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【発明の名称】 端末入力ペン機能付き真空ピンセット、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
【発明者】 【氏名】宮下 広明

【要約】 【課題】パネル状ワークの取り扱いと端末へのタッチ入力を効率よく行うことのできる端末入力ペン機能付き真空ピンセット、該端末入力ペン機能付き真空ピンセットの使用方法、パネル状ワークの検査方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供すること。

【解決手段】端末入力ペン機能付き真空ピンセット100は、把持可能に延びたピンセット本体部110と、このピンセット本体部110からピンセット本体部110の軸線方向に延びた先端部で画面入力するためのタッチペン部120と、ピンセット本体部110から側方に分岐した先端部で液晶パネル1′を真空吸着するためのワーク吸着部130と、このワーク吸着部130内およびピンセット本体部110内を通る真空吸引経路とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 把持可能に延びたピンセット本体部と、該ピンセット本体部から当該ピンセット本体部の軸線方向に延びた先端部で画面入力するためのタッチペン部と、前記ピンセット本体部から側方に分岐した先端部でパネル状ワークを真空吸着するためのワーク吸着部と、前記ワーク吸着部内および前記ピンセット本体部内を通る真空吸引経路と、前記ピンセット本体部に形成され、前記ワーク吸着部で真空吸引する状態および該真空吸引を停止した状態の切り換え操作を行うための操作部とを有することを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセット。
【請求項2】 請求項1において、前記ワーク吸着部は、前記ピンセット本体部から分岐して斜め前方に延びた管部と、該管部の先端部で当該管部の軸線方向に対して垂直な吸着面を形成する吸着パッドとを備えていることを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセット。
【請求項3】 請求項2において、前記管部は、前記ピンセット本体部の軸線方向に対して50〜70度の角度をなす方向に延びていることを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセット。
【請求項4】 請求項2において、前記管部は、前記ピンセット本体部の軸線方向に対して約60度の角度をなす方向に延びていることを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセット。
【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかにおいて、前記吸着パッドは、前記管部の先端部にねじによって固定され、前記ねじは、該ねじの軸線方向に貫通穴が設けられており、前記貫通穴は前記管部内の前記真空吸引経路とつながっていることを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセット。
【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記ワーク吸着部は、前記ピンセット本体部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセット。
【請求項7】 請求項6において、前記ワーク吸着部は、吸着すべきパネル状ワークの大きさに応じて交換されることを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセット。
【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記タッチペン部は、前記ピンセット本体部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセット。
【請求項9】 請求項8において、前記タッチペン部は、入力画面の種類によって交換されることを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセット。
【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の端末入力ペン機能付き真空ピンセットの使用方法であって、前記ワーク吸着部でパネル状ワークを吸着保持して該パネル状ワークを扱う第1操作、および前記ワーク吸着部からパネル状ワークを外した状態で前記タッチペン部で画面に入力する第2操作のいずれをも、前記ピンセット本体部を把持した状態で行うことを特徴とする端末入力ペン機能付き真空ピンセットの使用方法。
