| 【発明の名称】 |
繊維板の製造方法及び繊維板の製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】上田 卓実
【氏名】奥平 有三
【氏名】大西 兼司
【氏名】安藤 秀行
【氏名】梅岡 一哲
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| 【要約】 |
【課題】長繊維マットに接着剤を均一に含浸させることにより接着性能に優れた繊維板を製造することができる繊維板の製造方法を提供する。
【解決手段】ケナフ、油ヤシ、ココヤシの少なくともいずれかから得られる多数本の長繊維1′からなる長繊維マット1に水溶性の接着剤2を含浸させる含浸工程。含浸工程で得られた長繊維マット1を乾燥する乾燥工程。乾燥工程で得られた長繊維マット1を熱圧により繊維板に成形する成形工程から成る繊維板の製造方法に関する。乾燥工程として、含浸工程で得られた長繊維マット1に空気3を供給して含水率が100%以下になるまで乾燥する風乾工程を用いる。長繊維マット1の内部にまで均一に乾燥することができる。乾燥時に水分及び接着成分が長繊維マット1の表面へと移動する方向と逆方向の力を空気3の供給により長繊維マット1に与えながら乾燥させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケナフ、油ヤシ、ココヤシの少なくともいずれかから得られる多数本の長繊維からなる長繊維マットに水溶性の接着剤を含浸させる含浸工程と、含浸工程で得られた長繊維マットを乾燥する乾燥工程と、乾燥工程で得られた長繊維マットを熱圧により繊維板に成形する成形工程からなる繊維板の製造方法において、乾燥工程として、含浸工程で得られた長繊維マットに空気を供給して含水率が100%以下になるまで乾燥する風乾工程を用いることを特徴とする繊維板の製造方法。 【請求項2】 上記乾燥工程が、含浸工程で得られた長繊維マットに常温の空気を供給して含水率が100%以下になるまで乾燥する常温風乾工程と、常温風乾工程で得られた長繊維マットに40℃以上の空気を供給して乾燥する温風乾燥工程とで構成されることを特徴とする請求項1に記載の繊維板の製造方法。 【請求項3】 上記風乾工程が、含浸工程で得られた長繊維マットに風速5m/s以下の空気を供給して乾燥する弱風風乾工程と、弱風風乾工程で得られた長繊維マットに風速10m/s以上の空気を供給して乾燥する強風風乾工程とで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維板の製造方法。 【請求項4】 上記風乾工程において、相対湿度60%以下の乾燥空気を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 【請求項5】 上記含浸工程において、接着剤の固形分比率を10〜50%に調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 【請求項6】 接着剤として水溶性フェノール接着剤を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 【請求項7】 接着剤の粘度を10〜300mPa・sに調整することを特徴する請求項1乃至6のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 【請求項8】 上記含浸工程において、ローラー等で挟むことにより厚みを薄くした長繊維マットに接着剤を含浸させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 【請求項9】 厚みが3〜20mmとなるように調整した長繊維マットに接着剤を含浸させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 【請求項10】 マット含水率が5%以下となるように調整した長繊維マットに接着剤を含浸させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 【請求項11】 空隙率が90%以上となるように調整した長繊維マットに接着剤を含浸させることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 【請求項12】 長繊維マットに水溶性の接着剤を含浸させるための含浸機構と、長繊維マットに空気を供給して乾燥するための風乾機能を備えた乾燥機構と、熱圧により繊維板に形成するための成形機構とを具備して成ることを特徴とする繊維板の製造装置。 【請求項13】 長繊維マットに常温の空気を供給して乾燥する常温風乾機能と、長繊維マットに40℃以上の空気を供給して乾燥する温風乾燥機能とを備えた乾燥機構を有して成ることを特徴とする請求項12に記載の繊維板の製造装置。 【請求項14】 長繊維マットに風速5m/s以下の空気を供給して乾燥する弱風風乾機能と、長繊維マットに風速10m/s以上の空気を供給して乾燥する強風風乾機能とを備えた風乾機構を有して成ることを特徴とする請求項12又は13に記載の繊維板の製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ケナフ、油ヤシ、ココヤシのいずれかから得られる長繊維を原料とした繊維板の製造方法及びその製造装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】合板、パーティクルボード、MDF(中質繊維板)などの木質系ボードは、床材・壁材・天井材等の建築部材、扉部材、巾木・廻り縁等の造作部材、家具用材料などの幅広い分野で使用されている。 【0003】これら木質系ボードは、主に針葉樹或いは広葉樹の木材を加工して得られる単板、木材小片(パーティクル)、木材繊維を接着して板状に成形したものである。そのため、原木を製材して得られる挽板などに比べ、品質が安定しており、異方性が少なく加工性に優れるなどの特徴を有している。 【0004】一方、近年の地球環境問題から、森林保護を目的として森林伐採の規制が強化され始めており、従来の針葉樹或いは広葉樹を原料とした木質系ボードに代わって、非木材資源を用いたボードへの要望が高まってきた。 【0005】このような要望に対して、非木材資源を用いたボードの開発が進められており、ボード原料として、バガス、コーリャン、オイルパーム(油ヤシ)、ジュート、竹などの非木材リグノセルロース資源が注目され始めている。 【0006】このような非木材資源を利用したボードに関しては、本発明者らは既に特開平11−333986号公報において、ケナフ(アオイ科の一年生草本類)、油ヤシ、ココヤシのいずれかから得られる長繊維を原料として用い、この長繊維を一方向或いは直交方向に配向させることにより、軽量で高強度、且つ長さ方向の寸法安定性が優れた繊維板を開示している。 【0007】上記繊維板において、その接着性能と品質性能については相互に関連があり、繊維同士の十分な接着性能が得られた繊維板については高強度で高性能な繊維板が得られることが知られている。従って、繊維板に優れた性能を付与するためには、接着性能を向上させることが必須であった。すなわち、繊維方向性を有する長繊維集合体からなる長繊維マットへ接着剤を均一に付与する必要があった。そこで、より一層の高性能化及び低コスト化が要求されている中で、長繊維マットへ接着剤を均一に付着するための繊維板の製造方法の確立が不可欠とされている。 【0008】長繊維マットへ接着剤を付着させるための繊維板の製造方法として、一般的には、スプレー等を用いて接着剤を噴霧する方法、接着剤を入れた槽の中に長繊維マットを浸漬(ディッピング)する方法などが挙げられるが、後者の方が接着剤をより均一に付着することができ、さらに接着剤の飛散等の問題もないため、有効な方法として利用されている。ここで、上記方法に用いる接着剤としては、水溶性の接着剤(水溶性接着剤)が主に用いられる。