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【発明の名称】 包装用フィルム切断機
【発明者】 【氏名】井川 功

【要約】 【課題】果物等を合成樹脂容器に収容してフィルムで包装する際に、ロール巻きの長尺フィルムを所定長さで自動的に切断する装置を簡単な構造で構成し、しかも両端に粘着加工または材料加工のあるフィルムを容易かつ確実に切断することによって作業効率を向上するようにした。

【解決手段】筺体内に設けられたロール状フィルム2をモータ駆動による送りローラ10によって筺体1の開口部8の方向へ送り出す一方、開口部8付近には送り出されたフィルム2を切断するための幅広のカッタ9が設けられている包装用フィルム切断機において、カッタ9には電熱線22が内蔵され、該電熱線22にカッタ9の両端部9b、9bが中間部9cよりも高温となる温度分布を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】筺体内に設けられたロール状フィルムをモータ駆動による送りローラによって前記筺体の開口部の方向へ送り出す一方、前記開口部付近には前記送り出されたフィルムを切断するための幅広のカッタが設けられている包装用フィルム切断機において、前記カッタには電熱線が内蔵され、該電熱線に前記カッタの両端部が中間部よりも高温となる温度分布を設けたことを特徴とする包装用フィルム切断機。
【請求項2】前記カッタの両端部に保温材を設け、該保温材に前記電熱線を巻き付けることによって該カッタの両端部が中間部よりも高温となる温度分布としたことを特徴とする請求項1記載の包装用フィルム切断機。
【請求項3】前記カッタと前記送りローラとの間に回動自在に設けられたウェイトプレートが自重で垂下されると共に前記開口部の方向に引き出された前記フィルムの押圧によって上方へ回動したことを感知する信号により前記モータが駆動される一方、前記フィルムに設けられたマーキングの読取信号によって前記モータの停止タイミングを図るようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の包装用フィルム切断機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ぶどう、いちご等の果物等を合成樹脂容器に収容して、該容器の上方開放部をフィルムで包装する際に、ロール状の長尺フィルムを所定長さで自動的に切断するようにした包装用フィルム切断機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】園芸農家においては、ぶどう、いちご等の果物を出荷する際、収穫したこれらの果物を合成樹脂容器に収納し、該容器の上方開放部をフィルムで包装することが行われている。
【0003】このような包装作業に用いるフィルムは、予めロール巻きされた長尺フィルムを所定長さに切断して用いるものであり、図8に示すように、フィルム2の裏側には両端付近に沿って予め接着剤2b、2bが施され、作業者は果物を収容した合成樹脂容器Dの上方開放部を切断したフィルム2cで覆って、接着剤2b、2bが設けられた部分を容器Dの両側面に付着する。
【0004】このような作業においては、迅速な手作業が要求されるが、長尺のフィルムを所定の長さに切断する作業は面倒であり、この作業をカッタで行うと切断部分から余計な切り裂きが発生することが多く、またカッタは迅速な作業にとって危険なものであり、さらにカッタによる作業は切断時に切りカスが生じてフィルム面に付着するという問題があった。
【0005】さらに、図9に示すように、フィルム2の両端に粘着加工または折返し等の材料加工2d、2dのあるフィルムを切断する場合、電熱カッタを用いても切断し切れない部分が両端に残り、作業効率が大幅に低下するものである。
【0006】また、フィルムはロール巻きされた状態で市販されており、切断位置を所定ピッチでマーキングしているものもあるが、農家の作業場等の暗がりで年配者が作業する際に、このマーキングが見ずらいという不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、ぶどう、いちご等の果物等を合成樹脂容器に収容してフィルムで包装する際に、ロール巻きの長尺フィルムを所定長さで自動的に切断する装置を簡単な構造で構成し、しかも両端に粘着加工または材料加工のあるフィルムを容易かつ確実に切断することによって作業効率を向上するようにした包装用フィルム切断機に関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の請求項1の包装用フィルム切断機は、筺体内に設けられたロール状フィルムをモータ駆動による送りローラによって前記筺体の開口部の方向へ送り出す一方、前記開口部付近には前記送り出されたフィルムを切断するための幅広のカッタが設けられている包装用フィルム切断機において、前記カッタには電熱線が内蔵され、該電熱線に前記カッタの両端部が中間部よりも高温となる温度分布を設けたことを特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項2の包装用フィルム切断機は、請求項1において、前記カッタの両端部に保温材を設け、該保温材に前記電熱線を巻き付けることによって該カッタの両端部が中間部よりも高温となる温度分布としたことを特徴とする。
