| 【発明の名称】 |
木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材 |
| 【発明者】 |
【氏名】利倉 一彰
【氏名】野口 秀時
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| 【要約】 |
【課題】簡易な塗装作業を施すだけで天然木の木目と同様な色、艶および木質面に独特の凹凸感が得られ、ユーザーが好きな色に塗装することができる利便性のある木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材を提供し、天然木の木目と同様な木目模様形成方法を提供することである。
【解決手段】木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体1の表面に、粒度24〜60番の砥粒を固定した研削シートを用いて多数の木目状の研削溝7を形成する第1研削工程を行ない、次いでこの工程で形成される多数の研削溝間の隆条の頂上部8aを粒度100〜400番の砥粒を固定した研削シートで研削する第2の研削工程を行ない、その後金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みが抑制された研磨面を形成し、深い研削溝7の奥部pには毛羽立ち10を残した塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 木材と熱可塑性樹脂の混合物を成形した木材・熱可塑性樹脂複合材の表面に、研削砥粒の線状接触痕からなる多数の研削溝を木目状に形成すると共に、これらの研削溝の間に形成された隆条の頂上部を研削および研磨し前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みを抑制し、かつ研削溝の内側には毛羽立ちを有する研削面を残したものからなる木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材。 【請求項2】 毛羽立ちの除去された隆条の頂上部の表面粗さがRmax10〜40μmである請求項1記載の木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材。 【請求項3】 木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体の表面に、粒度24〜60番(JIS R 6001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートを用いて多数の木目状の研削溝を形成する第1研削工程を行ない、次いでこの工程で形成される多数の研削溝間の隆条の頂上部を粒度100〜400番(JIS R 6001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートで前記第1研削工程で形成された研削溝を完全に消さない程度に研削する第2の研削工程を行ない、その後、金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みが抑制された研磨面を形成すると共に、研削溝の奥部には毛羽立ちを残すことからなる木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の製造方法。 【請求項4】 木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体の表面に、粒度24〜60番(JIS R 6001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートを用いて多数の木目状の研削溝を形成する第1研削工程を行ない、次いでこの工程で形成される多数の研削溝間の隆条の頂上部を粒度100〜400番(JIS R 6001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートで前記第1研削工程で形成された研削溝を完全に消さない程度に研削する第2の研削工程を行ない、その後、金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みが抑制された研磨面を形成すると共に研削溝の奥部には毛羽立ちを残し、次いで塗装することからなる木材・熱可塑性樹脂複合材の木目模様形成方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法、並びに木材・熱可塑性樹脂複合材の木目模様形成方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、木質材の吸水性や微生物などによる分解性を抑制し、または木質材加工中に副生した木粉の再利用(リサイクル)をするために、木粉と熱可塑性樹脂を混練した木粉コンパウンドを製造し、これを押出成形や射出成形して得られる複合材が知られている。 【0003】複合材を適用できる製品としては、家具、窓枠、ドアパネル、内装パネルなどの建築用半製品、貯蔵用または輸送用コンテナ、パレット、フェンス、家庭用家具、外壁化粧材などが挙げられる。 