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【発明の名称】 真空発生器
【発明者】 【氏名】山崎 清康

【氏名】北原 敏正

【氏名】増沢 澄成

【要約】 【課題】真空を速やかに破壊してワークの吸着離脱操作を高速で行うことができる真空発生器を提供する。

【解決手段】供給ポート10から供給される圧縮空気の送気をON−OFF制御する制御部70と、ON時にシリンダ16内に送気された圧縮空気をノズル18から噴射しディフューザスプール20を経由して排気ポート40から排出することにより真空発生させる真空発生部と、該真空発生部と連通する真空ポート50とを備えた真空発生器において、前記ディフューザスプール20を前記シリンダ内で軸線方向に可動に設けると共に、ディフューザスプールの外周面と前記シリンダの内面との間に真空破壊時に真空破壊用の補助流路となる空隙を設け、前記送気のON時には、圧縮空気の押圧力により前記ディフューザスプール20が前進位置に移動し前記空隙部が閉止されて真空ポートからエア吸引され、前記送気のOFF時には、前記ディフューザスプールが後退位置に移動し前記排気ポート40、前記補助流路及び前記ディフューザスプールの内径部を経由して真空破壊可能に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 供給ポートから供給される圧縮空気の送気をON−OFF制御する制御部と、ON時にシリンダ内に送気された圧縮空気をノズルから噴射しディフューザスプールを経由して排気ポートから排出することにより真空発生させる真空発生部と、該真空発生部と連通する真空ポートとを備えた真空発生器において、前記ディフューザスプールを前記シリンダ内で軸線方向に可動に設けると共に、ディフューザスプールの外周面と前記シリンダの内面との間に真空破壊時に真空破壊用の補助流路となる空隙を設け、前記送気のON時には、圧縮空気の押圧力により前記ディフューザスプールが前進位置に移動し前記空隙部が閉止されて真空ポートからエア吸引され、前記送気のOFF時には、前記ディフューザスプールが後退位置に移動し前記排気ポート、前記補助流路及び前記ディフューザスプールの内径部を経由して真空破壊可能に設けられたことを特徴とする真空発生器。
【請求項2】 前記ディフューザスプールに、前記前進位置から後退位置に向けてディフューザスプールを移動させる向きに付勢し、送気のON時には圧縮空気の押圧力により付勢力に抗してディフューザスプールを前記前進位置に移動させ、送気のOFF時には付勢力によりディフューザスプールを前記後退位置に移動させる付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の真空発生器。
【請求項3】 前記ディフューザスプールの外周面に、前記前進位置においては前記シリンダの内周面に形成したストッパ段差と当接して前記補助流路を閉止し、前記後退位置においては前記シリンダの内周面に形成したストッパ段差と離間して前記補助流路を前記真空ポートとを連通させるエアパッキンを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の真空発生器。
【請求項4】 前記ディフューザスプールの補助流路に連通して、前記排気ポートとは別系統の、フィルタを装着した大気導入ポートを設けたことを特徴とする請求項1、2または3記載の真空発生器。
【請求項5】 前記制御部が、前記供給ポートから供給される圧縮空気を切り換えるパイロットバルブと、該パイロットバルブによる圧縮空気の切り換え操作によりスプール弁を進退動させ、スプール弁の移動位置により前記供給ポートからシリンダへの送気をON−OFFすべく設けたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の真空発生器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワークをエア吸着して搬送する吸着搬送装置等に使用される真空発生器に関し、とくにワークを真空ポートから高速で離脱させることを可能にする真空発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】部品等のワークをエア吸着して搬送する吸着搬送装置等にはエアによって真空を発生させる真空発生器が多用されている。これらの真空発生器には真空をON−OFF制御する切り換え用のバルブを備え、真空をONにした際にワークをエア吸着し、真空をOFFにした際にワークを離脱するように形成された製品がある。最近の各種製造装置ではサイクルタイムを短縮し作業効率を向上させる要請から、真空発生器に対してもワークの脱着に要する時間を短縮することが求められている。
