| 【発明の名称】 |
分割溝を有するセラミック基板 |
| 【発明者】 |
【氏名】平野 央介
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| 【要約】 |
【課題】分割溝部にクラックの発生が見られず、かつセラミック基板に荷重が加わったとしても割れることがなく、しかも1.0mm×0.5mm以下の寸法を有する多数の製品を安定して切り出すことが可能な分割溝を有するセラミック基板を提供する。
【解決手段】製品領域Sとその周辺部にダミー領域Rを有するセラミック基板1において、上記ダミー領域Rを、上記製品領域側の第1ダミー領域Tと、この第1ダミー領域Tの外側にある第2ダミー領域Uとから構成し、上記第1ダミー領域Tの表面には縦横の分割溝7,8を形成するとともに、上記第2ダミー領域Uの表面には、前記第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uとを区画する境界の延長線上で外辺に達する縦及び/又は横の切断溝9,10を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】内側に製品領域を、周辺部にダミー領域を有するとともに、製品領域の表面に形成された複数の縦横の分割溝によって複数の製品部が区画されている分割溝を有するセラミック基板であって、前記ダミー領域は、上記製品領域側の第1ダミー領域と、該第1ダミー領域の外側にある第2ダミー領域とからなり、前記第1ダミー領域の表面には縦横の分割溝が形成されており、かつ前記第2ダミー領域の表面には、前記第1ダミー領域と第2ダミー領域とを区画する境界の延長線上で外辺に達する縦及び/又は横の切断溝が形成されていることを特徴とする分割溝を有するセラミック基板。 【請求項2】前記第2ダミー領域の表面に、外辺に未達の縦横の分割溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の分割溝を有するセラミック基板。 【請求項3】前記製品領域における縦横の分割溝間のピッチ(P)が、前記第1ダミー領域における縦横の分割溝間のピッチ(Q)に対し、1<Q/P<4であり、且つ第1ダミー領域の表面に形成した縦横の分割溝間のピッチ(Q)が、製品領域から第2ダミー領域に向かって順次広くなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の分割溝を有するセラミック基板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、チップ抵抗器等のチップ状電子部品を多数個取りにより製造する際に用いる分割溝を有するセラミック基板に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、セラミックスからなる小基板に電極と抵抗体を備えたチップ状の抵抗器が広く使用されており、例えば、ハイブリッドIC基板(HIC基板)等に搭載される抵抗器にあっては、HIC基板の配線の微細化やHIC基板の小型化に伴い、その寸法が、3.2mm×1.6mmから2.0mm×1.25mm、1.6mm×0.8mm、1.0mm×0.5mmと小型化されている。 【0003】そして、このような抵抗器等のチップ状電子部品を製造する際には、図7に示すように、複数の縦横の分割溝21,22を片面又は両面に有し、隣り合う分割溝21,22によって区画される部位を製品部23とした分割溝を有するセラミック基板20が用いられている。 【0004】このような分割溝を有するセラミック基板20は、ドクターブレード法等を用いてセラミック原料を含んだスラリーをグリーンシートに成形した後、このグリーンシートの片面又は両面に、複数のスリット刃を備えた金型を押し付けて縦横の分割溝を形成するとともに、ダイスによってセラミック基板20の大きさに打ち抜いた後、焼成することによって製造されており、このセラミック基板20よりチップ抵抗器を製作する場合、隣り合う分割溝21,22によって区画された部位に電極や抵抗体を印刷焼き付けした後、一次側の分割溝21に沿って分割することにより短冊状基板を取り出した後、分割した端面に電極を印刷焼き付けし、その後、二次側の分割溝22に沿って分割することにより製品としてのチップ抵抗器を得るようになっていた。なお、チップコンデンサーやチップインダクターなどの他のチップ状電子部品も図7に示すような分割溝を有するセラミック基板20を用いて製造されていた。 【0005】しかしながら、図7に示すセラミック基板20のように、分割溝21,22の端部がセラミック基板20の最外辺にまで達していると、電極や抵抗体の実装時や印刷時に加えられる荷重によって分割溝21,22にクラックが発生し、分割する前に割れてしまったり、あるいはセラミック基板20の取り扱い時にぶつけたり、撓ませたりしても分割溝21,22にクラックが発生し、分割する前に割れてしまうといった課題があった。 