| 【発明の名称】 |
インサイジング用押し込み刃及び木材 |
| 【発明者】 |
【氏名】川邉 陽子
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| 【要約】 |
【課題】木材内部に防腐防蟻用薬剤を効果的に浸透させる小溝を木材の表面に形成するインサイジング用押し込み刃と、該インサイジング用押し込み刃により形成された小溝を備える木材とを提供する。
【解決手段】木材9の表面90に押し込まれて該表面90に小溝91を形成するインサイジング用押し込み刃7である。このインサイジング用押し込み刃7は、木材9の表面90を押し込む底面部8を備え、この底面部8には、押し込み方向と直交する方向に突出する凸部82aまたは、陥没する凹部82bを形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 木材の表面に押し込まれて該表面に小溝を形成するインサイジング用押し込み刃において、前記木材の表面を押し込む押し込み部を備え、前記押し込み部には、押し込み方向と直交する方向に突出する凸部または、陥没する凹部が形成されていることを特徴とするインサイジング用押し込み刃。 【請求項2】 請求項1記載のインサイジング用押し込み刃において、前記押し込み部は、所定の幅寸法と厚み寸法を有する断面略矩形状に形成されるとともに、前記押し込み部の幅方向に沿う2つの側部のうち少なくとも一方の側部に、厚み方向に突出する凸部及び陥没する凹部を有する凹凸部が形成されていることを特徴とするインサイジング用押し込み刃。 【請求項3】 請求項2記載のインサイジング用押し込み刃において、前記凹凸部の凸部の幅と凹部の幅とが同じであることを特徴とするインサイジング用押し込み刃。 【請求項4】 請求項2記載のインサイジング用押し込み刃において、前記凹凸部の凸部の幅と凹部の幅とが異なることを特徴とするインサイジング用押し込み刃。 【請求項5】 請求項2記載のインサイジング用押し込み刃において、前記押し込み部の幅方向に沿う2つの側部のそれぞれに凹凸部が形成され、前記2つの側部にそれぞれ形成された凹凸部が前記側部間の中心を通る線に対して非対称となっていることを特徴とするインサイジング用押し込み刃。 【請求項6】 請求項2記載のインサイジング用押し込み刃において、前記押し込み部の幅方向に沿う2つの側部のそれぞれに凹凸部が形成され、前記2つの側部にそれぞれ形成された凹凸部が前記側部間の中心を通る線に対して対称となっていることを特徴とするインサイジング用押し込み刃。 【請求項7】請求項1〜6の何れか記載のインサイジング用押し込み刃により表面に形成された小溝を有することを特徴とする木材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、木材に防腐処理を施す際に、予め木材の表面に多数の小溝を形成(インサイジング加工)するインサイジング用押し込み刃及び、該インサイジング用押し込み刃により加工されて多数の小溝が形成された木材に関する。 【0002】 【背景の技術】従来より、シロアリ、ヒラタキクイムシ等による木材の生物被害を防止するために、防腐防蟻加工が行われている。この防腐防蟻加工の一例として、予め木材の表面に、例えば切り込み形成刃(インサイジング用押し込み刃)によって適当な間隔で小溝を切り込んでおき、該小溝から薬剤を木材内部に浸透させる方法があり、木材の表面に小溝を切り込む加工がインサイジング加工と称されている。例えば、特開昭56−69103号公報には、木材にインサイジング加工を施すための、インサイジング加工装置について記載されており、該インサイジング加工装置では、周方向に所定間隔で多数の切り込み形成刃が形成されてなるインサイジング刃物を回転させつつ、前記切り込み形成刃によって木材の表面を切り込み、これによって、木材の表面に前記小溝を多数形成するようにしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、木材の表面に多数の小溝を形成する場合、該小溝から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させるためには、前記小溝の開口面積、深さ、小溝の個数(所定面積あたりの個数)等が重要な技術的事項となっている。