【0003】図5は、ワークの脱着操作に用いる真空発生器の従来例の構成を示す断面図である。10は圧縮空気の供給ポート、40は排気ポート、50はワークを吸着する真空ポートである。60はスプール弁であり、パイロットバルブ70の作用により軸線方向に前後動し、供給ポート10側とスプール弁60とを接続する第1の連絡流路と、スプール弁60と排気ポート40側とを接続する第2の連絡流路との連通を前後の移動位置によって0N−OFF制御するように構成されている。第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とが連通した状態が真空発生時(ワーク吸着)、第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とが切断した状態が真空解除時(ワーク離脱)である。
【0004】16は真空発生器の本体から円筒状に延出したシリンダである。シリンダ16の先端には排気ポート40が設けられている。18はシリンダ16内に配置したノズル、20はノズル18の前側に配置したディフューザスプールである。ノズル18は第2の連絡流路14から送入された圧縮空気を高速で噴出させ、真空ポート50側を真空に吸引する作用をなす。52は真空発生器の本体から円筒状に延出したシリンダである。45はシリンダ52とシリンダ16との間を連通する連通流路である。真空ポート50側にワークがエア吸着される作用は、ノズル18及びディフューザスプール20を介して供給ポート10から排気ポート40に向けて噴出する圧縮空気の作用によって、連通流路45を介してシリンダ52からエア吸引されることによる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図5に示す真空発生器において、真空ポート50側にエア吸着されたワークを離脱させる操作は、パイロットバルブ70によりスプール弁60を第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とを遮断する位置へ移動させることによってなされる。すなわち、第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とが遮断されることにより圧縮空気の噴射が停止され、排気ポート40側からディフューザスプール20、連通流路45、シリンダ52を通じて真空破壊され、大気圧となってワークの吸着が解除される。しかしながら、図5に示すような従来の真空発生器では、効率的に真空を発生させるため細径の内径部を設けたディフューザスプールを配置しているから、真空破壊する際にエアの流れが抑制され真空破壊を高速で行うことが妨げられるという問題がある。
【0006】前述したように、真空発生器を使用したワークの吸着搬送装置では高速でワークを吸着・離脱できるようにすることが求められているから、上記のような構成の従来装置の場合には、ワークの離脱速度が必ずしも十分ではないという問題があった。そこで、より高速にワークを離脱させる装置として、真空破壊してワークを離脱させる際に流量調節弁を用いて流量を絞った圧縮空気を真空回路内に導入して真空破壊する方法が考えられている。
【0007】図6は、真空破壊してワークを離脱させる際に圧縮空気を真空回路内に流して離脱させる方法による真空発生器の例を示す。供給ポート10、排気ポート40及び真空ポート50を備えていること、パイロットバルブ70によりスプール弁60を操作して真空ポート50からエア吸引する作用を奏することについては図5に示す真空発生器と同様であるが、真空破壊用のバルブ80を設けて、真空破壊時に圧縮空気をシリンダ52側に導入可能に形成したこと、ニードル弁82により真空破壊時に導入する圧縮空気の流量を調節するように構成した点が相違する。
【0008】図6に示すように、真空破壊時に圧縮空気を真空回路側に導入する方法は、単に大気圧に戻す方法にくらべて離脱速度を速めることは可能であるが、小部品を搬送操作するような場合には、真空破壊時に逆にワークを吹き飛ばしてしまうことがあるといったように流量を適当に調節して離脱速度を最適に調節することが難しく、また、真空吸引操作と真空破壊操作用に別個に電磁弁等の制御部を設ける必要があり、これらの制御部の駆動タイミングの調節が難しいといった問題があった。
