トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般




【発明の名称】 建材用ボードおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】一柳 完治

【氏名】安武 康隆

【要約】 【課題】アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物を原料とし、ホルムアルデヒド放出量がE0タイプであり、かつ防菌・防虫・防蟻効果の持続性が高く、物性的に優れた建材ボードを工業的有利に提供する。

【解決手段】アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物の粉砕物に、遊離ホルムアルデヒドが0.5重量%以下であり粘度が0.1〜0.3Pa.Sであるユリア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤の少なくとも1種とを分散し、成型後、加熱加圧して成る建材用ボード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物の粉砕物に、遊離ホルムアルデヒドが0.5重量%以下であり粘度が0.1〜0.3Pa.Sであるユリア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤の少なくとも1種とを分散し、成型後、加熱加圧して成ることを特徴とする建材用ボード。
【請求項2】前記の防菌剤、防虫剤および防蟻剤の主成分が有機ヨード化合物および有機窒素化合物である請求項1記載の建材用ボード。
【請求項3】前記有機ヨード化合物が3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトであり、前記有機窒素化合物が1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−4,5−ジヒドロ−N−ニトロ−1H−イミダゾール−2−アミンである請求項2記載の建材用ボード。
【請求項4】前記アオイ科に属する靭皮繊維植物の粉砕物がケナフ芯部を主材とする粉砕物である請求項1記載の建材用ボード。
【請求項5】前記シナノキ科に属する靭皮繊維植物の粉砕物がジュート芯部を主材とする粉砕物である請求項1記載の建材用ボード。
【請求項6】建材用ボードの製造において、■アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物を粉砕する工程、■遊離ホルムアルデヒドが0.5重量%以下であり、粘度が0.1〜0.3Pa.Sであるユリア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤の少なくとも1種とを、前記粉砕物に分散する工程、■前記の分散処理された粉砕物をボード状に成型し、加熱加圧する工程、に付することを特徴とする建材用ボードの製造方法。
【請求項7】前記粉砕工程後に、靭皮繊維部含量を10重量%以下にし、芯部を主材とするための分離工程を設ける請求項6記載の建材用ボードの製造方法。
【請求項8】前記ユリア樹脂木材接着剤が、ホルムアルデヒド(F)と尿素(U)のF/Uモル比が1.03〜1.07において最終メチロール化を行って調製されたものである請求項6記載の建材用ボードの製造方法。
【請求項9】前記ユリア樹脂木材接着剤の60℃におけるゲル化時間が60〜90分間であり、当該接着剤をそのゲル化時間前に前記粉砕物に分散する請求項6記載の建材用ボードの製造方法。
【請求項10】前記の加熱加圧の条件が125〜135℃、15〜25kg/cm2である請求項6記載の建材用ボードの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材用ボードおよびその製造方法に関し、さらに詳しくはアオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物を原料とし、ホルムアルデヒド放出量がE0タイプであり、かつ防菌・防虫・防蟻効果の持続性が高い建材ボードに関する。
【0002】
【従来の技術】木材は古くから建築資材の主原料であり、とりわけ近年においては合板、パーティクルボード類などの製造において多量の木材資源が消費されている。しかし、木材資源は有限であり、膨大な木材の消費は地球規模での自然破壊をまねき、温暖化、砂漠化、生体系の破壊などの問題が深刻になりつつある。木材資源を植樹や植林によって確保しようとする努力はなされているものの、成長するには数十年を待たねばならず、早期の問題解決にはなっていない。
【0003】このために、木材に代わる天然建築資材の開発が全世界的に強く要望されている。これまでに木材に代わる植物素材として、リグノセルロース材料、例えばアオイ科に属するケナフの利用が進められようとしている。ケナフは東南アジア、中国などを中心に栽培されている一年生植物であり、一年に二〜三回の収穫も可能であって短期サイクルで計画的に供給できるという有利性がある。これまで、ケナフはその靭皮を繊維用品に利用し、芯部は廃棄されていたが、最近になって建築資材へ利用することが試みられている。