これは、有機溶剤等の可燃性危険物を使用した場合と比較して簡易な設備での製造が可能であり、且つ希釈等により接着剤の固形分比率を容易に制御することができるためである。 【0009】また、このような水溶性の接着剤を用いた場合の具体的な製造工程としては、まず、図9(a)に示すように、ケナフ、油ヤシ、ココヤシの少なくともいずれかの靭皮部分から得られる多数本の長繊維1′からなる長繊維マット1を含浸槽7の中に浸漬して接着剤2を含浸させて付着させる含浸工程を行い、次に、図9(b)に示すように、含浸工程により得られた長繊維マット1を乾燥機等の加熱乾燥装置30の中で乾燥して余分な水分を除去する乾燥工程を行い、最後に、図9(c)に示すように、乾燥工程で得られた長繊維マット1を所定量積層した後、熱圧装置21の一対のプレス板22の間で挟んで加熱加圧して繊維板に成形する成形工程を行うものである。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記製造方法及び製造工程においては、以下に述べるような問題があった。すなわち、乾燥工程において、図10(a)に示すように、熱3′の供給により長繊維マット1を乾燥機等の加熱乾燥装置30の中で乾燥することによって、図10(b)に示すように長繊維マット1中の水分2aは長繊維マット1の表面にまで移動して蒸発するが、この時、長繊維マット1中の接着成分(接着剤2の固形分)2bも水分2aと同様に長繊維マット1の表面にまで移動するため、乾燥後の長繊維マット1において、図10(c)に示すように、接着成分2bが長繊維マット1の厚み方向に対して不均一になるものであり、従って、繊維板の接着性能が低下し、品質性能が劣化する恐れがあった。また、乾燥時間も比較的長時間かかるため、繊維板を効率的に製造するためには大規模な乾燥設備を導入する必要があり、同時に乾燥に費やすエネルギーも膨大になるために、コスト高につながる恐れがあった。 【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、長繊維マットに接着剤を均一に含浸させることにより接着性能に優れた繊維板を製造することができると共に、製造効率を高めて連続生産性への対応が容易な繊維板の製造方法及び繊維板の製造装置を提供することを目的とするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る繊維板の製造方法は、ケナフ、油ヤシ、ココヤシの少なくともいずれかから得られる多数本の長繊維1′からなる長繊維マット1に水溶性の接着剤2を含浸させる含浸工程と、含浸工程で得られた長繊維マット1を乾燥する乾燥工程と、乾燥工程で得られた長繊維マット1を熱圧により繊維板に成形する成形工程から成る繊維板の製造方法において、乾燥工程として、含浸工程で得られた長繊維マット1に空気3を供給して含水率が100%以下になるまで乾燥する風乾工程を用いることを特徴とするものである。風乾工程を用いることにより、長繊維マット1の内部にまで均一に乾燥することができ、且つ乾燥時に水分2a及び接着成分2bが長繊維マット1の表面へと移動する方向と逆方向の力を空気3の供給により長繊維マット1に与えながら乾燥させることができ、含浸工程により長繊維マット1に均一に付着させた接着成分2bの移動を抑制しながら長繊維マット1を均一に乾燥することができて接着性能に優れた繊維板を容易に製造することが可能となる。 【0013】本発明の請求項2に係る繊維板の製造方法は、請求項1の構成に加えて、上記乾燥工程が、含浸工程で得られた長繊維マット1に常温の空気3を供給して含水率が100%以下になるまで乾燥する常温風乾工程と、常温風乾工程で得られた長繊維マット1に40℃以上の空気4を供給して乾燥する温風乾燥工程とで構成されることを特徴とするものである。常温風乾工程を用いることにより、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着させた接着成分2bの移動を抑制しながら長繊維マット1を乾燥することがさらに容易になり、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能となると共に、温風乾燥工程を用いることにより、乾燥効率を効果的に高めることが可能になる。 【0014】本発明の請求項3に係る繊維板の製造方法は、請求項1又は2の構成に加えて、上記風乾工程が、含浸工程で得られた長繊維マット1に風速5m/s以下の空気5を供給して乾燥する弱風風乾工程と、弱風風乾工程で得られた長繊維マット1に風速10m/s以上の空気6を供給して乾燥する強風風乾工程とで構成されることを特徴とするものである。弱風風乾工程を用いることにより、長繊維マット1への負荷を極力抑えながら含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着させた接着成分2bの移動を起こさせずに長繊維マット1を乾燥することができると共に、強風風乾工程を用いることにより、乾燥効率を効果的に高めることが可能になる。 【0015】本発明の請求項4に係る繊維板の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、上記風乾工程において、相対湿度60%以下の乾燥空気を用いることを特徴とするものである。このような乾燥空気を用いることにより、上述した効果に加えて乾燥効率をさらに効果的に高めることが可能になる。 【0016】本発明の請求項5に係る繊維板の製造方法は、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、上記含浸工程において、接着剤2の固形分比率を10〜50%に調整することを特徴とするものである。接着剤2の固形分比率をこの範囲に調整することにより、接着成分2bを効果的に接着剤2中に分散させることができ、接着剤量の低減が可能となる。 【0017】本発明の請求項6に係る繊維板の製造方法は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、接着剤2として水溶性フェノール接着剤を用いることを特徴とするものである。水溶性フェノール接着剤を用いることにより、希釈時に水溶液中において接着成分2bが非常に安定した状態となるため、含浸工程時における接着成分2bの長繊維マット1への均一付着性がより向上し、接着性能がさらに優れた繊維板を容易に製造することが可能になる。 【0018】本発明の請求項7に係る繊維板の製造方法は、請求項1乃至6のいずれかの構成に加えて、接着剤2の粘度を10〜300mPa・sに調整することを特徴するものである。接着剤2の粘度をこの範囲に調整することにより、乾燥時の接着成分2bの移動がより起こりにくくなるため、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着した接着成分2bの移動をより抑制した状態で長繊維マット1を乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になる。 【0019】本発明の請求項8に係る繊維板の製造方法は、請求項1乃至7の構成に加えて、上記含浸工程において、ローラー8等で挟むことにより厚みを薄くした長繊維マット1に接着剤2を含浸させることを特徴とするものである。このような状態の長繊維マット1に接着剤2を含浸させることにより、長繊維1′間に残存する気泡を無くした状態で接着剤2を長繊維マット1の内部にまで効果的に含浸させることができ、含浸工程時における接着成分2bの長繊維マット1への均一付着性をさらに向上させることができて接着性能にさらに優れる繊維板を容易に製造することが可能になる。 【0020】本発明の請求項9に係る繊維板の製造方法は、請求項1乃至8のいずれかの構成に加えて、厚みが3〜20mmとなるように調整した長繊維マット1に接着剤2を含浸させることを特徴とするものである。