| 【発明の名称】 |
往復動切断工具 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥村 道男
【氏名】高橋 雄志
【氏名】近藤 雅樹
【氏名】伊藤 栄紀
【氏名】平林 伸治
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| 【要約】 |
【課題】ブレードを往復動させて切断するジグソーにおいて、従来切り粉が飛散する範囲を規制して効率よく集塵を行うためにブレードの前方に透明カバーを取り付けたものが提供されていたが、該透明カバーに切り粉が付着して切断部位がかえって見づらくなってしまう問題があった。本発明では、この問題を解決することを目的とし、高い集塵効率と切断部位の視認性を確保できるジグソーを提供する。
【解決手段】バックローラー52を支持する支持軸50の中空部50aを経てモータ冷却風の風下側45に接続した吹き出しノズル56を介してモータ冷却風を切断部位(ブレードB)の前方から吹き出して切り粉の飛散範囲を規制する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動モータを駆動源としてブレードを往復動させて切断材を切断する往復動切断工具であって、前記電動モータの冷却風を切断部位に向けて吹き出しつつ、前記切断部位の近傍に配置した集塵ノズルにより集塵する構成とした往復動切断工具。 【請求項2】 請求項1記載の往復動切断工具であって、本体部に支持軸を介してブレードの面方向に沿って傾動可能に支持されたホルダと、該ホルダの傾動先端側に回転可能に支持されて前記ブレードを背面側から受けるバックローラーを備え、前記支持軸を中空に形成し、該支持軸の中空部と前記本体部における冷却ファンの風下側空間部とを連通するとともに、該支持軸の中空部に吹き出しノズルを接続し、該吹き出しノズルからモータ冷却風を切断部位に向けて吹き出す構成とした往復動切断工具。 【請求項3】 電動モータを内蔵した本体部と、該本体部の前部に設けた往復動機構部と、該往復動機構部から下方に延び、先端にブレードが取り付けられるロッドを備えた往復動切断工具であって、前記往復動機構部から下方に開口し、前記本体部における冷却ファンの風下側空間部に連通した通風路を設け、該通風路を経て前記電動モータの冷却風を切断部位の上方から該切断部位に向けて吹き出す構成とした往復動切断工具。 【請求項4】 請求項3記載の往復動切断工具であって、往復動機構部から下方へ張り出して設けたカバーを備え、該カバーに吹き出し孔を上下に貫通して設け、該吹き出し孔の上流側開口部を通風路を経て本体部における冷却ファンの風下側空間部と連通させて、電動モータの冷却風を前記吹き出し孔の下流側開口部から下方に向けて吹き出す構成とした往復動切断工具。 【請求項5】 電動モータを駆動源としてブレードを往復動させて切断材を切断する往復動切断工具であって、本体部に支持軸を介してブレードの面方向に沿って傾動可能に支持されたホルダと、該ホルダの傾動先端側に回転可能に支持されて前記ブレードを背面側から受けるバックローラーを備え、前記支持軸にその径方向に貫通して吹き出し孔を設け、該吹き出し孔の上流側開口部を前記本体部における冷却ファンの風下側空間部に連通して、該吹き出し孔を介して前記電動モータの冷却風を切断部位の後ろ側から該切断部位に向けて吹き出す構成とした往復動切断工具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、例えばジグソーであって、ブレード(切断刃)を往復動させて切断材を切断する往復動切断工具に関し、特に切断により発生する切り粉の飛散範囲を規制するための技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、例えば実開平6−75705号公報には、切断により発生する切り粉の飛散を防止するために、ブレードの前方および左右側方を遮蔽する略U字形のカバーを配置したジグソーが開示されている。このカバーによれば、切断部位から吹き出される切り粉が飛散する範囲(切り粉の飛散範囲)が当該カバーの内側の範囲に規制されるので、該カバーに取り付けた吸塵ノズルを経て切り粉を効率よく吸引することができた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のカバーは、使用者が切断部位を視認できるように透明の樹脂板を素材として形成されていたが、切断部位から吹き上がった切り粉がその内面に付着して使用者が切断部位を視認できなくなってしまい、その結果作業性を損なう問題があった。本発明は、この問題に鑑みなされたもので、切断部位から吹き上がった切り粉によって切断部位が見えづらくなることがなく、これにより効率よく切断作業を行うことができる往復動切断工具を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】このため、本発明は前記各請求項に記載した構成の往復動切断工具とした。