【0004】例えば、特開平2000−246709号公報には、接着剤を分散させたケナフ等のリグノセルロース材料を加工して得た多数のパーティクルからなるパーティクル層の両面を、接着剤を分散させた多数本のリグノ長繊維からなる繊維層で積層し、熱や圧力を加えることによって板状に成形した3層よりなる長繊維複合ボードが開示されている。また、特許第3034956号特許公報には、リグノセルロース物質を加熱加圧してボードを成形するときに、リグノセルロース物質の30重量%以上をアオイ科靭皮繊維植物とし、接着剤に由来する成分を含有させずに、曲げ強度と比重との関係がある値に特定されたボードが提案されている。この公報には、アオイ科靭皮繊維植物を20重量%以上含有させ、5重量%以下の接着剤を添加し、180〜250℃で加熱加圧するボードの製造方法も開示されている。ホルムアルデヒド硬化剤を添加するときは3重量%以下にすることが好ましいとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、アオイ科靭皮繊維植物をボード類の原料として利用する試みがなされているものの、実用面からはいくつかの課題が残されている。例えば特開平2000−246709号公報は、パーティクル層の両面を繊維層で積層する複合ボードに関するものであって、このように積層構造することによって強度を保持しつつ軽量化を図るとされているが、その分だけ製造工程が複雑になっている。また加熱加圧成形条件も150℃、50kgf/cm2のような比較的、高温下で行なわれているが、ボードの表面仕上りの面を考慮すればなるべく低い温度で処理することが望ましく、また強度的にも十分であることを要する。
【0006】また特許第3034956号特許公報では、接着剤を使用せずに、あるいは仮に接着剤を使用したとしても少量にすることによって、製品からホルムアルデヒドが発生しないことが謳われている。しかし、このように接着剤を無添加あるいは使用量を減らしているために、ボードを製造するには180〜250℃の高温下で加熱加圧する必要あると考えられ、そのために製品の表面に焦げを生ずる恐れがある。またホルムアルデヒド系硬化剤としては通常のものが使用されており、遊離ホルムアルデヒドの発生を防ぐために、添加量はできるだけ少量に抑えざるを得ないものと考えられる。
【0007】ところで、合板、集成材、単版積層材、パーティクルボード、中繊維板(MDF)、一般木工などの製造用接着剤の一つとして、ユリア樹脂木材接着剤が用いられている。この接着剤は、JIS K 6801-1987によると、尿素とホルムアルデヒドとを主剤として製造した合成樹脂を主成分とする液状のものに限ると規定されている。最近、ホルムアルデヒドは、いわゆるシックハウス症候群の原因物質の一つであるとみられており、パーティクルボード類の場合、JIS A 5908-1994の規定によって、ホルムアルデヒドの放出量がE0タイプでは0.5mg/L以下、E1タイプでは1.5mg/L以下、E2タイプでは5.0mg/L以下であることを要する。
【0008】一方、ユリア樹脂木材接着剤は製造後、木材加工メーカーが使用するまでは液状に保つ必要上、ホルムアルデヒド量を多くして供給されている。このために、ユリア樹脂木材接着剤を用いて、例えばE0タイプの建材ボードを得ようとすれば、その使用量や製造条件にはおのずと制限がある。アオイ科あるいはシナノキ科の靭皮繊維植物を原料とするボード類の場合も、E0タイプ製品であっても工業的有利に製造できる技術の開発が望まれている。
【0009】次に、建築用材料は、保存性および衛生面から、防菌(特に防黴)、防虫および防蟻加工を施すことが望ましいが、アオイ科またはシナノキ科の靭皮繊維植物を原料とするボード類にあっては、この面から検討したという従来技術は見当たっていない。そこで、本発明の目的は、アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物を原料とし、ホルムアルデヒド放出量がE0タイプであることを容易に達成されたものであって、しかも防菌・防虫・防蟻効果が持続性よく発揮される建材ボードと、その製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために、まずアオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物粉砕し、粉砕物同士を接着するに適した接着剤の検索を進めた。その結果、ホルムアルデヒドと尿素のモル比が1.05付近で最終メチロール化して得られるユリア樹脂木材接着剤を、その調製後、早い時期に粉砕物に分散して加熱加圧すれば、130℃付近の比較的に低温下であっても、十分な接着力を発揮し、E0タイプのボードが得られることを見出した。さらに、前記ユリア樹脂木材接着剤と共に防菌・防虫・防蟻剤を添加し、粉砕物に分散しておけば建材として使用後も、これらの効果が長く持続して発揮することも見出した。本発明は、これらの知見に基きさらに検討して完成されたものである。