【請求項11】 請求項1ないし9のいずれかに記載の端末入力ペン機能付き真空ピンセットを用いたパネル状ワークの検査方法であって、当該パネル状ワークの検査時に前記ワーク吸着部でパネル状ワークを吸着保持して該パネル状ワークを搬送する第1操作、および前記ワーク吸着部からパネル状ワークを外した状態で該パネル状ワークの検査結果を前記タッチペン部で画面に入力する第2操作のいずれをも、前記ピンセット本体部を把持した状態で行うことを特徴とするパネル状ワークの検査方法。
【請求項12】 請求項11において、前記パネル状ワークは、電気光学物質を保持する電気光学パネル用の基板であることを特徴とするパネル状ワークの検査方法。
【請求項13】 請求項11において、前記パネル状ワークは、所定の間隙を介して貼り合わされた一対の基板の間に電気光学物質が保持された電気光学パネルであることを特徴とするパネル状ワークの検査方法。
【請求項14】 請求項12または13に記載の検査方法を用いて電気光学装置用のパネル状ワークを検査する工程を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項15】 請求項14に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項16】 請求項15に記載の電気光学装置を表示部に用いたことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パネル状ワークを取り扱うのに適した端末入力ペン機能付き真空ピンセット、該端末入力ペン機能付き真空ピンセットの使用方法、当該端末入力ペン機能付き真空ピンセットを用いたパネル状ワークの検査方法、該検査方法を用いた電気光学装置の製造方法、該製造方法で製造した電気光学装置、および該電気光学装置を用いた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機、携帯型コンピュータ、ビデオカメラ等といった電子機器では、表示部として液晶装置などといった電気光学装置が広く用いられており、この液晶装置では、一対の基板の間に電気光学物質としての液晶が保持された液晶パネルが用いられている。
【0003】この液晶パネルを製造するには、いくつの検査工程が行われるが、このような検査工程を行う際、液晶パネルは、真空ピンセットで吸着、保持されて取り扱われる。また、検査工程において、各液晶パネルの検査結果は、その都度パソコンなどの端末に入力され、品質管理に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような液晶パネルの検査工程では、近年、画面への接触によって検査結果のデータ入力可能な端末が導入されつつあるが、このような端末を採用した場合、液晶パネルを真空ピンセットで取り扱った後、検査結果を入力する際、真空ピンセットを端末入力用のタッチペンに持ち代える必要があって不便であるという問題点がある。
【0005】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、パネル状ワークの取り扱いと端末へのタッチ入力を効率よく行うことのできる端末入力ペン機能付き真空ピンセット、該端末入力ペン機能付き真空ピンセットの使用方法、当該端末入力ペン機能付き真空ピンセットを用いたパネル状ワークの検査方法、該検査方法を用いた電気光学装置の製造方法、該製造方法で製造した電気光学装置、および該電気光学装置を用いた電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明では、パネル状ワークを扱う真空ピンセットを以下のように端末入力ペン機能付き真空ピンセットとして構成したことを特徴とする。すなわち、本発明に係る端末入力ペン機能付き真空ピンセットは、把持可能に延びたピンセット本体部と、該ピンセット本体部から当該ピンセット本体部の軸線方向に延びた先端部で画面入力するためのタッチペン部と、前記ピンセット本体部から側方に分岐した先端部でパネル状ワークを真空吸着するためのワーク吸着部と、前記ワーク吸着部内および前記ピンセット本体部内を通る真空吸引経路と、前記ピンセット本体部に形成され、前記ワーク吸着部で真空吸引する状態および該真空吸引を停止した状態の切り換え操作を行うための操作部とを有することを特徴とする。
【0007】本発明の端末入力ペン機能付き真空ピンセットは、前記ワーク吸着部でパネル状ワークを吸着保持して該パネル状ワークを扱う第1操作、および前記ワーク吸着部からパネル状ワークを外した状態で前記タッチペン部で画面に入力する第2操作のいずれをも、前記ピンセット本体部を把持した状態のまま行うことができる。それ故、本発明によれば、従来と違って、真空ピンセットを端末入力用のタッチペンに持ち代えるという手間のかかる操作が不要であるため、パネル状ワークの取り扱いと、画面入力とを効率よく行うことができる。また、本発明に係る端末入力ペン機能付き真空ピンセットでは、ピンセット本体部を把持した状態において、ピンセット本体部の延長線上にタッチペン部が構成されているので、画面入力しやすい。