【0009】そこで、本発明はこれらの問題を解消すべくなされたものであり、その目的とするところは、真空破壊を大気圧に戻すことによって行うことで微妙な調節等を行うことなくワークの離脱操作を安定して行うことを可能にすると共に、ワークの離脱操作をより高速で行うことを可能にして、効率的でかつ安定したワークの吸着離脱操作を行うことができる真空発生器を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。すなわち、供給ポートから供給される圧縮空気の送気をON−OFF制御する制御部と、ON時にシリンダ内に送気された圧縮空気をノズルから噴射しディフューザスプールを経由して排気ポートから排出することにより真空発生させる真空発生部と、該真空発生部と連通する真空ポートとを備えた真空発生器において、前記ディフューザスプールを前記シリンダ内で軸線方向に可動に設けると共に、ディフューザスプールの外周面と前記シリンダの内面との間に真空破壊時に真空破壊用の補助流路となる空隙を設け、前記送気のON時には、圧縮空気の押圧力により前記ディフューザスプールが前進位置に移動し前記空隙部が閉止されて真空ポートからエア吸引され、前記送気のOFF時には、前記ディフューザスプールが後退位置に移動し前記排気ポート、前記補助流路及び前記ディフューザスプールの内径部を経由して真空破壊可能に設けらたことを特徴とする。
【0011】また、前記ディフューザスプールに、前記前進位置から後退位置に向けてディフューザスプールを移動させる向きに付勢し、送気のON時には圧縮空気の押圧力により付勢力に抗してディフューザスプールを前記前進位置に移動させ、送気のOFF時には付勢力によりディフューザスプールを前記後退位置に移動させる付勢手段を設けたことを特徴とする。また、前記ディフューザスプールの外周面に、前記前進位置においては前記シリンダの内周面に形成したストッパ段差と当接して前記補助流路を閉止し、前記後退位置においては前記シリンダの内周面に形成したストッパ段差と離間して前記補助流路を前記真空ポートとを連通させるエアパッキンを設けたことを特徴とする。これによって圧縮空気のON−OFF操作とともにディフューザスプールが前後動し補助流路の開閉が好適になされる。また、前記ディフューザスプールの補助流路に連通して、前記排気ポートとは別系統の、フィルタを装着した大気導入ポートを設けたことを特徴とする。これによって真空破壊の際に汚れた大気が導入されることを防止できるとともに、真空破壊が容易にかつ高速でなされるようになる。また、前記制御部が、前記供給ポートから供給される圧縮空気を切り換えるパイロットバルブと、該パイロットバルブによる圧縮空気の切り換え操作によりスプール弁を進退動させ、スプール弁の移動位置により前記供給ポートからシリンダへの送気をON−OFFすべく設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る真空発生器の好適な実施の形態について添付図面と共に詳細に説明する。図1、2は真空発生器の一実施形態の内部構造を示す断面図であり、図1は真空発生時、図2は真空破壊時の状態を示す。本実施形態の真空発生器は大気圧に戻すことによって真空破壊する方法によりワークを真空ポート側から離脱可能としたものであり、基本的な構成は図5に示す真空発生器と同様である。なお、以下の説明で従来例と同一の構成部分については同一の符号を付している。
【0013】真空発生器は接続用ポートとして、圧縮空気源に接続される供給ポート10と、供給ポート10から本体内に送入された圧縮空気を排出する排気ポート40と、ワークを吸着離脱する側である真空ポート50とを備える。本実施形態では、本体から円筒状にシリンダ16、52を延設し、シリンダ16、52の端部に排気ポート40と真空ポート50を設けている。供給ポート10と真空ポート50にはエアチューブをワンタッチで挿抜するコレットチャック10a、50aが装着されている。
【0014】真空発生と真空破壊の切り換えをスプール弁60の作用により第1の連絡流路12と第2の連絡流路14の連通を制御することによって行うことも従来装置と同様である。スプール弁60はその軸線方向をシリンダ16の軸線方向と平行にして供給ポート10の側方に配置されている。なお、スプール弁60の軸線方向は必ずしもシリンダ16の軸線方向と平行である必要はない。第1の連絡流路12と第2の連絡流路14は供給ポート10及びシリンダ16側から側方に延出するように設けられ、供給ポート10及びシリンダ16とスプール弁60が装着されているシリンダ部61との間を連絡する。
