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【発明の名称】 エア工具用の圧力変換アダプタ
【発明者】 【氏名】蜂須賀 智弘

【要約】 【課題】圧縮空気の充填作業といった煩わしさを伴うことなく、コンプレッサから供給される高圧の圧縮空気で低圧仕様のエア工具を作動することが可能なエア工具用の圧力変換アダプタを提供する。

【解決手段】圧力変換アダプタ10は、コンプレッサ40の圧縮空気を供給する高圧用エアホース41が接続可能な高圧用プラグ14と、釘打機30に接続可能な低圧用ソケット15と、高圧の圧縮空気を減圧して低圧の圧縮空気に変換させる減圧弁16とを備えている。この圧力変換アダプタ10を介してコンプレッサ40と低圧仕様の釘打機30とを接続することにより、低圧仕様の釘打機30をコンプレッサ40から供給される高圧の圧縮空気で連続的に作動できるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高圧の圧縮空気を発生するコンプレッサと低圧仕様のエア工具とをつなぐ圧縮空気の供給通路に介在され、前記高圧の圧縮空気を減圧して前記エア工具に低圧の圧縮空気として供給し得るように構成されていることを特徴とするエア工具用の圧力変換アダプタ。
【請求項2】 請求項1に記載のエア工具用圧力変換アダプタであって、前記コンプレッサの圧縮空気を供給する高圧ホースに接続可能な高圧用接続具と、前記エア工具の圧縮空気取入口に接続可能な低圧用接続具と、高圧の圧縮空気を減圧して低圧の圧縮空気に変換させる減圧弁とを備えているエア工具用の圧力変換アダプタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば圧縮空気圧で作動される釘打機やタッカー等のエア工具に適用される付属品としての圧力変換アダプタに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、釘打機やタッカー等のような圧縮空気で作動されるエア工具には、高圧仕様と低圧仕様の2種類あり、従って、それに対応して高圧用と低圧用の2種類のエアホースが用意されている。そして、高圧仕様のエア工具と低圧仕様のエア工具には、誤って別種類のホースを接続して使用することがないように、サイズの異なるホース接続用プラグが設けられている。しかし、このような2種類のエアホースを用意することは、経費の無駄であるという考え方から、コンプレッサで発生された高圧の圧縮空気を用いて低圧仕様の釘打機を作動できるようにしたものが知られている。このような釘打機は、例えば特開2000−263466号公報に記載されている。上記の公報記載の釘打機は、釘打機本体に高圧の圧縮空気を充填できる蓄圧タンクを設け、その蓄圧タンク内の圧縮空気を減圧して低圧仕様の作動室に供給できるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような蓄圧タンク付き釘打機は、圧縮空気の充填方式であり、これによれば、エアホースを高圧用に一本化できるという長所を有するものの、釘打作業中に圧縮空気の充填作業が必要になるという作業上の煩わしさを伴うものであり、そして、蓄圧タンクの容量が作業性に大きく影響する。すなわち、蓄圧タンクを大きくすれば、一回の充填当たりの仕事量を多くできる反面、タンクの大型化に伴って使い勝手が悪いものとなり、他方、蓄圧タンクを小さくすれば、その逆の現象が生ずることになる。
【0004】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮空気の充填作業といった煩わしさを伴うことなく、コンプレッサから供給される高圧の圧縮空気で低圧仕様のエア工具を作動することが可能なエア工具用の圧力変換アダプタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため、本発明に係るエア工具用の圧力変換アダプタは、特許請求の範囲の各請求項に記載の通りの構成を備えた。請求項1に記載のエア工具用の圧力変換アダプタは、高圧の圧縮空気を発生するコンプレッサと、低圧仕様のエア工具とをつなぐ圧縮空気の供給通路中に介在された態様で用いられ、コンプレッサから送り込まれる高圧の圧縮空気を減圧して低圧仕様のエア工具に対応する低圧の圧縮空気として送り込む。このため、常にコンプレッサに接続した状態でエア工具を作動することができ、従来の充填方式であれば必要不可欠な圧縮空気の充填作業が不要となる。このことによって、エア工具による作業を途中で中断することなく、連続して行うことが可能となって作業能率を向上できる。なお、エア工具用の圧力変換アダプタは、それ自体コンパクトに形成することができるものであり、従って、使用に当たって使い勝手を損なうといった問題も生じない。