このような技術的事項の範囲の決定によって形成される小溝に薬剤をさらに効果的に浸透させたいという要望がある。 【0004】本発明の課題は、上記技術的事項の決定により形成される小溝よりもさらに効果的に、木材内部に薬剤を浸透させる小溝を木材の表面に形成するインサイジング用押し込み刃及び、該インサイジング用押し込み刃により形成された小溝を備える木材を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図5〜図8に示すように、木材9の表面90に押し込まれて該表面90に小溝91を形成するインサイジング用押し込み刃7において、前記木材9の表面90を押し込む押し込み部(例えば底面部8)を備え、前記押し込み部8には、押し込み方向と直交する方向に突出する凸部82aまたは、陥没する凹部82bが形成されていることを特徴とする。 【0006】請求項1記載の発明によれば、前記木材9の表面90を押し込む部には、押し込み方向と直交する方向に突出する凸部82aまたは、陥没する凹部82bが形成されているので、前記押し込み部8を木材9の表面90に押し込むと、前記凸部82aまたは凹部82bに押されて形成される小溝91の側壁の側壁面91aは凹凸状となる。つまり、押し込み部8が前記木材9の表面90に押し込まれることで、押し込み部8に形成された凸部82aまたは凹部82bが接触する部分が押し切られて前記小溝91の側壁面91aが前記凸部82aまたは凹部82bに対応して凹凸状に形成される。したがって、前記木材9の表面90に、側壁面91aが凹凸状の小溝91を形成することができる。 【0007】この小溝91の側壁面91aは、押し込み部8が押し込まれることで、表面90が凸部82aまたは凹部82bにより押し切られることで形成されるので、凹凸状に荒れた状態で形成されるとともに、形成される小溝91の側壁面91aが凹凸状であるので側壁面91aが平らな場合よりも表面積が大きくなる。したがって、小溝91から薬液を木材内部に浸透させた際に、小溝の側壁面が平らな側壁面より表面積が広く、さらに表面が荒れているとともに、凸部82a間または凹部82bで浸透する薬液を保持することができるので、木材内部に浸透し易く、より効果的に薬液を木材内部に浸透させることができる。 【0008】なお、押し込み部が前記木材の表面を押圧する際に、該木材の表面と接触する面を接触方向に向かって鋭角的に突出した形状としてもよい。このように構成すれば、インサイジング用押し込み刃により形成される小溝は、上述したように側壁面が薬液が浸透し易い凹凸状面であることに加えて、小溝の深さをより深くすることができ、小溝から浸透する薬液の浸透率の向上を図ることができる。 【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載のインサイジング用押し込み刃において、例えば、図5〜図8に示すように、前記押し込み部8は、所定の幅(L1)寸法と厚み寸法(L3)を有する断面略矩形状に形成されるとともに、前記押し込み部8の幅方向に沿う2つの側部のうち少なくとも一方の側部に、厚み方向に突出する凸部82a及び陥没する凹部82bを有する凹凸部82が形成されていることを特徴とする。 【0010】ここで所定の厚み寸法とは、例えば、断面矩形状の押し込み部の短辺の寸法を示し、幅寸法とは、断面矩形状の押し込み部の長辺の寸法を示す。そして、これら寸法によって、小溝の側壁間に所定寸法の隙間が形成され、仮に小溝の対向する側壁が互いに近接する方向に傾斜しても切り口が塞がれない程度の寸法である。つまり、押し込み部を木材の表面に押し込んだ際に、断面矩形状の押し込み部に力が集中され木材を圧縮した状態に保持できる程度の圧力を木材に容易に加えることができるようになっている。 【0011】請求項2記載の発明によれば、所定の幅寸法と厚み寸法を有する断面略矩形状に形成された押し込み部8には、該押し込み部8の幅方向に沿う2つの側部のうち少なくとも一方の側部に前記凹凸部82が形成されているので、前記押し込み部8が前記木材9の表面90を押し込んだ際に、前記一方の側部に形成された凹凸部82により前記木材9の表面90に形成される小溝91の一方の側壁面91aを凹凸状に形成することができる。 