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【発明の名称】 表面削り用ウォータージェット装置
【発明者】 【氏名】森井 直治

【氏名】齋藤 文博

【要約】 【課題】本発明は、ノズルヘッドを回転させたり、ノズルパイプに対し揺振する構造を採ることなく、削り幅を適正に確保しつつ、ノズルヘッドを狭小の空間内へ差し入れて空間内表面の削り作業を適正に遂行できる。

【解決手段】ノズルパイプ1の先端に側方へ向け高圧水を噴射するノズルヘッド2を設け、該ノズルパイプ1を軸線X方向へ直線往復動可に支持して上記ノズルヘッド2を同方向へ直線往復動すると共に、該ノズルパイプ1を軸線Xを中心に扇形往復回動可に支持してノズルヘッドを扇形往復回動させ表面削り作業を行う構成とした表面削り用ウォータージェット装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ノズルパイプの先端に側方へ向け高圧水を噴射するノズルヘッドを設け、該ノズルパイプを軸線方向へ直線往復動可に支持して上記ノズルヘッドを同方向へ直線往復動すると共に、該ノズルパイプを軸線を中心に扇形往復回動可に支持してノズルヘッドを扇形往復回動し表面削り作業を行う構成としたことを特徴とする表面削り用ウォータージェット装置。
【請求項2】上記ノズルパイプの基端を支持するテーブルに上記軸線方向に往復動する駆動チェーンを設け、該駆動チェーンに上記ノズルパイプを連結し、該駆動チェーンの上記軸線方向における往動と復動とにより上記ノズルパイプを直線往復動せしめる構成としたことを特徴とする請求項1記載の表面削り用ウォータージェット装置。
【請求項3】上記ノズルヘッドをノズルパイプの側面と略同レベルとなるように設けたことを特徴とする請求項1記載の表面削り用ウォータージェット装置。
【請求項4】上記ノズルパイプをカバーパイプに内挿し、該ノズルパイプをカバーパイプと一体に直線往復動すると共に、ノズルパイプがカバーパイプに対し単独で扇形往復回動するように支持したことを特徴とする請求項1記載の表面削り用ウォータージェット装置。
【請求項5】上記ノズルパイプの後端をカバーパイプの後端から延出し、該延出部に扇形往復回動機構が作用する構成としたことを特徴とする請求項1記載の表面削り用ウォータージェット装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル、橋、擁壁等を形成するコンクリート壁等の表面削りに用いるウォータージェット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図1A,Bに示すように、従来ノズルパイプ1の先端に側方へ向け高圧水を噴射するノズルヘッド2を突設し、該ノズルパイプ1を軸線X方向へ直線往復動可に支持してノズルヘッド2を直線往復動させつつ、ノズルヘッド2をノズルパイプ1の軸線Xに直交する軸線Yを中心に一方向に連続回転させる構成にして、表面削り作業を行う表面削り用ウォータージェット装置が既知である。
【0003】このウォータージェット装置においては、ノズルヘッドの内部を螺旋構造にし、ノズルパイプを通じてノズルヘッド内へ供給される高圧水の水力をこの螺旋構造によって回転力に変換し、上記ノズルヘッドの回転を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記ウォータージェット装置においては、螺旋構造の螺旋ピッチをできるだけ多くして水力を効率的に回転力に変換せねばならない関係上、螺旋長が長くなり必然的にノズルパイプ1側方へのノズルヘッド2の突出高さHも高くなる。このため、例えば橋脚頂部と橋梁両端間に形成される比較的深く細長い狭小空間内表面の削りには適用し難い問題点を有している。
【0005】又ノズルヘッド2の端面の偏心位置にノズル口3を設け、削り幅を設定しているが、この削り幅はノズルヘッド2端面の直径寸法内、即ちノズルパイプ1の略直径寸法内に限定され、削り幅の拡大を望み難い構造である。