厚みを上記範囲に調整した長繊維マット1に接着剤2を含浸させることにより、乾燥時に長繊維マット1の厚み方向における接着成分2bの移動距離を小さくすることができるため、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着した接着成分2bの移動をより抑制した状態で長繊維マット1を乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になる。 【0021】本発明の請求項10に係る繊維板の製造方法は、請求項1乃至9のいずれかの構成に加えて、マット含水率が5%以下となるように調整した長繊維マット1に接着剤2を含浸させることを特徴とするものである。マット含水率が上記範囲となるように調整した長繊維マット1に接着剤2を含浸させることにより、含浸工程時に接着成分2bの一部を長繊維1の表面付近に浸透させることができ、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着した接着成分2bの移動をより抑制した状態で長繊維マット1を乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になる。 【0022】本発明の請求項11に係る繊維板の製造方法は、請求項1乃至10のいずれかの構成に加えて、空隙率が90%以上となるように調整した長繊維マットに接着剤を含浸させることを特徴とするものである。空隙率が上記範囲となるように調整した長繊維マット1に接着剤2を含浸させることにより、乾燥時に長繊維マット1の厚み方向における接着成分2bの移動経路を減少することができるため、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着した接着成分2bの移動をより抑制した状態で長繊維マット1を乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になる。 【0023】本発明の請求項12に係る繊維板の製造装置は、長繊維マット1に水溶性の接着剤2を含浸させるための含浸機構31と、長繊維マット1に空気3を供給して乾燥するための風乾機能を備えた乾燥機構32と、熱圧により繊維板に形成するための成形機構33とを具備して成ることを特徴とするものである。このような構成にすることにより、含浸工程により長繊維マット1に均一に付着させた接着成分2bの移動を抑制しながら長繊維マット1を均一に乾燥することができて接着性能に優れた繊維板を容易に製造することが可能となり、かつ連続生産への対応が容易な製造装置として利用することができるものである。 【0024】本発明の請求項13に係る繊維板の製造装置は、請求項12の構成に加えて、長繊維マット1に常温の空気3を供給して乾燥する常温風乾機能と、長繊維マット1に40℃以上の空気を供給して乾燥する温風乾燥機能とを備えた乾燥機構32を有して成ることを特徴とするものである。このような構成にすることにより、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着させた接着成分2bの移動を起こさせずに長繊維マット1を乾燥させた後、さらに長繊維マット1を効率よく乾燥させることができ、成形工程時における成形時間を短縮することができて接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能となる。 【0025】本発明の請求項14に係る繊維板の製造装置は、請求項12又は13の構成に加えて、長繊維マット1に風速5m/s以下の空気5を供給して乾燥する弱風風乾機能と、長繊維マット1に風速10m/s以上の空気6を供給して乾燥する強風風乾機能とを備えた風乾機構34を有して成ることを特徴とするものである。このような構成にすることにより、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着させた接着成分の移動を起こさせずに長繊維マット1を乾燥することができると共に、乾燥効率を効果的に高めることが可能になる。 【0026】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。 【0027】本発明で用いる長繊維マット1は、ケナフ、油ヤシ、ココヤシから得られる多数本の長繊維1′の集合体からなるものであるが、ケナフ、油ヤシ、ココヤシのいずれか一つから得られる一種類の長繊維1′で長繊維マット1を形成しても良いし、ケナフ、油ヤシ、ココヤシから選ばれる二種以上の長繊維集合体を併用して長繊維マット1を形成しても良い。長繊維マット1を形成する方法については特に限定はなく、例えば、長繊維1′の集合体を長さ方向に切断し、これを複数積み重ねてマットを形成する方法や、長繊維1′の集合体を積層し、クロスレイヤーやニードルパンチ等の装置を用いてマットを形成する方法などを挙げることができる。 【0028】本発明で用いる接着剤2としては、溶媒の全部あるいは大部分が水である水溶性接着剤であれば特に限定されないが、例えば、接着成分(固形分)2bとしてユリア樹脂を含有する水溶性ユリア樹脂接着剤、接着成分2bとしてメラミン樹脂を含有する水溶性メラミン樹脂接着剤、接着成分2bとして酢酸ビニル樹脂を含有する水溶性酢酸ビニル接着剤、接着成分2bとしてフェノール樹脂を含有する水溶性フェノール樹脂接着剤などを用いることができる。この中でも水溶性フェノール樹脂接着剤を用いるのが好ましい。水溶性フェノール樹脂接着剤は水溶性接着剤の中でも水に対する親和性が特に高いため、水で希釈しても接着成分2bが極めて安定的に接着剤2中に存在するという特徴を有している。そのため、希釈により接着剤2の固形分比率を調整した場合であっても、含浸工程時における接着成分2bの長繊維マット1への均一付着性が他の接着剤を用いるよりも向上し、他の接着剤を用いるよりも接着性能のさらに優れた繊維板を容易に製造することができるものである。 【0029】図1に、本発明の製造方法における実施の形態の一例を概略図で示す。この実施の形態では乾燥工程として風乾工程を用いるものである。すなわち、まず、図1(a)に示す含浸工程により、上記の長繊維マット1を含浸槽7に貯留した接着剤2の中に浸漬して接着剤2を長繊維マット1に含浸させる。次に、図1(b)に示す風乾工程(乾燥工程)により、含浸工程で得られた長繊維マット1に空気3を吹き付けて供給して長繊維マット1の含水率が100%以下になるまで水分2aを除去し乾燥する。ここで、長繊維マット1の含水率とは、長繊維マット1の繊維の重量に対する長繊維マット1中の水の重量の割合である。次に、図1(c)に示すように、風乾工程で得られた乾燥した長繊維マット1を熱圧装置(ホットプレス)21の一対のプレス板22の間に配置し、長繊維マット1をプレス板22で挟んで熱圧(加熱加圧)することにより、長繊維マット1をさらに乾燥させると共に長繊維マット1に含浸させた接着剤2の接着成分2bを硬化させることによって繊維板を成形することができる。 【0030】図2(a)〜(c)に本発明の風乾工程による水分2aの乾燥機構を、図2(d)〜(f)に従来の乾燥工程すなわち長繊維マット1を乾燥機等の加熱乾燥装置30の中で乾燥した場合の水分2aの乾燥機構を示す。図2(a)〜(c)と図2(d)〜(f)を比較すると、図2(d)〜(f)の場合、図2(d)のように熱3′が長繊維マット1に表面側から供給されるために、図2(e)のように乾燥工程に伴う水分2aの蒸発は主に長繊維マット1の表面で生じ、長繊維マット1の表面での水分2aの蒸発に伴い、長繊維マット1の内部に残存する水分2a′が長繊維マット1の表面に移動する。この時、含浸工程で長繊維マット1の内部に均一に含浸して長繊維1′に付着した接着成分2b′も水分2a′と同時に長繊維マット1の表面付近へ移動するため、図2(f)のように乾燥後の接着成分2bは主に長繊維マット1の表面付近に集中し、その分布は長繊維マット1の厚み方向に対して不均一になる。従って、このような条件で乾燥された長繊維マット1を繊維板に成形した場合、特に、接着成分2bの付着が少ない長繊維マット1の内部の部分での接着性能(長繊維1′同士の接着強度など)が不十分になる場合があった。 