【0011】すなわち、本発明の建材ボードは、アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物の粉砕物に遊離ホルムアルデヒドが0.5重量%以下であり粘度が0.1〜0.3Pa.S(パスカル)であるユリア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤の少なくとも1種とを分散し、成型後、加熱加圧して成ることを特徴とする。前記の防黴剤、防虫剤および防蟻剤としては、その主成分が有機ヨード化合物および有機窒素化合物であって防黴剤、防虫剤および防蟻剤の少なくとも1種の作用を有する化合物が好ましく用いられる。とりわけ、前記有機ヨード化合物として3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトと、また前記有機窒素化合物として1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−4,5−ジヒドロ−N−ニトロ−1H−イミダゾール−2−アミンとを混合物として用いることが好ましい。これらの混合物は、防菌剤(とりわけ防黴効果)、防虫剤および防蟻剤のいずれの作用も有する。
【0012】前記アオイ科に属する靭皮繊維植物としてはケナフ芯部を主材とする粉砕物を、また前記シナノキ科に属する靭皮繊維植物としてはジュート芯部を主材とする粉砕物を用いることが好ましい。本発明の建材用ボードの製造は、■アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物を粉砕する工程、■遊離ホルムアルデヒドが0.5重量%以下であり粘度が0.1〜0.3Pa.Sであるユリア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤の少なくとも1種とを、前記粉砕物に分散する工程、■前記の分散処理された粉砕物をボード状に成型し、加熱加圧する工程、に付することを特徴とする。
【0013】前記粉砕工程後に、靭皮繊維部含量を10重量%以下にするための分離工程を設けることにより、芯部を主材とする建材ボードを製造することができる。前記ユリア樹脂木材接着剤は、ホルムアルデヒド(F)と尿素(U)のF/Uモル比が1.03〜1.07において最終メチロール化を行って調製されたものであることが好ましい。また前記ユリア樹脂木材接着剤は調製後、60℃におけるゲル化時間が60〜90分間であるものをそのゲル化時間の前に、液状で分散することが好ましい。
【0014】前記の加熱加圧工程は、125〜135℃、15〜25kg/cm2の条件で実施することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、アオイ科に属する靭皮繊維植物としてケナフが好ましく、またシナノキ科に属する靭皮繊維植物としてジュートが好ましい。これらの靭皮繊維植物は、収穫後10%程度の含水率まで乾燥し、粉砕物(パーティクル)として本発明に供する。この発明で利用する部位は、芯部を主材することが好ましいが、その場合であっても靭皮繊維部をある程度、例えば10重量%程度までは含んでいてもよい。もともと、これらの靭皮繊維植物は、その靭皮繊維が繊維類の製造に用いられ、芯部は廃棄されてきたが、本発明によればこの芯部を有効利用できる。
【0016】前記粉砕物の調製は、乾燥物を例えば1000mm程度に裁断し、メッシュ寸法45mm×45mm程度で粉砕(クラッシュ)する。これによって、靭皮繊維部分は毛玉状になるので、芯部粉砕物から容易に篩別できる。また、石、土などの異物も除去される。本発明において、芯部を主材とする場合であっても、10重量%程度までの靭皮繊維部分を含むことは何ら差し支えがない。従来、靭皮繊維部と芯部の分離は、水に浸漬後、靭皮繊維部を剥離していたが、この方法によると靭皮繊維部に含まれるペクチンが腐敗し、水が汚染されて腐敗集臭が発生し、芯部へも悪影響を及ぼす。上記の乾式粉砕篩別法によれば、従来のような浸漬法による悪影響は認められないので有利である。
【0017】次に、本発明におけるユリア樹脂木材接着材は、遊離ホルムアルデヒドが0.5重量%以下であり、粘度が0.1〜0.3Pa.Sであるものが使用される。遊離ホルムアルデヒドは、0.3重量%以下であればより好ましく、0.2重量%以下であればさらに好ましい。このユリア樹脂木材接着材は、ホルムアルデヒド(F)と尿素(U)のF/Uモル比が1.03〜1.07において最終メチロール化を行って調製されたものであることが好ましい。また、この接着剤は、60℃におけるゲル化時間が60〜90分であり、固形分は約63〜67重量%であるものが好ましく使用される。
