行移動させながら半可塑性体Pを切断した後は、上記他方の巻取ドラム2bから元の巻取ドラム2aにワイヤWを巻き戻すもので、その巻き戻す際にも半可塑性体Pの切断作業を行ってもよいが、図示例のように巻取ドラム2a・2bを上下に配置したものにあっては、上側の巻取ドラム2aから下側の巻取ドラム2bにワイヤを移動させる場合にのみ切断するのが望ましい。 【0025】即ち、上側の巻取ドラム2aから下側の巻取ドラム2bにワイヤを移動させる際に切断して、上側の巻取ドラム2aに巻き戻し、再び上側の巻取ドラム2aから下側の巻取ドラム2bにワイヤを移動させる際に切断して上側の巻取ドラム2aに巻き戻す。これを繰り返すようにすればよい。このようにワイヤが上から下に移動する際に切断すると、通常下面側が支えられている半可塑性体を良好に切断できると共に、ケバ立ちを少なくすることができる。また切断方向を一定とすることでバラツキの少ない安定性のよい切断が可能となる等の利点がある。 【0026】またワイヤに張力を付与する緊張装置として、上記実施形態においてはテンションプーリ31とエアシリンダ32等を用いたが、上記テンションプーリ31の代わりにワイヤWとの接触抵抗や摺動抵抗の少ない材料による押圧部材等を用いてもよく、また上記エアシリンダの代わりにばね等を用いることもできる。 【0027】 【発明の効果】以上のように本発明による切断装置によって切断されたALCパネル等の半可塑性体は、表面が非常に平滑であり、高品位感があるものとなる。また表面が平滑であるので、塗装仕上げに用いる塗料も少なくて済み、非常に経済的である。また、従来のワイヤを固定した切断により製造されたものと比較すると、切断後に半可塑性体表面に生じる細かい凹凸のはがれによる粉の発生も非常に少ないものとなり、施工現場への搬入時などに辺りを汚すことが無く、環境に配慮した製品となる。さらに、従来のワイヤ自身を一方向に移動又は揺動、往復運動させて切断する方法により切断されたものと比較しても、表面の平滑さに違いは無く、逆にワイヤ跡が無いため、高品位感が得られた。特に、従来のワイヤを一方向に移動させて切断する方法と比較すると、本発明による切断装置は、一度に複数枚の半可塑性体の切断が可能となるため、生産効率が非常によいものとなった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】399117730 【氏名又は名称】住友金属鉱山シポレックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月8日(2001.3.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094536 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 隆二 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−264124(P2002−264124A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月18日(2002.9.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−65039(P2001−65039) |
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