【0015】スプール弁60は軸線方向の中途部が細径部62に形成され、細径部62の外周面とスプール弁60が摺動するシリンダ部61の内周面との間に空隙が形成されている。64は細径部62の端部の傾斜した段差部に周設したエアパッキンであり、スプール弁60が軸線方向に移動することによってエアパッキン64とシリンダ部61の内周面に形成した段差部66とが当接しあるいは離間するように形成されている。スプール弁60によって第1の連絡流路12と第2の連絡流路14との連通を制御する操作は、スプール弁60を軸線方向に進退動させ、エアパッキン64を段差部66に当接させあるいは離間させる操作によるものである。
【0016】すなわち、スプール弁60が前進してエアパッキン64がシリンダ部61の内面の段差部66に当接した状態は、供給ポート10からの圧縮空気の送入が阻止され、第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とが遮断された状態である。また、スプール弁60が後退してエアパッキン64とシリンダ部61の内面の段差部66が離間した状態は、供給ポート10から送入された圧縮空気がスプール弁60の細径部とシリンダ部61の内周面との空隙部分を介して第2の連絡流路14へ通流し、第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とが連通した状態である。図1は、スプール弁60のエアパッキン64と段差部66とが離間した状態(真空発生)、図2はスプール弁60のエアパッキン64が段差部66に当接した状態(真空破壊)である。
【0017】パイロットバルブ70はスプール弁60を前進位置と後退位置の二位置間を進退動させる作用をなす。本実施形態では、パイロットバルブ70によりスプール弁60の両端に作用する圧縮空気を切り換えてスプール弁60を進退動させる。実際には、スプール弁60の前端面にスプール弁60よりも大径のピストン68を当接させ、ピストン68の前端面とスプール弁60の後端面に作用する圧縮空気をパイロットバルブ70によって切り換え、ピストン68の前端面に作用する圧縮空気とスプール弁60の後端面に作用する圧縮空気の推力の差によってスプール弁60を移動させている。
【0018】72は電磁石、74は電磁石72によって駆動されるアーマチャである。アーマチャ74によってピストン68の前端面への流路が開くと圧縮空気によるスプール弁60の前端に作用する推力がスプール弁60の後端に作用する推力を上回ってスプール弁60は後退し(真空発生状態)、ピストン68の前端面への流路が閉鎖されるとスプール弁60の後端面に作用する圧縮空気の推力によってスプール弁60は前進する(真空破壊状態)。このようにパイロットバルブ70は圧縮空気の切り換えを制御し、圧縮空気の圧力を利用してスプール弁60を移動操作するものである。圧縮空気の押圧力を利用してスプール弁60を進退動させる方法は電磁石72として大きなパワーを必要としないという利点がある。スプール弁60を移動させる方法はもちろんこの方法に限定されるものではない。
【0019】第2の連絡流路14からシリンダ16内に導かれた圧縮空気はノズル18により流路が絞られ、ディフューザスプール20の後端に向けて噴射され真空発生する。22はノズル18とディフューザスプール20の後端との間の空隙部であるエア噴射部である。ノズル18及びディフューザスプール20はともにシリンダ16内で軸線方向に可動に配設される。24はノズル18の外面に周設したシール部材であり、第2の連絡流路14から圧縮空気が送入されると、シール部材24によりシリンダ16の内周面とノズル18の外周面との間がエアシールされ、ノズル18が前方に移動した移動位置でノズル18の内径部から圧縮空気が噴出される。
【0020】ディフューザスプール20の前進位置は、ディフューザスプール20の前端側(排気ポート40側)の細径部20aとディフューザスプール20の後端側の太径部20bとが接続される段差部20cに装着したエアパッキン26がシリンダ16の内周面に形成したストッパ段差16aに当接することによって規制される。ディフューザスプール20の先端側の細径部20aはディフューザスプール20の外周面とシリンダ16の内周面との間に空隙を形成し、真空破壊用の補助流路を形成するために設けたものである。
