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【発明の名称】 移載装置及びその移載装置を備えた搬送装置
【発明者】 【氏名】佐方 英次

【要約】 【課題】物品に形成された把手部を支持するために、凹部が形成された把持部を少なくとも1対有し、把持部間を狭くする方向に移動させ、該把持部で該物品の把手部を挟む移載手段を設けた搬送装置において、物品を移載手段で保持し、移載する際に発生する振動を軽減することを課題とする。

【解決手段】前記移載手段の凹部32a・32a・32c・32cにおける、底面にゲル等の防振部材40・40・・・を埋設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 物品に形成された把手部を支持するために、凹部が形成された少なくとも1対の把持部と、該凹部の底面に配置された防振手段とを備えたことを特徴とする移載装置。
【請求項2】 物品に形成された把手部を支持するために、凹部が形成された把持部を少なくとも1対有し、把持部間を狭くする方向に移動させ、該把持部で該物品の把手部を挟む移載手段を設けた搬送装置において、該凹部の底面に防振手段を設けたことを特徴とする移載装置を備えた搬送装置。
【請求項3】 物品の前部と上部とに形成された把手部を支持するために、凹部が形成された把持部を少なくとも前部及び上部に2対有し、把持部間を狭くする方向に移動させ、該把持部で該物品の把手部を挟む移載手段を設けた搬送装置において、該前部の把持部に形成された凹部の底面に防振手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の移載装置を備えた搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体製造工場のステーション間で、半導体ウエハを収納したカセットを、カセットごと移載する搬送装置の移載手段に採用されるものであり、一般的には、物品を挟持して移載する搬送装置の移載手段に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、塵挨の発生が問題となる半導体製造工場では、半導体ウエハを収納したカセットを、カセットごと移載・搬送するために、多関節型のロボットアームを搭載した無人搬送車を自動走行させる技術が知られている。この無人搬送車を走行させる場合、ウエハがカセット内から飛び出す恐れがあり、カセットの開口にウエハの飛び出し防止手段を設けるか、あるいは、カセットの開口を斜上方へ傾けた位置姿勢で、無人搬送車に載置していた。
【0003】ここで、後者の技術について説明する。カセットの両側面における開口側端部と上端部に把手部が設けられ、一方、該カセットを把持するロボットアームの移載ハンドのガイド内側面には、該把手部に係合させる凹部が形成されている。これにより、一対の移載ハンドの間隔を狭くする方向へ挟み込み、該ガイドの凹部で載置台に載置されているカセットの把手部を把持し、そのままカセットの開口を斜上方へ傾けた位置姿勢で持ち上げ、またその逆に、カセットをこの斜めに傾いた状態でカセット載置台に置いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、移載ハンドのガイドに設けた凹部の溝の幅は、対向する移載ハンドの製作誤差等を吸収できるように、それに対応するカセットの把手部の幅よりも大きく形成されているため、カセットを移載ハンドで把持したとき、該ガイドの内側面の凹部と該カセット両側面の把手部との間の間隙により、カセットがガイドに対して上下に微動することとなる。これにより該ガイドの凹部と該カセットの把手部とが衝突して、カセットに振動が発生していた。
【0005】特に、カセットを載置台から持ち上げるとき、あるいは、載置台へ置くときには、両移載ハンドでは、カセットの重心位置の両側方であって、カセットの重量バランスが釣り合う位置から少し離れた地点を把持しているため、この両移載ハンドによるカセットの把持部を支点に、カセットが上下に回動し、これにより該ガイドの凹部と該カセットの把手部とが衝突して、カセットにさらに大きな振動が発生していた。
【0006】以上、カセットとその移載ハンドとを例に説明したが、本発明では、広く、物品に形成された把手部を支持するために、凹部が形成された把持部を少なくとも1対有し、把持部間を狭くする方向に移動させ、該把持部で該物品の把手部を挟む移載手段を設けた搬送装置において、物品を移載手段で保持し、移載する際に発生する振動を軽減することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。すなわち、請求項1記載の如く、物品に形成された把手部を支持するために、凹部が形成された少なくとも1対の把持部と、該凹部の底面に配置された防振手段とを備えた移載装置とする。
