| 【発明の名称】 |
ダイヤモンドのカット方法とプロポーション及び集合体 |
| 【発明者】 |
【氏名】首藤 尚丈
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| 【要約】 |
【課題】従来の58面体のラウンドブリリアンカットのダイヤモンドにおいては、カット面が多くてカットの作業性が悪いこと、複数個を集合体として特定の形状に形成できないこと。
【解決手段】本発明に係るダイヤモンドのカット方法及びそのプロポーションは、テーブルの下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドであって、テーブルを矩形状に形成し、パビリオンは、テーブルの各辺から垂直にカットしてロウワー・ガードル・ファセットを形成すると共に、テーブルの各コーナー部から中心方向に向けて斜めにカットしてロウワー・メイン・ファセットを形成するものであって、カット面が少なくて作業性が良く、しかも、原石を真ん中から二つに切って同じ大きさのものを二個形成できるので、経済的に著しく優れると共に、そのプロポーションは全体としてシンプルでありながら、反射光は独特な形状模様を表出させるばかりでなく、複数個を用いて独特な形状の集合体に形成できるのである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テーブルの下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドであって、テーブルを矩形状に形成し、パビリオンは、テーブルの各辺から垂直にカットしてロウワー・ガードル・ファセットを形成すると共に、テーブルの各コーナー部から中心方向に向けて斜めにカットしてロウワー・メイン・ファセットを形成することを特徴とするダイヤモンドのカット方法。 【請求項2】 ロウワー・ガードル・ファセットは二等辺三角形に形成され、ロウワー・メイン・ファセットは菱形に形成されることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドのカット方法。 【請求項3】 矩形状に形成したテーブルと、該テーブルの下部に形成したパビリオンとからなり、該パビリオンは、前記テーブルの各辺から垂直にカットして形成したロウワー・ガードル・ファセットと、前記テーブルの各コーナー部から中心方向に向けて斜めにカットして形成したロウワー・メイン・ファセットとからなることを特徴とするダイヤモンドのプロポーション。 【請求項4】 テーブルの大きさと、パビリオンの高さの比は、テーブルの一辺の長さを2とすると、パビリオンの高さを1.8にしたことを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンドのプロポーション。 【請求項5】 テーブルの面と、パビリオンに形成されたロウワー・ガードル・ファセットとロウワー・メイン・ファセットとで、全体として9面カットとなることを特徴とする請求項3または4に記載のダイヤモンドのプロポーション。 【請求項6】 ダイヤモンドのプロポーションを複数個用い、テーブルの面を内側または外側にして放射状に隣接状態で集合させることを特徴とするダイヤモンドのプロポーションの集合体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、テーブルの下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドカットにおいて、そのカット方法と該カット方法によって得られたダイヤモンドのプロポーション、およびダイヤモンドの集合体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般的に、この種のダイヤモンドのカット方法及びダイヤモンドのプロポーションとしては、いわゆる58面体のラウンドブリリアンカットによるダイヤモンドが著名であり公知になっている。 【0003】この従来例における58面体のラウンドブリリアンカットのダイヤモンドとしては、特開平9−1105号公報に開示された構成を有している。なお、この従来例においては、58面体のラウンドブリリアンカットそのものを発明の対象とはしていないで、ガードルのカット形状が発明の対象になっている。 【0004】ところで、一般的に58面体のラウンドブリリアンカットのダイヤモンドは、クラウンの頂部に形成されるテーブルが平面から見て八角形に形成されることが絶対要件であり、その八角形の角度割は、円の中心を通る基準線を引いて円の角度360°を二分割して180°とし、その基準線に対して直角に交わる第2の基準線を引いて全体を四分割して90°にし、更に、その90°の角を夫々二分割するように45°の線を引き、更にテーブルの広さを決定する円を描き、その円と各分割線との交点を隣接同士間において直線で結ぶことによりテーブルの正八角形が形成される。 【0005】そして、その正八角形のテーブルからガードルに至る部分にスター・ファセット、アッパー・メイン・ファセット(ベゼル・ファセット)及びアッパー・ガードル・ファセットのカットが施されて33面カットのクラウンの部分が形成されている。 【0006】また、ガードルの下部に形成されたパビリオンは、前記テーブルの八角形の分割線に沿うキール・ラインで分割された各エリアに、ロウワー・ガードル・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセットとが形成され、底部中心部にキューレットのカットが施され、25面カットのパビリオンの部分が形成されている。 