【0006】その為、このような問題を解決するものとして、特開平10−264130号公報には、製品領域の外側に、製品領域に形成されている縦横の分割溝が延設されたダミー領域を設け、このダミー領域の分割溝の深さを製品領域の分割溝より浅くしたセラミック基板が開示されており、また、特開平9−11221号公報には、製品領域の外側に、製品領域に形成されている縦横の分割溝が延設されたダミー領域を設け、このダミー領域の分割溝の端部がセラミック基板の最外辺にまで達しないようにしたセラミック基板が開示されている。 【0007】これらのセラミック基板はいずれもダミー領域を有し、このダミー領域の強度が大きいため、電極や抵抗体の実装時や印刷時あるいはセラミック基板の取り扱い時に荷重が加わったとしてもセラミック基板の割れを防止できるといった利点があった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところが、昨今チップ状電子部品の小型化が進み、1.0mm×0.5mm以下の寸法を有するものが求められており、例えば0.6mm×0.3mmといった極めて小さな寸法を有するものが要求されているのであるが、1.0mm×0.5mm以下の寸法を有する製品を製作する場合、特開平10−264130号公報に開示されたセラミック基板や、特開平9−11221号公報に開示されたセラミック基板を用いることができなかった。 【0009】即ち、製品寸法が1.0mm×0.5mm以下と、分割溝間のピッチPが狭くなると、図8に示すように、スリット刃により分割溝を形成する際、製品領域にかかる圧縮応力がダミー領域より強く、製品領域とダミー領域でのグリーンシートの密度差が大きくなるため、製品領域とダミー領域を区画する分割溝にクラックが発生するといった課題があった。 【0010】また、特開平9−11221号公報に開示されたセラミック基板のように、ダミー領域が、製品領域における縦横の分割溝によって区画される製品の面積に対して広すぎると、グリーンシートを焼成する際に製品領域とダミー領域とで収縮差が発生し、セラミック基板が変形するといった課題もあった。 【0011】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課題に鑑み、内側に製品領域を、周辺部にダミー領域を有するとともに、製品領域の表面に形成された複数の縦横の分割溝によって複数の製品部が区画されている分割溝を有するセラミック基板において、上記ダミー領域を、上記製品領域側の第1ダミー領域と、該第1ダミー領域の外側にある第2ダミー領域とから構成し、上記第1ダミー領域の表面には縦横の分割溝を形成するとともに、上記第2ダミー領域の表面には、前記第1ダミー領域と第2ダミー領域とを区画する境界の延長線上で外辺に達する縦及び/又は横の切断溝を形成したことを特徴とする。 【0012】また、本発明は、上記第2ダミー領域の表面に、外辺に未達の縦横の分割溝を形成したことを特徴とする。 【0013】さらに、本発明は、上記製品領域における縦横の分割溝間のピッチ(P)が、上記第1ダミー領域の表面に形成した縦横の分割溝間のピッチ(Q)に対し、1<Q/P<4であり、且つ第1ダミー領域の表面に形成した縦横の分割溝間のピッチ(Q)を、製品領域から第2ダミー領域に向かって順次広くなるように構成したことを特徴とする。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明する。 【0015】図1は本発明に係る分割溝を有するセラミック基板の一例を示す平面図である。 【0016】このセラミック基板1は、その平面形状が略長方形をした板状体からなり、この内側には横方向の分割溝4及び縦方向の分割溝5によって区画される製品領域Sを有し、この製品領域Sには複数の縦横の分割溝2,3を形成してある。この製品領域Sにおいて隣り合う分割溝2,3により区画される製品部6は、その平面形状が長方形をなし、縦方向の分割溝3間のピッチP2、及び横方向の分割溝2間のピッチP1はそれぞれ同一ピッチとなるように構成してある。 【0017】また、製品領域Sの外側にはダミー領域Rを有し、このダミー領域Rは製品領域近傍にある第1ダミー領域Tと、この第1ダミー領域Tの外側にある第2ダミー領域Uとからなり、製品領域Sと第1ダミー領域Tとは分割溝4,5によって区画され、また、第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uとは切断溝9,10によって区画され、第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uを区画する縦方向の切断溝10の端部のみセラミック基板1の最外辺にまで達するようになっている。 