【0006】また、請求項2に記載のエア工具用の圧力変換アダプタにおいては、高圧用エアホースが接続可能な高圧用接続具と、エア工具に接続可能な低圧用接続具と、高圧の圧縮空気を減圧する減圧弁とを備えた構成とされている。従って、圧縮空気発生装置とエア工具とを接続する圧縮空気の供給通路中に対する組み付け及び取り外しを簡単に行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。本実施の形態は圧縮空気で作動するエア工具として、釘打機を対象としたものである。図1は圧力変換アダプタの使用形態を示す説明図であり、図2は圧力変換アダプタを示す縦断面図である。図3〜図5は圧力変換アダプタの作動態様を示す図面であり、図3は低圧側圧力が設定圧に満たないときを示し、図4は低圧側圧力が設定圧に平衡な状態を示し、図5は低圧側圧力が設定圧を超えたときを示している。
【0008】圧力変換アダプタ10は、図1に示すように、低圧仕様の釘打機30と圧縮空気の発生装置であるコンプレッサ40とをつなぐ圧縮空気の供給通路中に介在した状態で使用される。圧力変換アダプタ10は、図2に示すように、圧縮空気の入口12及び出口13を有するアダプタ本体11、入口12に取り付けられる着脱可能な高圧用プラグ14(本発明でいう高圧用接続具に対応する)、出口13に取り付けられる着脱可能な低圧用ソケット15(本発明の低圧用接続具に対応する)、アダプタ本体11内に組み込まれた減圧弁16とを備えている。なお、高圧用プラグ14と低圧用ソケット15は、それぞれネジ締めによって入口12及び出口13に固定されている。
【0009】圧力変換アダプタ10は、高圧用プラグ14をコンプレッサ40の圧縮空気供給用の高圧用エアホース41(本発明でいう供給通路に対応する)の先端に設けられた高圧用ソケット42に接続し、また低圧用ソケット15を釘打機30の低圧用プラグ31に接続することによって、低圧仕様の釘打機30とコンプレッサ40とをつなぐ。
【0010】コンプレッサ40から供給される入口12側の高圧の圧縮空気を所定の圧力まで減圧して出口13側の釘打機30へ送り込むための減圧弁16は、アダプタ本体11に形成された弁収容空間19内において、圧縮空気の流れを横切る方向に直線的に移動可能なメインピストン17及びサブピストン18を主体に構成されている。両ピストン17,18は、互いに重なり合うように直列的に配置されるとともに、当接方向に加圧バネ20,21によって個々に加圧されている。メインピストン17は小径部17aと大径部17bとを有する段付き形状に形成され、小径部17aが弁座22の貫通孔22aを貫通してサブピストン18の一端面に当接されるようになっている。また、メインピストン17用の加圧バネ20は、弁収容空間19の一方の開口を塞ぐ栓25によって支持され、サブピストン18用の加圧バネ21は、弁収容空間19の他方の開口を塞ぐ蓋板27によって支持されている。
【0011】メインピストン17用の加圧バネ20のバネ力は、出口13側の圧力、すなわち設定圧を決定するものであり、サブピストン18用の加圧バネ21のバネ力よりも強く設定されている。図2及び図3は出口側圧力(低圧側圧力)が設定圧に満たない状態を示している。この状態では、メインピストン17における大径部17bの端面が弁座22に押し付けられるとともに、小径部17aがサブピストン18の端面に当接してこれを弁座22から引き離すように押し下げている。このため、入口12から流入した高圧の圧縮空気は、サブピストン18の端面と弁座22との隙間、メインピストン17の小径部17aと弁座22の貫通孔22aとの隙間、及び連通孔23を経て出口13へ流出され、減圧されて釘打機30へ送られる。