【0007】このような58面体のラウンドブリリアンカットのダイヤモンドにおいて、ガードルの直径を100%としたときに、全高を60.4%とし、テーブルの径を55%、クラウンの厚さを15.4%、パビリオンの深さを43%としている。この比率はA.G.S.のプロポーションの基準となっているものであり、この時のクラウンの傾斜角度が34°で、パビリオンの傾斜角度が41°になっている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来例における58面体のラウンドブリリアンカットのダイヤモンドにおいては、テーブルが正八角形に形成され、クラウン部分が33面にカットされ、パビリオン部分が25面にカットされていることから、乱反射的に光輝するものであって、一つの確立された視認し易い反射光が得られないばかりでなく、各面のカットが非常に複雑で時間の掛かる加工であるため、それがダイヤモンドの価格に跳ね返って高価なものにしているという問題点を有している。 【0009】また、この種の58面体のダイヤモンドは、独立して個別に使用されるものであって、複数個をちりばめて使用することはあっても、複数個を隣接状態に集合させて独特な模様を形成することはできない構成である。 【0010】従って、従来例におけるカットの仕方を採用しないで、独特な形状の反射光が得られる簡単なカットの仕方、および複数個を集合させて一つの模様が形成できるようにすることに解決しなければならない課題を有している。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、第1に、テーブルの下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドであって、テーブルを矩形状に形成し、パビリオンは、テーブルの各辺から垂直にカットしてロウワー・ガードル・ファセットを形成すると共に、テーブルの各コーナー部から中心方向に向けて斜めにカットしてロウワー・メイン・ファセットを形成することを特徴とするダイヤモンドのカット方法を提供するものである。 【0012】そして、前記ダイヤモンドのカット方法においては、ロウワー・ガードル・ファセットは二等辺三角形に形成され、ロウワー・メイン・ファセットは菱形に形成されることを付加的な要件として含むものである。 【0013】第2に、矩形状に形成したテーブルと、該テーブルの下部に形成したパビリオンとからなり、該パビリオンは、前記テーブルの各辺から垂直にカットして形成したロウワー・ガードル・ファセットと、前記テーブルの各コーナー部から中心方向に向けて斜めにカットして形成したロウワー・メイン・ファセットとからなることを特徴とするダイヤモンドのプロポーションを提供するものである。 【0014】このダイヤモンドのプロポーションにおいても、テーブルの大きさと、パビリオンの高さの比は、テーブルの一辺の長さを2とすると、パビリオンの高さを1.8にしたこと;およびテーブルの面と、パビリオンに形成されたロウワー・ガードル・ファセットとロウワー・メイン・ファセットとで、全体として9面カットとなることを付加的な要件として含むものである。 【0015】更に第3として、ダイヤモンドのプロポーションを複数個用い、テーブルの面を内側または外側にして放射状に隣接状態で集合させることを特徴とするダイヤモンドのプロポーションの集合体を提供するものである。 【0016】本発明に係るダイヤモンドのカット方法及びそれによって得られるプロポーションにおいては、9面のカットであってカット面が極めて少なくカット作業が容易であり、また、独特なパビリオンが形成されていることで、テーブル面に現れる反射光が従来全く見られなかったスッキリとした独特な模様になるのである。 【0017】 【発明の実施の形態】次に本発明を図示の実施の形態により更に詳しく説明する。図1〜7に示したダイヤモンドのプロポーション1は、矩形状のテーブル2と該テーブル2の下部に形成されたパビリオン3とから構成されるものであり、従来例のようなクラウン部分が形成されない点にプロポーションとしての特徴がある。 【0018】矩形状を呈するテーブル2は、好ましくは正方形に形成されるものであるが長方形に形成しても良いのである。 【0019】パビリオン3は、前記テーブル2の各辺からそれぞれ垂直にカットされたロウワー・ガードル・ファセット4と、前記テーブル2の各コーナー部分から中心線に向かってそれぞれ斜め下方にカットしたロウワー・メイン・ファセット(パビリオン・ファセット)5とから構成されている。このことからして、パビリオン3は、実質的に8面カットで形成される。 【0020】従って、本発明におけるダイヤモンドのプロポーション1は、テーブル2とパビリオン3の8面カットによって全体が矩形で、シンプルな9面カットとなるのであり、しかも、一つの原石(正八面体)を真ん中から二つに切って形成できるので、同じ大きさのダイヤモンドプロポーションが二個採れるのであり、カット作業も容易であることから、経済的に安価に製造できるのである。 【0021】例えば、ダイヤモンドのプロポーション1における一例の寸法および角度等について説明すると、図3に示したように、テーブル2の一辺の寸法を例えば20mmに設定すると、全体の高さは、図4に示したように、18mmに設計し、ロウワー・ガードル・ファセット4を垂直にカットし、ロウワー・メイン・ファセット5をテーブル2の各コーナー部分から中心線に向かってそれぞれ斜め下方にカットすると、ロウワー・ガードル・ファセット4の高さはその中間位置までの9mmになって、そのロウワー・ガードル・ファセット4は二等辺三角形状に形成される。 