【0012】また、前記表面90に形成される側壁面91aは凹凸状となることから、該側壁面が平らな構成よりも表面積が大きいものとなる。さらに、凹凸状の側壁面91aは、木材9の表面90に押し込まれる前記押し込み部8の凹凸部82によって押し込まれて形成されるので、その表面が荒れた状態となる。したがって、形成された小溝91の側壁面91aが荒れた凹凸状面となることから、小溝91から薬液を木材内部に浸透させた際に、側壁面が平らな側面より面積が広く、さらにその表面(側壁面)91aが荒れて薬液が浸透しやすい状態となっているとともに凸部82a間つまり、凹部82bで浸透する液体を保持することができるので、薬液を木材内部に浸透し易くさせ、より効果的に薬液を木材内部に浸透させることができる。なお、前記押し込み部8の両側部に幅方向に突出する凹凸部が形成されていてもよい。この場合、形成される小溝では対向する側壁面のそれぞれが荒れた凹凸状の表面を有するものとなり、薬液の浸透を一層効果的に行うことができる。 【0013】なお、押し込み部が前記木材の表面を押圧する際に、該木材の表面と接触する面を接触方向に向かって鋭角的に突出した形状としてもよい。このように構成すれば、インサイジング用押し込み刃により形成される小溝は、側壁面が薬液が浸透し易い凹凸状面であることに加えて、小溝の深さをより深くすることができ、小溝から浸透する薬液の浸透率の向上を図ることができる。 【0014】また、前記押し込み部の両側端部に凹凸部が形成されていてもよい。この場合、形成される小溝の両側面において、薬液の浸透が効果的に行われることになり、上述した効果より一層の効果を得ることができる。 【0015】請求項3記載の発明は、請求項2記載のインサイジング用押し込み刃において、例えば図9に示すように、前記凹凸部84の凸部84aの幅と凹部84bの幅とが同じであることを特徴とする。 【0016】請求項3記載の発明によれば、凸部84aの幅と凹部84bの幅とが同じである凹凸状の側壁面912を有する小溝91A(図10参照)を形成することができる。 【0017】請求項4記載の発明は、請求項2記載のインサイジング用押し込み刃において、例えば、図11に示すように、前記凹凸部86の凸部86aの幅と凹部86bの幅とが異なることを特徴とする。 【0018】請求項4記載の発明によれば、凸部912aの幅と凹部912bの幅とが異なる凹凸状の側壁面912を有する小溝91B(図12参照)を形成することができる。 【0019】請求項5記載の発明は、請求項2記載のインサイジング用押し込み刃において、例えば、図11に示すように、前記押し込み部(例えば、底面部8B)の幅方向に沿う2つの側部のそれぞれに凹凸部86・87が形成され、前記2つの側部にそれぞれ形成された凹凸部86・87が前記側部間の中心を通る線S2に対して非対称となっていることを特徴とする。 【0020】請求項5記載の発明によれば、対向する両側壁面912・913が凹凸状面であるとともに、両側壁面形状が非対称な小溝91B(図12参照)を形成することができる。 【0021】請求項6記載の発明は、請求項2記載のインサイジング用押し込み刃において、例えば、図9に示すように、前記押し込み部(例えば、底面部8A)の幅方向に沿う2つの側部のそれぞれに凹凸部84・85が形成され、前記2つの側部にそれぞれ形成された凹凸部84・85が前記側部間の中心を通る線S1に対して対称となっていることを特徴とする。 【0022】請求項6記載の発明によれば、対向する両側壁面911・911が凹凸状面であるとともに、これら両側壁面911・911が対称な小溝91Aを形成することができる。したがって、上記請求項1〜5の発明は請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。 【0023】請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れか記載のインサイジング用押し込み刃により表面に形成された小溝を有することを特徴とする。 