【0004】そして、プラスチックと木質材を複合して成形される木材・プラスチック複合材の表面に木目模様を形成する方法として、従来、ベルトサンダー等の回転式研削研磨装置を使用して表面を一定方向に削ることにより、樹脂成分の含有比率が平均よりも高い表面層を削り取り、樹脂成分の含有比率が標準的な層が現れるようにし、その際に研削方法を選択して引掻き傷からなる凹凸部が木目に似るようにした木目模様の装飾方法を採用する場合がある。 【0005】特開平8−267597号公報には、ポリオレフィン系樹脂100重量部及び木質繊維物質20〜200重量部を含有してなるポリオレフィン系樹脂板の表面を粒度30〜100番のラップ材等で10〜1000μmの厚さだけ削り取ることにより、表面粗さ5〜200μmの範囲で柾目模様を得ることができる技術が記載されている。 【0006】また、特開平9−216500号公報には、セルロース系破砕物20〜60重量%に対して熱可塑性樹脂成形材35〜80重量%からなる木質合成板の表面を第1工程として#40〜#60のサンディングで深い傷条をつけ、第2工程として着色材塗布、第3工程として#100〜#150のサンディングにより深い傷条に塗布された凹部分を残しながら新たな浅い傷条をつけ、さらに第4工程として木目印刷を施し、第5工程として仕上げ用の透明塗料を塗布することによりサンディングによる木目模様と印刷による木目柄との相乗作用により深い木質感のある模様が形成されると記載されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来の木材・熱可塑性樹脂複合材の木目模様形成方法である特開平8−267597号公報に記載の方法では、天然木の木目と比較すると単純なサンディング模様で貧弱な製品になり、塗装後は表面全体に塗料がしみ込んで表面部と研削溝部は同じ濃さで着色され、木目となる部分が殆ど目立たなくなる。 【0008】更に、原料木粉に細かな粒度のものを使用しても製品(複合材)の表面には毛羽立ちが多く生じ、仕上げ材であるニスなどの透明性塗料を塗っても天然木と同様の艶や肌触りにならないという問題点もある。 【0009】また、従来技術である特開平9−216500号公報に記載された技術では、2回のサンディングと、その間に施された塗装によってできた木目模様および印刷による木目柄との相乗作用はあるが、煩雑な製造工程と高コストが欠点となって実用性が充分でなく、また複雑な形状の成形品に対して適用が困難であるだけでなく、予め木目が印刷されているからユーザーが好きな色に塗装することはできない。 【0010】また、100〜150番の浅いサンディングにより得られた印刷用の下地はグラビア印刷などに適当であるが、原料木粉に細かな粒度のものを使用しても毛羽立ちが多く生じ、最終工程の透明塗料の塗装を経ても艶や肌触りが天然木と比較してかなり劣るという問題点もある。 【0011】そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、天然木の木目と同様な色、艶および木質面に独特の凹凸感のある木材・熱可塑性樹脂複合材が簡易な塗装作業を施すだけで得られ、しかもユーザーが好きな色に塗装することができる利便性のある木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材とすることである。 【0012】また、本願の木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の製造方法に係る発明では、上記の課題を解決する木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材を確実に効率よく製造する方法を提供することである。 【0013】また、本願の木材・熱可塑性樹脂複合材の木目模様形成方法に係る発明では、天然木の木目と同様な色、艶および木質面に独特の凹凸感のある木材・熱可塑性樹脂複合材をできるだけ簡易な手法で確実に得られる木目模様形成方法を提供することである。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記の木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材に係る課題を解決するために、この発明では木材と熱可塑性樹脂の混合物を成形した木材・熱可塑性樹脂複合材の表面に、研削砥粒の線状接触痕からなる多数の研削溝を木目状に形成すると共に、この研削溝の間に形成された隆条の頂上部を研削および研磨して前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みを抑制し、かつ研削溝の内側には毛羽立ちを有する研削面を残したものからなる木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材としたのである。 【0015】上記したように構成されるこの発明の木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材は、表面に刷毛やスプレー等で塗料が塗布された際に、研削溝の間に形成された隆条の頂上部は淡い色で塗装され、かつ研削溝の内側の深い部分ほど塗料が多量にしみ付いて濃い色で塗装される。