【0012】図4は出口側圧力が設定圧と平衡な状態を示している。このときは、メインピストン17の大径部17bの下面に作用する圧力と加圧バネ20のバネ力がバランスする。従って、サブピストン18が加圧バネ21によって弁座22の下面に押し付けられ、圧縮空気の出口側への流れが阻止される。
【0013】図5は出口側圧力が設定圧を超えた状態を示している。このときは、メインピストン17の大径部17bに作用する出口側圧力が加圧バネ20のバネ力に打ち勝ち、該メインピストン17を押し上げる。このため、メインピストン17がサブピストン18から引き離され、該メインピストン17の軸中心部に貫通された逃げ孔24が開放される。従って、出口13側の圧縮空気が逃げ孔24を通ってメインピストン17の背面を通り、栓25に設けた放出溝26を経て大気に放出されることになる。
【0014】上記のように構成された本実施の形態に係る圧力変換アダプタ10は、低圧仕様の釘打機30を使用するに際し、下記の如き態様で使用される。すなわち、入口12側の高圧用プラグ14を、コンプレッサ40に空気取出口に接続された高圧用エアホース41の高圧用ソケット42に差し込むことで接続する。他方、出口13側の低圧用ソケット15を、釘打機30の低圧用プラグ31に差し込むことで接続する。この状態でコンプレッサ40の圧縮空気を供給すれば、入口12から流入する圧縮空気は、前述したように減圧弁16で減圧されて出口13へ流出され、加圧バネ20にて設定される圧力(低圧)に保持される。従って、本実施の形態によれば、高圧用エアホース41を用いて低圧仕様の釘打機30による釘打ち作業を行うことができ、このことにより、低圧用エアホースが不要となる。すなわち、エアホースを高圧用に一本化できる。
【0015】また、本実施の形態によれば、コンプレッサ40から直接に供給される圧縮空気で釘打機30を作動する態様で使用できるため、連続的に使用することが可能である。従って、釘打機に備えた蓄圧タンク内の圧縮空気を作動源とする従来の蓄圧式釘打機において必要不可欠な圧縮空気の充填作業を不要とするため、釘打機30による作業を途中で中断することなく、連続して効率よく行うことができる。
【0016】また、圧力変換アダプタ10は、アダプタ本体11に、減圧弁16、高圧用プラグ14及び低圧用ソケット15を備えたコンパクト化された構造であり、釘打機30の使用に際し、使い勝手を損なうといった問題も生じない。また、コンプレッサ40及び釘打機30に対する接続作業については、高圧用プラグ14を高圧用エアホース41の高圧用ソケット42に差し込み、低圧用ソケット15を釘打機30の低圧用プラグ31に差し込むことで簡単に行うことができ、また取り外しも簡単に行うことができる。
【0017】なお、本発明は図示の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、圧力変換アダプタ10を、釘打機30の本体に一体的に備える構成、すなわち低圧用ソケット15及び低圧用プラグ31をそれぞれ廃止し、アダプタ本体11を釘打機30の本体に一体に形成又はネジ等で固着する構成にしてもよい。また、本実施の形態は釘打機30の場合で説明しているが、釘打機30に限らず、タッカー、グラインダー等、圧縮空気で作動されるエア工具であれば、適用することが可能である。更に減圧弁16の構造については、必ずしも図示された2個のピストン17,18を用いた形式に限るものではない。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、圧縮空気の充填作業といった煩わしさを伴うことなく、高圧の圧縮空気で低圧仕様のエア工具を作動することが可能なエア工具用の圧力変換アダプタを提供することができ、作業の能率向上に役立つものである。
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成13年2月2日(2001.2.2)
【代理人】 【識別番号】100064344
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外3名)
【公開番号】 特開2002−233973(P2002−233973A)
【公開日】 平成14年8月20日(2002.8.20)
【出願番号】 特願2001−27424(P2001−27424)