請求項1記載の往復動切断工具によれば、切断部位に向けて吹き出されたモータ冷却風によって切り粉が飛散する範囲が規制されるので、従来の透明カバーは不要であり、従って従来のように該透明カバーに切り粉が付着して切断部位が見づらくなるといった問題(切断部位の視認性の低下)はなくなり、その結果当該往復動切断工具の使い勝手が向上し、また作業効率が向上する。飛散する範囲が規制された切り粉は、切断部位の近傍に配置した集塵ノズルによって効率よく集塵される。また、モータ冷却風を利用して切り粉が飛散する範囲を規制する構成であるので、特別の風力発生源を必要とせず、大きなコストアップを招くことなく上記作用効果を得ることができる。さらに、モータ冷却風を利用する構成であるので、外付けの風力発生源を用いた場合のように取り扱い性を損なうことがない。この明細書において、「切り粉が飛散する範囲を規制する」とは、モータ冷却風を吹き出さなければ飛散することとなる範囲の一部または全部について切り粉が飛散しないよう、該切り粉をモータ冷却風の風力によって切断部位側に押し戻すことを言う。 【0005】請求項2記載の往復動切断工具によれば、モータ冷却風を切断部の近傍から吹き出して切り粉の飛散範囲を効率よく規制することができる。すなわち、通常ジグソーには、ブレードの切断抵抗を切断進行方向後側から受けるためのバックローラーが設けられており、このバックローラーはブレードの楕円運動の幅を変化させるためブレードの面方向に沿った前後の位置(切断進行方向に沿った位置)を変更可能に設けられている。このバックローラーは、本体部の前部に上下に傾動可能に設けたホルダの先端側に回転自在に支持され、該ホルダの傾動位置を変更することによりバックローラーの位置を変更することができる。このように、通常ジグソーに設けられるバックローラーのホルダを傾動支持するための支持軸に円筒形状の軸を用い、該支持軸の中空部にモータ冷却風を流入させるとともに吹き出しノズルを接続し、該吹き出しノズルの吹き出し口をブレードの切断進行方向前側あるいは側方に迂回させて、該吹き出し口からモータ冷却風を切断部位に向けて吹き出すことにより、切断部位から切断進行方向前方あるいは側方に飛散する切り粉の飛散範囲を効率よく規制することができる。このことから、従来の透明カバーを用いることなく切り粉の飛散範囲を規制して効率よく集塵することができるので、該透明カバーに切り粉が付着して切断部位が見えづらくなるといった問題はなく、これにより作業性を向上させることができる。 【0006】請求項3記載の往復動切断工具によれば、切断部位の前側上方からモータ冷却風が下方に向けて吹き出されて切り粉の主として切断方向前方の飛散範囲が規制されるので、従来の透明カバーを廃止することができ、従って該透明カバーに切り粉が付着して切断部位が見えづらくなる(切断部位の視認性が悪くなる)といった問題はなくなり、ひいては切断作業の効率を高めることができる。また、モータ冷却風が通風路を経て往復動機構部から下方へ吹き出される構成であるので、該モータ冷却風により往復動機構部の冷却を行うことができる。また、通常ジグソーには、ブレード取り付け部と他部位あるいは他物品との干渉を防止するため、その主として前方(切断部位の前側上方)であって、作業者が切断部位を視認する際の障害にならない範囲にカバーが設けられる場合がある。請求項4記載の構成によれば、このカバーに設けた吹き出し孔の下流側開口部からモータ冷却風が下方へ向けて吹き出されるので、作業者が切断部位を視認する際の障害にならない範囲に設けたカバーを利用してモータ冷却風を切断部位により近い位置から吹き出すことができ、この点でも切り粉の飛散範囲を効率よく規制することができる。 【0007】請求項5記載の往復動切断工具によれば、支持軸の吹き出し窓部からモータ冷却風が吹き出される。支持軸は、切断部位に対して後ろ側に位置いているので、モータ冷却風は、切断部位の後ろ側から前方に向けて吹き出され、これにより切断部位から吹き上がる切り粉を前方へ吹き飛ばすことができる。このように、例えばエアブロー装置等を別途用いることなく本体部のモータ冷却風を利用して切り粉を切断部位から吹き飛ばすことができるので、大きなコストアップを招くことなく切断部位の視認性を高めることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明の第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。この第1実施形態は、請求項1または請求項2記載の発明の実施形態に相当する。この第1実施形態および後述する各実施形態では、往復動切断工具の一例としていわゆるジグソーを例示する。図1および図2は、本実施形態のジグソー1を示している。このジグソー1は、本体ハウジング12に電動モータ11を内蔵した本体部10と、該本体部10の前部に組み付けた往復動機構部20と、本体部10の下面側に設けたベース60を備えている。