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【発明の名称】 コンクリートブロック成型用の型枠装置
【発明者】 【氏名】中川 誉樹

【要約】 【課題】柄の異なるコンクリートブロックを効率良く成型でき、生産性の向上、品質の向上、さらにはコストダウンを図ることができる型枠装置を提供する。

【解決手段】この型枠装置は、コンクリートブロック(22)(22)…の表面に凹凸の柄を形成するレリーフ用プレート(23)(24)…が、コンクリートブロック(22)(22)…の面毎に別体とされて装置本体(21)に設けられ、複数のコンクリートブロック(22)(22)…を同時に成型可能となっている。従って、コンクリートブロック成型部(61)単位で柄の設定が可能となり、数多くの成型パターンに柔軟に対応することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のコンクリートブロックを同時に成型可能な型枠装置であって、コンクリートブロックの表面に凹凸の柄を形成するレリーフ用プレートが、コンクリートブロックの面毎に別体とされて装置本体に設けられていることを特徴とするコンクリートブロック成型用の型枠装置。
【請求項2】 複数のコンクリートブロックを同時に成型可能な型枠装置であって、装置本体に、その内部空間を仕切って複数のコンクリートブロック成型部を区画形成する仕切板が設けられ、この仕切板は、コンクリートブロックの表面に凹凸の柄を形成する互いに別体のレリーフ用プレートを重ね合わせてなることを特徴とするコンクリートブロック成型用の型枠装置。
【請求項3】 柄の異なる複数種類のレリーフ用プレートが選択的に用いられる請求項1又は2記載のコンクリートブロック成型用の型枠装置。
【請求項4】 各レリーフ用プレートは、金属製の基板に対してゴム製のレリーフマットを一体成型してなる請求項1乃至3のいずれかに記載のコンクリートブロック成型用の型枠装置。
【請求項5】 互いに連続して配置されるレリーフ用プレートは、それらの基板に跨るようにしてレリーフマットを一体成型した後、このレリーフマットを前記基板の境目部分で切り離すことによって構成されている請求項4記載のコンクリートブロック成型用の型枠装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリートブロックを成型するための型枠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建物外壁との調和を図るため、建物外壁と同じ凹凸の柄を有するブロック塀が提案されている。この種のブロック塀は、複数の柄付きのコンクリートブロックを積み上げて構築されている。
【0003】このような柄付きコンクリートブロックを成型する型枠装置には、図12に示すように、上面開放の箱形に形成された装置本体(1)内に、レリーフ用プレート(2)(3)(4)…を装着することで、複数の成型部(5)(5)…を形成したものがある。すなわち、装置本体(1)を構成する長手方向に沿った側板(6)(6)に、長尺のレリーフ用プレート(2)(2)が装着され、短手方向に沿った側板(7)(7)に、短尺のレリーフ用プレート(3)(3)が装着されていて、長尺のレリーフ用プレート(2)(2)間に仕切用のレリーフ用プレート(4)(4)…が差し渡されている。
【0004】この型枠装置では、各成型部(5)(5)…に、図示しない中子等を挿入して、コンクリートを打設することで、同時に複数のコンクリートブロックを成型することができる。なお、コンクリートブロックの成型後に、側板(6)(7)…を外方へ倒伏させることによって、成型後のコンクリートブロックを各成型部(5)(5)…から脱型できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の型枠装置において、図13に示すように、その長尺のレリーフ用プレート(2)(2)は、1枚の金属製の基板(8)に対して、複数のレリーフマット(9)(9)…を接着剤によって貼り付けてなり、短尺のレリーフ用プレート(3)(3)は、1枚の金属製の基板(8)に対して、1枚のレリーフマット(9)を接着剤によって貼り付けてなり、また仕切用のレリーフ用プレート(4)(4)…は、1枚の金属製の基板(8)の両面に、レリーフマット(9)(9)を接着剤によって貼り付けることによって構成されている。
【0006】従って、各レリーフ用プレート(2)(3)(4)のレリーフマット(9)が、剥がれ易いといった問題があった。しかも、基板(8)やレリーフマット(9)の製造費とは別に、レリーフマット(9)の貼り付け作業に伴う費用も必要とすることから、レリーフ用プレート(2)(3)(4)を製造するための費用も高騰していた。さらに、基板(8)やレリーフマット(9)の寸法誤差や、貼り付け時に生じる誤差によって、図14に示すように、各レリーフ用プレート(2)(3)(4)間においてレリーフマット(9)(9)…の位置が相互にずれていることも多く、成型後のコンクリートブロックの柄が各面間でずれて連続せず、品質を損なうといった問題が生じこともあった。