【0010】さらに、本発明の請求項3の包装用フィルム切断機は、請求項1または請求項2において、前記カッタと前記送りローラとの間に回動自在に設けられたウェイトプレートが自重で垂下されると共に前記開口部の方向に引き出された前記フィルムの押圧によって上方へ回動したことを感知する信号により前記モータが駆動される一方、前記フィルムに設けられたマーキングの読取信号によって前記モータの停止タイミングを図るようにしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0012】図1に示すように、筺体1は上方が開放されると共に蝶番3aで開閉自在に設けられた蓋3が取り付けられている。また、筺体1の上端には蓋3の開閉によってON・OFFされる安全スイッチ4が設けられている。この安全スイッチ4は蓋3を開けたときにOFFにされてモータ6等の電源を切断する安全装置として機能する。また、蓋3を閉じたとき、安全スイッチ4がONされてモータ6等が通電状態となる。
【0013】図1または図2に示すように、筺体1の底部付近にはフィルム2のロールRを回動自在に支持する2本のフィルムローラ5a、5bが互いに平行に設けられ、少なくとも一本のローラ(図面においてはフィルムローラ5a)の外周にはロールRを両側から挟む位置にゴム製のリング7、7を可動自在に挿着してあり、ロールRの設置位置を固定するようにしている。
【0014】図2に示すように、筺体1のフィルム送出し方向には開口部8が設けられ、この開口部8とフィルムローラ5a、5bとの間にはモータ6によって回転駆動される送りローラ10が設けられている。
【0015】また、図1、図3に示すように、送りローラ10の一方の軸端10aは筺体1の開口部8付近の内側面に固設されたギア収納用ボックス11内に収納された減速ギア12を介して筺体1の底部付近に固設されたモータ6の回転軸に接続され、送りローラ10の他方の軸端10bはギアボックス11の反対側に固設されたローラ受板13に回動自在に軸支されている。
【0016】また、送りローラ10の外周にはフィルム2に密着する複数のゴム輪14、14…が挿着され、送り出されるフィルム2の滑りを防止するようにしている。
【0017】また、送りローラ10の上方には押えローラ18が設けられている。この押えローラ18は、ボックス11とローラ受板13に切開された縦溝15に両端の支軸18a、18bを落とし込んで着脱自在にすると共に、送りローラ10のゴム輪14の外周に当接した状態で回動自在としている。この押えローラ18によって送りローラ10の複数のゴム輪14、14…にフィルム2を押圧してゴム輪14、14…との密着性を向上し、フィルム2の平面を保った状態で滑りを防止して確実に送り出すようにしている。
【0018】さらに、図1に示すように、送りローラ10の外周から筺体1の開口部8の下方にフィルム2の巻き込みを防止する巻込み防止板16が設けられている。この巻込み防止板16は上方に形成された凸面16a、16a…がゴム輪14、14…の間に介挿された状態で送りローラ10の外周に取り付けられている。
【0019】また、フィルムローラ5aと送りローラ10との間には、フィルム2に施されたマーキング2aを読み取ってモータ6に停止信号を送るセンサ17が設けられている。このセンサ17には光センサの発信部17aと受信部17bとが設けられ、発信部17aから発せられた光の進行がフィルム2のマーキング2aで妨げられたとき、マーキング2aの通過を検知してモータ6に停止信号を送る。
【0020】このようにセンサ17からモータ停止信号が送られたとき、直ちにモータ6を停止して、フィルム2の送出しを停止する。このとき、上記のセンサ17をフィルム2の送り方向に沿って移動及び所望位置での固定を自在とすることにより、モータ6の停止タイミングを可変にすることができ、フィルム2の切断長さを調整可能とすることができる。このため、筺体1のセンサ17を取り付ける面にはフィルム2の送り方向に沿った傾斜を有する長孔23が設けられ、センサ17の支持板17cが長孔23に沿って蝶ネジ20で固定された構成としてある。
【0021】さらに、本実施例においては、センサ17によってフィルム2のマーキング2aを読取った時から不図示のタイマーによって所定時間後にモータ6を停止するようにしてもよい。この場合、タイマーの設定によって、モータ6の停止タイミングを可変にすることができるため、上記のようにセンサ17を移動し得る構成としなくてもフィルム2の切断長さを調整可能にすることができる。
【0022】本実施例において、図2に示すように、開口部8の上端付近には電熱線22を内蔵したカッタ9がフィルム2の引出し面の垂直方向を向くように固定されている。このカッタ9は、筺体1の開口部8の上方側面にネジ8bで固定された支持プレート24を開口部8の傾斜部8aに沿って変形した下端部にネジ24aで固定され、カッタ9の先端が開口部8の傾斜部8aから突出した状態に取り付けられている。
【0023】カッタ9の長手方向の幅はフィルム2の幅よりも広くすることにより、フィルム2を一括に熱切断することができる。
【0024】しかも、カッタ9は、その平面構造を示す図6と図6のA−A線断面、B−B線断面、C−C線断面に対応した図7(a) 、(b) 、(c) において、カッタ9を構成する例えばアルミ板を刃部9aで折返し、折返片25の幅をカッタ9の両端部9b、9bのほうが中間部9cよりも大きくなるようにし、両端部9b、9bの折返片25内に保温材26を介挿すると共に、カッタ9の刃部9aに沿って折返片25内に内挿した電熱線22を両端部9a、9aの保温材26、26に巻き付けることによって該カッタ9の両端部9b、9bが中間部9cよりも高温となる温度分布としている。