本実施形態のジグソー1は、電動モータ11の冷却風を利用して切り粉の飛散する範囲(切り粉飛散範囲)を規制することに特徴を有している。このため、当該ジグソー1の基本的な機構については従来構成に対して特に変更を要しないが、以下一通り説明する。 【0009】電動モータ11の出力軸11aには、冷却ファン13が取り付けられている。この冷却ファン13の周囲であって、本体ハウジング12の口元にはバッフルプレート14が取り付けられている。本体ハウジング12の上面にはスライドスイッチ15が設けられており、このスライドスイッチ15をオン側(図示左側)にスライドさせると電動モータ11が起動する。電動モータ11の起動により冷却ファン13が回転すると、本体ハウジング12の後面(図では本体ハウジング12の後ろ側半分が省略されている)に設けた吸気窓から外気が導入され、吸入された外気(モータ冷却風)は電動モータ11を冷却しながら本体ハウジング12の後部から前部に向かって流れる。本体ハウジング12内を流れるモータ冷却風は、電動モータ11の風下側(図2において左側)であって冷却ファン13の風上側(図2において右側)においてバッフルプレート14により一旦流路面積を絞られ、これにより当該モータ冷却風のスムーズな流れが確保されている。冷却ファン13にはいわゆる遠心ファンが用いられている。このため、バッフルプレート14を通過したモータ冷却風は、主として冷却ファン13の放射方向へ流され、然る後、バッフルプレート14の内周面に沿って流される。本実施形態において、このバッフルプレート14の内周側が、特許請求の範囲に記載したモータ冷却ファン13の風下側空間部に相当する。 【0010】電動モータ11の出力軸11aは、往復動機構部20の駆動ギヤ21に噛み合わされている。なお、出力軸11aは、往復動機構部20のギヤケース22に取り付けた軸受け23によって回転可能に支持されている。駆動ギヤ21は、ギヤケース22に固定した軸部24に軸受け25,25を介して回転自在に支持されている。この駆動ギヤ21の図示左側面には偏芯ボス部21aが形成されている。この偏芯ボス部21aの軸心は、当該駆動ギヤ21の回転軸線に対して一定寸法偏芯している。この偏芯ボス部21aにはバランスプレート26が回転可能に嵌め付けられている。このバランスプレート26の下側に形成した上下に長い逃がし孔26aには、規制ピン27が挿通されて当該バランスプレート26の回転が規制されている。このため、駆動ギヤ21が回転するとこのバランスプレート26は図2において紙面に直交する方向に揺動しながら上下に変位する。一方、偏芯ボス部21aの図示左側面には円形の作動板28が固定されている。この作動板28の図示左側面であって、該駆動ギヤ21の回転中心(軸部24)に対して一定寸法偏芯した位置には作動ローラー29が取り付けられている。この作動ローラ29は、駆動ギヤ21の回転中心(軸部24)に対して偏芯ボス部21aとは180度反対側に偏芯している。このため、駆動ギヤ21の回転により作動ローラ29が軸部24を中心にして公転すると、軸部24に対してこの作動ローラ29とは常時反対側にバランスプレート26が移動し、これにより作動板28は回転ブレを生ずることなくスムーズに回転し、ひいては作動ローラ29がスムーズに公転するようになっている。 【0011】次に、ギヤケース22の前部に固定されたロッドケース17には、ロッド30が上下動可能に支持されている。このロッド30は、上下二箇所の軸受け31,32により上下動可能に支持されている。下側の軸受け32は、ロッド30に対してクリアランスが緩く設定されている。このため、ロッド30は上下動可能であるとともに、その径方向にも変位可能となっており、これにより該ロッドの楕円運動がなされるようになっている。このロッド30の長手方向ほぼ中央には、U字形のガイドレール33が取り付けられている。このガイドレール33はロッド30に対して直交する方向(図2において紙面に直交する方向)に延びている。このガイドレール33に前記作動ローラ29が転動可能に嵌め込まれている。前記したように駆動ギヤ21の回転により作動ローラ29が公転すると、その上下方向の移動のみがガイドレール33に伝達されてロッド30が上下動する。駆動ギヤ21が1回転すると作動ローラ29が1公転し、従ってロッド30が上下に1往復する。また、ガイドレール33の両端背面側には、板ばね34,34が取り付けられている。両板ばね34,34は下方へ延びており、それぞれロッドケース17に取り付けた圧縮ばね35に当接されている。この両圧縮ばね35,35の弾性力および両板ばね34,34の弾性力によりロッド30が後方(図2において右方)へ付勢されている。 【0012】ロッド30の下端部には、ブレードBの基端部を挿入して該ブレードBをロッド30にほぼ一直線状に取り付けるためのブレード取り付け部36が設けられている。