【0006】又ノズルパイプ1とノズルヘッド2のシール部の経年劣化、漏水等の問題を内在している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記ノズルヘッドの突出高さと削り幅に関する問題点を適切に解決して、上記比較的深く細長い狭小空間内表面の削り作業に適切に対応し得るようにした表面削り用ウォータージェット装置を提供するものである。
【0008】又上記ノズルパイプにノズルヘッドを回転可に取り付ける回転方式を排し、従ってこれに起因する上記シール劣化と漏水の問題を解決し、ノズルヘッドの回転方式を採ることなく上記削り幅を適正に確保できるようにした表面削り用ウォータージェット装置を提供するものである。
【0009】その手段として、この表面削り用ウォータージェット装置は、ノズルパイプの先端に側方へ向け高圧水を噴射するノズルヘッドを設け、該ノズルパイプを軸線方向へ直線往復動可に支持してノズルヘッドを上記軸線方向に直線往復動する構造を採りながら、該ノズルパイプを軸線を中心に扇形往復回動可に支持してノズルヘッドを扇形往復回動させ表面削り作業を行う構成とし、ノズルヘッドの扇形往復角度によって削り幅を適正に確保し、併せてノズルパイプ及びノズルヘッドの専有スペースを削減し狭小空間内表面の削り作業を適切に遂行し得るようにしたものである。
【0010】又上記ノズルパイプを軸線方向に直線往復動せしめる手段として、ノズルパイプの基端を支持するテーブルに上記軸線方向に往復動する駆動チェーンを設け、該駆動チェーンに上記ノズルパイプを連結し、該駆動チェーンの上記軸線方向における往動と復動とにより上記ノズルパイプを直線往復動せしめる構成とし、駆動チェーンの架装長に応じ上記ノズルパイプの往復動ストロークを充分に確保し、加えてストローク設定(調整)も容易にしたものである。
【0011】更には、ノズルパイプの軸線方向と直交する方向の装置の幅を最小限にして上記効果が得られるようにしたものである。
【0012】上記ノズルヘッドはノズルパイプの側面と略同レベルとなるように設置して上記狭小空間の削り目的を有効に達成する。
【0013】又上記ノズルパイプをカバーパイプに内挿し、該ノズルパイプをカバーパイプと一体に直線往復動すると共に、ノズルパイプがカバーパイプに対し単独で扇形往復回動するように支持し、ノズルパイプの扇形往復回動を円滑にし、同パイプのベンディングを有効に防止する。
【0014】又上記ノズルパイプの後端をカバーパイプの後端から延出し、該延出部に扇形往復回動機構が作用する構成として、ノズルパイプ単独での扇形往復回動を適正に行わせる。
【0015】
【発明の実施の形態】表面削り用ウォータージェット装置は、図2,図3,図4等に示すように、ノズルパイプ1の先端に側方へ向け高圧水を噴射するように設けたノズルヘッド2を備える。
【0016】ノズルパイプ1は横方向に直線的に延び、ノズルヘッド2はこのノズルパイプ1の先端にそれ自身単独で動かないように一体に結合して、その側端面、即ちノズルパイプ1の軸線Xと並行な平面から成る側端面4にノズル口3を単数又は複数開口せしめる。
【0017】好ましくは、上記側端面4は上記軸線Xと直交する軸線Yを中心とする平面であって且つ軸線Xと平行な平面にて形成する。又は軸線Xに対し傾斜し且つ軸線Yに対し傾斜する、換言するとノズルパイプ1の側面に対し傾斜する平面にて上記ノズルヘッド2の側端面4を形成する。
【0018】上記ノズルヘッド2の側端面4はノズルパイプ1の直径端と同レベルにして側端面4の中心から外れた偏心位置にノズル口3を配する。又は同側端面4の中心部にノズル口3を配する。
【0019】好ましくは、上記側端面4を即ちノズルヘッド2をノズルパイプ1の直径端より僅かに突出せしめ、上記ノズル口3はこの突出せる側端面4の中心から外れた偏心位置に配する。又は同側端面4の中心部にノズル口3を配する。