すなわち、通常の全面均一な塗装によって、この発明の木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材は、濃淡のコントラストの高い木目模様に着色され、具体的には、木目の線は濃く、木目以外の部分は淡い色で着色されて極めて木目らしい色調差および要所に艶のある模様が形成される。 【0016】この発明の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材が、上記のような濃淡のコントラストの高い木目模様に着色されるためには、毛羽立ちの除去された隆条の頂上部の表面粗さがRmax10〜40μmであることが好ましく、さらに研削溝を形成した際の表面粗さはRmax60〜300μmであることが好ましい。 【0017】また、木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の製造方法に係る課題を解決するために、この発明では、木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体の表面に、粒度24〜60番(JIS R 6001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートを用いて多数の木目状の研削溝を形成する第1研削工程を行ない、次いでこの工程で形成される多数の研削溝間の隆条の頂上部を粒度100〜400番(JIS R 6001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートで前記第1研削工程で形成された研削溝を完全に消さない程度に研削する第2の研削工程を行ない、その後、金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みが抑制された研磨面を形成すると共に、研削溝の奥部には毛羽立ちを残すことからなる木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の製造方法としたのである。 【0018】第1研削工程後に形成された研削溝を有する複合材の表面粗さは、Rmax60〜300μmであり、第2研削工程後に毛羽立ちの除去された隆条の頂上部の表面粗さは、Rmax10〜40μmであることが好ましい。 【0019】上記したようにして製造すると、第1研削工程で、塗料が多量にしみ付きやすい線状で多数の研削溝が木目状に形成される。そして、第2研削工程では隆条の頂上部が除去され、次いで金属製ブラシを用いて前記頂上部の毛羽立ちを除去するので、塗料のしみ込みが抑制された隆条を有する木目状の凹凸面が得られる。 【0020】このようにして研削溝および隆条が形成された塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材は、表面に刷毛やスプレー等で塗料が塗布された際に、研削溝の間に形成された隆条の頂上部が淡い色で塗装される。 【0021】すなわち、この発明の方法では、研削溝の内側の深い部分ほど塗料が多量にしみ付いて濃い色で塗装され、木目の線は濃く、木目以外の部分は淡く着色されて極めて木目らしい色調差および要所に艶のある模様が形成される塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材を製造できる。 【0022】また、前記の木材・熱可塑性樹脂複合材の木目形成方法に係る発明の課題を解決するために、この発明では、木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体の表面に、粒度24〜60番(JIS R 6001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートを用いて多数の木目状の研削溝を形成する第1研削工程を行ない、次いでこの工程で形成される多数の研削溝間の隆条の頂上部を粒度100〜400番(JIS R 6001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートで前記第1研削工程で形成された研削溝を完全に消さない程度に研削する第2の研削工程を行ない、その後、金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みが抑制された研磨面を形成すると共に研削溝の奥部には毛羽立ちを残し、次いで塗装することからなる木材・熱可塑性樹脂複合材の木目模様形成方法としたのである。 【0023】上記した木目模様形成方法によると、第1研削工程で、塗料が多量にしみ付きやすい線状で多数の研削溝が形成され、第2研削工程では隆条を有する木目が得られる。その後、金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて前記頂上部の毛羽立ちを除去すると、刷毛やスプレー等で塗料が塗布されたとき、研削溝の間の隆条の頂上部が淡い色で塗装されるので、木目の線は濃く着色され、木目以外の部分は淡い色で着色されて、極めて木目らしい色調差がある模様を木材・熱可塑性樹脂複合材に形成できる。 