このブレード取り付け部36は従来構成に比して特に変更を要しないので詳述しないが、ロッド30の内周側にはねじの噛み合いを介してインナーロッド40が回転可能かつ軸方向に移動可能に挿通されている。このインナーロッド40の上端部には六角ナット40aが取り付けられており、この六角ナット40aはスリーブ40bの六角孔に挿入されている。このため、インナーロッド40はスリーブ40bに対して回転について一体化され、軸方向へは相対移動可能に接続されている。スリーブ40bは、フロントハウジング16の頭部に回転可能に設けたハンドル41の下面に固定されている。一方、インナーロッド40の下端側はロッド30のブレード取り付け部36に至っている。インナーロッド40の下端部にはブレードBの基端部を挿入するためのスリットが形成されている。ハンドル41を回転操作すると、スリーブ40bを介してインナーロッド40が回転し、これにより該インナーロッド40はロッド30に対するねじの噛み合い作用を介して上下に移動する。インナーロッド40がロッド30に対して上下に移動するとスリットが開閉され、これによりブレードBの基端部が把持され、また解放される。ロッド30およびブレードBの前方には、これらに対して他物品が干渉することを防止するためのガードフレーム42が取り付けられている。このガードフレーム42は、ロッドケース17の前端下角部から下方へ延びている。図1に示すように本実施形態では、このガードフレーム42には、ワイヤ(棒鋼)を略U字形に屈曲させたものが用いられている。 【0013】前記ギヤケース22の下面側には、切断材(図示省略)の上面に当接するためのベース60が取り付けられている。ベース60の上面には断面半円形の支持部60aが形成されており、この支持部60aをギヤケース22の下面に形成した断面半円形の凹部22bに嵌め込んだ状態で当該ベース60が往復動機構部20の下面側に取り付けられている。ギヤケース22と支持部60aとの間には固定ねじ61が挿通されており、この固定ねじ61をレバー62の回転操作により緩めると、凹部22bに対して支持部60aを摺接させつつ往復動機構部20ひいてはブレードBをベース60ひいては切断材に対して左右(図2において紙面に直交する方向)に傾動させることができ、これによりいわゆる斜め切りをすることができる。 【0014】次に、ギヤケース22の下部には、モータ冷却風を流すための通風路45が設けられている。この通風路45の風上側開口部は、前記バッフルプレート14の内周側空間部14a(冷却ファン13の風下側空間部)に開口している。このため、冷却ファン13の回転によりバッフルプレート14の内周面に沿って流れるモータ冷却風がこの通風路45内に流れ込む。通風路45の風下側開口部は、ブレードBの後方であって、ロッドケース17の下部に回転不能かつ軸方向移動不能に取り付けた支持軸50に向けて開口されている。この支持軸50は、図5および図6に単独で示すように中空部50aを有する円筒形状を有している。この支持軸50の端部は後述する吹き出しノズル56を接続するための接続口50bとされている。また、支持軸50の周面には2箇所の窓部が開口形成されている。一方の窓部が特許請求の範囲に記載した吹き出し窓部50cであり、他方の窓部がモータ冷却風を中空部50aに流入させるための流入窓部50dとされている。両窓部50c,50dは周方向に約120度の角度をおいて設けられている。これについては後述する。上記支持軸50を介してホルダ51が上下に傾動可能に支持されている。このホルダ51の先端側にバックローラ52が回転自在に支持されている。このバックローラ52にはブレードBの背面側(切断進行方向後ろ側、図2において右端側)が当接されている。ブレードBが上下動すると、このバックローラ52は相対的に該ブレードBの背面に沿って転動される。ブレードBの切断進行方向後ろ側(図2において右方)がこのバックローラ52によって受けられ、これにより該ブレードBに対して切断進行方向への切り込み力が伝えられる。 【0015】このバックローラー52は、前後2箇所に位置変更することができ、これによりブレードBの楕円運動の幅を切り換えることができる。ホルダ51の基端側には切り換えプレート53が取り付けられている。この切り換えプレート53は、ギヤケース22内に進入している。この切り換えプレート53の先端側上面には、切り換えロッド54の断面半円形部分が当接されている。この切り換えロッド54により切り換えプレート53の上方への変位が規制され、これによりバックローラー52の後方(図2において右方)への変位が規制される。図1に示すようにこの切り換えロッド54の一端側には切り換えレバー55が取り付けられている。この切り換えレバー55を、ギヤケース22の外側から回転操作することにより切り換えロッド54をその軸回りに回転させることができる。切り換えレバー55の回転操作により切り換えロッド54を、図2に示す位置から約90度回転させると、切り換えプレート53を該切り換えロッド54の半径分だけさらに上方へ変位させることができ、これによりバックローラ52を図2に示す位置よりもさらに後方へ変位させることができる。