トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般




【発明の名称】 耐水性ボード
【発明者】 【氏名】前田 慎一

【氏名】門馬 利明

【氏名】中村 好弘

【要約】 【課題】本発明は、木粉、木片に接着剤を添加して得られる木質ボードの耐水性を改善するとともに、建築分野の断熱材として使用されている例えば、ポリカルボジアミドフォーム、ポリアミドフォーム、尿素フォーム、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、エポキシフォームなどが挙げられる。また、廃冷蔵庫、廃自販機から回収した硬質ポリウレタンフォーム断熱材、建築現場で発生する端材、残材、さらに工場で生産時に発生する裁断ロスなどの有効利用を図るものである。

【解決手段】本発明の耐水性ボードは、木粉チップ又は木片チップ55〜80重量%と熱硬化性樹脂粉45〜20重量%とを接着剤で結合して得られるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】木粉チップ55〜80重量%と熱硬化性樹脂粉45〜20重量%とを接着剤で結合したことを特徴とする耐水性ボード。
【請求項2】木片チップ55〜80重量%と熱硬化性樹脂粉45〜20重量%とを接着剤で結合したことを特徴とする耐水性ボード。
【請求項3】少なくとも表層、中芯層の順で積層された構造の耐水性ボードであって、表層として木粉チップと熱硬化性樹脂粉とを接着剤で結合したものであり、中芯層として木片チップと熱硬化性樹脂粉とを接着剤で結合したものであることを特徴とする耐水性ボード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築用としての床材、内装材、外装材の他、家具、家電製品、厨房設備などに広く用いられ、特に水廻りなどにも好適に使用できる耐水性ボードに関する。
【0002】
【従来技術】木粉、木片等の木質材料に結合材(接着剤)を添加して加圧成形してなる各種の木質ボード(以下結合材添加木質ボードという場合がある)としては、ハードボード、MDF、パーティクルボード、インシュレーションボード、配向性ボード(OSB)等があるが、水廻りの使用においては耐水性が不足気味であった。一方、近年循環型社会を目指す法律が制定され、製品のリサイクル化要求が高まってきている。特に製品サイクルの短い家庭用冷蔵庫の硬質ポリウレタンフォーム断熱材は家電リサイクル法によりリサイクルが義務付けられている。さらに自動販売機、ショーケース、保冷車、仮設ハウスなどの硬質ポリウレタンフォーム断熱材も問題化されてきた。また、建築分野に使用されている熱硬化性樹脂も建設リサイクル法などによって将来的には、回収が義務付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、木粉、木片に接着剤を添加して得られる木質ボードの耐水性を改善するとともに、熱硬化性樹脂廃材の有効利用を図るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の耐水性ボードは、木粉チップ55〜80重量%と熱硬化性樹脂粉45〜20重量%とを接着剤で結合して得られるものである。
【0005】本発明の請求項2の耐水性ボードは、木片チップ55〜80重量%と熱硬化性樹脂粉45〜20重量%とを接着剤で結合して得られるものである。
【0006】本発明の請求項3の耐水性ボードは、少なくとも表層、中芯層の順で積層された構造の耐水性ボードであって、表層として木粉チップと熱硬化性樹脂粉とを接着剤で結合したものであり、中芯層として木片チップと熱硬化性樹脂粉とを接着剤で結合したものである。
【0007】本発明の木粉チップとは、例えば太さ0.2mm未満、長さ5mm未満の大きさが主になっている木材の微粉末であり、例えば広葉樹及び針葉樹の輸入材或いは国産のマツ、ツガ、スギ、ヒノキ等の木材を鋸の屑状に微細化した微粉末を主体とするものである。
【0008】本発明の木片チップとは、例えば太さ0.2〜3mm、長さ5〜30mm程度の大きさが主になっている木材の微小片であり、例えば広葉樹及び針葉樹の輸入材或いは国産のマツ、ツガ、スギ、ヒノキ等の木材の微小片を主体とするものである。