【0024】請求項7記載の発明によれば、請求項1〜6の何れかに記載のインサイジング用押し込み刃により少なくとも一方の側壁面が凹凸面である小溝が形成されているので、該小溝から薬液を浸透させた際に、上述した請求項1〜6の何れかの発明によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。つまり、小溝から内部に効果的に薬液を浸透させて、防腐防蟻処理が効果的に施される木材となる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、構成を説明する。図1には、本発明の第1実施の形態に係るインサイジング用押し込み刃を備えたインサイジング刃物により、木材9に小溝を形成(インサイジング加工)するインサイジング加工装置1の概略斜視図が示されている。このインサイジング加工装置1は、防腐剤や防蟻剤などの薬液を木材9内に浸透させやすくするために、木材9の表面90にインサイジング加工を施す装置1である。インサイジング加工装置1は、その外側を構成するケーシング2を有しており、該ケーシング2内には、上下方向に互いに対向して配置された一対の回転刃物3・3と、左右方向に互いに対向して配置された一対の回転刃物4・4とが設けられている。また、前記ケーシング2には、インサイジング加工を施すべき木材9をケーシング2内に搬入するための搬入口2aと、インサイジング加工された木材9をケーシング2から搬出するための搬出口2bとがそれぞれ設けられている。 【0026】前記回転刃物3は、図2に示すように、複数のインサイジング刃物5…を回転軸Rに、軸方向に所定間隔で取付けることによって構成されたもので、前記回転軸Rは、図示しない駆動機構によって軸回りに回転駆動されるようになっている。そして、回転刃物3・3はそれらの回転軸R・Rを互いに上下に平行離間して配置されている。インサイジング加工装置1では、インサイジング刃物5と木材9とを相対的に移動させて木材9に圧力を加えながらインサイジング刃物5を回転することにより、木材9の表面90にインサイジング加工が施されるように構成されている。図3にこのインサイジング加工装置1によりインサイジング加工が施された木材9の概略全体図を示す。図3に示す木材9は表面90にインサイジング加工装置1により形成された複数の小溝91を備えている。 【0027】なお、前記上下一対の回転刃物3,3のうち、下側の回転刃物3は、図4に示すように、固定台10に支持部11によって回転自在に支持されており、上側の回転刃物3は、昇降台12に支持部11によって回転自在に支持されている。前記昇降台12は、上下に延在して設けられたガイドロッド13,13に上下に摺動自在に取付けられており、該昇降台12の上方には、昇降部14が前記ガイドロッド13,13に上下に摺動自在に取付けられている。この昇降部14と前記昇降台12とは連結部材15,15によって連結されている。また、昇降部14は、その上方に設けられたシリンダ装置のピストンロッド16によって昇降されるようになっており、これによって、昇降台12が昇降するようになっている。そして、昇降台12が昇降することによって、上側の回転刃物3が昇降するようになっており、これによって、上下の回転刃物3,3間に距離を、インサイジング加工を施すべき木材9の厚さに応じて調整できるようになっている。 【0028】前記インサイジング刃物5は、図5に示すように、前記回転軸R(図2及び図4参照)に取付けられる円板状の胴体部6と、この胴体部6の外周縁部に、周方向に一定間隔で形成されたインサイジング用押し込み刃7…とを備えて構成されている。なお、インサイジング用押し込み刃7は、胴体部6の厚さより薄くされている。 【0029】インサイジング用押し込み刃7は、図5及び図6に示すように、所定の幅寸法L1と所定の厚み寸法L2を有する側面矩形状の矩形状部70と、該矩形状部70の底面に一体的に形成される底面部(押し込み部)8とを備えて構成されている。ここで矩形状部70の所定の厚み寸法とは、矩形状部70の短辺の寸法を示し、小溝の側壁間に所定寸法の隙間が形成され、仮に小溝の側壁が互いに近接する方向に傾斜しても切り口が塞がれない程度の寸法である。