【0024】 【発明の実施の形態】この発明に用いる木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体は、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂と木質粉粒体との混合物を成形したものであり、熱可塑性樹脂としては、木粉と混ざりやすく接着性の良いものが望ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂の他、極性の大きい樹脂である塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコールと酢酸ビニル樹脂との混合物などが採用されることが多い。 【0025】熱可塑性樹脂の好ましい物性としては、メルトインデックスが0.1〜200g/10minであり、より好ましくは0.5〜50g/10minである。上記範囲未満の低値では混練機に負荷が大きくなって混練を充分に行なえなくなり、上記範囲を超える高値では機械的強度が低下して好ましくない。 【0026】木材は、木質ボードをリサイクルするために切断、切削または粉砕した際に得られる粉状または粒状の木質材や、製材された木材の粉粒体のいずれであってもよい。木質ボードの例としては、合板、パーティクルボード、MDF、OSBその他のエンジニアリングウッドなどが挙げられる。また、木材の種類としては、針葉樹、広葉樹のいずれでもよく、竹や籾殻などを採用することもできる。 【0027】粉粒体状の木質材の大きさは、特に限定されるものではないが、1mm以下の切断粉もしくは切削粉、またはそれらを粉砕した300μm以下の粉などは適切なものである。木質材は、その表面を周知の物理的処理または化学的処理(表面化学処理)によって分散性または親和性を改善したものであっても問題はない。 【0028】木材の配合割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して25〜400重量部である。上記所定範囲未満の少量を配合した複合材を成形した場合、充分な木質感を得ることができないため好ましくない。また、上記所定範囲を超えて多量に配合すると、流動性が悪くなり、混練効率が著しく低下するので好ましくない。 【0029】成形方法は、押出成形に限定されるものではなく、射出成形や圧縮成形を採用することもできる。成形体の形態についても特に限定されるものではないのは勿論である。 【0030】本願の木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の製造方法並びに木材・熱可塑性樹脂複合材の木目模様形成方法について、以下に添付図面に基づいて工程ごとに説明する。 【0031】図1および図2に示すように、成形体1に対して、研削シートを用いて多数の木目状の研削溝を形成する第1研削工程は、周知のベルトサンダーを用いることが好ましい。 【0032】因みに、ベルトサンダーは、モータなどの駆動力で回転するようにベルト伝導機構のローラ2に巻きがけた無端環状のベルト3を有し、このベルト3の表面に所定粒度の砥粒4を接着固定し、これをコンベア5上の成形体1の表面に圧接するようにしたものである。板状の成形体1は、載置され固定されたコンベア5で強制的に移送されながら、ベルト3の表面(研磨面)と接し、所定粒度の砥粒4による研削および/または研磨作用を受ける。 【0033】そして、研削時のベルトサンダーは、被加工物とベルトとの位置関係が幅方向(図1中の左右の矢印方向)にずれ動くことがあり、その際のずれ幅が木目の偏りや曲がりとなって自然な木目調が形成される。 【0034】なお、ベルトサンダーの作動時にベルト3が幅方向に所定限度以上にずれると、ベルトサンダーに常備されているずれ戻し機構により、ベルトは幅方向の位置が矯正されて当初の位置に復帰する。このようにして研削される成形体1の表面には、図7に縦の太線で示されるような幅方向にずれのあるパターンで木目が形成される。 【0035】また、この発明でいう砥粒を固定した研削シートを用いた研削方法としては、ベルトサンダーを用いる他、回転する円盤や円筒の表面にシートを介して砥粒を接着した周知の回転研削研磨装置やサンドペーパリングマシン(ベルトサンダー以外にもドラムサンダー、グラインダー等がある。)を使用することもできる。 【0036】図3に示すように、粒度24〜60番(JIS R 6001:一般用粒度、またはJIS R 6010:研磨布紙用粒度)の砥粒を固定した研削シートを用いてベルトサンダーで第1研削工程を行うと、成形体1の表面の樹脂の豊富な(樹脂含有比率の高い)スキン層6が研削されて研削砥粒の線状接触痕からなる多数の研削溝7を有する粗研削面(好ましくはRmax60〜300μm)が形成される。 【0037】使用する砥粒は、粒度24〜60番(JIS R 6001またはJIS R6010)のものを採用する。なぜなら、このような所定粒度未満の大粒径や所定粒度を超える小粒径の砥粒を用いると、自然の木質感が得られないからである。 【0038】図4に示すように、次工程では、粒度100〜400番(JIS R 6001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートを用いたベルトサンダーで第2の研削工程を行なう。このようにすると、隆条8の頂上部8aが研削されて比較的高さが揃った面(好ましくはRmax10〜40μm)が形成される。 