【0009】木粉チップ、木片チップとも容器等に盛ったときの見かけ比重は0.1〜0.2g/ccのものが好ましい。尚、木材の微粉末と木材の微小片或いは木質繊維等とが混ざり合うことは好ましいものではないが、木粉チップや木片チップを作製する過程において多少の混ざり合いは避けることができず、例えば木粉チップを作製する場合において、木材の微粉末に少量の木材の微小片や木質繊維が混入したものも本発明の木粉チップであり、例えば木片チップを作製する場合において、木材の微小片に少量の木材の微粉末や木質繊維が混入したものも本発明の木片チップである。
【0010】本発明の熱硬化性樹脂粉とは、例えばエポキシ樹脂粉、ポリアミド樹脂粉、尿素樹脂粉、ポリカルボジアミド樹脂粉、ポリウレタン樹脂粉、ポリイソシアヌレート樹脂粉、フェノール樹脂粉などが挙げられ、中でも、ポリウレタン樹脂粉、ポリイソシアヌレート樹脂粉、フェノール樹脂粉が好ましい。これらの熱硬化性樹脂粉は、例えばポリカルボジアミドフォーム、ポリアミドフォーム、尿素フォーム、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、エポキシフォームなどで、建築分野の断熱材として使用されているもの、また廃冷蔵庫、廃自販機から回収した断熱材、建築断熱工事現場で発生する断熱パネルの端材や残材、建築物解体時で発生する断熱パネルの廃材、さらに断熱材を工場で生産する際に発生する廃材等を回収したものが好ましく、上記熱硬化性樹脂を例えば、高速粉砕機で微粉砕したものである。上記熱硬化性樹脂粉の平均粒径は、3mm以下に微粉砕したものが好ましい。微粉砕した熱硬化性樹脂粉の平均粒径が3mm超える径であると、得られたボードは表面平滑に欠けたり、商品価値が乏しくなり易い。また耐水性がほとんど改善されない場合がある。微粉砕した熱硬化性樹脂の見かけ比重は0.03〜0.09g/ccのものが好ましい。
【0011】本発明の請求項1及び請求項3の木粉チップと熱硬化性樹脂粉とを混合した混合物において、両者の割合は、木粉チップ/熱硬化性樹脂粉が55/45〜80/20が好ましい。本発明の請求項2及び請求項3の木片チップと熱硬化性樹脂粉とを混合した混合物において、両者の割合は、木片チップ/熱硬化性樹脂粉が55/45〜80/20が好ましい。熱硬化性樹脂粉が20重量%未満になると、耐水性は熱硬化性樹脂粉を含まない従来の結合材添加木質ボードと変わらない場合がある。逆に熱硬化性樹脂粉が45重量%を超えると、曲げ強度や耐水性は著しく向上するものの熱硬化性樹脂粉と木粉チップ或いは木片チップとの比重の関係で容易に両者を均一に混合できず製造上の困難性が生ずる場合がある。木粉チップより得られた耐水性ボードは、木片チップより得られた耐水性ボードよりも小さな微粉砕のものであるとともに軽いという特徴をもっている。木片チップより得られた耐水性ボードは、木粉チップより得られた耐水性ボードよりも耐水性が強い特徴をもっている。
【0012】本発明の耐水性ボードは、木粉チップ又は木片チップと熱硬化性樹脂粉とを接着剤で結合した板状のものであり、例えば木粉チップ又は木片チップと熱硬化性樹脂粉とを比率を変えて混合した混合物からなるものを、二層以上としてもよい。好ましくは、木粉チップと熱硬化性樹脂粉とを接着剤で結合した層と、木片チップと熱硬化性樹脂粉とを接着剤で結合した層からなる少なくとも二層構造のものであり、特に好ましくは、中芯層が木片チップと熱硬化性樹脂粉からなり、表層が木粉チップと熱硬化性樹脂粉からなる表層−中芯層−表層構造の耐水性ボードである。
【0013】また、一方が木粉チップ又は木片チップと熱硬化性樹脂粉とを接着剤で結合したものであれば、他方が熱硬化性樹脂粉を混合しない木粉チップのみ、或いは木片チップのみとしてもある程度の耐水性が得られる。また、本発明の少なくとも二層構造の耐水性ボードは、本発明の単層構造の耐水性ボードと比べて軽量化しても曲げ強度及び耐水性が保持されるなどの特徴を有す。さらに、より好ましくは、表層−中芯層−表層からなる三層構造であり、曲げ強度などの機械的強度及び耐水性が著しく向上した耐水性ボードが得られる。そして、本発明においては、木粉チップ又は木片チップと熱硬化性樹脂粉とを所定の割合で混合した混合物の各層の重量割合が、表層/中芯層/表層で10〜30/40〜80/10〜30であることが好ましい。表層の重量割合が低いと得られる耐水性ボードは表面から水分を吸水し易くなり、さらに表面平滑性も低下する傾向にある。中芯層の重量割合が低いと耐水性ボードの機械的強度が低下する傾向にある。三層構造の場合、両表層の重量割合が異なるものとしても良いが、反り等の強度バランスから、同等とすることが好ましい。