【0025】なお、カッタ9の左右両部には図2のネジ24aを挿通固定するためのネジ孔28、28が形成され、また電熱線22の両端部には外方に導かれたリード線27、27が接続されている。
【0026】このようなカッタ9においては中間部9cよりも両端部9b、9bが高温度を保有するため、カッタ9の刃部9aがフィルム2に接触した部位に沿って材料を溶融すると共に、両端部9b、9bに粘着加工または材料加工のあるフィルム2をその厚みに応じた溶融温度で容易かつ確実に切断することが可能となる。
【0027】図2に示すように、このようなカッタ9と送りローラ10との間にはウェイトプレート19が設けられている。このウェイトプレート19は、図3に示すように凹形を横長にした形状であってフィルム2の幅よりも広い形状を有し、このウェイトプレート19の両端の上部突出片19a、19aが押えローラ18の両側支軸18a、18bに回動自在に係止され、図2に示すように通常は自重で垂下状態にされている。なお、ウェイトプレート19は、図5に示すようにその垂下状態の下端部が送りローラ10のゴム輪14の外周とカッタ9の下端部とを結ぶ線Lよりもやや下方に突出する位置に設けられている。
【0028】また、図2に示すようにウェイトプレート19の上方回動側にはスイッチ21のスイッチ片21aが設けられている。
【0029】以上のような構成の包装用フィルム切断機にフィルム2をセッティングするには、図1に示すように、蓋3を開けて安全スイッチ4をOFFの状態にし、図2に示すように、フィルムローラ5a、5b間に載置したフィルム2のロールRからフィルム2を引き出し、フィルムロール5aの下方からセンサ17の発信部17aと受信部17bとの間を通過させた後、送りローラ10のゴム輪の外周に掛けて開口部8からフィルム2の端部を出しておく。
【0030】そして、不図示の電源スイッチをONすることにより、カッタ9の電熱線22に電流が流されると、カッタ9が昇温され、また、モータ6が駆動されて送りローラ10が回転されることでフィルム2が送出しを開始する。そして、センサ17がフィルム2のマーキング2aを読み取った時点でモータ6が停止されると、フィルム2が開口部8から所定長さだけ送り出された状態で停止する。
【0031】この状態で、作業者がフィルム2の端部を手で持って、図4に示すように、カッタ9に接触するように引き出すと、フィルム2の面でウェイトプレート19が上方へ押し上げられて回動することにより、ウェイトプレート19の上方回動側に設けられたスイッチ21のスイッチ片21aが押されて該スイッチ21がONされ、モータ6に駆動信号が送られ、再びフィルム2が送り出される。
【0032】一方、この動作と略同時に、カッタ9に接触したフィルム2が上記の熱溶融によって切り離されることにより、フィルム2の所定形状が作業者の包装作業に提供される。
【0033】また、フィルム2がカッタ9に切断される際、フィルム2の端部は熱溶着によってカッタ9に付着するおそれがあるが、図4に示すように、フィルム2が切断された後、上方に回動したウェイトプレート19が自重及びスイッチ片21aのバネ復帰力によって垂下方向に復帰してカッタ9に付着したフィルム2を叩くように押圧してカッタ9の刃部9aから離脱させることができる。
【0034】それ以降は、再び上記の動作を繰り返すことによって、連続的に所定長さに切断されたフィルム2cを得ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の包装用フィルム切断機はロール巻きフィルムをモータ駆動によって自動的に送り出し、この送り出されたフィルムをカッタの接触部位で切断する際に、カッタの両端部が中間部よりも高温の溶融温度を有するようにカッタに内蔵された電熱線に温度分布を設けてあるため、両端部に粘着加工または材料加工のあるフィルムを容易かつ確実に切断することが可能となる。
【0036】従って、通常のカッタで切断したときのような切り裂き部分が生じ難く、カッタに温度分布を設けることによって無駄な温度上昇を抑えることができるため、電気量を低減して切断作業のコストを低減することができ、さらには切断時のカスの付着が少なくなるという効果を有するものである。
【0037】また、フィルムに施されたマーキングをセンサで読取ることにより、フィルムの送出しを停止すると共に、この停止位置で作業者が開口部から出されたフィルムをカッタに当てることにより、電熱線を内蔵したカッタで熱的にフィルムを切断し、同時にウェイトプレートの回動によってONされたスイッチの起動によってモータが自動的に作動され、次の切断作業の待機状態にすることができるため、作業者が開口部の付近にフィルム包装すべき容器を設置し、必要に応じて作業者がフィルムをカッタに当てるだけで、連続的に切断されたフィルムを得て容器の包装作業に供することができる。
【出願人】 【識別番号】000102278
【氏名又は名称】エーアールシー株式会社
【出願日】 平成13年3月22日(2001.3.22)
【代理人】 【識別番号】100065260
【弁理士】
【氏名又は名称】谷山 守
【公開番号】 特開2002−283279(P2002−283279A)
【公開日】 平成14年10月3日(2002.10.3)
【出願番号】 特願2001−83006(P2001−83006)