また、所定の幅寸法L1とは矩形状部70の長辺の寸法を示し、長辺は矩形状部70の平行な両側部分を構成している。また、底面部8の厚み寸法L3は矩形状部70の厚み寸法L2より大きいものとなっている。 【0030】そして、このインサイジング用押し込み刃7の底面部8は、断面略矩形状を有し、その幅方向の2つの側部には、図7に示すように、複数の凹凸部82・83が形成されている。これら凹凸部82・83はそれぞれ、側方、つまり押し込み部8の押し込み方向と直交する方向に突出する凸部82a・83aと陥没する凹部82b・83bを備える。凹凸部82は凸部82aと凹部82bで波状に形成されており、凹凸部83は凸部83aと凹部83bとで波状に形成されている。そしてそれぞれの両側部では、凹凸部82・83により長手方向に凹凸が一葉に連続して設けられた状態となっている。 【0031】このインサイジング用押し込み刃7により押し込まれて木材9の表面90に形成された小溝を図8に示す。なお、この図8は図3に示す木材の表面に複数形成された小溝の拡大斜視図である。小溝91は、上記インサイジング用押し込み刃7の底面部8を表面90に押し込むことで形成され、底面部8の対向する側壁面91a、91aは、底面部8の凹凸部82・83により波状の凹凸面に形成されている。前記側壁面91a・91a間の寸法は、押し込み部8の所定の厚み寸法L3(図6及び図7参照)により決定され、仮に小溝91の両側壁面91a・91aが互いに接近する方向に傾斜しても小溝91の開口(押し込み口)が塞がれない程度の寸法となっている。 【0032】この図8に示す小溝91を上述した構成のインサイジング刃物5を備えた回転刃物3によって、木材9の表面90に形成するには、回転刃物3・3を回転させつつ、そのインサイジング用押し込み刃7を木材9の表面90に順次押込むことで行う。つまり、インサイジング用押し込み刃7を底面部8の先端面から木材9の表面90に押し込むことで、木材9の表面90の一部が押し潰されるように圧縮され、同時に、底面部8の両側部の凹凸部82・83により表面の一部が下方に押し切られた状態となって、側壁面91aが荒れた状態の小溝91が木材9の表面90に形成される。 【0033】このように木材9の表面90に形成された小溝91の対向する側壁面91a・91aが凹凸状となるので、この小溝91から薬液を浸透させる際に、前記側壁面91aがフラットな面より表面積が大きくなるとともに、その表面が荒れた状態となるので、該小溝91から薬液を木材9の内部に浸透させる際に、側壁面91aでは、効果的に浸透させることができるとともに、凹凸状の側壁面91aの凹部に薬液が保持され、該側壁面91aから一層薬液を浸透させやすくすることができる。さらに、この側壁面91a,91aが復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、側壁面91a,91a間に底壁(底面部8の厚み寸法よって形成されるものであるが図示しない)によって隙間91bが形成されているので、側壁面91a,91aの復元による小溝91の閉鎖を防止することができる。したがって、該小溝91…から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。 【0034】回転刃物4は、回転刃物3と同様に、それぞれインサイジング用押し込み刃7を備える複数のインサイジング刃物5…を回転軸Rに、軸方向に所定間隔で取付けることによって構成されている。回転軸R(図1参照)は、図示しない駆動機構によって軸回りに回転駆動されるようになっており、回転刃物4,4はそれらの回転軸R,Rを互いに左右に平行離間して配置されている。なお、前記回転刃物4は、インサイジング加工を施すべき木材9が横断面正方形の場合には、回転刃物3と同数のインサイジング刃物5…によって構成するが、インサイジング加工を施すべき木材9の大きさ、形状によって、回転刃物3および回転刃物4をそれぞれ構成するインサイジング刃物5の枚数は適宜調整するようにする。また、前記回転刃物4,4は、その離間距離を調整できるようになっている。