バックローラ52を図2に示す位置よりも後ろ側へ変位させることにより、ブレードBの楕円運動の幅を大きくすることができる。 【0016】次に、ホルダ51の支持部周辺の詳細が図3に示されている。ロッドケース17の下部には支持縁22a,22aが相互に平行に設けられている。この両支持縁22a,22a間に跨るようにして支持軸50が回転不能かつ軸方向移動不能に取り付けられている。支持軸50に設けた流入窓部50dは後方へ向けられて、前記通風路45の風下側開口部に突き合わされている。これにより通風路45と支持軸50の中空部50a(内周側)が連通されている。支持軸50の中空部50aには、吹き出しノズル56の挿入筒部56aが挿入される。図4にはこの吹き出しノズル56が単独で示されている。この吹き出しノズル56はJ字形を有するノズル本体部56bを備えている。上記挿入筒部56aはノズル本体部56bの一端側に設けられている。挿入筒部56aは支持軸50の内周側(中空部50a)に隙間なく抜き差し可能な径を有している。挿入筒部56aには流入窓部56cが開口形成されており、該挿入筒部56aを支持軸50の中空部50aに挿入すると、この流入窓部56cが支持軸50の流入窓部50dにほぼ一致した状態となる。また、挿入筒部56aが支持軸50の中空部50aに挿入されると、支持軸50の吹き出し窓部50cは閉塞される。ノズル本体部56bの内周側と挿入筒部56aの内周側は気密に連通されている。ノズル本体部56bの他端側(図4において下側)は、吹き出し口56dとされている。この吹き出し口56dには、前記ガードフレーム42に対して該吹き出し口56dを固定するための係止爪56eが設けられている。 【0017】図3に示すように支持軸50の一方(図3において上側)の接続口50bに挿入筒部56aを挿入し、ノズル本体部56bの吹き出し口56dをブレードBの切断進行方向前側(図3において左側)に迂回させて係止爪56eをガードフレーム42に係止させた状態に当該吹き出しノズル56を装着すると、挿入筒部56aの流入窓部56cが支持軸50の流入窓部50dにほぼ重ね合わせられた状態となり、これにより通風路45と挿入筒部56aの内周側が連通される。従って、電動モータ11の起動により発生するモータ冷却風は冷却ファン13の風下側空間部14aに流入した後、通風路45、流入窓部50dおよび流入窓部56cを経て挿入筒部56aの内周側(支持軸50の中空部50a)に流入し、さらにノズル本体部56bを経て吹き出し口56dから吹き出される。ノズル本体部56bは略J形の折り返し形状を有しているので、吹き出し口56dはブレードBの切断進行方向前側から後方に向けて開口されている。このため、吹き出し口56dから吹き出されたモータ冷却風はブレードBの切断進行方向前側から後方に向けて吹き出される。本実施形態では支持軸50の中空部50aひいては挿入筒部56aの内周側が特許請求の範囲に記載した支持軸の中空部に相当する。ベース60の上面であって、切断部位(ブレードBと切断材Wの上面が交差する部位)の側方には集塵ノズル57(図2では省略されている)が取り付けられている。この集塵ノズル57には、集塵機(図示省略)が接続されている。集塵機を作動させると、切断部位で発生する切り粉が集塵ノズル57により集塵される。図1に示すように集塵ノズル57の集塵口は、切断部位に向けて斜め下方に指向されている。 【0018】以上のように構成した第1実施形態のジグソー1によれば、スライドスイッチ15をオン側にスライドさせて電動モータ11を起動すると、往復動機構部20の作動によりブレードBが上下に往復動し、これにより切断材Wを切断することができる。一方、電動モータ11が起動すると、冷却ファン13が回転し、これにより本体部10の後部から本体ハウジング12内に外気が導入される。導入された外気(モータ冷却風)は本体ハウジング12内を前方へ向けて流れ、これにより電動モータ11が冷却される。電動モータ11を冷却したモータ冷却風はバッフルプレート14の内周側(冷却ファン13の風下側空間部14a)に流入した後、通風路45、流入窓部50dおよび流入窓部56cを経て吹き出しノズル56の挿入筒部56aの内周側(支持軸50の中空部50a)に流入する。挿入筒部56aの内周側に流入したモータ冷却風は、ノズル本体部56bを経て吹き出し口56dから吹き出される。ノズル本体部56bの吹き出し口56dは、ブレードBの前側において後方(図3において右方)へ向けて開口しているため、モータ冷却風はブレードBの前側から後方へ向けて緩やかに吹き出されて、切断部位の前方を遮るエアカーテンとして機能する。このため、切断部位から前方上方へ吹き上がる切り粉は、モータ冷却風に遮られて前方への飛散が抑制され、これにより該切り粉の主として前方へ飛散する範囲が規制される。 