【0031】これに対して図2(a)〜(c)の場合、図2(a)のように空気3が長繊維マット1に表面側から内部に向けて供給されるために、空気3が長繊維マット1の内部にまで浸透し、長繊維マット1全体を効果的に乾燥させることができる。さらに空気3の供給により、乾燥時に長繊維マット1の内部の水分2a′及び接着成分2b′が長繊維マット1の表面へ移動する方向と逆方向の力を与えることが可能になる。以上の作用により、図2(d)〜(f)の場合で見られるような接着成分2b′の移動現象を抑えながら乾燥することが可能となるのである。 【0032】本発明者らは上記理論に基づき様々な検討を行い、その結果、風乾工程により長繊維マット1の含水率が100%以下になるまで乾燥すれば、長繊維マット1の内部の水分2a′及び接着成分2b′の長繊維マット1の表面への移動が起こらなくなることを見出したのである。 【0033】ここで、本実施の形態において、供給する空気3の条件(すなわち、温度、相対湿度、風速等)は、使用する長繊維マット1の物性(すなわち、密度、厚み等)により適宜設定されるが、例えば、空気3の温度としては常温(25℃程度)にすることができる。 【0034】図3に本発明の製造方法における他の実施の形態の一例を概略図で示す。この実施の形態では乾燥工程として、含浸工程で得られた長繊維マット1に常温の空気3を吹き付けて供給して長繊維マット1の含水率が100%以下になるまで水分2aを除去し乾燥する常温風乾工程と、常温風乾工程で得られた長繊維マット1に40℃以上の空気4を吹き付けて供給して乾燥する温風乾燥工程とを用いるものである。含浸工程及び成形工程については上記実施の形態と同様である。 【0035】風乾工程において乾燥効率を高める方法の一つに、温風を供給して乾燥させる方法が考えられるが、この方法の場合、温風が長繊維マット1の内部にまで浸透するまでに(主に表面近くで)蒸発する水分2aによって気化熱が奪われるために、わずかではあるが長繊維マット1の厚み方向に対して温度分布が生じ、使用する長繊維マット1の厚みや密度によっては、供給する空気3の物性(相対湿度や風速等)をより精密に制御する必要が生じる場合がある。これに対して、常温の空気3を用いることにより、乾燥時の長繊維マット1の内部における厚み方向の温度分布を極力均一に保つことができるため、含浸工程によって長繊維マット1に均一に含浸して付着した接着成分2bの移動を抑制しながら長繊維マット1を乾燥させることがさらに容易になるものである。 【0036】また、成形工程においては、長繊維マット1に十分な熱圧を加えることにより、長繊維マット1の水分2aを蒸発させ、接着剤2の接着成分2bを硬化させる必要があるが、本実施の形態によれば、まず、常温風乾工程により長繊維マット1の含水率が100%以下になるまで乾燥し、長繊維マット1の内部の水分2a′及び接着成分2b′の長繊維マット1の表面への移動が起こらないようにした後、温風乾燥工程によりさらに乾燥するために、成形工程において水分2aを蒸発させる時間、すなわち成形時間を効率的に短縮させることが可能となる。そのため、接着性能の優れる繊維板をさらに容易に製造することが可能になる。 【0037】ここで、温風乾燥工程に用いられる空気4(温風)の温度範囲は40℃以上である。この温度より低いと長繊維マット1からの水分2aの蒸発が遅くなって温風乾燥工程に多くの時間を要し効率的に繊維板を製造することができなくなる恐れがある。また、温風乾燥工程に用いられる空気4の温度の上限は特に限定されないが、接着剤2の接着成分2bの硬化温度以下に制御するのが好ましく、使用する接着剤2の物性に合わせて適宜選定される。従って、一般的には空気4の温度は120℃程度までにすればよいが、これに限定されるものではない。 【0038】図4に本発明の製造方法における他の実施の形態の一例を概略図で示す。この実施の形態では乾燥工程として風乾工程を用いるが、この風乾工程が、含浸工程で得られた長繊維マット1に風速5m/s以下の空気5を吹き付けて供給して乾燥する弱風風乾工程と、弱風風乾工程で得られた長繊維マット1に風速10m/s以上の空気6を吹き付けて供給して乾燥する強風風乾工程とで構成されるものであり、この風乾工程により長繊維マット1の含水率が100%以下になるまで乾燥するものである。含浸工程及び成形工程は上記の実施の形態と同様である。 【0039】含浸工程直後の長繊維マット1は水分2a及び接着成分2bを多く含んでいるため、通常、含浸工程前と比較して重量が約150〜400%程度に増加している。この状態で空気を供給した場合、長繊維マット1の重量増加に対して空気の風速が大きすぎると、負荷のために長繊維マット1が変形する恐れが生じる。そこで、弱風風乾工程を用いることにより、長繊維マット1への負荷を極力抑えながら含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着させた接着成分2bの移動を起こさせずに長繊維マット1を乾燥させ、ある程度乾燥が進行して長繊維マット1の変形が起こらなくなった状態にした後、強風風乾工程を用いることにより、乾燥効率を効果的に高めることが可能になる。 【0040】上記の弱風風乾工程における風速は5m/s以下にするものであり、これにより、長繊維マット1への負荷が大きくならないようにすることができる。また、弱風風乾工程における風速は1m/s以上にすることが好ましく、この風速よりも小さくと、乾燥の効率が低くなり時間がかかりすぎることになる。上記の強風風乾工程における風速は10m/s以上にするものであり、これにより、乾燥の効率が低くなることがなく乾燥に長時間を要することが無くなるものである。また、強風風乾工程における風速の上限は特に限定されず、長繊維マット1が破れたりしない風速であれば問題ない。 【0041】尚、図4に示す実施の形態においても、強風風乾工程の後に上記の温風乾燥工程を行うことができる。また、本実施の形態において、供給する空気5、6の風速以外の条件(すなわち、温度、相対湿度等)は、使用する長繊維マット1の物性(すなわち、密度、厚み等)により適宜設定されるが、例えば、空気5、6の温度としては常温(25℃程度)にすることができる。 【0042】上記いずれの実施の形態においても、風乾工程(常温風乾工程と弱風風乾工程及び強風風乾工程を含む)で用いる空気3〜6として、相対湿度60%以下の乾燥空気を用いるのが好ましい。このような乾燥空気を用いることにより、上述した効果に加えて乾燥効率をさらに効果的に高めることが可能になるものである。尚、本発明で用いる乾燥空気の相対湿度の下限は0%である。 【0043】また、上記いずれの実施の形態においても、含浸工程で用いる接着剤2の固形分比率(接着剤2の全量に対する固形分(接着成分2b)の含有割合)は重量比で1〜50%に調整するのが好ましい。接着剤2の固形分比率をこの範囲に調整することにより、接着成分2bが接着剤2の液中において効果的に分散するために、接着成分2bを効果的に低減させることができ、結果としてより少ない接着剤2の量で十分な接着性能を有する繊維板を容易に製造することが可能となるものである。 【0044】尚、接着剤2の固形分比率の調整方法については特に限定はされないが、例えば、水等による希釈倍率を制御する方法や接着剤2から溶媒を蒸発等により除去する方法などを挙げることができる。 【0045】また、上記いずれの実施の形態においても、含浸工程で用いる接着剤2の粘度を10〜300mPa・s(25℃における)に調整するのが好ましい。接着剤2の粘度をこの範囲に調整することにより、含浸工程における接着剤2の長繊維マット1への均一付着性を維持しながら、風乾工程において水分2aの蒸発に伴い接着剤2の粘度が増加することにより、乾燥時の接着成分2bの移動がより起こりにくくなるため、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着した接着成分2bの移動をより抑制した状態で長繊維マット1を乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になる。 