【0018】このユリア樹脂木材接着材は次のようにして調製できる。ホルムアルデヒド(F)と尿素(U)とを、F/Uの初期モル比1.45〜1.55の範囲、好ましくは約1.5の割合で混合し、pH8付近の弱アルカリ性下でメチロール化反応を十分に行う。次いで、pHを徐々に降下させると同時に縮合反応を進める。pH5.5付近の弱酸性下で適度な縮合度(例えば、約85℃20〜30分反応させる)に達したところで、中性なし弱アルカリ性に調整した後、尿素をF/Uモル比の最終目標値が1.05となるように加えて、最終メチロール化反応を行い、pH8付近の弱アルカリ性にして冷却することにより目的物であるユリア樹脂木材接着材が得られる。反応時間の合計は、120分ぐらいである。
【0019】このようにして得られるユリア樹脂木材接着剤は、60℃におけるゲル化時間が60〜90分であり、前記粉砕物への分散は調製後なるべく早い時期、少なくともゲル化が起る前に分散する。本発明においては、前記ユリア樹脂木材接着剤と共に防黴剤、防虫剤および防蟻剤の少なくとも1種を分散する。防菌剤(とりわけ防黴剤)、防虫剤および防蟻剤は、これらの作用を個別に有する薬剤をそれぞれ添加してもよいし、2種または3種の作用を合わせて有する薬剤を添加してもよい。通常、これらの作用を合わせて有する有機窒素系化合物および/または有機ヨード化合物を添加する。とりわけ、前記有機ヨード化合物として3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトと、また前記有機窒素化合物として1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−4,5−ジヒドロ−N−ニトロ−1H−イミダゾール−2−アミンとを混合物として用いることが好ましい。
【0020】前記ユリア樹脂木材接着剤と防菌剤、防虫剤および防蟻剤は、前記粉砕物に対して分散する際には、予め混合製剤としてから分散してもよいし、個々に分散してもよい。この分散工程においては、必要に応じて、建材ボードの品質向上に有用な添加物を同時に分散してもよい。このような添加物としては、例えば防湿剤(例、液化パラフィン)などが挙げられる。前記ユリア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤は、いずれもそれの作用が発揮されるように、適宜の量を選択して、前記粉砕物に分散する。一般に、前記ユリア樹脂木材接着剤は前記粉砕物に対して約7〜13重量%、好ましくは10重量%を、また防菌剤、防虫剤および防蟻剤はそれの合計量として前記粉砕物に対して約0.1〜0.2重量%、好ましくは0.15重量%程度を添加する。また防湿剤を添加する場合、その添加量は前記粉砕物に対して1重量%程度を目安とすればよい。本発明においては、前記したようなユリア樹脂木材接着剤を用いることによって、例えば10重量%程度と従来に比して多い目の添加量であっても、E0タイプの建材ボードを製造することができる。
【0021】上記の粉砕物、ユリア樹脂木材接着剤、防菌剤、防虫剤および防蟻剤とを用いて、建材ボードを作製する。最初に、前記粉砕物の所定量をミキサーに投入する。前記粉砕物は、例えば2100mm×1100mm×25mmのボードでは1枚当たり11.55kgを、1920mm×1018mm×25mmのボードでは1枚当たり9.77kgを目安に用いる。次いで、前記ユリア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤と、さらに必要に応じて他の添加物を加えて、混合し、前記粉砕物全体に十分、分散する。
【0022】前記のとおり混合された材料を、パレット(規定寸法の成形冶具)に流し込み、予備加圧(無加熱下の加圧)して成型(フォーミング)する。この時のプレス圧は、10kg/cm2程度とする。予備加圧後のパレットを、加熱加圧して前記粉砕物の砕片同士を接着させて、ボード形成させる。この時の条件としては、加熱温度は125〜135℃、プレス圧は15〜25kg/cm2、プレス時間は2.5〜5分間である。また、予備加圧して得られた成型物にドライスチームを吹き付けて、ホットプレスすることにより接着効果が向上する。本発明においては、上記のように加熱温度が135℃付近という従来に比して低い温度であっても実用的に十分な強度を有するボードが得られる。このために加圧時に焦げなどを発生することがなく、表面仕上りが良好である。
【0023】かくして得られたボードは、適宜、冷却工程、定寸裁断工程、厚み調整工程などに付して最終の建材ボードに仕上げられる。本発明の建材ボードは、空気層を有することから断熱、防音、結露防止効果を有し、また持続した防菌、防虫、防蟻効果を発揮するものであり、従来の木材を用いた合板、パーティクルボードに代えて利用し得るものである。さらに、切断、加工が容易であり、比重が従来の合板に比べて約1/2であることから軽量化が達成され、建材として有利な特徴を有する。