【0019】このように、吹き出しノズル56の吹き出し口56dから吹き出されるモータ冷却風によって切り粉の主として前方への飛散範囲が規制されるので、従来の透明カバーは不要であり、従って該透明カバーに切り粉が付着して切断部位を見づらくなるといった問題はなくなり、これにより作業効率を高めることができる。また、モータ冷却風によって切り粉の主として前方への飛散範囲が規制されて、該切り粉の飛散範囲が集塵ノズル57によって集塵可能な範囲に留められるので切り粉の集塵効率を高めることができる。また、第1実施形態のジグソー1によれば、吹き出しノズル56の係止爪56eをガードフレーム42から外し、かつ挿入筒部56aを支持軸50の中空部50aから抜き出すことにより、該吹き出しノズル56を当該ジグソー1から取り外すことができる。吹き出しノズル56を取り外して、挿入筒部56aが支持軸50の中空部50aから抜き出されると、支持軸50に設けた吹き出し窓部50cが開放される。この吹き出し窓部50cは、前方斜め下方に向けて開口されている。このため、通風路45を経て支持軸50の中空部50aに流入したモータ冷却風はこの吹き出し窓部50cを経て直接切断部位に向けて吹き出され、これにより切断部位から吹き上がった切り粉は、積極的に前方へ吹き飛ばされ、これによっても切断部位を視認しやすくなり、従って作業効率を高めることができる。このように、集塵ノズル57および集塵機を用いて切り粉を集塵する場合には、吹き出しノズル56を装着することにより、従来のように透明カバーによることなく、従って切断部位が見えやすい状態(視認性)を確保しつつ切り粉の飛散範囲を規制して効率のよい集塵を行うことができる一方、切り粉を集塵する必要がない場合には、吹き出しノズル56を取り外して、切り粉を切断部位から積極的に前方へ吹き飛ばすことができ、何れの場合も従来の透明カバーを用いるのではなくモータ冷却風を利用することによって切断部位の視認性を確保することができる。 【0020】以上説明した第1実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、吹き出しノズル56を装着するにあたって挿入筒部56aを支持軸50の一方(図3において上側)の接続口50bから挿入して、ノズル本体56bをブレードBに対して切断進行方向右側(図3において上側)を迂回させて装着する構成を例示したが、挿入筒部56aを支持軸50の他方の接続口50bから挿入して、ノズル本体部56bをブレードBに対して切断進行方向左側を迂回して装着することもでき、何れの側に装着するかは作業形態に合わせて任意に選択することができる。また、支持軸50の両端部に接続口50bを設けたが、片側のみに接続口50bを設けて当該吹き出しノズルの取り付け位置を固定してもよい。さらに、吹き出しノズル56に挿入筒部56aを設け、該挿入筒部56aを支持軸50の中空部50aに挿入して、当該吹き出しノズル56を支持軸50に接続する構成を例示したが、挿入筒部56aを廃止してノズル本体部56bを直接支持軸50の一方の接続口50bに接続して、モータ冷却風が支持軸50の中空部50aに直接流入する状態に当該吹き出しノズルを装着する構成としてもよい。この場合には、支持軸50の吹き出し窓部50cと他方の接続口50bを塞いでおくことが好ましい。 【0021】次に、請求項2に記載した発明の別の実施形態(第2実施形態)を図7および図8に基づいて説明する。この第2実施形態のジグソー90は、吹き出しノズルの形状および吹き出し口の位置が前記第1実施形態とは異なっており、本体部10、往復動機構部20およびベース60等その他の構成については第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同位の符号を用いる。第2実施形態の吹き出しノズル70は、図8に単体で示すように第1実施形態と同様の挿入筒部71と、第1実施形態のノズル本体部56bとは異なり略L形をなし第1実施形態のノズル本体部56bよりも短いノズル本体部72を備えている。挿入筒部71には第1実施形態と同様の流入窓部71aが設けられている。ノズル本体部72の先端には吹き出し口72aが形成されており、この吹き出し口72aの側部には第1実施形態よりも大きな係止爪73が設けられている。また、図7に示すように、ノズル本体部72の吹き出し口72a側は、挿入筒部71および係止爪73に対して斜め下方に向けて指向されている。ベース60の上面であって、ブレードBに対して上記吹き出し口72aとは反対側には、第1実施形態と同様集塵ノズル57が配置されている。図7に示すようにこの集塵ノズル57の集塵口も切断部位に向けて斜め下方に指向されている。 【0022】このように構成した第2実施形態のジグソー90によれば、吹き出しノズル70は、挿入筒部71を支持軸50の一方の接続口50aに挿入し、係止爪73をガードフレーム42,42間に架け渡すようにして係合させることにより装着される。この装着状態では、ノズル本体部72の吹き出し口72aがブレードBの側方から切断部位に向けられる。