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【発明の名称】 コンクリートミキサー
【発明者】 【氏名】荒木 巖

【氏名】田中 和重

【要約】 【課題】コンクリートの混練度が高く、取り出しが容易なコンクリートミキサーの提供。

【解決手段】本発明は、台車に不動に設置された混練容器を備えたコンクリートミキサーにおいて、前記混練容器の底面を、混練されたコンクリートが吐出口に向けて自重で滑り降る下り傾斜としたことを特徴とする。又、混練容器の内部に設置される回転羽根の回転軸は筒形容器の内周面と平行とならない角度としたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 台車に不動に設置された混練容器を備えたコンクリートミキサーにおいて、前記混練容器の底面を、混練されたコンクリートが吐出口に向けて自重で滑り降る下り傾斜としたことを特徴とするコンクリートミキサー。
【請求項2】 混練容器は筒形容器であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートミキサー。
【請求項3】 筒形容器は鉛直方向に設置されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のコンクリートミキサー。
【請求項4】 混練容器の内部に設置される回転羽根の回転軸は筒形容器の内周面と平行とならない角度としたことを特徴とする請求項2に記載のコンクリートミキサー。
【請求項5】 混練容器外に配設され混練羽根を回転駆動させる駆動手段は、その出力軸が回転羽根の回転軸と平行に設置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のコンクリートミキサー。
【請求項6】 混練羽根を回転駆動させる駆動手段が設置される設置面は、混練容器の底面と上下方向に重ならない位置において平行であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のコンクリートミキサー。
【請求項7】 混練容器の底面の傾斜方向と直交する方向に車軸が設けられた車輪を有し、混練容器及び当該混練容器内の混練羽根を回転駆動させる駆動手段が搭載された台車を、前記車輪を停止させた状態において、前記車軸を傾動中心として混練容器の吐出口が下がるように傾動可能な構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のコンクリートミキサー。
【請求項8】 混練容器は、その内周面に、当該内周面に沿って流動するコンクリートを混練羽根方向に導く固定翼を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のコンクリートミキサー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、台車に不動に設置された混練容器を備えたコンクリートミキサーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンクリートミキサーは、例えば、自走能力をもたず、手押し車のように、主として人手によって移動可能な台車に混練容器が不動に設置された構成のもので、長距離移動の際にはトラックに載せて運搬され、現場において使用される所謂簡易型ミキサーである。この不動に台車に設置された混練容器から、混練されたコンクリートを取り出す際には、混練容器を台車毎傾けて、コンクリートを滑り出させていた。混練容器内には、投入されたセメント、水、混和材等を混練する混練羽根を有し、混練容器外には、混練羽根を回転駆動させる駆動手段が配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のコンクリートミキサーでは、コンクリートの混練度が十分でなく、十分な混練度を得るには混練時間が長くかかるという問題があった。又、混練されたコンクリートの取り出し作業に過大な労力を必要とする点に大きな問題があった。これを解決するには、動力手段を用いて自動傾動構造とすればよいが、かかる構造とすると、この種の簡易型ミキサーとしては、余りに高価になり過ぎてしまうという新たな問題が生じていた。
【0004】本発明は、コンクリートの混練度が高く、取り出しが容易なコンクリートミキサーの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、台車に不動に設置された混練容器を備えたコンクリートミキサーにおいて、前記混練容器の底面を、混練されたコンクリートが吐出口に向けて自重で滑り降る下り傾斜としたことを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載のコンクリートミキサーにおいて、混練容器は筒形容器であることを特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、請求項2又は請求項3に記載のコンクリートミキサーにおいて、筒形容器は鉛直方向に設置されたことを特徴とする。
【0008】請求項4の発明は、請求項2に記載のコンクリートミキサーにおいて、混練容器の内部に設置される回転羽根の回転軸は筒形容器の内周面と平行とならない角度としたことを特徴とする。
【0009】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のコンクリートミキサーにおいて、混練容器外に配設され混練羽根を回転駆動させる駆動手段は、その出力軸が回転羽根の回転軸と平行に設置されたことを特徴とする。
【0010】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載のコンクリートミキサーにおいて、混練羽根を回転駆動させる駆動手段が設置される設置面は、混練容器の底面と上下方向に重ならない位置において平行であることを特徴とする。
【0011】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載のコンクリートミキサーにおいて、混練容器の底面の傾斜方向と直交する方向に車軸が設けられた車輪を有し、混練容器及び当該混練容器内の混練羽根を回転駆動させる駆動手段が搭載された台車を、前記車輪を停止させた状態において、前記車軸を傾動中心として混練容器の吐出口が下がるように傾動可能な構成としたことを特徴とする。