回転刃物4,4の離間距離を調整するには、例えば、一対の回転刃物4,4のうちの一方を固定台に取付けるとともに他方を移動台に取付け、該移動台を適宜の駆動手段によって、左右方向に移動させることで行うことができ、これによって、回転刃物4,4の離間距離をインサイジング加工を施すべき木材9の厚さに応じて調整できるようになっている。 【0035】この回転刃物4により木材9の側面(表面)90aに小溝91を形成するには、上述した回転刃物3・3と同様に回転刃物4・4を回転させつつ、そのインサイジング用押し込み刃7を木材9の表面(側面)90aに順次押込むことで行う。詳細には、インサイジング刃物5を備えた回転刃物4は、上述した回転刃物3と同様に、インサイジング刃物5の有するインサイジング用押し込み刃7の底面部8の先端面から木材9の表面90に押し込むことで、木材9の表面90の一部を押し潰して圧縮し、該木材9の側面90aに、図8に示す表面90と同様の小溝91を形成する。つまり、形成された小溝91は、その長辺側の側壁面91a,91aが波状の凹凸面となっている。よって上記インサイジング用押し込み刃7を備えたインサイジング加工装置1により形成される木材9は、外周面に多数の小溝を備えたものとなる。 【0036】なお、上記構成のインサイジング加工装置1の搬入口2aには、図1に示すように、前工程から木材をインサイジング加工装置1に搬送する搬送手段20が接続されている。この搬送手段20はローラコンベアであり、該ローラコンベア20は前記搬入口2aの高さ位置において水平に設置されている。また上記構成のインサイジング加工装置1の搬出口2bには、形成された小溝から薬液を浸透させる処理工程を行う装置に搬送する搬送手段21が接続されている。 【0037】また、上記インサイジング用押し込み刃7では、底面部8の幅方向に沿う2つの側部に形成された複数の凹凸部82・83の形状を波形としたが、これに限らず、押し込み方向と直交する方向に突出する凸部または、陥没する凹部が形成されていれば、どのような形状でもよい。その変形例を図9〜図15を用いて説明する。なお、以下で説明するインサイジング用押し込み刃の変形例は、底面部以外の他の構成は上述したものと同様であるので説明は省略し、矩形状部の底面に形成される底面部の構成のみ説明する。 【0038】図9は、底面部8の側部の形状を変更した第1変形例のインサイジング用押し込み刃の底面部8Aを押し出し方向側からみた図であり、この図に示す底面部8Aは、所定の幅寸法(例えばL1)と厚み寸法(例えばL3)を有する略断面矩形状に形成され、幅方向に沿う2つの側部に、厚み方向に突出する凸部84a・85a及び陥没する凹部84b・85bをそれぞれ有する凹凸部84・85が形成されている。それぞれの凹凸部84・85では、凸部84a・85aの幅L4と凹部84b・85bの幅L5とを同じに形成されている。そして、これら2つの側部に形成された凹凸部84・85は、側部間の中心を通る線S1に対して対称となっている。この底面部8Aを備える第1変形例としてのインサイジング用押し込み刃は、上述したインサイジング加工装置の回転刃物3が有するインサイジング刃物5に、前記インサイジング用押し込み刃7に変えて取り付けることでインサイジング加工を行う。この図9に示す底面部8Aを木材の表面に押し込むことで該表面に形成された小溝を有する木材を図10に示す。 【0039】図10に示すように、底面部8Aを木材9Aの表面90Aに押し込み該表面90Aを切り込んで形成した小溝91Aでは、長辺方向に沿う側壁面911・911がそれぞれ凸部911aの幅と凹部911bの幅が同じである凹凸状に形成されている。このように底面部8Aを備えるインサイジング用押し込み刃の作用効果は上述したインサイジング用押し込み刃7と同様であるので説明は省略する。 【0040】次に、上述したインサイジング用押し込み刃とは、底面部の形状のみ異なるインサイジング用押し込み刃の第2変形例を以下に示す。図11に示す第2変形例としてのインサイジング用押し込み刃の底面部8Bには、その幅方向に沿う2つの側部に、厚み方向に突出する凸部86a・87a及び陥没する凹部86b・87bを有する凹凸部86・87がそれぞれ形成されている。