【0046】尚、接着剤2の粘度の調整方法については特に限定はされないが、例えば、水等による希釈倍率を制御する方法、小麦粉やメチルセルロース等の増粘剤を適宜用いて粘度を調整する方法などを挙げることができる。 【0047】また、上記いずれの実施の形態においても、搾りローラーであるローラー8等で長繊維マット1を挟みながら含浸工程を行うのが好ましい。すなわち、図5(a)に示すように、含浸工程時に用いる含浸槽7の中に上下一対のローラー8を接着剤2に浸漬した状態で設置し、含浸工程時に長繊維マット1がローラー8で上下から挟まれた状態で接着剤2を含浸させるようにするものである。このようにして含浸工程を行うことによって、図5(b)に示すように、長繊維マット1がローラー8の加圧により厚み方向に圧縮されて薄くなると共に長繊維マット1の中の気泡9がローラー8の搾りにより除去され、しかも、長繊維マット1がローラー8の通過後に復元するために、これに伴って接着剤2が長繊維マット1の内部にまで効率的に含浸するものである。従って、含浸工程における接着剤2の長繊維マット1への均一付着性がさらに向上し、接着性能にさらに優れる繊維板を容易に製造することが可能になるものである。 【0048】また、上記いずれの実施の形態においても、厚みが3〜20mmとなるように調整した長繊維マット1に接着剤2を含浸させるのが好ましい。厚みをこの範囲に調整した長繊維マット1に接着剤2を含浸させることにより、乾燥時に長繊維マット1の厚み方向における接着成分2bの移動距離を小さくすることができる。そのため、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着した接着成分2bの移動をより抑制した状態で長繊維マット1を乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になるものである。 【0049】尚、長繊維マット1の厚みを調整する方法としては、プレス機等で加圧したり長繊維1′の使用量を調整するなどの任意の方法を挙げることができる。 【0050】また、上記いずれの実施の形態においても、マット含水率が5%以下となるように調整した長繊維マット1に接着剤2を含浸させるのが好ましい。マット含水率がこの範囲となるように調整した長繊維マット1に接着剤2を含浸させることにより、含浸工程時に接着成分2bの一部を長繊維1の表面付近に浸透した状態となり、この状態で風乾工程を行った場合、長繊維1′の表面付近に浸透した接着成分2bは水分2aが蒸発しても長繊維マット1の表面へ移動しにくくなる。従って、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着した接着成分2bの移動をより抑制した状態で長繊維マット1を乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になるものである。 【0051】尚、マット含水率は含浸工程前の長繊維マット1の含水率であり、長繊維マット1の繊維の重量に対する長繊維マット1中の水の重量の割合である。また、本発明で用いる長繊維マット1のマット含水率の下限は特に限定はされず、0%である。さらに、マット含水率を調整する方法としては、乾燥機等により乾燥するなどの任意の方法を挙げることができる。 【0052】また、上記いずれの実施の形態においても、空隙率が90%以上となるように調整した長繊維マットに接着剤を含浸させるのが好ましい。長繊維マット1の空隙率をこの範囲程度にまで高めると、長繊維マット1を構成する長繊維1′の本数が減少する。そのため、乾燥時に長繊維マット1の厚み方向における接着成分2bの移動経路となる長繊維1′同士の接触部分を減少することができ、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着した接着成分2bの移動をより抑制した状態で長繊維マット1を乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になるものである。 【0053】尚、長繊維マット1の強度等を考慮すると、実用上の空隙率の上限は99.5%にするのが好ましい。また、長繊維マット1の空隙率は長繊維マット1の体積と、重量、長繊維1′の比重により算出することができるものである。さらに、長繊維1′の量や、長繊維1′を絡める操作(例えば、ニードルパンチ)の多い少ないで長繊維1′の密度を変えることにより、長繊維マット1の空隙率を調整することができるものである。 【0054】尚、上記いずれの実施の形態においても、この含浸工程後の長繊維マット1の含水率は、接着剤2の含浸させ易さ等を考慮して150〜200%程度にするのが好ましい。また、上記いずれの実施の形態においても、風乾工程後の長繊維マット1の含水率は20%以上にすることが好ましいが、これに限定されるものではない。しかし、含水率を20%よりも低くしようとすると、手間や時間がかかり効率的でない。さらに、上記いずれの実施の形態においても、乾燥工程後の長繊維マット1の含水率は10〜30%にするのが好ましく、これ以上高いと、得られる繊維板の外観が低下する(しみ状になる)恐れがある。 【0055】図6に本発明の製造装置の実施の形態の一例を概略図で示す。この実施の形態は図1に示す実施の形態を実施するための製造装置であって、図6(a)に示すような長繊維マット1に水溶性の接着剤2を含浸させるための含浸機構31と、図6(b)に示すような長繊維マット1に空気3を供給して乾燥するための風乾機能を備えた乾燥機構32と、図6(c)に示すような熱圧により繊維板に形成するための成形機構33とを具備して形成されている。 【0056】含浸機構31は、接着剤2を満たして貯留する含浸槽7と、含浸槽7に取り付けられた複数個の搬送ローラー11と、含浸槽7の出口側に配置された搾りローラー12とを具備して形成されている。含浸槽7は上面を開口させて形成されており、一方の端部を入口側として、他方の端部を出口側として形成されている。搬送ローラー11は上下に対向する二つで一組をなすものであり、含浸槽7の上部に二組の搬送ローラー11が取り付けられている。また、搬送ローラー11の一部は含浸槽7中の接着剤2に浸漬されている。搾りローラー12は上下に対向する二つで形成されている。 【0057】乾燥機構32は、含浸工程で得られた長繊維マット1を搬送するための運搬ローラー35と、ファン13などの送風機で構成される風乾機構34とを具備して形成されており、風乾機構34により風乾機能を備えているものである。運搬ローラー35は風乾機構34の下方に複数個配設されており、長繊維マット1の搬送方向と平行な方向に並べられている。また、風乾機構34は運搬ローラー35の上方に配設されるものであり、二機の風乾機構34が長繊維マット1の搬送方向と平行な方向に並べられている。 【0058】成形機構33は、乾燥機構32(風乾機構34)による乾燥工程で得られた長繊維マット1を所定数積層し、繊維板として熱圧するためのものであって、上下一対のプレス板22を備えた熱圧装置(ホットプレス)21で形成されている。 【0059】このような繊維板の製造装置を用いて繊維板を製造するにあたっては、次のようにして行う。まず、長尺の長繊維マット1を搬送ローラー11で上下に挟んで含浸槽7の入口側から出口側に向かって進行させると共に搬送ローラー11で挟みながら長繊維マット1を含浸槽7の接着剤2中に浸漬し、この後、搾りローラー12で接着剤2から引き上げられた長繊維マット1を挟んで余分な接着剤2を搾り取ることによって、含浸機構31により含浸工程を行う。長繊維マット1から搾り取られた余分な接着剤2は含浸槽7に落下して戻されて再利用される。 