【0008】また、本発明に係る端末入力ペン機能付き真空ピンセットを使用すれば、パネル状ワークの検査方法であって、該パネル状ワークの検査時に前記ワーク吸着部でパネル状ワークを吸着保持して該パネル状ワークを搬送する第1操作、および前記ワーク吸着部からパネル状ワークを外した状態で該パネル状ワークの検査結果を前記タッチペン部で画面に入力する第2操作のいずれをも、前記ピンセット本体部を把持した状態のまま行うことができる。それ故、本発明によれば、従来と違って、真空ピンセットを端末入力用のタッチペンに持ち代えるという手間のかかる操作が不要であるため、検査工程を効率よく行うことができる。また、本発明に係る端末入力ペン機能付き真空ピンセットでは、ピンセット本体部を把持した状態において、ピンセット本体部の延長線上にタッチペン部が構成されているので、画面入力しやすい。
【0009】本発明において、前記ワーク吸着部は、前記ピンセット本体部から分岐して斜め前方に延びた管部と、該管部の先端部で当該管部の軸線方向に対して垂直な吸着面を形成する吸着パッドとを備えていることが好ましい。特に、前記管部は、前記ピンセット本体部の軸線方向に対して約50〜約70度の角度をなす方向に延びていることが好ましい。本発明に係る端末入力ペン機能付き真空ピンセットでは、ピンセット本体部を把持した状態において、ワーク吸着部が斜め前方に延びているので、手を無理に捻らなくてもパネル状ワークを保持できる。特に、前記管部が前記ピンセット本体部の軸線方向に対して約60度の角度をなす方向に延びている場合には、ピンセット本体部をペンのように手で持ったとき、ワーク吸着部がちょうど真下に向くので、パネル状ワークを吸着、保持しやすい。
【0010】本発明において、前記吸着パッドは、前記管部の先端部にたねじによって固定され、前記ねじの軸線方向に貫通穴が形成され、この貫通穴が前記真空吸引経路につながっていることが好ましい。このように構成すると、前記吸着パッドを前記管部の先端部にねじによって固定するだけで、吸引パッドの吸着面では、ねじに形成されている穴が開口することになる。
【0011】本発明において、前記ワーク吸着部は、前記ピンセット本体部に対して着脱可能に構成されていることが好ましい。このように構成すると、吸着すべきパネル状ワークの大きさに応じて前記ワーク吸着部を交換することができる。
【0012】本発明において、前記タッチペン部は、前記ピンセット本体部に対して着脱可能に構成されていることが好ましい。このように構成すると、入力画面の種類によって前記タッチペン部を交換することができる。
【0013】本発明において、前記パネル状ワークは、電気光学物質を保持する電気光学パネル用の基板、あるいは所定の間隙を介して貼り合わされた一対の基板の間に電気光学物質が保持された電気光学パネルなどである。
【0014】本発明に係る端末入力ペン機能付き真空ピンセットを用いて電気光学パネルの検査工程を行った場合には、検査工程を効率よく行うことができる。
【0015】このような電気光学装置は、携帯電話機、携帯型コンピュータ、ビデオカメラ等といった電子機器の表示部として用いられる。
【0016】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に実施形態を説明するにあたっては、各種の電気光学装置のうち、能動素子としてTFD素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置に用いた液晶パネルをパネル状ワークとして扱う場合を例に説明する。
【0017】[液晶パネルの構成]図1は、液晶パネルを用いた電気光学装置の電気的構成を模式的に示すブロック図である。図2は、図1に示す電気光学装置および液晶パネルの構造を示す分解斜視図である。
【0018】図1に示すように、本形態の電気光学装置1には電気光学パネルとして液晶パネル1′が用いられ、この液晶パネル1′では、複数の配線としての走査線51が行方向(X方向)に形成され、複数のデータ線52が列方向(Y方向)に形成されている。各走査線51は走査線駆動回路57によって駆動され、各データ線52はデータ線駆動回路58によって駆動される。
【0019】このような構成のアクティブマトリクス方式の液晶パネル1′は、図2に示すように、液晶6を保持する透明な一対の基板のうち、素子基板20では、複数本の走査線51が延びており、各走査線51には、TFD素子56を介して、画素電極66が電気的に接続している。これに対して、対向基板10には、素子基板20の走査線51と交差する方向に延びた複数列の帯状のデータ線52が形成され、これらのデータ線52と画素電極66が重なり合う位置に画素53(図1)が形成され、これらのデータ線52と対向基板10との間には、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ層2R、2G、2Bが形成されている。
【0020】従って、素子基板20に形成されている走査線51の各々に走査信号を供給する一方、対向基板10に形成されているデータ線52にデータ信号を供給すると、画素電極66とデータ線52とが対向する部分において、そこに保持されている液晶6を駆動することができる。それ故、液晶パネル1′を用いた電気光学装置1において、バックライト装置3から出射された光は、液晶パネル1′の素子基板20および画素電極66を透過して液晶6の層に入射した後、この液晶6によって画素毎に光変調され、この変調された光は、矢印Lで示すように、データ線52および対向基板10を透過して出射される。この際、光は、カラーフィルタ層2R、2G、2Bによって着色されるので、カラー表示を行うことができる。