【0039】その後、図5に示すように、金属製ブラシを用いて前記平坦な表面9を研削・研磨処理すると、研削溝7より浅く直線的な研削溝7aが形成されてより深みのある木目模様になると共に、研削溝7の上部角部qの表面と前記平坦な表面9にあった比較的大きな毛羽立ち10が除去され、塗料のしみ込みの抑制された面が形成される。また、研削溝7の内側は深い部分ほど毛羽立ち10が多く残り、深い部分ほど塗料が染み込みやすい。なお、図5(c)中の符号11は、比較的小さな毛羽立ちを示している。 【0040】この毛羽立ちの大小およびその多少(密度)の差によって、塗装をした際に研削溝7の奥部が比較的塗料がしみ込みやすく、研削溝7の上部角部qの表面と前記平坦な表面9は比較的塗料がしみ込みにくくなることにより、研削溝7の輪郭が明瞭に見え、より木目らしい模様が得られるのである。 【0041】また、より好ましい木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の製造方法、または木目模様形成方法は、図6に示すように、金属製ブラシによるブラッシングを行なった後に、さらにバフによるバフィングをすることにより研削溝7の上部角部qの表面と前記平坦な表面9および比較的浅い研削溝7aの表面から比較的小さな毛羽立ち11を除去する。 【0042】このようにすると、研削溝7の上部角部qの表面と前記平坦な表面9及び比較的小さい研削溝7aの表面は、金属ブラシで研削・研磨しただけよりもいっそう滑らかで触感が良くさらにより艶のある表面となり、塗料のしみ込みがより抑制された研磨面となる。 【0043】この発明に用いる塗料は、周知の塗料であればよく、熱可塑性樹脂と木材との混合比率によって、着色性の適当なものを選択的に採用できる。 【0044】例えばステイン系(素地着色型)塗料としては、オイルステイン、水性ステイン、溶剤ステイン、アルコールステインなどが挙げられる。また、コート系(塗膜着色型)塗料としては、ウレタン、アクリル、ウレタンアクリレート、ラッカー、アミノアルキドなどが挙げられる。より好ましいものは、ステイン系塗料である。 【0045】また、表面の艶を出すための透明塗料を用いても良いのは勿論であり、このような透明塗料として、ウレタン、アクリル、ウレタンアクリレート、ラッカー、アミノアルキド、ニスなどが挙げられる。 【0046】以上のようにして第1および第2の研削工程および所定の研磨工程を施し、その後に塗装することにより、図7に示すように、極めて木目らしい色調差および表面に艶のある木目模様を木材・熱可塑性樹脂複合材を製造できるのである。 【0047】 【実施例および比較例】[比較例1]ポリプロピレン100重量部と1〜200μmの木粉100重量部を混合し、このコンパウンドを押出成形した厚み19mmの板を製造し、その表面を、第一研削工程として一定方向に粒度24番のベルトサンダー(菊川鉄工所製)で表面から0.4mmの厚さを研削し、第2研削工程として同方向に粒度240番のベルトサンダーで0.2mmづつ3回繰り返して合計0.6mmの厚みを研削し、木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の試験片を製造した。 【0048】なお、上記においてベルトサンダーの研削速度は、800m/分であり、ワーク送り速度は、5m/分とした。 【0049】得られた試験片にオイルステインを塗布したが、表面が全体毛羽立っているため、塗装後は表面全体に塗装がしみ込み均一に濃く着色し、光沢のない単なる平板となり、木目模様は形成されなかった。また、オイルステイン塗布の上へ艶出し透明ウレタンを塗布したが、しみ込みが多くて艶はでなかった。 【0050】[比較例2]比較例1において、第2研削工程での研削厚みを0.2mmとしたこと以外は、全く同様にして、木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の試験片を製造した。 【0051】得られた試験片に対してオイルステインを塗布したが、表面が全体毛羽立っているため、塗装後は表面全体に塗装がしみ込み、表面部と研削溝部は同じ濃さで着色され、光沢のない単なる平板となり、第一工程で得られた深い研削溝は、表面と比較して濃い色の縞模様にぼんやり見えたが、コントラストが低くかつ縞模様の輪郭がはっきりしないため、木目模様に見えなかった。また、オイルステイン塗布の上へ艶出し透明ウレタンを塗布したが、しみ込みが多くて艶は出なかった。 【0052】[実施例1]ポリプロピレン100重量部と1〜200μmの木粉100重量部を混合し、押出成形した厚み19mmの板の表面を、第一研削工程として一定方向に粒度24番のベルトサンダー(菊川鉄工所製)で表面から0.4mmの厚さを研削し、第2研削工程として同方向に粒度240番のベルトサンダーで0.2mmの厚みを研削し、第3工程として同方向にブラシの毛の太さがφ0.3mmのステンレスブラシを用いて表面ブラッシングを行なって、木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の試験片を製造した。 【0053】なお、上記においてベルトサンダーの研削速度は、800m/分であり、ワーク送り速度は、5m/分とした。 