【0008】そして、請求項2記載の如く、物品に形成された把手部を支持するために、凹部が形成された把持部を少なくとも1対有し、把持部間を狭くする方向に移動させ、該把持部で該物品の把手部を挟む移載手段を設けた搬送装置において、該凹部の底面に防振手段を設ける。
【0009】また、請求項3記載の如く、物品の前部と上部とに形成された把手部を支持するために、凹部が形成された把持部を少なくとも前部及び上部に2対有し、把持部間を狭くする方向に移動させ、該把持部で該物品の把手部を挟む移載手段を設けた搬送装置において、該前部の把持部に形成された凹部の底面に防振手段を設ける。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、半導体製造工場のステーション間で、半導体ウエハを収納したカセット5を、カセット5ごと移載する無人搬送車1を例に示しながら説明する。図1は移載装置3を搭載した無人搬送車1の斜視図、図2は移載ハンド30の正面図、図3(a)は移載ハンド30でカセット5を把持したときの様子を示す側面図、図3(b)は移載ハンド30でカセット5を持ち上げるときの様子を示す側面図、図4(a)は従来型の移載ハンド30でカセット5を持ち上げたときの振動の様子を示すグラフ、図4(b)は本発明に係る移載ハンド30でカセット5を持ち上げたときの振動の様子を示すグラフである。
【0011】まず、無人搬送車1の全体構成について説明する。以下の説明では、図1における矢視F方向を前方として、各構造体の前後左右位置を説明する。また、その他の図面における各構造体の前後左右位置も図1に準ずるものとする。
【0012】図1に示す無人搬送車1は、クリーンルーム内を自動制御により走行する搬送装置であり、車体本体2の上面には、その前部位置にカセット載置台21が設けられ、その後部位置には移載装置3が立設配置されている。
【0013】前記移載装置3は、移載ハンド30、多関節型のロボットアーム、ターンテーブル39等から成り、車体本体2上面にターンテーブル39が回転自在に設けられ、該ターンテーブル39上にロボットアームの基部38が立設され、その上端部に第2アーム37の下端部が前後回動自在に取り付けられている。該第2アーム37の上端部には第1アーム36の後端部が上下回動自在に取り付けられ、該第1アーム36の前端部にその回転軸を左右方向に向けた回転体35が軸支されている。そして、回転体35の下方にはその回転軸を上下方向に向けた回転基部34が枢支され、該回転基部34より移載ハンド30が垂設されている。
【0014】ターンテーブル39の旋回、ロボットアームの作動及び移載ハンド30の作動等の移載装置3の動作は、図示しない制御装置により制御されている。この制御装置は、無人搬送車1に設けられている。
【0015】同図に示すカセット5内の左右の内側面にはそれぞれ、ウエハの側端を保持する棚が上下に多数段、設けられて、該カセット5内にウエハが水平に収納されるのである。また、カセット5の前端部と上端部には外方向に突出した把手部5a・5a・5b・5b・5c・5cが形成されている。
【0016】図3(a)に示すように、カセット5は、前記カセット載置台21の上面に設けたクッション22・22・23・23上に、後方へ傾斜させた状態、つまり、その開口を前方上方へ向けた状態でセットされ、無人搬送車1を走行させる場合に、カセット5内からのウエハが飛び出さないようにしている。
【0017】次に移載ハンド30について説明する。図1に示すように、移載ハンド30は左右一対の把持部32・32とから成り、該該把持部32・32は図示せぬラックとピニオン機構によって左右方向へスライド可能に構成されている。
【0018】図2及び図3に示すように、前記把持部32の内側面の前端部と上端部とに、前記カセット5の把手部5a・5a・5b・5b・5c・5cに係合させる凹部32a・32a・32b・32b・32c・32cが形成されている。これにより、一対の把持部32・32でカセット5をその間隔を狭くする方向(内方向)へ挟み込み、該把持部32の凹部32a・32a・32b・32b・32c・32cでカセット載置台21に載置されているカセット5の把手部5a・5a・5b・5b・5c・5cを把持し、そのままカセットの開口を前方上方へ傾けた位置姿勢で持ち上げる。