【0021】ここで、液晶6として通常のTNモードの液晶を用いた場合、この種の液晶6は、光の偏光方向を変えることにより光変調を行うので、対向基板10および素子基板20の各外側表面には偏光板8、9が重ねて配置される。
【0022】なお、ここに示す例では、素子基板20に走査線51を形成し、対向基板10にデータ線52を形成したが、素子基板20にデータ線を形成し、対向基板10に走査線を形成してもよい。
【0023】[液晶パネル1′の製造工程・検査工程]図3は、液晶パネルの検査工程を示す説明図である。
【0024】本形態の液晶パネル1′を製造する場合には、図2を参照して説明した各構成要素を各々形成した素子基板20と対向基板10とを所定の間隙を介して貼り合わせた後、その基板間に液晶を注入、封止するなどの工程を行い、このように構成された液晶パネル1′は、図3に示すラック300に複数枚が収納されて検査工程に回送される。
【0025】図3に示すように、ラック300は、3本のフレーム310、320、330の両側が側板340、350に連結された構造になっている。フレーム310、320、330の各々には、液晶パネル1′の厚さ寸法に対応する大きさの溝311、321、331が複数、所定の間隔をあけて形成されており、これらの溝311、321、331に嵌るように液晶パネル1′を装着すれば、複数枚の液晶パネル1′を立てた姿勢でラック300上に搭載することができる。
【0026】従って、各液晶パネル1′を検査するときには、ラック300から液晶パネル1′を1枚ずつ取り出した後、液晶パネル1′を検査装置400にセットし、この状態で液晶パネル1′を検査した後、良品と判定された液晶パネル1′については良品トレイ500に収納していく。また、液晶パネル1′の検査結果については、その製造番号、良否、不具合の理由などを端末200の画面210に対してタッチ入力する。
【0027】[端末入力ペン機能付き真空ピンセットの構成・使用方法]このような検査工程を行うにあたって、本形態では、図4(A)、(B)に示す端末入力ペン機能付き真空ピンセット100を用いる。
【0028】図4(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した端末入力ペン機能付き真空ピンセットの構成を示す平面図、およびその構成を示す側面図である。図5(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した端末入力ペン機能付き真空ピンセットを用いて液晶パネルを取り扱う第1操作の様子を示す説明図、および画面入力する第2操作の様子を示す説明図である。
【0029】図4において、本形態の端末入力ペン機能付き真空ピンセット100は、把持可能に延びたピンセット本体部110と、このピンセット本体部110からピンセット本体部110の軸線方向L1に延びた先端部で画面入力するためのタッチペン部120と、ピンセット本体部110から側方に分岐した先端部で液晶パネル1′を真空吸着するためのワーク吸着部130と、このワーク吸着部130内およびピンセット本体部110内を通る真空吸引経路140とを有している。また、ピンセット本体部110には、ワーク吸着部130で真空吸引する状態およびこの真空吸引を停止した状態の切り換え操作を行うための操作部150が構成されている。
【0030】ピンセット本体部110は、円形パイプを所定の長さ寸法に切断したものに斜め方向から雌ねじ部分111を設けたもので、この雌ねじ部分111は、真空吸引経路140のうち、ピンセット本体部110内を軸線方向L1に延びる部分にまで届いている。
【0031】ワーク吸着部130は、ピンセット本体部110から分岐して斜め前方に延びた管部131と、この管部131の先端部で管部131の軸線方向L2に対して垂直な吸着面134を形成するゴム製の吸着パッド135とを備えており、管部131の一方端に形成されている雄ねじ部分132を雌ねじ部分111にねじ止めするだけで、管部131は、ピンセット本体部110の軸線方向L1に対して角度Aをなす方向に延びた状態にピンセット本体部110に取り付けられる。
【0032】また、管部131の他方端に形成されている細径部133に対して、吸着パッド135の円筒部137を嵌めるだけで、吸着パッド135を管部131に取り付けることができ、この状態で吸着パッド135の吸着面134は、管部131の軸線方向L2に対して垂直となる。
【0033】ここで、角度Aを60度にすると、手の大きさが普通である使用者は、吸着面134を管部131の軸線方向L2に対してほぼ垂直にして端末入力ペン機能付き真空ピンセット100を使用することができる。また、角度Aは60度に限られるものではなく、使用者の手の大きさや端末入力ペン機能付き真空ピンセット100を持つ癖に合わせて適宜設定することができる。この場合、角度Aを50〜70度の範囲内で設定することにより、ほとんどの使用者が使用者自身に適当な端末入力ペン機能付き真空ピンセット100を選ぶことができる。すなわち、角度Aを50から70度まで5度刻み又は10度刻みで設定した端末入力ペン機能付き真空ピンセット100をすべて作業場に用意しておけば、ほとんどの使用者が自分に適した端末入力ペン機能付き真空ピンセット100を選ぶことができる。