【0054】得られた試験片にオイルステインを塗布したが、比較例1,2と比較して、第2研削工程で得た前記平坦な表面9及び第1研削工程で得られた深い研削溝7の上部角部qの表面の毛羽立ちがほとんど除去されたことにより、塗装後は、上部角部q、平坦な表面9および浅い研削溝7aの色は淡くなり艶が出て、深い研削溝の輪郭は明瞭となりかつ深い研削溝7の奥部pは濃く着色された結果、木目模様のコントラストが高くなりかつ輪郭が明瞭となり、リアルで美しい木目模様になった。また、第1研削工程の深い研削溝7と第3研削工程の浅い研削溝7aの相乗効果により、深みのある木目模様が得られた。また、艶出し透明ウレタンを塗布した結果、最表面は天然木塗装に近い艶が出た。 【0055】[実施例2]実施例1において、第3工程の後に、第4工程として綿布バフを用いて表面バフィングを行なったこと以外は、全く同様にして、木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の試験片を製造した。 【0056】得られた試験片にオイルステインを塗布したが、実施例1と比較して、第2研削工程で得られた前記平坦な表面9及び第1研削工程で得られた深い研削溝7の上部角部qの表面の小さい毛羽立ちがしっかりと除去された。そのため、塗装後は上部角部q、平坦な表面9および浅い研削溝7aの色はより淡くなり、より艶が出て深い研削溝の輪郭は、明瞭になった。そして、研削溝7の奥部pは、濃く着色したことにより、木目模様のコントラストが高くなり、かつ輪郭は明瞭となり、リアルで美しい仕上がりになった。更に艶出し透明ウレタンを塗布した結果、表面は更に天然木に近い艶が出た。 【0057】[実施例3]実施例1において、第3工程の金属ブラッシングに代えて、綿布バフを用いて表面バフィングを行なったこと以外は、全く同様にして、木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の試験片を製造した。 【0058】得られた試験片にオイルステインを塗布したが、実施例1、2と比較して、第2研削工程で得られた前記平坦な表面9及び第1研削工程で得られた深い研削溝7の上部角部qの表面からなる頂上部の毛羽立ちがほとんど除去されたことにより、塗装後は、上部角部qおよび平坦な表面9の色はより薄くなり艶が出て、深い研削溝7の輪郭は明瞭化し、かつ深い研削溝7の奥部pは濃く着色されたことにより、木目模様はよりコントラストが高くなり、かつ輪郭は明瞭となり、リアルで美しい仕上がりになった。 【0059】なお、第1研削工程だけで木目模様を得ており、実施例2のように金属ブラッシングとの相乗効果がなかったので、実施例1、2と比較するとやや木目模様に深みがないように感じられた。また、艶出し透明ウレタンを塗布した結果、表面は更に天然木に近い艶が出た。 【0060】 【発明の効果】本願の木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材に係る発明では、以上説明したように、木材・熱可塑性樹脂複合材の表面に、研削砥粒の線状接触痕からなる多数の研削溝を木目状に形成すると共に、隆条の頂上部の毛羽立ちを除去してその部分の塗料のしみ込みを抑制し、かつ研削溝の内側には塗料のしみ込みやすい毛羽立ちを有する研削面を残したので、通常の全面均一な塗装によって、濃淡のコントラストの高い木目模様に着色され、極めて自然な木目らしい色調差および要所に艶のある模様が形成されるという利点がある。 【0061】研削溝の表面粗さと、隆条の頂上部の表面粗さを所定範囲とした塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材は、上記した利点が特に顕著である。 【0062】また、上記の木材・熱可塑性樹脂複合材の木目形成方法に係る発明では、前記の第1研削工程と、第2研削工程の後、金属製ブラシ、より好ましくはバフを併用して毛羽立ちを完全に除去して塗料のしみ込みが充分に抑制された隆条研磨面が形成され、かつ研削溝の奥部には塗料が多量にしみ付きやすい毛羽立ちを残しているので、刷毛やスプレー等で塗料が塗布された際に極めて木目らしい色調差および要所に艶のある模様が形成され、また隆条の頂上部は表面に毛羽立ちが極めて少なくなり、滑らかで触感があり、極めて木目らしい色調差および表面に艶のある木目模様を木材・熱可塑性樹脂複合材に形成できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000226448 【氏名又は名称】日光化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月22日(2000.12.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−187116(P2002−187116A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月2日(2002.7.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−390282(P2000−390282) |
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