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【発明の名称】 ポストフォーム材の切断方法
【発明者】 【氏名】白井 重治

【氏名】田中 武

【要約】 【課題】切断加工を効率的に行うことができ、また構成を簡単化して低コスト化を図ることができるポストフォーム材の切断方法を提供する。

【解決手段】一つの丸鋸Sを往復移動し、その往移動工程でポストフォーム材Wの全厚Tの一部を、復移動工程で残余の部分を切断すると共に、上記の切断加工中にあって、ポストフォーム材Wにおける少なくとも曲面縁Waを切断するときには、その外周に押え片Pを密接するようにし、かつこの押え片Pの切断加工後における接合位置からの退避と、切断加工前における接合位置への導入を自動的に行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材の端部に曲面縁があり、かつその曲面縁を含んだ基材の表面部に硬質の樹脂化粧層を被覆してなるポストフォーム材を丸鋸の走行移動によって切断加工する場合において、一つの丸鋸を往復移動し、その往移動工程でポストフォーム材の全厚の一部を、復移動工程で残余の部分を切断すると共に、上記の切断加工中にあって、ポストフォーム材における少なくとも曲面縁を切断するときには、その外周に押え片を密接するようにし、かつこの押え片の切断加工後における接合位置からの退避と、切断加工前における接合位置への導入を自動的に行うようにしたことを特徴とするポストフォーム材の切断方法。
【請求項2】 押え片はテープ状のものであり、このテープ状押え片を巻き取ることによって退避と導入を同時に行うようにし、かつ巻き取り時の張力によって押え片を曲面縁へ密接することを特徴とする請求項1に記載するポストフォーム材の切断方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、硬質の樹脂化粧層の切断加工を行うに当って、その欠けの問題を解消することができるポストフォーム材の切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基材の端部に円弧状の曲面縁があり、その曲面縁を含んだ表面部に硬質の樹脂化粧層(メラミン樹脂など)を被覆してなる建築材(ポストフォーム材)が知られており、耐久性さらには使用感の良さなどから厨房用として専ら使用されている。施工にあたっては、化粧層を施した長尺素材を所定寸法に切断加工し、その後切断面に縁材を接着して仕上げるのであるが、化粧層が硬質であるために切断加工時に「欠け」を生じ易いという難点があった。
【0003】そこで、このポストフォーム材を切断加工するために、従来より幾つかの対処方法が提案されている。特開昭61−86201号および特開昭62−27101号に開示される切断装置は、加工材に対する丸鋸の移動位置を各加工部に対応して適切に調整し、常にダウンカットで切断加工が行われるようにしたものである。また上記の他にも、切断位置を粘着テープでマスキングする方法、二つの丸鋸を使用し、罫引き切断した後に全厚切断して一過的に加工を行う方法などが提案される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の加工方法において、常にダウンカットで切断加工を行うものは、丸鋸を移動位置調整するための構成が複雑となり、しかも丸鋸が複雑な移動経路をとるために加工に時間がかかるという問題があった。また粘着テープでマスキングする方法は、人為的に切断箇所を一々計測する作業を伴い、作業が煩雑であるという問題があった。また二つの丸鋸を使用する方法は、全体構成が大型化するため、製作コストの高騰を招くという問題点が指摘された。
【0005】本発明は、上記した従来技術の問題点に着目してなされたものであり、切断加工を効率的に行うことができ、また構成の簡単化と低コスト化を図ることができるポストフォーム材の切断方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明に係るポストフォーム材の切断方法は次のようにしたものである。