【0034】タッチペン部120は、先端が丸まった円錐部分121と、この円錐部分121の基端面から後方に突き出た連結用軸部122とから構成され、連結用軸部122をピンセット本体部110の先端開口に嵌めるだけで、タッチペン部120がピンセット本体部110に取り付けられるとともに、ピンセット本体部110の先端開口が塞がれる。
【0035】なお、ピンセット本体部110の末端部117には、真空ポンプ(図示せず)などの真空引き装置に接続されたパイプ180が接続され、パイプ180は、真空吸引経路140に連通している。
【0036】本形態において、操作部150は、ピンセット本体部110の上面に形成された穴150′であり、この穴150′は、ピンセット本体部110の真空吸引経路140に連通している。従って、穴150′を開放すれば、この穴150′から吸い込まれた空気がピンセット本体部110内の真空吸引経路140、およびパイプ180を通って吸引されるだけで、ワーク吸着部130には吸引力が発生しない。これに対して、穴150′を塞げば、ワーク吸着部130の開口136から空気が吸引されるので、吸着パッド135の吸着面134で液晶パネル1′を吸着することができる。
【0037】このように構成した端末入力ペン機能付き真空ピンセット100を用いて液晶パネル1′の検査工程を行う際には、図5(A)に示すように、ピンセット本体部110をペンのように手に持つ。この状態で指先で穴150′(操作部150)を塞げば、ワーク吸着部130に吸引力が発生する。従って、ワーク吸着部130をラック300に収納されている液晶パネル1′に押し当てれば、ワーク吸着部130に液晶パネル1′が吸着するので、液晶パネル1′をラック300から検査装置400にまで搬送することができる。
【0038】次に、指先を穴150′(操作部150)から離して穴150′を開放状態にすれば、ワーク吸着部130に吸引力が発生しないので、ワーク吸着部130から検査装置400に液晶パネル1′を移すことができる。
【0039】そして、検査装置400で液晶パネル1′の検査が終了した後は、図5(B)に示すように、タッチペン部120を端末200の画面210に当てて良否やその理由などといった検査結果を入力する。
【0040】次に、再び図5(A)に示すように、指先で穴150′(操作部150)を塞げば、ワーク吸着部130に吸引力が発生するので、検査装置400のセットされていた液晶パネル1′をワーク吸着部130で吸着することができる。それ故、良品と判定された液晶パネル1′についは良品トレー500に搬送し、そこで指先を穴150′(操作部150)から離して穴150′を開放状態にすれば、ワーク吸着部130から液晶パネル1′を良品トレー500に移すことができる。
【0041】しかる後に、次の液晶パネル1′に上記の検査を同様に行う。
【0042】以上説明したように、本形態の端末入力ペン機能付き真空ピンセット100を用いれば、ワーク吸着部130で液晶パネル1′を吸着保持して液晶パネル1′を扱う第1操作、およびワーク吸着部130から液晶パネル1′を外した状態で液晶パネル1′の検査結果をタッチペン部120で画面に入力する第2操作のいずれをも、ピンセット本体部110を把持した状態のまま行うことができる。それ故、本形態によれば、従来と違って、真空ピンセットを端末入力用のタッチペンに持ち代えるという手間のかかる操作が不要であるため、検査工程を効率よく行うことができる。
【0043】また、端末入力ペン機能付き真空ピンセット100では、ピンセット本体部110を把持した状態において、ピンセット本体部110の延長線戦上にタッチペン部120が構成されているので、画面入力しやすい。
【0044】さらに、端末入力ペン機能付き真空ピンセット100では、管部131がピンセット本体部110の軸線方向L1に対して斜め前方に延びているため、ピンセット本体部110を把持した状態において、手を捻らなくてもワーク吸着部130で液晶パネル1′を保持できる。特に、本形態では、管部131がピンセット本体部110の軸線方向L1に対して約60度の角度をなす斜め前方に延びているため、ピンセット本体部110をペンのように手で持ったとき、吸着パッド135の吸着面134がちょうど真下に向くので、液晶パネル1′を吸着、保持しやすい。
【0045】[端末入力ペン機能付き真空ピンセットの別の構成例]図6は、本発明を適用した別の端末入力ペン機能付き真空ピンセットの構成を示す説明図である。図7(A)、(B)はそれぞれ、図6に示す端末入力ペン機能付き真空ピンセットにおいてピンセット本体部の一部を構成するジョイント部分、このジョイント部分に取り付けられるワーク吸着部、タッチペン部の構成を示す説明図、およびワーク吸着部において吸着パッドを取り付けるのに用いたねじを頭の方からみたときの説明図である。なお、本形態の端末入力ペン機能付き真空ピンセットの基本的な構成は、図4および図5を参照して説明したものと同様であるため、共通する機能を有する部分には同一の符号を付して説明する。