【0018】さらに、第1ダミー領域Tには複数の縦横の分割溝7,8を有し、この分割溝7,8の端部は第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uを区画する切断溝9,10にまで達するように構成してある。 【0019】また、第1ダミー領域Tにおける縦方向の分割溝8間のピッチQ4,Q5は、製品領域Sにおける縦方向の分割溝3間のピッチP2よりも大きく、かつ製品領域側から外側に向かって順次広くなるように構成してあり、図1ではQ4<Q5のように二段階で広くなるようにしてあり、また、第1ダミー領域Tにおける横方向の分割溝7間のピッチQ1〜Q3は、製品領域Sにおける横方向の分割溝2間のピッチP1よりも大きく、かつ製品領域側から外側に向かって順次広くなるように構成してあり、図1ではQ1<Q2<Q3のように三段階で広くなるようにしてある。なお、本発明において順次広くなるとは、徐々に広くなるものや段階的に広くなるものを指す。 【0020】また、セラミック基板1に形成する分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10の断面形状はV字状をなしている。 【0021】そして、例えば、このセラミック基板1を用いてチップ抵抗器を取り出すには、セラミック基板1の製品領域Sにおける製品部6に電極と抵抗器を印刷焼き付けした後、第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uを区画する縦方向の切断溝10で割って縦の第2ダミー領域U2を取り除くとともに、第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uを区画する横方向の切断溝9で割って横の第2ダミー領域U1を取り除き、さらに製品領域Sと第1ダミー領域Tとを区画する横方向の分割溝4に沿って横の第一ダミー部T1を取り除いた後、例えば、図3に示すようなローラ間に搬送し、横方向の分割溝2,7に沿って割ることにより、短冊状基板を取り出す。この時、セラミック基板1の横方向の分割溝2,7が搬送方向に対して垂直に位置するように送れば良い。 【0022】次に、得られた短冊状基板の製品領域Sにおける分割端面に電極を印刷焼き付けした後、短冊状基板の縦方向の分割溝3,8が搬送方向に対して垂直となるように、再度、図3のローラ間に搬送し、縦方向の分割溝3,8に沿って割ることにより、チップ抵抗器を製造することができる。 【0023】そして、本発明のセラミック基板1によれば、製品領域Sの外側にダミー部Rを有し、その最外部にある第2ダミー領域Uには、端部が最外辺にまで達した分割溝を持たないことから、製品領域Sや第1ダミー領域Tよりも大きな強度を有し、電極や抵抗体の実装時や印刷時あるいはセラミック基板1の取り扱い時に荷重が加わったとしてもセラミック基板1の割れを効果的に防止することができる。 【0024】また、図1では、第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uを区画する縦方向の切断溝10の端部のみ最外辺にまで達するようにようにした例を示したが、第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uを区画する横方向の切断溝9の端部のみ最外辺にまで達するようにようにしても良く、さらには第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uを区画する縦横両方の切断溝9,10の端部がそれぞれ最外辺にまで達しても構わない。ただし、切断溝9,10の端部が最外辺にまで達していると、その部分を起点としてセラミック基板1にクラックが発生し易くなるため、第1ダミー領域Tの分割を容易にするため、縦又は横のいずれか一方の切断溝9,10の端部のみが最外辺にまで達するようにしておくことが好ましい。 【0025】さらに、本発明のセラミック基板1によれば、製品領域Sと第2ダミー領域Uの間に第1ダミー領域Tを設け、この第1ダミー領域Tの両面には製品領域Sと同様に複数の縦横の分割溝7,8を形成するようにしたことから、スリット刃により分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10を形成する際、製品領域Sにかかる圧縮応力と第1ダミー領域Tにかかる圧縮応力を近似させ、グリーンシートにおける製品領域Sと第1ダミー領域Tにおける密度差を小さくすることができるため、製品領域Sの中央部における製品部6と製品領域Sの外周部における製品部6の寸法バラツキを抑えることができるとともに、製品領域Sと第1ダミー領域Tとを区画する分割溝4,5にクラックが発生することを防ぐことができる。 