凹凸部86・87のそれぞれでは、凸部86a(87a)の幅L6(L8)と凹部86b(87b)の幅L7(L9)とは異なっており、これら凹凸部86・87は、該凹凸部86・87が形成された前記側部間の中心を通る線S2に対して非対称となっている。この底面部8Bを備えたインサイジング用押し込み刃を備えたインサイジング加工装置1により小溝が形成された木材の一例を図12に示す。なお、この図12に示す木材の全体の外観は図3に示すもの同様である。 【0041】図12に示す木材9Bの表面90Bには、底面部8Bの幅方向に沿う側部のそれぞれの凹凸部86・87に対応して形成された側壁面912・913を有する小溝91Bが形成されている。詳細には、凸部912aの幅は底面部8Bの凹部86bの幅L7に、凹部912bの幅は凸部86aの幅L6にそれぞれ対応し、凸部913aの幅は底面部8Bの凹部87bに、凹部913bの幅は凸部87aの幅L8にそれぞれ対応している。つまり、小溝91Bにおける側壁面912・913の凸部912a・凹部912b、凸部913a・凹部913bはそれぞれ凸部の幅と凹部の幅(凸部912aの幅と凹部912bの幅、凸部913aの幅と凹部913bの幅)とが異なっており、さらに、両側壁面912・913は非対称となっている。上記構成の底面部8Bを備えるインサイジング用押し込み刃による小溝の形成方法は、上述したインサイジング用押し込み刃7を備えたインサイジング加工装置と同様に形成することができ、その効果もインサイジング用押し込み刃7と同様であるので説明は省略する。 【0042】次に、図13を用いて第3変形例としてのインサイジング用押し込み刃を説明する。図13(a)に示す第3変形例のインサイジング用押し込み刃の底面部8Cには、その幅方向に沿う2つの側部に、厚み方向に突出する凸部88a・89aを有する凹凸部88・89がそれぞれ形成されている。凹凸部88・89のそれぞれにおいて、凸部88a(89a)はそれぞれの側部の中央部に設けられている。このように両側部にそれぞれ形成された凹凸部88・89は、側部間の中心を通る線S3に対して対称となっており、よって底面部8Cは底面視して(インサイジング用押し込み刃を先端側から見て)十字状に形成されたものとなっている。この底面部8Cを備えたインサイジング用押し込み刃を備えたインサイジング加工装置1により小溝が形成された木材の一例を図13(b)に示す。なお、図13(b)に示す木材の全体の外観は図3に示すもの同様である。 【0043】図13(b)に示す木材9Cの表面90Cには、底面部8Cの幅方向に沿う側部のそれぞれの凹凸部88・89に対応して形成された側壁面914・915を有する小溝91Cが形成されている。詳細には、凹部914aの幅は凸部88aの幅L61に対応し、凹部915aの幅は凸部89aの幅L81にそれぞれ対応している。つまり、小溝91Cは底面部8Cの形状に対応して平面視十字状に形成され、両側壁面914・915は対称となっている。上記構成の底面部8Cを備える第3変形例としてのインサイジング用押し込み刃による小溝の形成方法は、上述したインサイジング用押し込み刃7を備えたインサイジング加工装置と同様に形成することができ、その効果もインサイジング用押し込み刃7と同様であるので説明は省略する。 【0044】このようにインサイジング用押し込み刃の底面部は、所定の幅寸法と厚み寸法を有する断面略矩形状に形成されるとともに、前記底面部の幅方向に沿う2つの側部のうち少なくとも一方の側部に、厚み方向に突出する凸部または陥没する凹部を有する凹凸部が形成されていれば、どのような形状に構成されていてもよい。 以下、底面部のみ構成が異なるインサイジング用押し込み刃を底面側から見た際の底面部形状のバリエーションを図14及び図15に示す。なお、図14及び図15に示す底面部を有するインサイジング用押し込み刃によって、木材の表面に、底面部の形状に対応した形状の小溝、つまり両側面に凹部を有する小溝を形成することができる。 【0045】図14(a)に示す底面部8Dには、幅方向に沿う両側部に、それぞれ幅方向と直交する厚み方向に突出した凸部881・891が設けられている。これら凸部881・891はそれぞれの側部の中央部に設けられており、これにより底面部8Dは底面視して(インサイジング用押し込み刃を先端側から見て)角が取れた十字状をなしている。