【0046】図6において、本形態の端末入力ペン機能付き真空ピンセット100は、把持可能に延びたピンセット本体部110と、このピンセット本体部110からピンセット本体部110の軸線方向L1に延びた先端部で画面入力するためのタッチペン部120Aと、ピンセット本体部110から側方に分岐した先端部で液晶パネル1′を真空吸着するためのワーク吸着部130Aと、このワーク吸着部130A内およびピンセット本体部110内を通る真空吸引経路140とを有している。また、ピンセット本体部110には、ワーク吸着部130で真空吸引する状態およびこの真空吸引を停止した状態の切り換え操作を行うための操作部150Aが構成されている。また、ピンセット本体部110の末端部117には、真空ポンプ(図示せず)などの真空引き装置に接続されたパイプ180が接続されており、パイプ180は、真空吸引経路140に連通している。
【0047】ピンセット本体部110は、複数の筒材を連結したものから構成され、ワーク吸着部130A、およびタッチペン部120Aはジョイント部分160に取り付けられ、操作部150Aはグリップ部分170に構成されている。
【0048】図6および図7(A)に示すように、本形態の端末入力ペン機能付き真空ピンセット100でも、ワーク吸着部130Aは、ピンセット本体部110から分岐して斜め前方に延びた管部131Aと、この管部131Aの先端部で管部131Aの軸線方向L2に対して垂直な吸着面134Aを形成するゴム製の吸着パッド135Aとを備えており、管部131Aの一方端に形成されている雄ねじ部分132Aをグリップ部分160に斜めに形成されたねじ穴111に螺着するだけで、管部131Aは、ピンセット本体部110の軸線方向L1に対して約60度の角度をなす斜め前方に延びた状態にピンセット本体部110に取り付けられる。
【0049】また、管部131の他方端に形成されている太径部138Aに対して、吸着パッド135Aの円筒部137Aを当てて、吸着パッド135Aの内側からねじ190を管部131Aのねじ穴139Aに螺着するだけで、吸着パッド135Aを管部131Aに取り付けることができ、この状態で吸着パッド135の吸着面134は、管部131の軸線方向L2に対して垂直となる。
【0050】ここで、図7(A)、(B)に示すように、ねじ190では、その軸線方向に穴191が貫通しているので、このねじ190を用いて吸着パッド135Aを管部131Aに取り付けるだけで、吸着パッド135の内側では、吸引経路140に連通する穴191が開口する状態となる。
【0051】タッチペン部120Aは、金属製の筒体125Aの内側にゴム体126Aがねじ127Aで固定された状態にあり、筒体125Aの基端面から後方に突き出た連結用軸部122Aをジョイント部分160の先端開口に嵌めるだけで、タッチペン部120Aがジョイント部分160に取り付けられるとともに、ジョイント部分160の先端開口が塞がれる。
【0052】再び図6において、操作部150Aは、例えば、グリップ部分170の上面に形成された穴151Aからばね152A、弁部153Aおよびボタン154Aを装着した構造になっており、ボタン154Aを離せば、ばね152Aに押されて弁部153Aが浮き上がってこの部分で真空吸引経路140が塞がれるので、ワーク吸着部130Aには吸引力が発生しない。これに対して、ボタン154Aを押せば、ばね152Aに抗して弁部153Aが沈み込んで真空吸引経路140が連通した状態となるので、ワーク吸着部130Aの穴191から空気が吸引され、吸着パッド135Aの吸着面134Aで液晶パネル1′を吸着することができる。
【0053】また、本形態の端末入力ペン機能付き真空ピンセット100では、ワーク吸着部130A、およびタッチペン部120Aは、ジョイント部分160に対して着脱自在である。
【0054】そこで、本形態では、ワーク吸着部130A、およびタッチペン部120Aに代えて、図4(A)、(B)を参照して説明したワーク吸着部130、およびタッチペン部120をジョイント部分160に対して取り付けることもできる。
【0055】ここで、2つのワーク吸着部130、130Aを比較すると、ワーク吸着部130Aに用いた吸着パッド135Aは、ワーク吸着部130に用いた吸着パッド135よりも大きい。従って、比較的大型の液晶パネル1′を取り扱うときには、大きな吸着パッド135Aを備えたワーク吸着部130Aを用い、比較的小型の液晶パネル1′を取り扱うときには、小さな吸着パッド135を備えたワーク吸着部130を用いればよい。
【0056】また、タッチペン部120、120Aを比較すると、タッチペン部120Aの先端部分は、タッチペン部120の先端部分と比較して弾性があって丸まっている。従って、端末の入力画面が接触検出式である場合にはタッチペン部120を用い、端末の入力画面が静電容量検出式である場合にはタッチペン部120Aを用いるなど、入力画面の種類によって使い分けてもよい。