【0060】次に、含浸工程を行った長繊維マット1を乾燥機構32(風乾機構34)に搬送し、ここで、長繊維マット1を運搬ローラー35で搬送しながら長繊維マット1に上方から空気3(常温の空気3)を吹き付けて供給して長繊維マット1の含水率が100%以下になるまで水分2aを除去し乾燥することによって、乾燥機構32により乾燥工程を行う。この時、乾燥工程前後での長繊維マット1の重量変化を計測する等の方法により、含水率が100%以下になるまで乾燥することができ、これにより、接着性能に優れた繊維板を容易に製造することが可能となる。また、図9に示すようなバッチ式の加熱乾燥装置30とは異なり、長尺の長繊維マット1を運搬ローラー35等のコンベアで搬送しながら乾燥することができ、連続生産へも容易に対応することが可能となるものである。 【0061】次に、乾燥後の長繊維マット1を熱圧装置21の一対のプレス板22の間に配置し、長繊維マット1をプレス板22で挟んで熱圧(加熱加圧)することにより、長繊維マット1をさらに乾燥させると共に長繊維マット1に含浸させた接着剤2の接着成分2bを硬化させることによって、成形機構33で成形工程を行う。このようにして繊維板を成形することができるものである。 【0062】尚、上記製造装置における運転条件(すなわち、搬送ローラー11や運搬ローラー35による長繊維マット1の送り速度、長繊維マット1の接着剤2への浸漬時間、搾りローラー12のクリアランス、風乾機構34により生じる空気3の風速及び風乾時間、さらに成形工程における成形温度、成形圧力、成形時間等)は、必要とされる繊維板の物性(すなわち、繊維板の密度、厚み、含脂率等)により適宜設定することができる。 【0063】図7に本発明の製造装置の他の実施の形態の一例を概略図で示す。この実施の形態は図3に示す実施の形態を実施するための製造装置であって、図6のものと乾燥機構32が異なるものである。図7(a)に示す含浸機構31及び図7(c)に示す成形機構33はそれぞれ図6(a)、図6(c)のものと同様である。 【0064】乾燥機構32は、図7(b)に示すように、含浸工程で得られた長繊維マット1を搬送するための運搬ローラー35と、ファン13などの送風機で構成される常温風乾機構36と、ファン13等の送風機の直下で運搬ローラー35の上方にヒーター14を設けた温風乾燥機構37とを具備して形成されており、常温風乾機構36による常温風乾機構と温風乾燥機構37による温風乾燥機能を備えて乾燥機構32が構成されているものである。運搬ローラー35は常温風乾機構36及び温風乾燥機構37の下方に複数個配設されており、長繊維マット1の搬送方向と平行な方向に並べられている。また、常温風乾機構36及び温風乾燥機構37は運搬ローラー35の上方に配設されており、常温風乾機構36と温風乾燥機構37は長繊維マット1の搬送方向と平行な方向に並べられている。常温風乾機構36は常温の空気3を含浸工程後の長繊維マット1に供給するものであり、温風乾燥機構37は常温風乾工程後の長繊維マット1に40℃以上の空気4(温風)を供給するものである。空気4はヒーター14により温められるものである。また、温風乾燥機構37は常温風乾機構36と成形機構33の間に配設されている。 【0065】このような繊維板の製造装置を用いて繊維板を製造するにあたっては、次のようにして行う。まず、図6のものと同様にして含浸機構31により含浸工程を行う。次に、含浸工程を行った長繊維マット1を乾燥機構32に搬送し、ここで、長繊維マット1を運搬ローラー35で搬送しながら常温風乾機構36により長繊維マット1に上方から常温の空気3を吹き付けて供給して長繊維マット1の含水率が100%以下になるまで水分2aを除去し乾燥することによって、常温風乾機構36により常温風乾工程を行う。この時、乾燥工程前後での長繊維マット1の重量変化を計測する等の方法により、含水率が100%以下になるまで乾燥することができ、これにより、接着性能に優れた繊維板を容易に製造することが可能となる。次に、長繊維マット1を運搬ローラー35で搬送しながら温風乾燥機構37により長繊維マット1に上方から40℃以上の空気4を吹き付けて供給して長繊維マット1をさらに乾燥することによって、温風乾燥機構37により温風乾燥工程を行う。ここで、図9に示すようなバッチ式の加熱乾燥装置30とは異なり、長尺の長繊維マット1を運搬ローラー35等のコンベアで搬送しながら乾燥することができ、連続生産へも容易に対応することが可能となるものである。次に、図6のものと同様にして成形機構33で成形工程を行う。このようにして繊維板を成形することができるものである。 【0066】そして、乾燥工程において、常温乾燥機構36による常温風乾工程と温風乾燥機構37による温風乾燥工程とを用いるので、含浸工程によって長繊維マット1に均一に含浸して付着した接着成分2bの移動を起こさせずに長繊維マット1を常温風乾工程で乾燥させた後、さらに温風乾燥工程で長繊維マット1を効率よく乾燥させることができ、成形工程時における成形時間を効率的に短縮させることが可能となり、接着性能の優れる繊維板をさらに容易に製造することが可能になるものである。 【0067】図8に本発明の製造装置の他の実施の形態の一例を概略図で示す。この実施の形態は図4に示す実施の形態を実施するための製造装置であって、図6のものと乾燥機構32が異なるものである。図8(a)に示す含浸機構31及び図8(d)に示す成形機構33は図6のものと同様である。 【0068】乾燥機構32は、含浸工程で得られた長繊維マット1を搬送するための運搬ローラー35と、図8(b)に示すように低風量のファン13などの送風機で構成される弱風風乾機構38と、図8(c)に示すように大風量のブロワー15等の送風機で構成される強風風乾機構39とを具備して形成されている。すなわち、風速を5m/s以下に制御した空気5を長繊維マット1に供給して乾燥する弱風風乾機能を備えた弱風風乾機構38と、風速を10m/s以上に制御した空気6を長繊維マット1に供給して乾燥する強風風乾機能を備えた強風風乾機構39との二つの風乾機能を有する風乾機構34で乾燥機構32が構成されている。運搬ローラー35は弱風風乾機構38及び強風風乾機構39の下方に複数個配設されており、長繊維マット1の搬送方向と平行な方向に並べられている。また、弱風風乾機構38及び強風風乾機構39は運搬ローラー35の上方に配設されており、弱風風乾機構38と強風風乾機構39は長繊維マット1の搬送方向と平行な方向に並べられている。 【0069】このような繊維板の製造装置を用いて繊維板を製造するにあたっては、次のようにして行う。まず、図6のものと同様にして含浸機構31により含浸工程を行う。次に、含浸工程を行った長繊維マット1を乾燥機構32(風乾機構34)に搬送し、ここで、長繊維マット1を運搬ローラー35で搬送しながら弱風風乾機構38で長繊維マット1に上方から風速5m/s以下の空気5を吹き付けて供給し、次に、弱風風乾工程で得られた長繊維マット1に風速10m/s以上の空気6を強風風乾機構39で吹き付けて供給して乾燥し、長繊維マット1の含水率が100%以下になるまで水分2aを除去し乾燥することによって、風乾機構34により風乾工程を行う。この時、乾燥工程前後での長繊維マット1の重量変化を計測する等の方法により、含水率が100%以下になるまで乾燥することができ、これにより、接着性能に優れた繊維板を容易に製造することが可能となる。次に、図6のものと同様にして成形機構33で成形工程を行う。このようにして繊維板を成形することができるものである。 【0070】そして、乾燥工程において、弱風乾燥機構38による弱風風乾工程と強風風乾機構39による強風風乾工程とを用いるので、弱風風乾工程を用いることにより、長繊維マット1への負荷を極力抑えながら含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着させた接着成分2bの移動を起こさせずに長繊維マット1を乾燥させ、ある程度乾燥が進行して長繊維マット1の変形が起こらなくなった状態にした後、強風風乾工程を用いることによりさらに乾燥することができ、接着性能の優れる繊維板をさらに容易に製造することが可能になると同時に、乾燥効率を効果的に高めることが可能になるものである。 