【0007】また、上記の型枠装置では、仕切用のレリーフ用プレート(4)として、基板(8)の表裏面に同じ柄のレリーフマット(9)(9)を貼り付けたものを用いているので、各成型部(5)単位で柄を任意に設定することができず、数種類の仕切用のレリーフ用プレート(4)(4)…を適宜装着して、柄の異なるコンクリートブロックを同時に成型をしようとすると、柄が統一されていない使用不可能な成型部(5)がどうしても存在してしまい、生産効率が悪くなるといった問題があった。すなわち、同じ柄のコンクリートブロックを大量生産するには適しているが、異なる柄のコンクリートブロックを数個ずつ生産するような場合には、生産効率が低下してコスト高を招いていた。
【0008】そこで、この発明は、上記の不具合を解消して、柄の異なるコンクリートブロックを効率良く成型でき、生産性の向上、品質の向上、さらにはコストダウンを図ることができるコンクリートブロック用の型枠装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明の型枠装置は、複数のコンクリートブロックを同時に成型可能であり、コンクリートブロックの表面に凹凸の柄を形成するレリーフ用プレートが、コンクリートブロックの面毎に別体とされて装置本体に設けられていることを特徴とする。
【0010】また、装置本体に、その内部空間を仕切って複数のコンクリートブロック成型部を区画形成する仕切板が設けられ、この仕切板は、コンクリートブロックの表面に凹凸の柄を形成する互いに別体のレリーフ用プレートを重ね合わせてなることを特徴とする。
【0011】上記の型枠装置において、柄の異なる複数種類のレリーフ用プレートが選択的に用いられる。また、レリーフ用プレートは、金属製の基板に対してゴム製のレリーフマットを一体成型してなる。さらに、互いに連続して配置されるレリーフ用プレートは、それらの基板に跨るようにしてレリーフマットを一体成型した後、このレリーフマットを前記基板の境目部分で切り離すことによって構成されている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係る型枠装置は、図1乃至図3に示すように、架台(20)上に設置された装置本体(21)と、この装置本体(21)に装着された複数の型枠材(25)(25)…とから構成されている。
【0013】架台(20)は、方形枠状のフレーム(26)の外周面に、外方向に突出する複数のヒンジ受け(27)(27)…を適宜間隔をあけて取り付けてなる。そして、これらヒンジ受け(27)(27)…には、フレーム(26)を囲むようにして4本の横軸(28)(29)…が貫通支持されている。
【0014】装置本体(21)は、架台(20)の上面に固定された方形の底板(30)と、その底板(30)の短手方向端部に沿って配された長尺の側板(31)(31)と、底板(30)の長手方向端部に沿って並べられた短尺の側板(32)(32)…とを備え、上面開放の箱形に形成されている。
【0015】そして、長尺の側板(31)(31)及び短尺の側板(32)(32)…は、図2及び図3に示すように、それら下端部から突出したヒンジ(33)(34)…が横軸(28)(29)…に回転自在に支持されて、外方へ倒伏可能となっている。
【0016】型枠材(25)は、図4及び図5に示すように、コンクリートブロック(22)の表面に凹凸の柄を形成する複数のレリーフ用プレート(23)(24)…を備えている。レリーフ用プレート(23)(24)…は、コンクリートブロック(22)の面毎に別体とされており、コンクリートブロック(22)の長手方向に沿った側面の柄を形成する長尺の第1プレート(23)(23)…と、コンクリートブロック(22)の短手方向に沿った側面の柄を形成する短尺の第2プレート(24)(24)…とがある。
【0017】第1プレート(23)は、方形の金属製の基板(40)に対してゴム製のレリーフマット(41)を一体成型してなる。そして、レリーフマット(41)からはみ出した基板(40)の両端部には、上下一対の貫通孔(42)(42)が夫々形成されている。
【0018】第2プレート(24)は、第1プレート(23)と同様に、方形の金属製の基板(45)に対してゴム製のレリーフマット(46)を一体成型してなる。そして、基板(45)のレリーフマット(46)側とは反対側の面には、4本のボルト(47)(47)…が溶接によって固着されている。
【0019】なお、各レリーフ用プレート(23)(24)…の基板(40)(45)…としては、単なる平板状のものに限らず、例えば平板にエキスパンドメタルを溶接したものを用いるようにしても良い。この場合、レリーフマット(41)(46)…をより強固に一体化させることができる。
【0020】この型枠材(25)は、次のようにして製造されている。まず、図6に示すように、各レリーフ用プレート(23)(24)…の基板(40)(45)…を、コンクリートブロック(22)のマスターモデル(53)を囲むようにして方形枠状に組み合わせる。そして、このマスターモデル(53)と基板(40)(45)…との隙間(54)にウレタンゴムを流し込んで、枠状の基板(40)(45)…に跨るようにしてレリーフマットを一体成型する。その後、基板(40)(45)…の内周に連続するレリーフマットを、基板(40)(45)…の境目部分で切り離すことで、基板(40)にレリーフマット(41)が装着された第1プレート(23)(23)と、基板(45)にレリーフマット(46)が装着された第2プレート(24)(24)とに分ける。なお、図7に示すように、方形枠状に組み合わせた基板(40)(45)…を型枠材(25)(25)…の個数分並列にセットして、上述したように複数の型枠材(25)(25)…を同時に製造すれば、製造効率が向上する。