【0020】上記ノズルヘッド2とノズルパイプ1とは嵌め合い構造にする。例えばかしめ嵌め構造にするか、溶接結合構造にするか、螺合構造にする。
【0021】上記ノズルパイプ1を軸線X方向へ直線往復動可に支持してノズルヘッド2を同軸線X方向へ直線往復動する構造を採りながら、該ノズルパイプ1を軸線Xを中心に扇形往復回動可に支持してノズルヘッド2を扇形往復回動させ表面削り作業を行う構成とする。
【0022】即ちノズルヘッド2とノズルパイプ1とは一体に直線往復動と扇形往復回動とを重畳して生じ、削り幅S2(扇形往復回動角)と削り長S1(直線往復動ストローク)の表面削り作業を遂行する。
【0023】この構成により図5Bに示すように、ノズルヘッド2は、ノズルパイプ1が占有する略直径スペース内で扇形往復回動させるのみで、噴射角(扇形往復回動角)を充分に確保し、図7に示すように、削り幅S2を拡大可能にする。S2は削り幅と扇形往復回動角を示し、S1は削り長と直線往復動ストロークを示す。よって図6に示す如き、狭小な空間内の表面削りが有効に実施できる。
【0024】上記ノズルパイプ1はテーブル5に軸線X方向に直線往復動可に且つ扇形往復回動可に支持する。
【0025】他方上記テーブル5に上記軸線X方向に往復動する駆動チェーン6を環状に架装し、該駆動チェーン6に上記ノズルパイプ1を連結し、該駆動チェーン6の両端を掛け回したチェーンホイール8の一方をテーブル5に支持したモーター18にて正逆回動することにより、これに連結したノズルパイプ1の直線往復動を得る。従ってノズルパイプ1及びノズルヘッド2の直線往復動ストロークS1は、駆動チェーン6の架装長まで拡大可能である。
【0026】即ち、チェーンホイール8間の駆動チェーン6の架装長の範囲内で上記ノズルパイプ1及びノズルヘッド2の直線往復動ストロークS1の長さを自在に設定し、同設定(調整)も容易にする。
【0027】更には駆動チェーン6とチェーンホイール8の噛み合いにより、同チェーン6に連結したノズルパイプ1及びノズルヘッド2の停止位置を適切に確保する。そして、ノズルパイプ1の軸線方向と直交する方向の装置の幅を最小限にして充分な長さの直線往復動ストロークS1が得られるようにする。
【0028】更にこの直線往復動機構について図面に記載した具体例に従い説明すると、テーブル5に平台から成るスライダー19を軸線X方向へ往復動可能に支持し、該スライダー19上に軸受け7を設け、該軸受け7にて上記ノズルパイプ1を扇形往復回動可に支持する。即ちノズルパイプ1は軸受け7に対し、扇形往復回動はするが、単独では直線往復動せずスライダー19及び軸受け7と一体に直線往復動するように支持する。
【0029】上記スライダー19を駆動チェーン6に連結し、よってノズルパイプ1を該スライダー19及び軸受け7を介して駆動チェーン6に連結する。スライダー19はその四隅に設けた転子20をテーブル5の左右側面に沿って回転させることによりその直線往復動を案内する。
【0030】斯くして駆動チェーン6の直線往復運動はスライダー19と軸受け7を介してノズルパイプ1に伝達され、該ノズルパイプ1をスライダー19及び軸受け7と一緒に直線往復動せしめる。
【0031】図4に示すように、上記ノズルパイプ1をカバーパイプ9に内挿し、該ノズルパイプ1の後端をカバーパイプ9の後端から延出せしめ、図2,図3に示すように、該延出部を上記軸受け7にて支持し、該延出端(ノズルパイプ1後端)をスライダー19上に設けたスイベルジョイント25を介して高圧水供給ホース26に接続する。
【0032】更に上記カバーパイプ9とノズルパイプ1とを該カバーパイプ9の後端において上記スライダー19に取り付けた連結軸受け11により支持する。該連結軸受け11はカバーパイプ9とノズルパイプ1とを一体に直線往復動するように結合し且つノズルパイプ1がカバーパイプ9に対して単独で扇形往復回動できるように支持する。
