トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般




【発明の名称】 硬化性低重合物による木材処理液とその処理方法
【発明者】 【氏名】林 進

【氏名】岩橋 史朗

【要約】 【課題】生物障害防除として、環境汚染が無く、材質劣化も無く、永続性がある、新たな生物障害防除方法である。

【解決手段】(1)硬化性樹脂の低重合物液を木材に含浸して、木質が持つ繊維素と種々の有機物等と硬化性樹脂重合物との複合材を生成し、害虫、腐敗菌、茸類等々の生物傷害を受けない、強固な表層部を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 木材の生物障害防除の為に、木材へ塗布し、含浸する為の、カルダノール系、クレゾール系、フェノール系、尿素系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系等の物質の低重合物と、それらを常温常圧で硬化させる硬化剤の、単独または混合物である生物障害防除硬化性樹脂低重合木材処理液。
【請求項2】 木材へ処理液を施す際に その使途に合わせ、適当な粘度へ調整される事により、木材の処理箇所への選択的に処理程度の調節を可能とし、且つ、処理液主成分の流失・蒸散を抑制する事により、防除効果の永続性を付与するところの生物障害防除木材処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、古代より木造建造物の特に基礎部分が、生物障害を受け易く、各種の対策が施されてきたが、生物障害を受け易い木材へ生物障害防除を施すに関し、生物障害防除が、施工当初の効果に比べ大幅に減衰する事なく、有効でありつつ、永続する、生物障害防除処理の技術である。
【0002】
【従来の技術】上記目的に供する従来方法は主として、ハロゲン系、有機燐系、ピレスロイド系、カーバメート系、ナフタリン系、タール系薬剤の含浸であったが、これらの薬剤は低分子量故に、揮散・溶失し易く、持続性が無いばかりか、それ自体が、環境汚染の原因にもなるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】生物障害防除として、環境汚染が無く、材質劣化も無く、永続性がある、新たな生物障害防除方法である。その課題を下記へ箇条する。
(1)環境を害する殺虫剤など用いることなく効果を得る事。
(2)多孔質を保持し、表層部のみならず浸透して、深部も生物障害から守る事。
(3)生物傷害防除の効果がその木材に期待される耐用年数の期間有効で有る事。
(4)木材が期待された耐用年数を過ぎ、廃棄・処分のとき環境を汚染しない事。
【0004】
【課題を解決するための手段】(1)生物に毒な薬剤を防除に使うのでなく、硬化性樹脂の低重合物を木材に含浸して、木質が持つ多数の気孔など空隙を充填し、酸素の流通抑制などにより、生物傷害を受けない、強固な表層部を形成する。この強固な表層部は実用期間は勿論、将来廃棄時にも、何等環境を汚染しない。
【0005】(2)硬化性樹脂の低重合物が木材に含浸された状態で、更に重合が進行する際の発熱で、木材の空隙を充たしていた余剰の硬化性樹脂の低重合物を木材の外へ排出することによって、木材の多孔質を保持し、硬化性樹脂の重合物の剛性と木材の柔軟性を兼ね持つ、それ故に強靭性などの木材本来の特質を守る。
【0006】(3)硬化性樹脂の低重合物と木質繊維素との複合による、木質繊維強化硬化性樹脂重合物は、揮散・溶失しないし、一般的環境条件では変質しないから、その木材の実用期間の全てにおいて、その強度を永続する。
【0007】
【発明の実施の形態】
【実施例1】見掛け比重0.5〜0.7、湿分5〜10%の木材を、粘度1〜10ポイズの硬化性樹脂の低重合物液へ30分間浸漬し、その後引き上げて、木材の表面や空隙の余剰な硬化性樹脂の低重合物液を滴下除去し、更に、木材繊維強化硬化性樹脂の重合物の生成を得て、生物傷害防除木材とする。
【0008】
【実施例2】見掛け比重0.6〜0.8、湿分10〜15%の木材と粘度10〜20ポイズの硬化性樹脂の低重合物液を、減圧容器内に設え、25mmHgまで減圧したまま、木材を液中へ1時間浸漬し、その後常圧へ戻してから引き上げて、木材の表面や空隙の余剰な硬化性樹脂の低重合物液を滴下除去した後、更に、木材繊維強化硬化性樹脂の重合物の生成を得て、生物傷害防除木材とする。
【0009】
【実施例3】見掛け比重0.7〜0.9、湿分15〜20%の木材と粘度20〜30ポイズの硬化性樹脂の低重合物液を、加圧容器内に設え、常圧で木材を液中へ浸漬し、2atmまで加圧したまま1時間保持し、その後加圧したまま引き上げ、常圧へ戻して木材の表面や空隙の余剰な硬化性樹脂の低重合物液を滴下除去し、木材繊維強化硬化性樹脂重合物を得て、生物傷害防除木材とする。
【0010】
【発明の効果】木材を生物傷害防除するには、生物を駆除するか、生物に傷害されない程に、木材自体を強化するしかない。生物を駆除する行為は往々にして環境を阻害し、延いては、人間にも危害を及ぼす恐れがある。木材自体を強化する事は、生物傷害防除のみならず、木造構造物の可能性を広げ、耐用年数を延ばし、延いては、天然資源の有効利用と保存にも貢献するものである。更に、本技術を樹木保全に適用する事により、樹幹枯死部を現状有姿の状態で生物障害から防除できる。この方法により、枯死腐朽部切除という従来の方法による樹幹部損傷を避ける事ができ、巨樹古木等の貴重な遺伝資源保存にも貢献するものである。
【出願人】 【識別番号】599044917
【氏名又は名称】寿化工株式会社
【出願日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−337110(P2002−337110A)
【公開日】 平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願番号】 特願2001−187307(P2001−187307)