【0021】このようにして構成された型枠材(25)(25)…は、図8に示すように並設された状態で、装置本体(21)に装着されている。すなわち、図1乃至図3に示すように、両端に配された型枠材(25)(25)の第1プレート(23)(23)が、装置本体(21)の側板(31)(31)に固定され、各型枠材(25)(25)…の第2プレート(24)(24)…が、そのボルト(47)(47)…を介して装置本体(21)の側板(32)(32)…に夫々固定され、さらに各型枠材(25)(25)…の第1プレート(23)(23)…の貫通孔(42)(42)…に長尺の横ボルト(55)(55)が挿入されて、型枠材(25)(25)…同士が相互に連結されている。
【0022】この装着状態において、各型枠材(25)(25)…の開放した下面が、装置本体(21)の底板(30)によって塞がれている。また、隣接する型枠材(25)(25)の第1プレート(23)(23)…の基板(40)(40)同士が重ね合わされて、表裏面にレリーフマット(41)(41)が装着された状態の仕切板(62)が構成されている。そして、これら仕切板(62)(62)…によって、装置本体(21)の内部空間が仕切られて、6個のコンクリートブロック成型部(61)(61)…が区画形成されている。
【0023】さらに、互いに直角方向に連続して配置されたレリーフ用プレート(23)(24)においては、図9に示すように、レリーフマット(41)(46)端部の傾斜面(50)(51)同士が重ね合わされている。
【0024】上記構成の型枠装置において、図示しない中子を挿入した各コンクリートブロック成型部(61)(61)…に、コンクリートを打設して養生させた後、横ボルト(55)(55)を取り外して、装置本体(21)の側板(31)(32)…を外方へ倒伏させて脱型することにより、同時に複数のコンクリートブロック(22)(22)…を成型することができる。
【0025】レリーフ用プレート(23)(24)…としては、そのレリーフマット(41)(46)の柄が異なる複数種類のタイプが用意されており、しかもこれらレリーフ用プレート(23)(24)…は、上述したようにコンクリートブロック(22)の面毎に別体であって、夫々単独で交換可能となっている。従って、これらレリーフ用プレート(23)(24)…を選択的に用いて、コンクリートブロック成型部(61)単位で柄を設定することで、数多くの成型パターンに柔軟に対応することができる。また、このようにコンクリートブロック成型部(61)単位での柄の設定を可能にしていることから、柄の異なる複数種類のコンクリートブロック(22)(22)…を同時に成型することができ、数個程度しか必要としないコンクリートブロック(22)(22)…でも、効率良く成型することができる。
【0026】なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【0027】例えば、図10及び図11に示すように、型枠装置に用いる型枠材として、コンクリートブロックの側面の柄を形成する側面用のプレート(70)(71)…だけでなく、コンクリートブロックの底面の柄を形成する底板用のプレート(72)を備えた型枠材を用いるようにしても良い。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発明の型枠装置では、レリーフ用プレートをコンクリートブロックの面毎に別体としているので、また、コンクリートブロック成型部を区画形成する仕切板を、互いに別体のレリーフ用プレートを重ね合わせることで構成しているので、これらレリーフ用プレートを夫々単独で交換することが可能となり、各コンクリートブロック成型部単位で柄を設定することができる。このため、柄の異なる複数種類のコンクリートブロックを同時に効率良く成型することができ、生産性の向上及びコストダウンを図ることができる。
【0029】さらに、レリーフ用プレートは、金属製の基板に対してゴム製のレリーフマットを一体成型してなることから、レリーフマットが剥がれ難く、長期使用が可能である。しかも、レリーフマットの成形と基板への取り付けを同時に行うことができ、コストダウンを図ることができる。また、寸法誤差や取付誤差も生じ難く、コンクリートブロックの表面に柄を精度良く形成することができる。
【0030】さらにまた、連続して配置されるレリーフ用プレートは、これら基板に跨るようにしてレリーフマットを一体成型した後、このレリーフマットを基板の境目部分で切り離すことによって構成されているので、これらレリーフ用プレート間におけるレリーフマットの位置ずれをなくすことができる。従って、成型後のコンクリートブロックの柄が各面間でずれるといった不具合をなくして、コンクリートブロックの品質をさらに向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
【出願日】 平成13年1月24日(2001.1.24)
【代理人】 【識別番号】100082278
【弁理士】
【氏名又は名称】樽本 久幸
【公開番号】 特開2002−210721(P2002−210721A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−15300(P2001−15300)