【0026】その為、安定した寸法精度を持った製品を取り出すことができる分割溝を有するセラミック基板1を提供することができる。 【0027】なお、第1ダミー領域Tに形成する分割溝7,8は、前述したように、第1ダミー領域Tにおける縦方向の分割溝8間のピッチQ4,Q5を、製品領域Sにおける縦方向の分割溝2間のピッチP2よりも大きく、かつ製品領域側から外側に向かって徐々に又は段階的に広くなるように構成するとともに、第1ダミー領域Tにおける横方向の分割溝7間のピッチQ1,Q2,Q3を、製品領域Sにおける横方向の分割溝7間のピッチP1よりも大きく、かつ製品領域側から外側に向かって徐々に又は段階的に広くなるように構成することが好ましい。 【0028】なぜなら、第1ダミー領域Tにおける分割溝7,8間のピッチQ1〜Q5が、製品領域Sにおける分割溝2,3間のピッチP1,P2と同一又は若干大きいだけであると、スリット刃により分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10を形成する際、グリーンシートの第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uとの間に大きな密度差が発生し、第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uを区画する切断溝9,10にクラックが発生する恐れがあるからで、第1ダミー領域Tにおける縦方向の分割溝8間のピッチQ4,Q5を、製品領域側から縦の第2ダミー領域U2に向かって徐々に又は段階的に広くなるように構成するとともに、第1ダミー領域Tにおける横方向の分割溝7間のピッチQ1〜Q3を、製品領域側から横の第2ダミー領域U1に向かって徐々に又は段階的に広くなるように構成することで、スリット刃により分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10を形成する際に製品領域Sに発生する寸法バラツキを抑えるとともに、製品領域Sと第1ダミー領域Tとを区画する分割溝4,5や第1ダミー領域Tと第2ダミー領域Uとを区画する切断溝9,10にクラックが発生することを防止することができる。 【0029】ただし、このような効果を奏するためには、製品領域Sにおける縦方向の分割溝3間のピッチP2に対する第1ダミー領域Tにおける縦方向の分割溝8間のピッチQ4,Q5の比(Q4,Q5/P2)は、1<Q4,Q5/P2<4とするとともに、製品領域Sにおける横方向の分割溝2間のピッチP1に対する第1ダミー領域Tにおける横方向の分割溝7間のピッチQ1〜Q3の比(Q1〜Q3/P1)は、1<Q1〜Q3/P1<4とすることが好ましい。 【0030】即ち、製品領域Sにおける縦方向の分割溝3間のピッチP2に対する第1ダミー領域Tにおける縦方向の分割溝8間のピッチQ4,Q5の比が1より小さい、及び/又は製品領域Sにおける横方向の分割溝2間のピッチP1に対する第1ダミー領域Tにおける横方向の分割溝7間のピッチQ1〜Q3の比が1より小さいと、セラミック基板1を分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10に沿って分割した時に製品部6とダミー部11との区別がつかなくなるからであり、逆に製品領域Sにおける縦方向の分割溝3間のピッチP2に対する第1ダミー領域Tにおける縦方向の分割溝8間のピッチQ4,Q5の比が4以上、及び/又は製品領域Sにおける横方向の分割溝2間のピッチP1に対する第1ダミー領域Tにおける横方向の分割溝7間のピッチQ1〜Q3の比が4以上となると、スリット刃により分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10を形成する際に、グリーンシートの製品領域Sと第1ダミー領域Tにおける密度差が大きくなり過ぎるため、製品領域Sと第1ダミー領域Tとを区画する分割溝4,5にクラックが発生するからである。 【0031】なお、図1では、第1ダミー領域Tにおける縦方向の分割溝8間のピッチQ4,Q5が二段階にわたって広くなり、また、第1ダミー領域Tにおける横方向の分割溝7間のピッチQ1〜Q3が三段階にわたって広くなるように構成した例を示したが、分割溝7,8間のピッチQ1〜Q5を広げていく度合いについては、製品領域Sから第2ダミー領域Uまでの距離に応じ適宜選定すれば良い。 【0032】ところで、図1のセラミック基板1には、図2にその部分斜視図を示すように、前述した分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10を両面に形成してあり、印刷面側における横の分割溝2,4,7及び切断溝9とその裏面側における横の分割溝2,4,7及び切断溝9の合計深さは、印刷面側における縦の分割溝3,5,8及び切断溝10とその裏面側における縦の分割溝3,5,8及び切断溝10の合計深さよりも深く形成してある。