| 【発明の名称】 |
セメント瓦 |
| 【発明者】 |
【氏名】西岡 史雄
|
| 【要約】 |
【課題】基材の表面を塗装して瓦の基材の内部への雨水の浸入の防止でき、強度のあるセメント瓦を提供するものである。
【解決手段】基材の表面に防水性の下塗り塗料にアクリル系エマルション塗料を上塗り塗布されたセメント瓦10であって、前記セメント瓦10は、成形後の基材を4〜6時間蒸気養生した後、基材に防水性の下塗り塗料を50〜150g/m2の厚みに塗布した後、オートクレープ養生が10〜24時間なされていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材の表面に防水性の下塗り塗料にアクリル系エマルション塗料を上塗り塗布されたセメント瓦であって、前記セメント瓦は、成形後の基材を4〜6時間蒸気養生した後、基材に防水性の下塗り塗料を50〜150g/m2の厚みに塗布した後、オートクレープ養生が10〜24時間なされていることを特徴とするセメント瓦。 【請求項2】 前記下塗り塗料と上塗り塗料が小口面に塗布されていることを特徴とする請求項1記載のセメント瓦。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、瓦小口面が塗装されているセメント瓦に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、セメントを原料とする瓦は、屋外に暴露施工されると年月と共に、中性化してセメントのアルカリ反応が失われセメントは中性化される。セメントが中性化される事によって、セメントで形成される瓦自体の本来もっている強度が失われ、非常に破壊されやすくなってしまう。 【0003】上記の強度低下の現象は、雨水が溜まりやすい部分となっている瓦と瓦の重なる葺き重ねられる部分に特に顕著に表れる。従来は、以上の問題を解決するために瓦裏面を塗装する事により裏面よりの雨水の吸水を防止し、瓦の強度を保持出来るようになされている。 【0004】無機質建材の化粧方法として、特公平7−42181号公報に記載がある。上記公報では、セメント配合物を押出し成形して成る賦形体表面に、賦形直後に下塗塗装を行い、オートクレープ養生を行う無機質建材の製造方法において、前記下塗塗装として、ガラス転移点5℃以下になるアクリルースチレン系エマルション塗料を塗布し、又、上塗塗装としてガラス転移点30℃以上のアクリルースチレン系エマルション塗料を塗布するようになされている。 【0005】又、特公平7−25605号公報にセメント成形体の製造方法が記載されている。上記公報では、セメントを主成分とするセメント材料と水とが混合混錬されてなるセメント組成物を所望の型内に入れ、強制窄水しながら加圧し、所望形状に賦形するセメント形成体の製造方法において、前記強制窄水を実施するに先立ち、型内に入れた組成物の表面を、前記組成物のセメント100重量部に対して0.075重量部以上の量のポリアクリルアミドで膜状にして覆うようになされている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の技術は、瓦の強度低下を防止するために瓦裏面に塗装する事により裏面よりの吸水を防止出来るようになさていた。しかし、瓦が施工された状態では、セメントの炭酸化を促進する雨水の水分の瓦基材への浸入は、葺き重ねられる裏面より瓦の先端の小口面が大きいが、小口面は塗装が充分ではなく、小口面からの雨水の水分の吸水防止ができないといった問題があった。 【0007】本発明は、上記のこのような問題点に着眼してなされたものであり、その目的は、基材の表面を塗装して瓦の基材の内部への雨水の浸入の防止でき、強度のあるセメント瓦を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明のセメント瓦は、基材の表面に防水性の下塗り塗料にアクリル系エマルション塗料を上塗り塗布されたセメント瓦であって、前記セメント瓦は、成形後の基材を4〜6時間蒸気養生した後、基材に防水性の下塗り塗料を50〜150g/m2の厚みに塗布した後、オートクレープ養生が10〜24時間なされているものである。 【0009】請求項2記載の本発明のセメント瓦は、前記下塗り塗料と上塗り塗料が小口面に塗布されているものである。 【0010】 【作用】請求項1記載の本発明のセメント瓦は、前記セメント瓦は、成形後の基材を4〜6時間蒸気養生した後、基材に防水性の下塗り塗料を50〜150g/m2の厚みに塗布した後、オートクレープ養生が10〜24時間なされているので、前記防水性のある塗料を下塗りすることにより基材の表面からの雨水の水分の吸収量を低下させることができる。又、下塗り塗料を塗ることによって、下塗り塗料がシーラーの役割をし上塗り塗料との付着性を良くし、上塗り塗膜が屋外暴露により劣化しても剥離しにくくでき、瓦の基材内部への吸水を防止する性能を向上させることができる。 【0011】請求項2記載の本発明のセメント瓦は、前記下塗り塗料と上塗り塗料が小口面に塗布されているので、小口面を塗装することにとり、小口面からの雨水の水分の浸入を防止でき、基材内部の劣化防止により瓦の長期的な強度を保持できるようになされている。 【0012】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明のセメント瓦を示す斜視図、図2は、本発明のセメント瓦の小口面を示す断面図、図3は、本発明のセメント瓦の小口面の吸水比較テストを示す説明図である。 