このため、通風路45、支持軸50の流入窓部50dおよび挿入筒部71の流入窓部71aを経て挿入筒部71の内周側(支持軸50の中空部50a)に流入したモータ冷却風は、ノズル本体部72の吹き出し口72aを経てブレードBの側方から切断部位に向けて吹き出される。このようにノズル本体部72の吹き出し口72aを経てモータ冷却風が、ブレードBの側方であってブレードBに対して集塵ノズル57とは反対側から切断部位に向けて緩やかに吹き出される。このように吹き出されるモータ冷却風により切断部位から吹き上げられた切り粉が、集塵ノズル57から遠ざかる方向へ飛散することが抑制されるので、該切り粉を集塵ノズル57により効率よく集塵することができる。 【0023】この第2実施形態の場合も、挿入筒部71を支持軸50の中空部50aから抜き出して当該吹き出しノズル70を取り外すことにより(当該吹き出しノズル70を使用しない場合)、支持軸50の吹き出し窓部50cを経て切断部位に向けて直接モータ冷却風を吹き出すことができ、これにより切り粉を前方へ吹き飛ばすことができる。また、ノズル本体部72の吹き出し口72a側を斜め下方に向ける構成を例示したが、略水平に向けることによっても一定の範囲で切り粉の集塵ノズル57から遠ざかる方向への飛散を抑制することができる。この構成とした場合には、挿入筒部71を支持軸50の反対側の接続口50bに挿入することにより当該吹き出しノズル70をブレードBに対して反対側(図7において右側)に装着することもできる。この場合、集塵ノズル57もブレードBに対して反対側(図7において左側)に取り付けることにより、上記と同等の作用効果を得ることができる。 【0024】次に、請求項3または4に記載した発明の実施形態(第3実施形態)を図9〜図12に基づいて説明する。この第3実施形態のジグソー100も、本体部10、往復動機構部20およびベース60等の基本的な構成については変更を要しないので説明を省略し、同位の符号を用いる。第3実施形態のジグソー100は、往復動機構部20の前下部に、ブレードホルダ86の前方を遮蔽するカバー80を備えている。図11および図12にはこのカバー80が単独で示されている。図12に示すようにこのカバー80は略U字形を有し、一端側に支持孔80bを備えている。一方、ロッドケース17の前下角部には、支持軸81が下方へ突き出すように設けられている。この支持軸81を支持孔80bに抜け不能に挿通して、当該カバー80が往復動機構部20の前下部において水平方向に開閉可能に支持されている。このカバー80を閉じてロッドケース17の前面に沿った状態とすると、ブレードホルダ86の前方が遮蔽され、これによりブレードホルダ86(ブレードBの取り付け部)に対して他物品が干渉することが防止される。逆に、カバー80を図9において手前側に開くと、ブレードホルダ86の前方が開放され、これによりロッド87の先端部に対するブレードBの脱着作業を楽に行うことができる。なお、第3実施形態のジグソー100におけるロッド87に対するブレードBの取り付け形態は前記第1、第2実施形態の取り付け形態とは異なっており、ロッド87の下端部に回転操作可能に設けた円環形状のブレードホルダ86をロッド87の軸回りに回転操作することにより、該ロッド87の先端に設けたスリットを開閉することができ、これによりブレードBを脱着することができるようになっている。 【0025】上記カバー80には、2つの吹き出し孔80a,80aが形成されている。両吹き出し孔80a,80aは、カバー80の上端面から下端面に至って貫通して形成されている。両吹き出し孔80a,80aは、上端面側の開口面積が下端面側の開口面積よりも大きくなるテーパ形状に形成されている。すなわち、両吹き出し孔80a,80aは、後述するように該両吹き出し孔80a,80aにモータ冷却風が流れる状態において下流側へ至るほど流路面積が徐々に小さくなるテーパ形状に形成されており、これにより下端面側の開口部から吹き出されるモータ冷却風の流速が高められるようになっている。図9に示すようにこのカバー80の図示上下幅は、切断部位の視認性を阻害しない程度の幅に設定されている。また、このカバー80の回動先端側の内周側には、係合爪80dが形成されている。この係合爪80dは、ブレードホルダ86の係合縁(図示省略)に係合されている。このため、カバー80を開くと、これに連動してブレードホルダ86がアンクランプ方向に回転操作され、逆に閉じるとこれに連動してブレードホルダ86がクランプ方向に回転操作される。このことから、使用者はブレードホルダ86の回転操作を直接行う必要はなく、カバー80を開閉操作するのみでブレードBの脱着作業を行うことができる。 【0026】次に、図10に示すようにこの第3実施形態では、駆動ギヤ21、バランスプレート26等を内蔵したギヤケース82の上側ほぼ半分の範囲と、ロッド87を上下動可能に支持するロッドケース83の外面がフロントカバー84に覆われている。