【0071】 【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明する。 【0072】(実施例1)ケナフ靭皮部(幅1〜2cm、厚さ数mm、長さ2〜4m程度)の長繊維束に解繊処理を行い、得られたケナフ長繊維マット1(繊維の長さ約0.2〜2m程度、繊維の直径約50〜600μm、繊維は一方向に配向)を用いて図6に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。この時得られた長繊維マット1は、サイズ300×900mm、面重量0.24g/cm2であった。また、接着剤2としてはユリア−メラミン接着剤を用いた。また、運転条件は、搬送ローラー11の送り速度0.5m/sec、搬送ローラー11のクリアランス20mm、長繊維マット1の含浸(浸漬)時間10秒間、搾りローラー12のクリアランス3mm、風乾時間3分間、成形工程における成形温度150℃、成形圧力2.94MPa(30kgf/cm2)、成形時間5分間とした。その他の条件は表1、2に記載した。 【0073】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.80となった。 【0074】(実施例2)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図7に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。温風乾燥機構37における温風の温度を80℃、温風乾燥時間を3分間に設定した以外は、実施例1と同様の条件とした。 【0075】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.79となった。 【0076】(実施例3)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図8に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。弱風風乾機構38における風速を4.5m/sec、風乾時間を4分間、強風風乾機構39における風速を30m/sec、風乾時間を1分間に設定した以外は、実施例2と同様の条件とした。 【0077】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.78となった。 【0078】(実施例4)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図8に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。弱風風乾機構38における空気の相対湿度を55%に設定した以外は、実施例3と同様の条件とした。 【0079】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.81となった。 【0080】(実施例5)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図8に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。接着剤2の固形分比率を45%、強風風乾機構39における空気の相対湿度を55%に設定した以外は、実施例3と同様の条件とした。 【0081】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.78となった。 【0082】(実施例6)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図8に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。接着剤2としては水溶性フェノール接着剤を用い、その固形分比率を30%とし、また、強風風乾機構39における空気の相対湿度を60%に設定した以外は、実施例3と同様の条件とした。 【0083】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.78となった。 【0084】(実施例7)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図8に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。接着剤2の固形分比率を20%とした以外は、実施例6と同様の条件とした。 【0085】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.79となった。 【0086】(実施例8)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図8に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。含浸槽7の中に浸漬された搬送ローラー11のクリアランスを5mmに設定した以外は、実施例7と同様の条件とした。 【0087】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.82となった。 【0088】(実施例9)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図8に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。ケナフ長繊維マット1の厚みを10mm、空隙率を80%、含浸槽7の中に浸漬された搬送ローラー11のクリアランスを1mmに設定した以外は、実施例8と同様の条件とした。 【0089】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.77となった。 【0090】(実施例10)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図8に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。含水率4.5%のケナフ長繊維マット1を用いて接着剤2を含浸させた以外は、実施例9と同様の条件とした。 【0091】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.77となった。 【0092】(実施例11)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図8に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。空隙率90%のケナフ長繊維マット1を用いて接着剤2を含浸させた以外は、実施例9と同様の条件とした。 【0093】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.78となった。 【0094】(比較例1)実施例1と同様にして得られたケナフ長繊維マット1を用い、図11に示す製造装置により繊維板(ケナフ長繊維ボード)を作製した。ケナフ長繊維マット1としては空隙率80%のものを用いた。また、接着剤2としては固形分比率30%のものを用いた。また、乾燥工程では加熱乾燥装置30を用い、乾燥温度80℃、乾燥時間25分間に設定した。これら以外は実施例1と同様の条件とした。 【0095】得られたボード(繊維板)のサイズは、300×900mm、厚み4mm、ボード比重0.83となった。 【0096】(比較例2)通常使用されているMDF(中密度繊維板)を比較例として用いた。MDFのサイズは300×900mm、厚み4mm、比重0.83であった。 【0097】上記実施例1〜11及び比較例1で用いた長繊維マット1及び接着剤2の種類と物性及び含浸工程及び乾燥工程における各条件を表1、2に示す。 【0098】また、繊維板の接着性能を示す指標として、JIS A 5906(中密度繊維板)で示された剥離強度を試験し、その結果を表2に併せて示す。 【0099】 【表1】