【0012】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載のコンクリートミキサーにおいて、混練容器は、その内周面に、当該内周面に沿って流動するコンクリートを混練羽根方向に導く固定翼を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.実施の形態1のコンクリートミキサーを図1乃至図4に基づいて説明する。図1は正面、図2は平面図、図3は図2のA−A線部断面図、図4は右側面図である。
【0014】図1乃至図4において、符号1は混練容器であり、上部の蓋11を開けて、セメント、水及び適当な混和材が投入される。図示の混練容器1は筒形の容器であり、水平な台車3に対して鉛直に設置されているが、混練容器1の形態はこれに限らず、適宜の形態に形成してもよいし、台車3に対して混練度を高めるように適度の傾きを持たせて設置してもよい。この混練容器1の側面の台車3の前進方向側(図1の右方向)には、混練されたコンクリートを取り出す吐出口12が設けられている。13はこの吐出口12を塞ぐ吐出口蓋である。
【0015】混練容器1の底面14は、上記の吐出口12へ向けて、降り傾斜となるよう形成されており、回転羽根20を停止して吐出口12をあけると、混練されたコンクリート(非図示)が自重で吐出口12に向って流動可能となって、滑り出る傾斜とする。回転羽根20は、この形態では、上記の底面13に対して、回転軸21が垂直となるように、即ち、回転軸21が筒形容器である混練容器1の内周面と平行とならない角度としている。これにより、混練羽根20の回転軸21と混練容器の内周面とに傾きのずれが生じるため、コンクリートの単位時間当りの混練度を高めることができる。
【0016】混練羽根20の回転軸21を回転駆動させる駆動手段4は、その出力軸41が回転羽根20の回転軸21と平行となるように、混練容器1の外の台車3上に設置されている。この場合、当該駆動手段4が設置される台車3の設置面31を、上記の混練容器1の底面14と上下方向に重ならない位置において、平行に形成しておくと、当該設置面31に駆動手段4を単純に設置するだけで出力軸41と回転軸21との軸を容易に平行とすることができる。このように、出力軸41と回転軸21とを平行に配設することで、例えば、ベルト等を介しての動力伝達における損失を小さくすることができ、駆動力を有効に用いることができる。
【0017】上記の台車3には、混練容器1の底面14の傾斜方向と直交する方向に車軸32が設けられた一対の車輪33(以下、前方車輪ともいう)が設けられている。台車3には、前方方向即ち図1乃至図3において右側から、左側即ち後方に向けて、混練容器1及びこの混練容器1内の混練羽根20を回転駆動させる駆動手段4が搭載されている。
【0018】図示の台車3は、後方車輪(非図示)に代えて一対の脚部34が設けられており、図示の停止状態においては、脚部34が接地して前方車輪33と共に台車3を支えている。作業現場における短距離の移動に際しては、脚部34が浮くように台車3の後方を持上げ、手押し車のように押して、前方車輪33を転がして移動させる。脚部34の上部後方側には、作業員が持上げる際の取っ手35が設けられており、この取っ手35は、不使用時には邪魔にならないよう図示のように折り下げられている。尚、このミキサーを長距離移動させる場合には、トラックなどに載せて運搬する。
【0019】さて、混練されたコンクリートを混練容器1から取り出す際には、従来では、例えば、前方車輪33を停止させた状態において、当該車輪33の車軸32を傾動中心として、混練容器1の吐出口12が更に下がるように、台車3の後方を持上げていたが、この形態1では、予め混練容器の底面にコンクリートが自重で滑り降るに十分な傾斜を吐出口12に向けて形成しているので、台車3の後方を持上げる必要が無く、混練羽根20の回転を止めて、吐出口12を開口させるだけで、混練されたコンクリートを滑り出させることができる。万一、コンクリートの滑り出しが十分でない場合には、上記の取っ手35を水平に引き起こして、人力により台車3の後方を少し持上げるだけで、滑り出しを円滑にさせることができる。
【0020】この実施の形態によれば、何れにしても、従来に比べて、極めて容易且つ迅速にコンクリートを取り出すことができる。又、仮に台車3の後方を持上げる必要が生じても、従来に比べて極めて小さな労力で行うことができる。又、傾斜した底面13に対して混練羽根20の回転軸21が傾きをもって設定されているので、混練容器1内のコンクリートの流動がより一層複雑化して、単位時間当りの混練度を高めることができるから、混練作業が短縮化され、作業効率を向上させることができる。
【0021】又、混練容器1の内周面に、当該周面に沿って流動するコンクリートを混練羽根20の方向に導くよう固定翼15を適宜配設することによって、更に、混練効率を向上させることができる。
【0022】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、比較的簡単な構造で、コンクリートの取り出しが容易なコンクリートミキサーを提供することができる。
【0023】請求項1乃至請求項7の各発明によれば、何れも、比較的簡単な構造で、コンクリートの混練度が高く、取り出しが容易なコンクリートミキサーを提供することができる。
【0024】請求項4の発明によれば、混練羽根の回転軸と混練容器の内周面とに角度が生ずるため、混練容器内でのコンクリートの流動を複雑化することができるので、混練度の高いコンクリートを生成させることができる。請求項5の発明によれば、何れも、比較的簡単な構造で、駆動手段の出力軸と回転羽根の回動軸とを平行に設置することができ、駆動手段からの駆動力を少ない損失で効率よく混練羽根の回転軸に伝えることができる。
【0025】請求項7の発明によれば、更に混練度の高いコンクリートを生成させることができる。
【出願人】 【識別番号】593129180
【氏名又は名称】日産機株式会社
【出願日】 平成13年4月12日(2001.4.12)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外8名)
【公開番号】 特開2002−307424(P2002−307424A)
【公開日】 平成14年10月23日(2002.10.23)
【出願番号】 特願2001−113766(P2001−113766)