【0007】すなわち、その要旨とするところは、基材の端部に曲面縁があり、かつその曲面縁を含んだ基材の表面部に硬質の樹脂化粧層を被覆してなるポストフォーム材を丸鋸の走行移動によって切断加工する場合において、一つの丸鋸を往復移動し、その往移動工程でポストフォーム材の全厚の一部を、復移動工程で残余の部分を切断すると共に、上記の切断加工中にあって、ポストフォーム材における少なくとも曲面縁を切断するときには、その外周に押え片を密接するようにし、かつこの押え片の切断加工後における接合位置からの退避と、切断加工前における接合位置への導入を自動的に行うようにしたことにある。
【0008】また請求項2の発明は、請求項1に記載する切断方法において、押え片をテープ状のものとし、この押え片を巻き取ることによって退避と導入を同時に行うようにし、かつ巻き取り時の張力によって押え片を曲面縁へ密接したことを要旨とする。
【0009】丸鋸の往移動工程での切断加工は、図2のようにして行われる。すなわち、ポストフォーム材Wにおける曲面縁Waの外周には、押え片Pを密接する。そして、こり往移動工程では、ポストフォーム材Wの全厚T(図5参照)のほぼ半分に相当するように丸鋸Sの突出寸法量を設定し、図の右から左に向けて走行移動する。丸鋸Sは、A位置で切り込み、続いてB位置で曲面縁Waの切断加工を終了し、C位置で往移動工程の切断を終了する。
【0010】上記において、A−B区間では、アップカットによって切断加工が行われるが、未切断の押え片Pが曲面縁Waの外周に密接するので、欠けの発生を抑えることができる。B−C区間およびB−Cの終了間際での曲面縁Wbの切断は常にダウンカットで切断加工が行われるので、欠けが生じない。
【0011】復移動工程での切断加工は、図3のようにして行われる。この工程においては、ポストフォーム材Wの全厚を切断できるように丸鋸Sの突出量を設定し、図の左から右に向けて走行移動する。丸鋸Sは、D位置でポストフォーム材Wに切り込み、E位置で曲面縁Waに切り込み、F位置で全ての切断加工を終了する。
【0012】上記において、D−E区間ではダウンカットによって切断加工がなされるため、欠けが発生しない。E−F区間では、アップカットによって切断加工が行われるが、未切断の押え片Pが曲面縁Waの外周に密接するので、欠けの発生を抑えることができる。
【0013】上記の押え片Pは、丸鋸Sの往復移動によってポストフォーム材Wと共に切断されてしまう。従って、このままでは次の切断加工の用に供し得ないので、切断加工終了後には、切断された部分をそこから退避し、新規なものを必要箇所に導入する。
【0014】請求項2のようにしたときは、上記の接合位置からの退避と接合位置への導入、すなわち更新を巻き取り動作によって一連的に行うことができる。なお曲面縁Waに対応するテープ状押え片は、これを曲面縁の接線方向すなわち、巻き取り方向に張ることで密接することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るポストフォーム材の切断方法を一実施例について説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための装置を例示するものであって、本発明に係る方法を特定するものではない。
【0016】図1は、切断装置の構成を示す正面図にして、1は機械のフレーム 2はフレーム1の上部に配設した水平のテーブル 3はテーブル2の上部一側に設けたポストフォーム材Wの位置決めストッパ 4はテーブル2に対応して上側に配設したクランプ部材 5はクランプ部材4を昇降作動する空圧シリンダである。
【0017】上記のポストフォーム材Wは、図5に示すように基材Bの両端に円弧状の曲面部を形成し、その曲面部を含む表面部に硬質の樹脂化粧層cを被覆して構成する。Wa、Wbはポストフォーム材Wの曲面縁である。
【0018】Sは刃先をテーブル2に設けた走行用スリット6から突出し、移動ベース(図示省略)によって左右方向に走行移動する丸鋸 この丸鋸Sは、突出量を調整できるように配設されており、右から左方向へ移動する往移動工程と、左から右方向へ移動する復移動工程の両工程においてポストフォーム材Wの切断加工を行う。7は丸鋸Sを囲うようにして移動ベースに取りつけた鋸カバーである。
【0019】10は3個のガイドローラ11、12、13を介して一方の駆動ドラム20と他方の従動ドラム21に掛け渡したテープ部材 第2のガイドローラ12と第3のガイドローラ13に張設したテープ部材10は、ポストフォーム材Wにおける一方の曲面縁Waに対応し、その外周部分に密接する押え片Pを形成する。巻き取り時におけるテープ部材10の張力は、曲面縁Waの接線方向に作用するものであり、押え片Pを曲面縁Waに強く圧接することができる。