図14(b)に示す底面部8Eには、幅方向に沿う両側部に、それぞれ厚み方向に突出する凸部882a・892a及び陥没する凹部882b・892bを有する凹凸部882・892が形成されている。凹凸部882・892は、該凹凸部882・892が形成された前記側部間の中心を通る線S5に対して非対称をなし、これら凹凸部882・892により底面部8Eは底面視して(インサイジング用押し込み刃を先端側から見て)鈎状となっている。 【0046】図15(a)に示す底面部8Fは、底面視してI形状になるように、底面部8Fの両側部に、該底面部8Fの幅方向の両端部から、厚み方向にそれぞれ突出する凸部883a・893aを備えた凹凸部883・893が形成されたものである。図15(b)に示す底面部8Gは、底面視して(インサイジング用押し込み刃を先端側から見て)S字状となるように、底面部8Gの幅方向に直交する方向である厚み方向に突出する凸部884a・894a及び陥没する凹部884b・894bが形成されているものである。図15(c)に示す底面部8Hは、幅方向の両端部に、それぞれ突出する厚み方向が異なる凸部885a・895aが設けられ、これら凸部885a・895aにより幅方向に沿う両側部は凹凸部885・895が設けられた形状となっている。これら凹凸部885・895は底面部8Hの中心で点対称となっており、これら凹凸部885・895により底面部8Hは底面視鈎状となっている。 【0047】なお、回転刃物3・4において、複数のインサイジング刃物は、インサイジング刃物がそれぞれ備えるインサイジング用押し込み刃7が切り込んだ際に木材の表面に小溝が千鳥状に並ぶように取り付けられていてるが、これに限らず、木材の表面に小溝を形成するものであれば、どのように取り付けられていても良い。例えば、木材の表面に縦横に一列毎に並ぶように小溝が多数形成されるように取り付けられる等の構成があげられる。また、インサイジング用押し込み刃7の底面部8の両側端部以外の形状はどのように形成されていてもよく、例えば、押圧方向に鋭角的に突出する突出部が形成された構成としてもよい。その他、具体的な構成等についても適宜に変更可能であることは勿論である。さらに、底面部8(8A、8B)の側部に設けられる凹凸部82・83(84・85、86・87)は、それぞれ底面部8(8A、8B)にのみ設けられている構成としたが、矩形状部と底面部とを同一の厚みを有するものとして構成し、前記凹凸部を、底面部の側部から矩形状部の側部に渡るように設けた構成としてもよい。 【0048】 【発明の効果】請求項1〜6のいずれかに記載の発明に係るインサイジング用押し込み刃によれば、前記木材の表面に、側壁面が凹凸状の小溝を形成し小溝から薬液を木材内部に浸透させた際に、小溝の側壁面が平らな側壁面より表面積が広く、さらに表面が荒れているとともに、凸部間または凹部で浸透する薬液を保持することができるので、木材内部に浸透し易く、より効果的に薬液を木材内部に浸透させることができる。 【0049】請求項7記載の発明によれば、請求項1〜6の何れかに記載のインサイジング用押し込み刃により少なくとも一方の側壁面を凹凸面とした小溝が形成されているので、該小溝から薬液を浸透させた際に、前記凹凸面から内部に効果的に薬液が浸透され、防腐防蟻処理を効果的に施すことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000114086 【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090033 【弁理士】 【氏名又は名称】荒船 博司
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| 【公開番号】 |
特開2002−292603(P2002−292603A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−100952(P2001−100952) |
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