【0014】本発明で使用する接着剤は、尿素樹脂、メラミン樹脂、水性イソシアネート、レゾール系フェノール樹脂あるいはノボラック系フェノール樹脂、さらに水ガラスなどが使用でき、これらを木粉チップ又は木片チップと熱硬化性樹脂粉を混合した混合物に噴霧等することによって耐水性ボードを作製することができる。接着剤の添加量としては、木粉チップ又は木片チップと熱硬化性樹脂粉100重量部に対して5〜10重量部が好ましい。
【0015】本発明の耐水性ボードの製造は、従来の結合材添加木質ボードの製造ラインを使用することができ、例えばスチールベルトを用い、その上に耐水性ボードの材料を供給して堆積し、この堆積物をプレス板やスチールベルトで加圧成形することなどで製造することができる。なお、目的とする形状に予備圧縮してから加圧成形すれば、一層安定した品質の耐水性ボードを製造でき、また特に厚い耐水性ボードを作製する場合にも、複数の板状に予備圧縮した材料を重ねて成形台やスチールベルトで、加圧成形することで品質の安定したものを得ることができる。
【0016】本発明の少なくとも二層構造、或いはより好ましい表層−中芯層−表層構造の耐水性ボードの製法においても上述と同様に、例えばスチールベルトを用い、その上に各層の材料を供給して体積し、この堆積物をプレス板やスチールベルトで加圧成形しても良い。なお、目的とする形状に予備圧縮してから加圧成形すれば、一層安定した品質の耐水製ボードを製造でき、また特に好ましくは、各層ごとに予備圧縮した材料を重ねて成形台やスチールベルトで、加圧成形しても良い。また各層ごとに作製した耐水性ボードとを、例えば接着剤を用いて接着させたり、熱融着させ貼り合わせても良い。
【0017】本発明の加圧成形とは、常温で加圧成形しても良いし、耐水性ボードに蒸気を噴射させながら加圧成形しても良いし、成形台やスチールベルト等を加熱して加圧成形しても良い。耐水性の向上には加熱して加圧成形する熱加圧成形が好ましい。
【0018】なお、本発明において耐水性ボードにおいて、従来の結合材添加木質ボードに使用できる防腐剤、防かび剤、防虫剤、防火剤、撥水剤、寸法安定剤を使用することは、何ら問題がない。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3)木粉チップとウレタン粉とを混合した混合物に、レゾール系フェノール樹脂接着剤を添加したものを、撹拌ボックスに入れて撹拌した後、予備圧縮し、次に160〜165℃に加熱したプレス板で5分間熱加圧成形して9mm厚のボードを作製した。得られたボードを1日(温度15〜25℃、相対湿度45〜70%)養生後、比重、曲げ強度、耐水性を測定した。物性の測定方法として以下の方法を用いた。
比重は、JIS A5905により測定。(g/cm3
曲げ強度は、JIS A5905により測定。(N/mm2
常温水吸水率は、15〜25℃の水に24時間ボードを浸漬した後に吸水重量を測定して(吸水重量/吸水前のボードの重量)×100で算出した。(%)
常温水強度保持率は、(上記の吸水したボードの曲げ強度/吸水前のボードの曲げ強度)×100で算出した。(%)
沸騰水吸水率は、90℃以上の沸騰水に30分間ボードを浸漬した後に吸水重量を測定して(吸水重量/吸水前のボードの重量)×100で算出した。(%)
沸騰水強度保持率は、(上記の吸水したボードの曲げ強度/吸水前のボードの曲げ強度)×100で算出した。(%)
結果を表1に示す。
【0020】(比較例1、2)ウレタン粉を混合しない木粉チップだけを用いた又はウレタン粉の量が少ないものと木粉チップを混合した混合物とを用いた以外は、実施例1〜3と同様にした。結果を表1に示す。
【0021】(実施例4、5)木片チップとウレタン粉とを混合した混合物を用いたこと及び水性イソシアネート接着剤を用いた以外は実施例1〜3と同様にした。結果を表2に示す。