これは、一次分割を行うため、横方向の分割溝2,4,7及び切断溝9に沿って割る際、縦方向の分割溝部における強度がないと、一次分割時に作用する荷重等によって縦方向の分割溝3,5,8及び切断溝10にも割れが発生してしまうからである。 【0033】なお、印刷面側と裏面側の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10の深さについては、分割時に押圧力を加える印刷面側の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10を深くし、裏面側の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10の深さは、分割時の破断方向が基板1の厚み方向に対して垂直方向に向かうようにするために、その分割方向の誘導ができる程度の深さであれば良い。その為、印刷面側の縦横の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10は共に裏面側の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10よりも深く形成しておくことが好ましい。 【0034】また、縦横の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10の開き角θ1,θ2は、印刷面側における縦横の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10は共に25±10°、裏面側における縦横の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10は共に40±5°が好ましい。 【0035】ここで、印刷面側の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10の開き角θ1を、裏面側の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10の開き角θ2より狭くするのは、図4に示すように、スリット刃Aをグリーンシートに押し当てたとき、グリーンシートへ押し込まれるスリット刃Aの体積が大きいと、グリーンシートの分割溝周縁に盛り上がり部Dができ、後工程において電極や抵抗体を精度良く印刷できなくなるとともに、V字状をした分割溝の先端からグリーンシート内にクラックが発生し易くなるからであり、また、裏面側の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10の開き角θ2を、印刷面側の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10の開き角θ1より広くするのは、セラミック基板1を量産性良く製造するにあたり、スリット刃の強度を確保するためである。 【0036】一方、このようなセラミック基板1を形成するセラミックスとしては、Al2O3含有率が93.0〜99.6重量%のアルミナ質焼結体が種に用いられているが、この他、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、フォルステライト質焼結体、ステアタイト質焼結体、ガラスセラミック等様々なセラミックスを用いることがき、また、このようなセラミック基板1を製造するには、上述した各種セラミック原料に対し、溶剤や有機バインダー等を混練して泥漿を作製し、ドクターブレード法等のテープ成形法にてグリーンシートを製作した後、このグリーンシートの両面又は片面に、図1に示すセラミック基板1の分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10に対応したスリット刃を備える金型を所定の深さまで押し付けて分割溝2〜5,7,8及び切断溝9,10を形成した後、各種セラミック原料を焼結させることができる温度にて焼成することにより得ることがきる。 【0037】以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良や変更したものであっても良いことは言う迄もない。 【0038】 【実施例】ここで、図1に示す本発明のセラミック基板1と、図5に示す比較例としてのセラミック基板15をそれぞれ製作した時のクラックの有無と寸法精度について調べる実験を行った。 【0039】実験にあたり、いずれのセラミック基板1,15もAl2O3含有率が96.0重量%のアルミナ質焼結体により形成し、外辺寸法が60.0mm×49.5mm、厚みが0.2mmの板状体とした。