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【発明の名称】 コンクリート被成型材の破損防止具
【発明者】 【氏名】山田 裕文

【氏名】弘中 和夫

【氏名】鵜飼 哲男

【要約】 【課題】外壁材のラック等への積載時に、外壁材表面の破損を防止することができ、耐久性にも優れた破損防止具を提供する。

【解決手段】この破損防止具(5)は、外壁材(1)に埋設した鋼製フレーム(2)(2)に装着される装着部(10)と、外壁材(1)に重なる別の外壁材(1)に当接して、その別の外壁材(1)への鋼製フレーム(2)(2)の接触を防止する緩衝部(11)とを備えている。装着部(10)は、鋼製フレーム(2)(2)に引っ掛けられる係止片(12)(12)付きプレートとされている。緩衝部(11)は、耐熱性及び耐圧性を有するゴム材とされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンクリート被成型材に埋設した金属材に装着される装着部と、前記コンクリート被成型材に重なる別のコンクリート被成型材に当接して、その別のコンクリート被成型材への前記金属材の接触を防止する緩衝部とを備えたことを特徴とするコンクリート被成型材の破損防止具。
【請求項2】 前記装着部は、前記金属材に引っ掛けられる係止片付きプレートとされている請求項1記載のコンクリート被成型材の破損防止具。
【請求項3】 前記緩衝部は、耐熱性及び耐圧性を有するゴム材とされている請求項1又は2記載のコンクリート被成型材の破損防止具。
【請求項4】 前記緩衝部は、ブラインドリベットによって前記装着部に固定され、前記ブラインドリベットの前記緩衝部側の端部が、前記緩衝部にめり込まれている請求項1乃至3のいずれかに記載のコンクリート被成型材の破損防止具。
【請求項5】 前記コンクリート被成型材は、外壁材とされ、前記金属材は、鋼製フレームとされている請求項1乃至4のいずれかに記載のコンクリート被成型材の破損防止具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば複数の外壁材等のコンクリート被成型材をラック等に積載した状態で、養生、保管、或いは運搬する際に、コンクリート被成型材同士が接触して破損するのを防止する破損防止具に関する。
【0002】
【従来の技術】脱型した外壁材の二次養生として、高温高圧の完全密封されたタンク内で外壁材を養生させて、セメント質の硬化を促進させるオートクレーブ養生がある。このオートクレーブ養生においては、脱型後の複数枚の外壁材を、互いに立て掛けるようにして養生ラックに積載し、タンク内に収容している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、外壁材には、梁等への取付用として鋼製フレーム等が埋め込まれているものがあり、このような外壁材を上記のようにオートクレーブ養生する場合、鋼製フレームの露出部が隣り合う別の外壁材に接触して、その表面に形成してある凹凸の柄に欠けや亀裂等が発生することがあり、その手直しに多くの手間と時間を要するといった不具合があった。
【0004】そこで、この発明は、上記の不具合を解消して、コンクリート被成型材のラック等への積載時に、コンクリート被成形材の表面の破損を防止することができ、耐久性にも優れた破損防止具の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明の破損防止具は、コンクリート被成型材に埋設した金属材に装着される装着部と、前記コンクリート被成型材に重なる別のコンクリート被成型材に当接して、その別のコンクリート被成型材への前記金属材の接触を防止する緩衝部とを備えたことを特徴とする。具体的に、前記装着部は、前記金属材に引っ掛けられる係止片付きプレートとされている。前記緩衝部は、耐熱性及び耐圧性を有するゴム材とされている。
【0006】さらに、前記緩衝部は、ブラインドリベットによって前記装着部に固定され、前記ブラインドリベットの前記緩衝部側の端部が、前記緩衝部にめり込まれている。また、前記コンクリート被成型材は、外壁材とされ、前記金属材は、鋼製フレームとされている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る破損防止具の取付状態を示す縦断面図、図2は、同じくその装着部側から見た斜視図、図3は、同じくその緩衝部側から見た斜視図、図4は、外壁材をラックに収容した状態を示す斜視図である。
【0008】図において、(1)は、コンクリート被成型材としての外壁材である、この外壁材(1)には、金属材としてのC型鋼からなる一対の鋼材フレーム(2)(2)が、そのリップ(3)(3)を露出させた状態で埋設されている。この鋼材フレーム(2)(2)は、外壁材(1)(1)を梁等に取り付けるための取り付け用として、また外壁材(1)の補強用として利用される。