ギヤケース82の両側面とフロントハウジング84との間、およびロッドケース83の両側面とフロントハウジング84との間には、通風路85,85が形成されている。この通風路85,85の一端側は、それぞれ冷却ファン13の風下側空間部14aに連通されている。一方、この通風路85,85の他端側は、図9および図10に示すように閉じ状態のカバー80の両吹き出し孔80a,80aの上端面側の開口部(上流側開口部)にそれぞれ連通されている。 【0027】このように構成した第3実施形態のジグソー100によれば、電動モータ11の起動により冷却ファン13が回転し、これにより本体ハウジング12内においてその後部から前部に至る流れのモータ冷却風が発生する。このモータ冷却風は電動モータ11を冷却した後、バッフルプレート14の内周側(冷却ファン13の風下側空間部14a)を経て両通風路85,85に流入する。通風路85,85は、ともに閉じ状態のカバー80の両吹き出し孔80a,80aに連通されているので、モータ冷却風は両吹き出し孔80a,80a内に流入し、然る後その下端面側の開口部を経て下方に吹き出される。この下方に向けて吹き出されたモータ冷却風は、切断部位の前方にいわゆるエアカーテンを張った状態と同等の機能を発揮し、これにより切断部位から吹き上がる切り粉の特に前方への飛散範囲が規制される。こうして、切り粉の飛散範囲が規制されるので、第1または第2実施形態と同様切断部位の近傍に集塵ノズル57(図9および図10では省略されている)を配置しておくことにより発生する切り粉を効率よく集塵することができる。また、カバー80の両吹き出し孔80a,80aから吹き出されるモータ冷却風により切り粉の飛散範囲が規制されるので、従来の透明カバーを用いる必要がなく、従って、切断部位が見づらくなるといった問題は発生しない。 【0028】以上説明した第3実施形態にも種々変更を加えることができる。例えば、カバー80に2つの吹き出し孔80a,80aを設ける構成を例示したが、1つの吹き出し孔あるいは3つ以上の吹き出し孔を設ける構成としてもよい。また、第1実施形態では、挿入筒部56aを支持軸50の中空部50aに挿入して吹き出しノズル56がモータ冷却風を吹き出して切り粉の飛散範囲を規制する状態と、挿入筒部56aを支持軸50から抜き出して当該吹き出しノズル56を取り外すことにより、モータ冷却風を吹き出し窓部50cから直接切断部位に向けて吹き出して切り粉を切断部位から吹き飛ばす状態とを選択できる構成を例示したが、吹き出しノズル56を廃止して、常時吹き出し窓50cから切断部位に向けてモータ冷却風を吹き出す構成とすることができる。この構成の場合にも、切り粉が切断部位の周辺から積極的に前方へ吹き飛ばされるので、モータ冷却風を有効に活用にして切断部位の視認性を向上させることができる。 【0029】このように、エアブロー装置等の特別の装置を用いるのではなく、本体部10において発生するモータ冷却風を利用して切断部位に向けて吹き出す構成であるので、大きなコストアップを招くことなく、切断部位の視認性を高めることができる。また、エアブロー装置等を別途付設する必要がないので、当該ジグソー100の取り扱い性を損なうことなく切断部位の視認性を高めることができる。この構成が請求項5に記載した発明の実施形態に相当する。この実施形態において、吹き出し窓部50cが請求項5に記載した吹き出し孔の下流側開口部に相当し、流入窓部50dが吹き出し孔の上流側開口部に相当し、吹き出し孔は中空部50aを経て径方向に貫通して形成されている。この構成の場合には、支持軸50の両端が開口されている必要はなく、従って中実の軸に径方向に吹き出し孔を貫通して設けたものを支持軸50に代えて用いることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000137292 【氏名又は名称】株式会社マキタ
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| 【出願日】 |
平成13年5月23日(2001.5.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064344 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 英彦 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−347003(P2002−347003A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月4日(2002.12.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−154339(P2001−154339) |
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