【0100】 【表2】
【0101】表2から明らかなように、本発明の実施例はすべて、比較例1、2に対して高い接着性能を有することが確認された。 【0102】 【発明の効果】上記のように本発明の請求項1の発明は、ケナフ、油ヤシ、ココヤシの少なくともいずれかから得られる多数本の長繊維からなる長繊維マットに水溶性の接着剤を含浸させる含浸工程と、含浸工程で得られた長繊維マットを乾燥する乾燥工程と、乾燥工程で得られた長繊維マットを熱圧により繊維板に成形する成形工程から成る繊維板の製造方法において、乾燥工程として、含浸工程で得られた長繊維マットに空気を供給して含水率が100%以下になるまで乾燥する風乾工程を用いるので、風乾工程により長繊維マットの内部にまで均一に乾燥することができ、且つ乾燥時に水分及び接着成分が長繊維マットの表面へと移動する方向と逆方向の力を空気の供給により長繊維マットに与えながら乾燥させることができ、含浸工程により長繊維マットに均一に付着させた接着成分の移動を抑制しながら長繊維マットを均一に乾燥することができて接着性能に優れた繊維板を容易に製造することが可能となるものである。 【0103】本発明の請求項2の発明は、上記乾燥工程が、含浸工程で得られた長繊維マットに常温の空気を供給して含水率が100%以下になるまで乾燥する常温風乾工程と、常温風乾工程で得られた長繊維マットに40℃以上の空気を供給して乾燥する温風乾燥工程とで構成されるので、常温風乾工程により含浸工程によって長繊維マットに均一に付着させた接着成分の移動を抑制しながら長繊維マットを乾燥することがさらに容易になり、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能となると共に、温風乾燥工程により乾燥効率を効果的に高めることが可能になるものである。 【0104】本発明の請求項3の発明は、上記風乾工程が、含浸工程で得られた長繊維マットに風速5m/s以下の空気を供給して乾燥する弱風風乾工程と、弱風風乾工程で得られた長繊維マットに風速10m/s以上の空気を供給して乾燥する強風風乾工程とで構成されるので、弱風風乾工程により長繊維マットへの負荷を極力抑えながら含浸工程によって長繊維マットに均一に付着させた接着成分の移動を起こさせずに長繊維マットを乾燥することができると共に、強風風乾工程により乾燥効率を効果的に高めることが可能になるものである。 【0105】本発明の請求項4の発明は、上記風乾工程において、相対湿度60%以下の乾燥空気を用いるので、上述した効果に加えて乾燥効率をさらに効果的に高めることが可能になるものである。 【0106】本発明の請求項5の発明は、上記含浸工程において、接着剤の固形分比率を10〜50%に調整するので、接着成分を効果的に接着剤中に分散させることができ、接着剤量の低減が可能となるものである。 【0107】本発明の請求項6の発明は、接着剤として水溶性フェノール接着剤を用いるので、希釈時に水溶液中において接着成分が非常に安定した状態となるため、含浸工程時における接着成分の長繊維マットへの均一付着性がより向上し、接着性能がさらに優れた繊維板を容易に製造することが可能になるものである。 【0108】本発明の請求項7の発明は、接着剤の粘度を10〜300mPa・sに調整するので、乾燥時の接着成分の移動がより起こりにくくすることができ、含浸工程によって長繊維マットに均一に付着した接着成分の移動をより抑制した状態で長繊維マットを乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になるものである。 【0109】本発明の請求項8の発明は、上記含浸工程において、ローラー等で挟むことにより厚みを薄くした長繊維マットに接着剤を含浸させるので、長繊維間に残存する気泡を無くした状態で接着剤を長繊維マットの内部にまで効果的に含浸させることができ、含浸工程時における接着成分の長繊維マットへの均一付着性をさらに向上させることができて接着性能にさらに優れる繊維板を容易に製造することが可能になるものである。 【0110】本発明の請求項9の発明は、厚みが3〜20mmとなるように調整した長繊維マットに接着剤を含浸させるので、乾燥時に長繊維マット1の厚み方向における接着成分の移動距離を小さくすることができ、含浸工程によって長繊維マットに均一に付着した接着成分の移動をより抑制した状態で長繊維マットを乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になるものである。 【0111】本発明の請求項10の発明は、マット含水率が5%以下となるように調整した長繊維マットに接着剤を含浸させるので、含浸工程時に接着成分の一部を長繊維の表面付近に浸透させることができ、含浸工程によって長繊維マットに均一に付着した接着成分の移動をより抑制した状態で長繊維マット1を乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になるものである。 【0112】本発明の請求項11の発明は、空隙率が90%以上となるように調整した長繊維マットに接着剤を含浸させるので、乾燥時に長繊維マットの厚み方向における接着成分の移動経路を減少することができ、含浸工程によって長繊維マットに均一に付着した接着成分の移動をより抑制した状態で長繊維マットを乾燥させることができ、接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能になるものである。 【0113】本発明の請求項12の発明は、長繊維マットに水溶性の接着剤を含浸させるための含浸機構と、長繊維マットに空気を供給して乾燥するための風乾機能を備えた乾燥機構と、熱圧により繊維板に形成するための成形機構とを具備するので、含浸工程により長繊維マットに均一に付着させた接着成分の移動を抑制しながら長繊維マットを均一に乾燥することができて接着性能に優れた繊維板を容易に製造することが可能となり、かつ連続生産への対応が容易な製造装置として利用することができるものである。 【0114】本発明の請求項13の発明は、長繊維マットに常温の空気を供給して乾燥する常温風乾機能と、長繊維マットに40℃以上の空気を供給して乾燥する温風乾燥機能とを備えた乾燥機構を有するので、含浸工程によって長繊維マット1に均一に付着させた接着成分の移動を起こさせずに長繊維マットを乾燥させた後、さらに長繊維マットを効率よく乾燥させることができ、成形工程時における成形時間を短縮することができて接着性能に優れた繊維板をさらに容易に製造することが可能となるものである。 【0115】本発明の請求項14の発明は、長繊維マットに風速5m/s以下の空気を供給して乾燥する弱風風乾機能と、長繊維マットに風速10m/s以上の空気を供給して乾燥する強風風乾機能とを備えた風乾機構を有するので、含浸工程によって長繊維マットに均一に付着させた接着成分の移動を起こさせずに長繊維マットを乾燥することができると共に、乾燥効率を効果的に高めることが可能になるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月27日(2001.3.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−283313(P2002−283313A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月3日(2002.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−91307(P2001−91307) |
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