【0024】使用用途の具体例としては、屋根の下地材、外壁の下地材、床の下地材、その他の基材等の利用が挙げられる。その他の基材としては、家具、建具、パーティション等の芯材、マンションの間仕切りパネル、置き床等に利用し得る。
【0025】
【実施例】実施例1(1)材料・ケナフタイケナフの乾燥物(水分10%)を1000mm以下に裁断し、次いでメッシュ寸法45mm×45mmでクラッシュした。これを篩にかけて、毛玉状の繊維類と、石、土などの異物を除去し、ケナフ粉砕物を得た。
【0026】・ユリア樹脂木材接着剤ホルムアルデヒド(F)と尿素(U)とを、初期F/Uモル比1.5で混合し、pH8.0でメチロール化した。次いで、pHを降下させると同時に縮合反応を進めた。pH5.5付近で85℃120分間縮合反応を行ったところで、pH7.5に調整し、F/Uモル比1.05になるように尿素を加えて最終メチロール化反応を行った後、pH8にして冷却し、ユリア樹脂木材接着剤を得た。この接着剤は、粘度:2ポイズ、固形分:60重量%、ゲル化時間(60℃):75分、遊離ホルムアルデヒド:0.2重量%、であった。
【0027】・防菌・防虫・防蟻剤水溶性炭化水素溶剤に、2%の3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトおよび40%の1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−4,5−ジヒドロ−N−ニトロ−1H−イミダゾール−2−アミンを含む製剤を防菌・防虫・防蟻剤として用いた。
・防湿剤液化パラフインを用いた。
(2)建材ボードの作製・分散工程前記のケナフ粉砕物にその重量対し、前記ユリア樹脂木材接着剤を10重量%、防黴・防虫・防蟻剤を0.15重量%、および防湿剤を1%、それぞれ加えて、ミキサーを用いて充分に分散した。
【0028】・成型工程前記のミキシングされた材料を、パレット(寸法:2100mm×1100mm×25mm)に流し込み、プレス圧10kg/cm2で非加熱下で予備加圧して成型した。
・加熱加圧工程前記の予備加圧した成型物にドライスチーム(100℃)を吹き付けて、プレス盤温度130℃、プレス圧20kg/cm2で3分間、加熱加圧してボードを得た。
【0029】上記のボードを、水冷プレス法により冷却し、サンダーマシンにより厚み調整を行い、公差±0.2mmに仕上げて、ホルムアルデヒド放出量がE0タイプである建材ボードを得た。
(3)物性値上記の建材ボードを(財)日本建築総合試験所においてJISに規定に従って物性を測定した。その結果を、他のボードの物性と比較して表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】これらの結果から、本発明の建材ボードは他のボードと比較して次の特性を有することが分かる。
・比重において他の類似ボードに比べ著しく低く、軽量化に寄与できる。・軽量にも拘わらず曲げ強さ類似ボードに比べて高い。
・剥離強度においても他のパーティクルボードやMDFと同程度の強度を有する。
【0032】・木ねじの保持力においては他のパーティクルボードやMDFよりも強力である。
上記のとおり、本発明の建材ボードは、建築資材として極めて有利な特徴を有する。
【0033】
【発明の効果】本発明の建材ボードは、木材に代えて、短期間の栽培で供給可能なアオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物を材料とするものであるから、木材資源の節減につながり、ひいては地球環境を護ることに貢献し得る。この建材ボードは、ユリア樹脂木材接着剤を用いて作製されるが、その使用量が比較的多くても、ホルムアルデヒド放出量がE0タイプである製品を工業的有利に製造できる。従って、接着力が十分に発揮され、加熱加圧工を高温下の過酷な条件で行わなくてもよいことから、表面をきれいに仕上げることができる。しかも、物性的には他のボード類に比して同等またはそれ以上の特性を有する。
【0034】この建材ボードは、E0タイプであることに加えて、防菌・防虫・防蟻剤がボード全体に内部まで分散して存在することから、これらの作用が長く持続し、衛生的でかつ保存性が高いものである。
【出願人】 【識別番号】597165582
【氏名又は名称】安武 康隆
【出願日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【代理人】 【識別番号】100075155
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
【公開番号】 特開2002−337115(P2002−337115A)
【公開日】 平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願番号】 特願2001−149618(P2001−149618)