また、製品領域Sにおける製品寸法は0.58mm×0.29mmとし、製品領域内における製品数は3500個とした。 【0040】そして、本発明のセラミック基板1にあっては、製品領域Sの外側に、縦横の分割溝7,8を有する第1ダミー領域Tと、その外側に第2ダミー領域Uを有する構造とし、また、比較例のセラミック基板にあっては、製品領域Sの外側に、分割溝を持たないダミー領域Wを有する構造とし、それぞれ20枚ずつ製作した。 【0041】なお、本発明のセラミック基板1において、第1ダミー領域Tの各分割溝7,8間のピッチは、Q1を0.37mm、Q2を0.50mm、Q3を1.00mm、Q4を0.90mm、Q5を1.25mmとした。 【0042】そして、得られた20枚の本発明のセラミック基板1と、20枚の比較例のセラミック基板15の外観検査を施し、ヒビの入っているものをクラックありとし、全枚数に対する割合をクラック発生比率として求め、また、寸法精度の測定にあたっては、直角度、平行度、直線度をそれぞれ測定した。 【0043】結果は表1に示す通りである。 【0044】なお、直角度の測定は、例えば図6(a)に示すように、セラミック基板1,15のコーナー部C1における直角度を調べる場合、図6(b)に示すように、セラミック基板1,15の長辺を基準とし、その端部より垂直に引いた仮想線と短辺との最大幅Bを直角度とし、同様にして他のコーナー部C2〜C4の直角度を測定した。 【0045】平行度の測定にあたっては、図6(c)に示すように、セラミック基板1,15の上部にある横方向の第2ダミー領域U1の幅をW1、下部にある横方向の第2ダミー領域U1の幅をW2、左部にある縦方向の第2ダミー領域U2の幅をL1、右部にある縦方向の第2ダミー領域U2の幅をL2とした時、平行度Lは、L=(W1−W2)によって算出し、平行度Wは、W=(L1−L2)によって算出した。 【0046】直線度の測定については、例えば図6(d)に示すようにセラミック基板の製品領域Sを区画する分割溝4,5と、その交点を直線的に結ぶ仮想線を引き、この仮想線と分割溝4,5との最大幅Cを直線度とした。 【0047】 【表1】
【0048】この結果、本発明のセラミック基板1は、クラック発生率が1.0%と低く、また、セラミック基板1の変形度合いを示す直角度、直線度、平行度の平均値が0.01以下とバラツキを小さくすることができ、優れていた。 【0049】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、内側に製品領域を、周辺部にダミー領域を有するとともに、製品領域の表面に形成された複数の縦横の分割溝によって複数の製品部が区画されている分割溝を有するセラミック基板において、上記ダミー領域を、上記製品領域側の第1ダミー領域と、該第1ダミー領域の外側にある第2ダミー領域とから構成し、上記第1ダミー領域の表面には縦横の分割溝を形成するとともに、上記第2ダミー領域の表面には、前記第1ダミー領域と第2ダミー領域とを区画する境界の延長線上で外辺に達する縦及び/又は横の切断溝を形成したことによって、電極や抵抗体の実装時や印刷時あるいはセラミック基板の取り扱い時に荷重が加わったとしてもセラミック基板の割れを効果的に防止することができるとともに、各分割溝にはクラックがなく、かつ安定した寸法精度を有する製品を切り出すことができ、特に1.0mm×0.5mm以下の寸法を有する製品を多数切り出すことが可能な分割溝を有するセラミック基板を提供することができる。 【0050】なお、上記セラミック基板は、上記第2ダミー領域の表面に、外辺に未達の縦横の分割溝があっても構わない。 【0051】さらに、本発明は、上記製品領域における縦横の分割溝間のピッチ(P)が、上記第1ダミー領域の表面に形成した縦横の分割溝間のピッチ(Q)に対し、1<Q/P<4であり、且つ第1ダミー領域の表面に形成した縦横の分割溝間のピッチ(Q)を、製品領域から第2ダミー領域に向かって順次広くなるように構成したことによって、1.0mm×0.5mmよりさらに小さな0.6mm×0.3mm以下の寸法を有する製品を多数切り出すことが可能な分割溝を有するセラミック基板を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006633 【氏名又は名称】京セラ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−292619(P2002−292619A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−102715(P2001−102715) |
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