【0013】図1、図2に示すように、本発明のセメント瓦10は、基材の表面に防水性の下塗り塗料にアクリル系エマルション塗料が上塗り塗布されて形成されている。 【0014】防水性の下塗り塗料には、アクリル系塗料が用いられている。本実施例では水谷ペイント社製の商品名(「CPウエットコート」以下CPコートと言う)が用いられている。 【0015】CPコートは、窯業製品を養生中に塗装して基材硬化と塗装材硬化を同時に行い基材と塗装材を一体化されている。CPコートは、基材のセメント粒子を皮膜する液体粒子のエマルション粒子が生成されている。 【0016】本実施例に用いられているCPコートは、変成アクリル酸エステル樹脂を主成分に形成されている。 【0017】CPコートをセメント瓦10の基材に塗布することにより、CPコートを形成するエマルション粒子が基材のセメント粒子に付着し、セメント粒子の廻りに塗膜が形成される。 【0018】セメント粒子に造膜したエマルション粒子は、更にオートクレープ養生によって加圧養生され、セメント粒子間が圧密となり、造膜が強化されている。 【0019】このようにして、基材とCPコートは一体化され、基材の表面に防水性の高い塗膜が形成されている。 【0020】前記セメント瓦10の下塗りの塗装工程は、成形後の基材を4〜6時間蒸気養生した後、基材に防水性の下塗り塗料のCPコートを50〜150g/m2の厚みに塗布した後、オートクレープ養生を10〜24時間かけて付着されている。 【0021】オートクレープ養生は、10k/cm2 の加圧状態にして、180℃の飽和蒸気のもとで養生されている。 【0022】セメント瓦10、抄造法によって製造されている。即ち、溶解されたセメント原料が貯蔵された原料タンクの中にフェルトを流し、該フェルトに溶解したセメント原料を付着させるようになされている。 【0023】セメント瓦10の原料が付着されたフェルトをロールで転写積層した後、加圧成形し、その後、蒸気養生する工程、小口面にCPコートの塗料を塗布する工程、更に、オートクレープ養生の工程を経て、製品のセメント瓦10が形成されている。 【0024】セメント瓦10を構成する基材は、主原料のセメントに水と、必要に応じて骨材、軽量骨材、補強繊維などを成形加工して形成されている。 【0025】本発明のセメント瓦10は、前記下塗り塗料と上塗り塗料が小口面101、102に塗布されているものである。 【0026】セメント瓦10は、セメント瓦10を葺いたときに重ね合う部分の葺き重ね部103、104と小口面101、102は、塗装され、それ以外の部分、表面105、及び裏面は、未塗装部105が形成されている。 【0027】セメント瓦10の四周縁端の小口面101、101、102、102は、塗装され、小口面101、101、102、102より雨水の基材内部への浸入が防止できるようになされている。 【0028】本発明のセメント瓦10は、前記セメント瓦の小口面の塗装が50〜150g/m2の厚みになるように塗布されている。 【0029】基材表面への塗装方法としては、ロールコーター、フローコーター、スプレー等の塗装方法でなされている。 【0030】図3に示す様に、本実施例では、セメント瓦10のカットサンプル20を用いて、塗布量を50g/m2と、150g/m2にして、塗装しない比較例とで吸水性能の比較テストを実施している。 【0031】比較テストの方法は、容器30の中に水を入れ、水中にセメント瓦のカットサンプル20を漬し、小口面への吸水量の比較測定を実施している。 【表1】
表1に示す様に、下塗りの塗布なしに比較して、CPコートの塗布したサンプルでは、吸水量が少なく、時間が経過しても塗布量の多い150g/m2サンプルの吸水量が少ない結果となっている。 【0032】 【発明の効果】請求項1記載の本発明のセメント瓦は、前記セメント瓦は、成形後の基材を4〜6時間蒸気養生した後、基材に防水性の下塗り塗料を50〜150g/m2の厚みに塗布し、再度オートクレープ養生が10〜24時間なされているので、前記防水性のある塗料を下塗りすることにより基材の表面からの雨水の水分の吸収量を低下させることができる。又、下塗り塗料を塗ることによって、下塗り塗料がシーラーの役割をし上塗り塗料との付着性を良くし、上塗り塗膜が屋外暴露により劣化しても剥離しにくくでき、瓦の基材内部への吸水を防止する性能を向上させることができる。 【0033】請求項2記載の本発明のセメント瓦は、前記下塗り塗料と上塗り塗料が小口面に塗布されているので、小口面を塗装することにとり、小口面からの雨水の水分の浸入を防止でき、基材内部の劣化防止により瓦の長期的な強度を保持できるようになされている。 【0034】
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社 【識別番号】000122597 【氏名又は名称】岡山積水工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年1月23日(2001.1.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102956 【弁理士】 【氏名又は名称】九十九 高秋
|
| 【公開番号】 |
特開2002−210725(P2002−210725A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月30日(2002.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−14417(P2001−14417) |
|