【0021】28はこのディフューザスプール20の細径部20aの外面に装着した付勢手段としてのスプリングである。このスプリング28はシリンダ16の内面に形成した係止突起16bとディフューザスプール20の外面に設けた突起との間を弾発するように配設しディフューザスプール20を常時後方に移動する向きに付勢するように設ける。これにより、ディフューザスプール20を前方へ押動しない限りディフューザスプール20は後方へ移動することになる。ディフューザスプール20の後端面はノズル18に当接しており、ディフューザスプール20が後退した際の位置はノズル18の後端面がストッパ19の端面に当接した位置によって規制される。
【0022】シリンダ16側と真空ポート50側とは連通流路45を介して連通する。真空発生部22の近傍位置でディフューザスプール20の外周面には連通孔が開口し、この連通孔及び連通流路45を介してシリンダ16と真空ポート50側とが連通する。連通流路45はシリンダ16の側方から屈曲して真空ポート50側のシリンダ52に通じている。ノズル18から圧縮空気が噴射されその噴射流によってシリンダ52側からエアが吸引されることになる。35は圧縮エアが通流する際の音を消すためのサイレンサーエレメントであり、シリンダ16の先端側の内周面に設けられている。40aはサイレンサーエレメント35を着脱するためのキャップである。54は真空ポート50側のシリンダ52の内部に配設したフィルタである。フィルタ54はエア吸引する際に真空発生器本体内に汚れたエアが侵入しないように保護する作用を有する。
【0023】本実施形態の真空発生器は以下のような作用によってワークの吸着及び離脱操作を行う。図1は真空ポート50側でワークを吸着支持する真空発生状態である。真空発生状態とは、前述したようにパイロットバルブ70によってスプール弁60が後退位置に移動し、第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とが連通して供給ポート10からの圧縮空気がノズル18側に供給されている状態である。ノズル18に圧縮空気が供給されるとエア圧によってノズル18及びディフューザスプール20が前方に押動されディフューザスプール20のエアパッキン26がシリンダ16のストッパ段差16aに当接する。このディフューザスプール20及びノズル18が前方に押動される操作は、ディフューザスプール20の外面に装着されたスプリング28の付勢力に抗してなされるもので、圧縮空気による押圧力はスプリング28による付勢力を上回るように設定されている必要がある。
【0024】ディフューザスプール20が前進位置に移動しエアパッキン26がストッパ段差16aに当接した状態ではエア流はディフューザスプール20の内径部のみを通流し、通常のノズル18とディフューザスプール20による真空発生作用が奏される。すなわち、ノズル18からの高速噴射流により連通流路45を介して真空ポート50側からエア吸引され、ワークがエア吸着可能となる。
【0025】図2は真空破壊してワークを真空ポート50側から離脱させる操作状態を示す。真空破壊はまず、パイロットバルブ70の制御によってスプール弁60を後退位置から前進位置に移動させ、スプール弁60のエアパッキン64を段差部66に当接させる。これによって第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とが遮断され、供給ポート10から供給される圧縮空気がノズル18及びディフューザスプール20が装着されているシリンダ16に送入されなくなる。ノズル18及びディフューザスプール20に圧縮空気による押圧力が作用しなくなるとディフューザスプール20とシリンダ16の内面の係止突起16bとの間に装着したスプリング28の付勢力によってディフューザスプール20が後退位置まで押動されて移動する。図2は、ディフューザスプール20が後退位置まで移動した状態である。