【0057】なお、ここに示す端末入力ペン機能付き真空ピンセット100の使用方法は、基本的には、図4を参照して説明したものと同様であるため説明を省略するが、本形態の端末入力ペン機能付き真空ピンセット100でも、ワーク吸着部130、130Aで液晶パネル1′を吸着保持して液晶パネル1′を扱う第1操作、およびワーク吸着部130、130Aから液晶パネル1′を外した状態で液晶パネル1′の検査結果をタッチペン部120、120Aで画面に入力する第2操作のいずれをも、ピンセット本体部110を把持した状態のまま行うことができる。それ故、本形態によれば、従来と違って、真空ピンセットを端末入力用のタッチペンに持ち代えるという手間のかかる操作が不要であるため、検査工程を効率よく行うことができる。
【0058】[その他の実施の形態]なお、上記実施形態では、能動素子としてTFD素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶パネル1′を検査工程でパネル状ワークとして取り扱う例を説明したが、能動素子として薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス方式の液晶パネル、あるいはその他の電気光学パネルをパネル状ワークとして取り扱う場合に本発明を適用してもよい。また、一対の基板間に電気光学物質を保持したものに限らず、それに用いる基板自身をパネル状ワークとして取り扱う場合に本発明を適用してもよい。さらに、電気光学装置用に限らず、その他のパネル状ワークを取り扱う場合に本発明を適用してもよいなど、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0059】[電子機器の実施形態]図8は、本発明に係る液晶装置を各種の電子機器の表示装置として用いる場合の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、表示情報出力源70、表示情報処理回路71、電源回路72、タイミングジェネレータ73、そして液晶装置74を有する。また、液晶装置74は、液晶表示パネル75及び駆動回路76を有する。液晶装置74および液晶表示パネル75としては、前述した電気光学装置1および液晶パネル1′を用いることができる。
【0060】表示情報出力源70は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等といったメモリ、各種ディスク等といったストレージユニット、デジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ73によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路71に供給する。
【0061】表示情報処理回路71は、シリアル−パラレル変換回路や、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等といった周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路76へ供給する。駆動回路76は、図1における走査線駆動回路57やデータ線駆動回路58、検査回路等を総称したものである。また、電源回路72は、各構成要素に所定の電圧を供給する。
【0062】図9は、本発明に係る電子機器の一実施形態であるモバイル型のパーソナルコンピュータを示している。ここに示すパーソナルコンピュータは、キーボード81を備えた本体部82と、液晶表示ユニット83とを有する。液晶表示ユニット83は、前述した電気光学装置1を含んで構成される。
【0063】図10は、本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機90は、複数の操作ボタン91と電気光学装置1を有している。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、パネル状ワークを扱う真空ピンセットを端末入力ペン機能付き真空ピンセットとして構成したため、ワーク吸着部でパネル状ワークを吸着保持してパネル状ワークを扱う第1操作、およびワーク吸着部からパネル状ワークを外した状態でタッチペン部で画面に入力する第2操作のいずれをも、ピンセット本体部を把持した状態のまま行うことができる。それ故、本発明によれば、従来と違って、真空ピンセットを端末入力用のタッチペンに持ち代えるという手間のかかる操作が不要であるため、パネル状ワークの取り扱いと、画面入力とを効率よく行うことができる。また、本発明に係る端末入力ペン機能付き真空ピンセットでは、ピンセット本体部を把持した状態において、ピンセット本体部の延長線上にタッチペン部が構成されているので、画面入力しやすい。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉 (外1名)
【公開番号】 特開2002−346963(P2002−346963A)
【公開日】 平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願番号】 特願2001−160924(P2001−160924)