【0020】上記したローラのうち第2のガイドローラ12は、図4に示すように両側2個のローラによって構成してあり、中間に走行用スリット6より若干幅広の鋸通過スリット12aを設ける。
【0021】一実施例に係る切断加工装置の構成は上記の通りであり、次のようにしてポストフォーム材の切断加工を行う。
【0022】それには先ず、テーブル2上に被加工材であるポストフォーム材Wを供給し、端部を位置決めストッパ3に当接すると共に、丸鋸Sの切断加工位置に切断予定部を合わせて設定する。設定後はクランプ部材4を下降して固定する。次いで、駆動ドラム20を回転し、ガイドローラ11〜13を介して従動ドラム21からテープ部材10を引き出す。そして、従動ドラム21にブレーキを掛けた状態で駆動ドラム20を回転し、テープ部材10に適当な張力を作用する。
【0023】ポストフォーム材Wにおける一方の曲面縁Waの外周に対応するテープ部材10は、押え片Pとして曲面縁Waに強く密接する。他方において、丸鋸Sは図1の仮想線で示す位置、すなわち右端にあり、その刃先をテーブル2内に没入している。
【0024】切断加工を行うには、丸鋸Sを回転(図1の矢印方向)して、これをポストフォーム材Wの全厚Tのほぼ半分量だけ突出し、左方向に走行移動する。図2に示すように、丸鋸SはA位置で曲面縁Waに切り込み、B位置へ進行する間に曲面縁Waの加工を終了する。このA−B区間においては、通常より低い切断送り速度(4m/min程度)に設定する。
【0025】上記において、A−B区間では、曲面縁Waに対して丸鋸Sがアップカットで作用するが、押え片Pが外周に密接しているので欠けの発生を抑えることができる。この押え片Pは、曲面縁Waと共に切断されてしまうことは言うまでもない。
【0026】B位置を通過したならば、切断送り速度を通常速度(12m/min程度)に設定して切断加工を進行する。B−C区間、すなわち他方の曲面縁Wbを切断加工するまでの間は、丸鋸Sは常にダウンカットでポストフォーム材Wに作用するので、欠けの問題は生じない。C位置を通過した丸鋸Sは、左方向への走行移動を停止する。
【0027】このようにして丸鋸Sの左方向への走行移動(往移動工程)が終了したならば、丸鋸Sを全厚Tが切断できるように突出する。そして、この突出状態で右方向に走行移動する。図3に示すように丸鋸Sは、D位置で他方の曲面縁Wbに切り込み、E位置に達する。この間においては、ダウンカットで切断加工がなされるので、通常の切断送り速度に設定する。
【0028】E位置に至ると、丸鋸Sが一方の曲面縁Waにアップカットで作用するので、その直前に切断送り速度を低速に設定する。E−F区間の切断加工に当っては、その外周部に押え片Pが密接しているので、欠けを効果的に抑えることができる。丸鋸Sの右方向の走行移動(復移動工程)による加工が終了したならば、丸鋸Sを下降してテーブル2に没入し、移動工程始端(図1の仮想線で示す位置)に戻すようにする。
【0029】このようにして往復移動による切断加工が終了したならば、クランプ部材4を開放してポストフォーム材Waを取り出し、次の加工材をセットする。また他方においては、従動ドラム21のブレーキを解除した後に駆動ドラム20を回転し、テープ部材10を巻き上げるようにする。そして、ポストフォーム材Wの一方の曲面縁Waに新規、すなわち鋸断されていないテープ部材で構成した押え片Pを当接する。
【0030】そして、この後に押え片Pを曲面縁Waに密接し、丸鋸Sを往復走行移動すれば、ポストフォーム材Waの切断加工を連続して効率的に行うことができるのである。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明に係るポストフォーム材の切断加工方法は、欠けの発生しやすい曲面縁に押え片を密接し、さらにこの押え片を常に更新して切断加工を行うものである。このため、従来の問題点を合理的に解決することができ、さらに欠けの弊害を効果的に抑えて切断加工を効率的に行うことができるという優れた効果を発揮する。
【出願人】 【識別番号】000190725
【氏名又は名称】シンクス株式会社
【出願日】 平成13年3月5日(2001.3.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−264077(P2002−264077A)
【公開日】 平成14年9月18日(2002.9.18)
【出願番号】 特願2001−59382(P2001−59382)