【0022】(比較例3)ウレタン粉を混合しない木片チップだけを用いた以外は、実施例4、5と同様にした。結果を表2に示す。
(比較例4)ウレタン粉の量を多くした以外は、実施例4、5と同様にした。物性は、木片とウレタン粉の混合不良のため良好なボードが得られず、測定できなかった。
【0023】(実施例6、7)木粉チップとウレタン粉とを混合した混合物にレゾール系フェノール樹脂接着剤を添加したものを、撹拌ボックスに入れて撹拌して表層の材料を作製し、これを予備圧縮ボックスの底面に堆積させた。次に木片チップとウレタン粉とを混合した混合物に水性イソシアネート接着剤を添加したものを、撹拌ボックスに入れて撹拌して中芯層の材料を作製し、これを予備圧縮ボックスの表層の材料の上に堆積させ、次に上述した表層の材料と同じ物を予備圧縮ボックスの中芯層の材料の上に堆積させた。三層構造に堆積させたものを予備圧縮した後、160〜165℃に加熱したプレス板で5分間熱加圧成形して12mm厚のボードを作製した。得られた表層−中芯層−表層構造のボードを1日(温度15〜25℃、相対湿度45〜70%)養生後、比重、曲げ強度、耐水性を測定した。物性の測定方法は、実施例1〜3と同様の測定方法を用いた。結果を表3に示す。
(比較例5)市販されているパーティクルボードの物性を測定した。物性の測定方法は、実施例1〜3と同様の測定方法を用いた。結果を表3に示す。
【0024】(実施例8)木粉チップとフェノール粉とを混合した混合物に水ガラス接着剤を添加したものを、撹拌ボックスに入れて撹拌して表層の材料を作製し、これを予備圧縮ボックスの底面に堆積させた。次に木片チップとフェノール樹脂粉とを混合した混合物にレゾール系フェノール樹脂接着剤を添加したものを、撹拌ボックスに入れて撹拌して中芯層の材料を作製し、これを予備圧縮ボックスの表層層の材料の上に堆積させ、160〜165℃に加熱したプレス板で5分間熱加圧成形して12mm厚のボードを作製した。得られた表層−中芯層構造のボードを1日(温度15〜25℃、相対湿度45〜70%)養生後、比重、曲げ強度、耐水性、難燃性を測定した。物性の測定方法は、実施例1〜3と同様の測定方法を用いた。また難燃性を評価する試験方法は、コーンカロリーメータ試験(建築基準法)で評価した。準不燃材料は、加熱10分で評価判定される。結果を表4に示す。
【0025】
【0026】本実験に用いた木粉チップと木片チップは一般的にパーティクルボードで使用されているマツから得られた絶乾状態のチップであり、ウレタン粉は廃冷蔵庫からの平均粒径3mm以下のウレタン粉と紙面材付きのウレタンボードをターボミル(ターボ工業社製)で粒径3mm以下に粉砕したものを使用した。接着剤Aはレゾール系フェノール樹脂(固形分60重量%)(旭有機材工業製)、接着剤Bは水性イソシアネート(ウッドキュア300−日本ポリウレタン工業製)、接着剤Cは、水ガラスを使用した。なお、表1〜表3では木粉チップ又は木片チップ、とウレタン粉の合計を100として各成分の配合割合を表した。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
【表3】

【表4】

【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の耐水性ボードは、従来の結合材添加木質ボードに比べて耐水性が向上したものであることの他に、硬質ポリウレタンフォーム廃材の有効利用を図るものである。また、本発明の耐水性ボードは、従来の結合材添加木質ボードに比べて曲げ強度が向上したものである。さらに熱硬化性樹脂発泡体でフェノール廃材を利用することで、本質ボードの難燃性を向上することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000000077
【氏名又は名称】アキレス株式会社
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−254413(P2002−254413A)
【公開日】 平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願番号】 特願2001−397171(P2001−397171)