【0009】(5)は、外壁材(1)の破損を防止する破損防止具である。この破損防止具(5)は、外壁材(1)の鋼材フレーム(2)(2)に装着される装着部(10)と、外壁材(1)に重なる別の外壁材(1)に当接して、その別の外壁材(1)への鋼材フレーム(2)(2)の接触を防止する緩衝部(11)とを備えている。
【0010】装着部(10)は、図2に示すように、一対の係止片(12)(12)を備えた方形の金属製プレートからなる。この金属製プレート(10)には、例えば溶融亜鉛メッキ処理が施されている。係止片(12)(12)は、金属製プレート(10)の両側端部の中央部分を略L字形に切り起こすことによって、下向きに開放した状態で、金属製プレート(10)に一体的に形成されている。
【0011】緩衝部(11)は、図3に示すように、耐熱性及び耐圧性を有する例えばシリコンゴム等のゴム材からなる。そして、ゴム材(11)は、一対のブラインドリベット(15)(15)によって金属製プレート(10)に固定されている。ブラインドリベット(15)(15)のゴム材(11)側の端部は、ゴム材(11)にめり込まれた状態となっており、ゴム材(11)が別の外壁材(1)に当接したときに、この端部が接触しないようになっている。
【0012】次に、上記構成の破損防止具(5)を使用した外壁材(1)のオートクレーブ養生について説明する。まず、脱型した外壁材(1)に対して破損防止具(5)(5)…を装着する。この装着に際しては、図1に示すように、破損防止具(5)の係止片(12)(12)を、外壁材(1)の鋼製フレーム(2)(2)のリップ(3)(3)に引っ掛けて、破損防止具(5)のゴム材(11)を鋼製フレーム(2)(2)よりも外方に突出させる。
【0013】そして、破損防止具(5)(5)…を装着した複数枚の外壁材(1)(1)…を、図4に示すように、互いに立て掛けるようにして養生ラック(20)に積載する。このとき、破損防止具(5)(5)…のゴム材(11)(11)…が隣接する別の外壁材(1)の表面に当接することで、鋼製フレーム(2)(2)が別の外壁材(1)に接触して、その表面の凹凸の柄に欠けや亀裂が生じるのを防止することができる。また、ブラインドリベット(15)(15)…のゴム材(11)側の端部が、ゴム材(11)にめり込まれているので、これらブラインドリベット(15)(15)…の端部が別の外壁材(1)の表面に接触することもない。
【0014】そして、養生ラック(20)に積載した外壁材(1)(1)…を、高温高圧の完全密封されたタンク内に収容して養生させる。このとき、破損防止具(5)(5)…のゴム材(11)(11)…は、耐熱性及び耐圧性を有していることから、容易に劣化することなく、長期使用が可能である。
【0015】なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発明の破損防止具を用いれば、コンクリート被成型材をラック等に積載したときに、コンクリート被成型材間に緩衝部が介在して、コンクリート被成型材の金属材が別のコンクリート被成型材の表面に接触するのを防いで、その表面の凹凸の柄に欠けや亀裂が生じるといった不具合を確実に防止することができる。従って、コンクリート被成型材の品質を向上することができ、また従来のような手直しをする手間をなくして生産性の向上を図ることができる。
【0017】また、装着部を、金属材に引っ掛けられる係止片付きプレートとしていることから、破損防止具を金属材へ簡単にしかも確実に装着することができ、作業性の向上を図ることができる。
【0018】さらに、緩衝部を、耐熱性及び耐圧性を有するゴム材としていることから、オートクレーブ養生等における高温高圧下でも緩衝部が劣化することなく、長期使用が可能であり、これによってコストダウンを図ることもできる。
【0019】さらにまた、緩衝部を装着部に固定するブラインドリベットにおいて、その端部が緩衝部にめり込まれているので、緩衝部が別の外壁材に当接したときに、ブラインドリベットの端部が別の外壁材の表面に接触することもない。
【出願人】 【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
【出願日】 平成13年1月24日(2001.1.24)
【代理人】 【識別番号】100082278
【弁理士】
【氏名又は名称】樽本 久幸
【公開番号】 特開2002−210724(P2002−210724A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−15299(P2001−15299)