【0022】また、ダイヤモンドのプロポーション1を底面から垂直に見ると、図5に示したように、パビリオン3を構成する4個のロウワー・メイン・ファセット5のみが全体として田の字状に見える構成になっている。 【0023】そして、ロウワー・メイン・ファセット5は、全体として菱形に形成されるものであり、図6に示したように、その菱形の頂部と底部の角度θ1 がそれぞれ60°で両側の対向する角度θ2 が120°に形成される。 【0024】更に、図7に示した断面図について見ると、テーブル2とロウワー・メイン・ファセット5とのなす角度θ3 は51.84°で、底部で交わる角度θ4 は76.32°になっている。 【0025】このような具体的構成を有する本発明のダイヤモンドのプロポーション1においては、上面から見たときに、図3に示すように、十字状の特徴的な反射光10が明確に視認できるものである。 【0026】また、ダイヤモンドのプロポーション1を複数個用いて集合体とすることにより、趣の異なるダイヤモンド集合体が形成できるのである。即ち、図8に示したように、例えば、3個のプロポーション1を用いテーブル2を内側にして、各2辺が相互に接触するように集合体を形成することができる。 【0027】このように集合体を形成すると、内側に向いているテーブル2の面にそれぞれ菱状反射光11が視認でき、全体として三菱マーク形状の独特な反射光となるのである。 【0028】更に、5個のダイヤモンドのプロポーション1を用い、図9に示したように、テーブル2の面を内側にし、且つテーブル2の面の対向する各コーナー部が隣接同士で接触するようにして集合体を形成すると、その集合体は全体として五芒星を構成するものとなるのである。 【0029】また、6個のダイヤモンドのプロポーション1を用いて、図10に示したように、テーブル2の面を外側にし、且つパビリオン3の対向する各ロウワー・メイン・ファセット5が隣接同士で接触するようにして集合体を形成すると、その集合体は全体として六芒星を構成するものとなるのである。 【0030】そして、これらいずれの集合体においても、プロポーション1が放射状に隣接状態で集合するものであり、また、プロポーション1の裏面側に位置する各ロウワー・メイン・ファセット5の面が同一平面上に位置して無理なく安定した状態の集合体を形成できるのである。 【0031】いづれにしても、本発明に係るカット方法は、従来思いつかなかった程に著しくシンプルなものであって、しかも、複数個が種々の形状の集合体に形成できるというダイヤモンドとしての全体のプロポーションが特徴的なものとなっているのである。なお、以上はダイヤモンドについての説明であるが、ダイヤモンドに限らず、水晶または半貴石についても適用できることは当然のことである。 【0032】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るダイヤモンドのカット方法は、テーブルの下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドであって、テーブルを矩形状に形成し、パビリオンは、テーブルの各辺から垂直にカットしてロウワー・ガードル・ファセットを形成すると共に、テーブルの各コーナー部から中心方向に向けて斜めにカットしてロウワー・メイン・ファセットを形成するものであって、カット面が少なくて作業性が良く、しかも、原石を真ん中から二つに切って同じ大きさのものを二個形成できるので、経済的に著しく優れるという効果を奏する。 【0033】また、本発明に係るダイヤモンドのプロポーションは、矩形状に形成したテーブルと、該テーブルの下部に形成したパビリオンとからなり、該パビリオンは、前記テーブルの各辺から垂直にカットして形成したロウワー・ガードル・ファセットと、前記テーブルの各コーナー部から中心方向に向けて斜めにカットして形成したロウワー・メイン・ファセットとからなるものであって、全体としてシンプルでありながら、反射光は独特な形状模様を表出させるばかりでなく、複数個を用いて独特な形状の集合体に形成できるという優れた効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398041122 【氏名又は名称】首藤 尚丈
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| 【出願日】 |
平成13年1月22日(2001.1.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100063174 【弁理士】 【氏名又は名称】佐々木 功 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−210728(P2002−210728A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月30日(2002.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−13140(P2001−13140) |
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