【0033】更にテーブル5には軸受け10を一体に設け、該軸受け10にてカバーパイプ9の前端を直線往復動可能に支持し、間接的にノズルパイプ1を直線往復動可能に支持する。
【0034】再述すると、カバーパイプ9はノズルパイプ1と一緒に直線往復動するが、単独では扇形回動不可に支持し、ノズルパイプ1はカバーパイプ9に対し、扇形往復回動可に支持する。
【0035】上記ノズルパイプ1の外径とカバーパイプ9の内径は略同等にし、ノズルパイプ1の外周面をカバーパイプ9の内周面によって実質的に支持する。これによってノズルパイプ1の高圧水による撓みを防止する。
【0036】他方図3,図5Aに示すように、上記ノズルパイプ1を扇形往復回動せしめる駆動機構、例えばクランク機構を備える。詳述すると、ノズルパイプ1に円盤21を同芯に取り付けると共に、スライダー19上にモーター22とモーター22によって回転される円盤23を設け、この円盤23と上記円盤21とをクランクレバー24によって連結する。円盤23は円盤21より充分に小径にする。換言すると円盤23に対するクランクレバー24の枢支点の偏心距離と、円盤21に対する枢支点の偏心距離とを、前者が充分に小で、後者が大となるように設定する。
【0037】而してモーター22の駆動により円盤23が回転するとクランク24を介して円盤21が扇形往復回動し、これに伴いノズルパイプ1を扇形往復回動せしめる。この扇形往復回動角S2の大きさは上記クランクレバー24両端の両偏心距離の差によって定まる。
【0038】上記ノズルパイプ1を支持するテーブル5を荷台12に一体に荷受けし、該荷台12を台車13上に搭載する。この台車13の一端には手押し把手14を立ち上げ、作業員がこの手押し把手14を握り荷台12及びテーブル5並びにノズルパイプ1から成る装置全体を、台車13の四隅に設けた車輪15を介して、例えばレール16に沿い上記軸線Xと直交する方向への移動を可能にし、該移動を行いつつ上記ノズルパイプ1による削りを順次進行せしめ、広面積の削りを行う。
【0039】上記荷台12と台車13間には荷台12を上昇又は下降せしめる上下動機構17を設け、この荷台12の上昇下降によりテーブル5及びノズルパイプ1を上下動せしめ、ノズルヘッド2が作用せる高さを調整可能にする。
【0040】上記荷台12と台車13から成る搬送車は、図2,図3に示すように、テーブル5の前端と後端に二台設けるか、又は一台設ける。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ノズルヘッドを回転させたり、ノズルパイプに対し揺振する構造を採ることなく、削り幅を適正に確保でき、ノズルヘッドを狭小の空間内へ差し入れて空間内表面の削り作業を適正に遂行できる。
【0042】又駆動チェーンのノズルパイプ軸線方向への回動により、同チェーンの架装長に応じ同パイプの往復動ストロークを確保し、加えて長短ストロークも容易に設定乃至調整できる。
【0043】更にはノズルヘッドの停止位置を適切に確保でき、ノズルパイプの軸線方向と直交する方向の装置の幅を最小限にする等、装置全体を小型軽量化して機動性に富む表面削り用ウォータージェット装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】599054488
【氏名又は名称】株式会社 デーロス
【識別番号】300082140
【氏名又は名称】エコ ジャパン株式会社
【出願日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【代理人】 【識別番号】100070323
【弁理士】
【氏名又は名称】中畑 孝
【公開番号】 特開2002−346993(P2002−346993A)
【公開日】 平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願番号】 特願2001−148915(P2001−148915)