【0026】ディフューザスプール20が後退位置まで移動するということは、ディフューザスプール20に設けたエアパッキン26とシリンダ16の内面に設けたストッパ段差16aとが離間し、ディフューザスプール20の細径部20aとシリンダ16の内面との間が補助流路30として連通することを意味する。すなわち、供給ポート10からの圧縮空気がシリンダ16内に作用しなくなると、エア吸引されていた真空回路内に排気ポート40から大気が流入して真空破壊され、真空ポート50にエア吸着されていたワークが離脱される。本実施形態の真空発生器では、この大気が真空回路内に流入して真空破壊する操作が、ディフューザスプール20の内径部から連通流路45を経由して破壊される流路とディフューザスプール20の外周面側を通過する補助流路30を経由して破壊される流路の双方によってなされるから、真空破壊の立ち上がりが速くなり瞬時に真空破壊することが可能になる。
【0027】従来のディフューザスプール20を使用した真空発生器では、ディフューザスプール20の内径部を経由した真空破壊しかできなかったことに対して、本実施形態の真空発生器ではディフューザスプール20の外面側を通流する補助流路30を利用することでより高速の真空破壊を可能にしたものである。ディフューザスプール20を移動させる操作はスプリング28の付勢力によっているからディフューザスプール20の移動も瞬時に行えて、構造的にも簡素に形成できるという利点がある。サイレンサーエレメント35及びフィルタ52は真空破壊時の通流エアをクリーンエアとしてワークがエア操作によって汚染されないようにする。
【0028】また、真空破壊後、真空吸引する場合は、パイロットバルブ70の制御によってスプール弁60を図2の前進位置から図1の後退位置へ移動させ、第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とを連通させればよい。第1の連絡流路12と第2の連絡流路14とが連通することにより、スプリング28の付勢力に抗してノズル18及びディフューザスプール20がともに前進位置に移動し、補助流路30が閉止されてディフューザスプール20の内径部を介して圧縮空気が排出される真空発生状態となる。こうして、真空発生状態と真空破壊状態を適宜発生させてワークの吸着離脱操作がなされる。
【0029】図3は上述した図1、2に示す実施形態の真空発生器の真空破壊時におけるエア回路図を示す。同図では真空破壊時にディフューザスプール20が真空破壊位置まで移動し、真空発生部100を経由して真空破壊される回路とディフューザスプール20による別系統の回路によって真空破壊されることを示す。なお、上記実施形態では真空破壊時の補助流路30による大気の導入を真空発生時に使用する排気ポート40と共通にしているが、図4は真空破壊時に補助流路から導入する大気を排気ポート40とは別系統に設けた例を示す。真空破壊時にディフューザスプール20を経由して大気を導入する際には必ずしも排気ポート40から大気を導入する必要はなく、別系統の大気導入ポートから大気を導入して真空破壊することも可能である。
【0030】たとえば、排気ポート40側のシリンダ16に真空破壊用の大気導入ポートを設け、フィルタ52aを介して、この大気導入ポートから大気を導入するようにすることも可能である。大気を取り入れて真空回路を真空破壊する際にフィルタ52aを介して大気を取り入れることによって、汚れた大気が真空発生器の本体内に侵入することを防止し、真空発生器の機能が劣化しないよう保護することができる。
【0031】なお、上記実施形態においては、真空破壊する操作は排気ポート40から大気を導入して破壊する方式(パッシブ方式)について説明したが、図6に示すような、圧縮空気を真空回路に導入して真空破壊する装置に適用することも可能である。
【0032】
【発明の効果】本発明による真空発生器によれば、上述したように、ディフューザスプールをシリンダ内で軸線方向に可動に設けることによって、真空破壊時にディフューザスプールが真空破壊位置に移動し、補助流路を介して大気を真空回路に導入することが可能となることから、真空破壊の立ち上がり時間を短縮することができ、従来にくらべてより高速で真空破壊することができ、ワークの吸着搬送操作をより高速でかつ効率的に行うことを可能にする等の著効を奏する。
【出願人】 【識別番号】000152996
【氏名又は名称】株式会社日本ピスコ
【出願日】 平成13年1月29日(2001.1.29)
【代理人】 【識別番号】100077621
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
【公開番号】 特開2002−224984(P2002−224984A)
【公開日】 平成14年8月13日(2002.8.13)
【出願番号】 特願2001−19721(P2001−19721)