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【発明の名称】 ボックスカルバート
【発明者】 【氏名】大竹 淳一郎

【氏名】下山 善秀

【要約】 【課題】中流動コンクリートを用いたボックスカルバートの振動締め固め成形において騒音の発生を低減するとともに、表面気泡の少ないボックスカルバートを提供する。

【解決手段】中流動コンクリートを用いたボックスカルバートであって、型枠内への中流動コンクリートの打設速度が10〜90cm/minおよび型枠面における振動の加速度が10〜70m/sec2で振動締め固めしてなることを特徴とするボックスカルバートを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中流動コンクリートを用いたボックスカルバートであって、型枠内への中流動コンクリートの打設速度が10〜90cm/minおよび型枠面における振動の加速度が10〜70m/sec2で振動締め固めしてなることを特徴とするボックスカルバート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中流動コンクリートを用いたボックスカルバートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、大型のコンクリート製品であるボックスカルバート等の振動締め固め成形時に発生する騒音は、周辺の居住環境を悪化させるおそれがあった。かかる騒音問題を解決するため、近年、コンクリート製品の製造現場では、振動をさほどかけなくても成形可能で、騒音の低減に有効な高流動コンクリートが採用されている。もっとも、高流動コンクリートは、配合を調整して所定のフレッシュ性状にコンクリートをコントロールすることが必要であるから、材料費のコストアップや品質管理に特殊な技術が要求される等により、配筋が複雑で打設・締め固めが困難な部位や部材に適用が限定されて、汎用性に劣るという課題があった。また、振動を殆どかけないためコンクリート表面に気泡が残存して、コンクリートの美観が劣る等の課題もあった。
【0003】高流動コンクリートにおける材料費のコストアップや品質管理に特殊な技術が要求される等の欠点を補う材として、普通コンクリートよりも流動性に優れ、低コストで品質管理の容易な、いわゆる中流動コンクリート(スランプフローが40〜50cmの範囲にあるコンクリート)が、汎用性に優れた材として注目されつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、中流動コンクリートでも軽微な振動を必要とするため、振動時間が延長する傾向にある。かかる場合には騒音の発生が無視できず、また、コンクリート内部の気泡までもがコンクリート表面に集合・残存して、ボックスカルバートの美観が劣る等の課題は、中流動コンクリートにおいても未解決であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、中流動コンクリートを用いたボックスカルバートの振動締め固め成形において騒音の発生を低減するとともに、表面気泡の少ないボックスカルバートを提供すべく鋭意検討した結果、型枠内への中流動コンクリートの打設速度が10〜90cm/minおよび型枠面における振動の加速度が10〜70m/sec2であれば、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について更に詳細に説明する。本発明に用いる中流動コンクリートは、スランプフローが40〜50cm程度で、スランプフローが高流動コンクリートより小さく普通コンクリートよりも大きいコンクリートである。また、中流動コンクリートは、セメント、水、粗骨材、細骨材、および高性能減水剤または高性能AE減水剤を必須の構成材料とするもので、その他、混和剤、混和材等のコンクリート用材料を含んでもよい。
【0007】型枠内への中流動コンクリートの打設速度は、10〜90cm/minが好ましく、20〜80cm/minがより好ましい。打設速度が10cm/min未満では作業スピードが遅くなって生産性が低下し、打設速度が90cm/minを超えるとコンクリート表面の気泡の低減が十分でない場合がある。
【0008】また、型枠面における振動の加速度は10〜70m/sec2が好ましく、20〜60m/sec2がより好ましい。加速度が10m/sec2未満では、表面気泡の低減に十分でなく、加速度が70m/sec2を超えると騒音が大きくなるとともに、型枠が破損しやすくなって耐用年数が低下する。
【0009】本発明において使用できるバイブレータは、特に限定されず型枠バイブレータ、テーブルバイブレータ、棒状バイブレータ等の市販のものでよく、また、市販の振動(締め固め)成形機も使用できる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。なお、これらは例示であり本発明を限定するものではない。
【0011】試験に使用した材料を表1に示す。
【0012】
【表1】

【0013】使用した中流動コンクリート(スランプフロー45cm)の配合を表2に示す。
【0014】
【表2】

【0015】(試験方法)型枠内部の容積が、幅3,000×高さ2,000mmであるボックスカルバート(全国ボックスカルバート協会認定品)の型枠に、出力480Wの高周波型枠振動機により所定の振動をかけながら、表2に示す配合の中流動コンクリートを所定の速度で打設した。打設中は型枠面の加速度が所定の値になるように振動の大きさをインバータで調節した。次に、ボックスカルバートを脱型して、高圧水洗浄機にてボックスカルバート表面の隠れ気泡を露出させた後、ボックスカルバート表面をデジタルカメラにて撮影し、画像処理を行い表面気泡率(全表面積に占める気泡面積の割合)を算出して、表面美観の評価指標とした。打設速度と表面気泡率との関係を表3に、加速度と表面気泡率との関係を表4に示す。
【0016】
【表3】

【0017】
【表4】

【0018】表3から、打設速度が10〜90cm/minの範囲において表面気泡率は0.6〜0.9%という低い値を示し、この範囲ではコンクリート表面の外観はきれいであった。また、表4から、加速度が10〜70m/sec2の範囲において表面気泡率は0.5〜0.8%という低い値を示し、また騒音が小さく、この範囲では上記と同様にコンクリート表面の外観はきれいであった。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法によれば、成形時における騒音の発生を低減するとともに、表面気泡の少ないボックスカルバートを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
【出願日】 平成13年3月29日(2001.3.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−292609(P2002−292609A)
【公開日】 平成14年10月9日(2002.10.9)
【出願番号】 特願2001−96324(P2001−96324)