【0019】この移載ハンド30の把持部32の凹部32a(32b又は32c)の溝幅は、対向する移載ハンド30の把持部32・32の製作誤差等を吸収するために、それに対応するカセット5の把手部5a(5b又は5c)の幅よりも大きく形成されているため、カセット5を移載ハンド30で把持したとき、該ガイド32の内側面の凹部32a(32b又は32c)と該カセット5の把手部5a(5b又は5c)との間に間隙ができ、カセット5が把持部32に対して上下に微動することとなる。これにより該把持部32の凹部32a(32c)と該カセット5の把手部5a(5c)とが衝突して、カセット5に振動が発生する。
【0020】特に、カセット5をカセット載置台21から持ち上げる際に、カセット5の把手部5a・5b・5cは重心から離れた位置にあるため、カセット5が反時計方向に回転しようとする。そのため、まず、把手部5cと把持部32の凹部32cとが衝突し、その接触部Pを回転中心として、図3(b)に示す側面視で反時計方向へ回転し、把手部5aと凹部32aとが衝突する。これらの衝突の際に振動が発生し、特にカセット5が回転している最中の衝突である把手部5aと凹部32aとの衝突の際に、大きな振動が発生する。
【0021】そこで、本発明では、前記移載ハンド30の把持部32の凹部32a・32a・32c・32cの陥没する底面に防振部材40・40・・・を埋め込む。図4の(a)(b)は、該把持部32の凹部32a・32a・32c・32cの底面に、何も埋め込まないときと、防振部材40・40・・・の一例としてゲルを埋設したときの実験データである。同図(a)(b)の縦軸に加速度(重力加速度)を取り、横軸に時間軸を取ったグラフであり、時刻T1、T2のそれぞれが、把手部5cと把持部32の凹部32cとが衝突した瞬間と、把手部5aと把持部32の凹部32aとが衝突した瞬間である。
【0022】このように移載ハンド30の把持部32の凹部32a・32a・32c・32cの陥没する底面にゲルを埋め込むことで、移載ハンド30でカセット5を把持した際の、把手部5a・5a・5c・5cと把持部32の凹部32a・32a・32c・32cとの間に生じていた内方向の隙間を塞ぐとともに、把手部5a・5a・5c・5cを弾性支持することができる。そのため、把手部5cと凹部32cとの衝突、及び把手部5aと凹部32aとの衝突により生じる振動を抑えることができるのみならず、ロボットアームを移載させている際に発生している振動をカセット5に伝わるのを防ぐことができる。その結果、カセット5内に整列して収納したウエハの位置ズレを防止することができる。
【0023】以上、本発明に係る実施例を、移載ハンド30を搭載した無人搬送車1を参照ながら説明したが、これに限定することなく、本発明は、物品を保持して移載する搬送装置にも採用することができる。さらに、搬送装置に搭載されるものだけではなく、例えば、自動倉庫と搬送装置との間で物品を移載する移載装置に適応するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。すなわち、請求項1のように、物品に形成された把手部を支持するために、凹部が形成された少なくとも1対の把持部と、該凹部の底面に配置された防振手段とを備えた移載装置とすることで、該凹部の底面の防振手段により、把手部と把持部との間に隙間が生じるのを防ぐことができ、把手部と把持部とが接触した際の振動を吸収するのみならず、移載中に発生した振動を物品に伝えるのを抑えることができる。
【0025】また、請求項1のように、物品に形成された把手部を支持するために、凹部が形成された把持部を少なくとも1対有し、把持部間を狭くする方向に移動させ、該把持部で該物品の把手部を挟む移載手段を設けた搬送装置において、該凹部の底面に防振手段を設けることで、移載手段で物品を移載する際に発生する物品の振動を軽減することができ、特に、該物品が箱体に構成され、その中にワレモノや、位置方向を整列した物等が収納されている場合等には、効果的である。
【0026】また、請求項3のように、物品の前部と上部とに形成された把手部を支持するために、凹部が形成された把持部を少なくとも前部及び上部に2対有し、把持部間を狭くする方向に移動させ、該把持部で該物品の把手部を挟む移載手段を設けた搬送装置において、該前部の把持部に形成された凹部の底面に防振手段を設けることで、移載手段で物品を移載する際に発生する物品の振動を軽減することができ、特に、該物品が箱体に構成され、その中にワレモノや、位置方向を整列した物等が収納されている場合等には、効果的である。
【出願人】 【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
【出願日】 平成13年3月26日(2001.3.26)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2002−283270(P2002−283270A)
【公開日】 平成14年10月3日(2002.10.3)
【出願番号】 特願2001−88286(P2001−88286)