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【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】杉山 義夫

【氏名】中嶋 慶士

【氏名】戸沢 克美

【要約】 【課題】電動工具本体にメインハンドル部および補助ハンドル部を備えた電動工具において、補助ハンドル部を有効利用することができる合理的な電動工具技術を提供する。

【解決手段】ハンマドリル1において、電動工具本体10に補助ハンドル部20が設けられている。この補助ハンドル部20は内部に内部スペース(中空部)を有し、この内部スペース(中空部)にバッテリ23が収容されている。このバッテリ23は、光を用いて駆動モータ12の制御を行う光学式センサー機構(電気器具)の電源として使用される。この光学式センサー機構は、被加工物Wまでの距離を検知し、この距離が被加工物Wの加工が終了したとみなされる所定値になると、駆動モータ12を停止させるように作用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動工具本体に設けられたメインハンドル部および補助ハンドル部と、被加工物の加工を行う加工具と、該加工具を駆動させる駆動モータと、該駆動モータとは別に、工具補助機能用として用いられる電気器具とを備えた電動工具であって、前記補助ハンドル部には、前記電気器具の直流電源が設けられていることを特徴とする電動工具。
【請求項2】 請求項1に記載した電動工具であって、前記電気器具は、被加工物までの距離を検知し、この検知結果に基づいて前記駆動モータを制御するように構成されていることを特徴とする電動工具。
【請求項3】 請求項1に記載した電動工具であって、前記電気器具は、照明装置であることを特徴とする電動工具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物の加工を行う電動工具に係り、特に電動工具本体にメインハンドル部および補助ハンドル部を備えた電動工具技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動工具本体にメインハンドル部と補助ハンドル部を備えた電動工具、例えばハンマドリルが知られている。このハンマドリルは、電動工具本体の先端にドリル刃(加工具)を備え、このドリル刃は電動工具本体に内蔵された駆動モータによって駆動されるようになっている。また、一般にメインハンドル部には駆動モータを駆動するための操作スイッチが設けられている。メインハンドル部は、電動工具本体の機長方向後部に設けられ、補助ハンドル部はメインハンドル部よりも前方に設けられている。作業者は一方の手でメインハンドル部を掴み、他方の手で補助ハンドル部を掴んで操作することによって、安定して加工作業を行うことができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の構成のハンマドリルにおいて、電動工具本体に、工具補助機能用として用いられる電気器具、例えば照明装置やセンサを設置したいという要請がある。例えば、被加工物の加工部位を照らすために、電動工具本体の先端位置(ドリル刃に近い位置)に照明装置を設けるのが好ましい。しかし、この場合、照明装置のリード線を電動工具本体の先端位置付近に配線する必要があり、リード線の絶縁の問題や組立性が悪くなるという問題が生じる。一方、電動工具本体に照明装置用の別の電源を設けることも考えられるが、電源の設置スペースを新たに確保する必要がある。そこで、本発明者らは、元々電動工具本体の前方位置に配置される補助ハンドルの構造に着目した。この補助ハンドル部はパイプ状部材によって構成され、その内部に中空部を有するのが一般である。そして、この補助ハンドル部の内部スペース(中空部)は有効利用されていなかった。本発明者らは、この補助ハンドル部の内部スペース(中空部)をハンマドリルにおいて有効利用する技術について鋭意検討した。その結果、本発明者らは、工具補助機能用として用いられる電気器具の電源を補助ハンドル部内に収納することで、補助ハンドル部の内部スペース(中空部)を利用した技術を具体化することに成功した。本発明は、電動工具本体にメインハンドル部および補助ハンドル部を備えた電動工具において、補助ハンドル部を有効利用することができる合理的な電動工具技術を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明の電動工具は請求項1〜3に記載の通りに構成されている。なお、請求項1〜3に係る発明は、加工具を駆動させる駆動モータとは別に、工具補助機能用として用いられる電気器具を備えた電動工具において、該電気器具を作動させる直流電源を、補助ハンドル部に設けることで、補助ハンドル部を有効利用するようにした技術である。
【0005】請求項1に記載の電動工具において、電動工具本体にはメインハンドル部および補助ハンドル部が設けられている。ここでいう「メインハンドル部」とは、作業者が加工作業時に主として用いるハンドルであって、一般に電動工具本体の機長方向後部に設けられ、加工具、例えば加工刃を駆動させる駆動モータ用のスイッチレバーを備えている。また、「補助ハンドル部」とは、メインハンドル部と合わせて補助的に用いられるハンドルであり、電動工具本体の例えばメインハンドル部よりも前方(加工具側)に設けられる。そして作業者は、一方の手でメインハンドル部を掴み、他方の手で補助ハンドル部を掴んだ状態で、被加工物の加工作業を行うことができるようになっている。また、補助ハンドル部には直流電源が設けられている。ここで、この補助ハンドル部は内部スペースを有し、この内部スペースに直流電源が設けられるのが好ましい。また直流電源としては、例えば充電池や乾電池等が好適である。そして、この直流電源が、駆動モータとは別の電気器具を作動させるのに用いられることとなる。この電動器具は、加工具を駆動する駆動モータとは別に、加工作業に付随して補助的に使用されるものであり、例えば駆動モータを制御する器具、照明装置、報知ランプ、報知ブザー等が好適である。これにより、工具補助機能用の電気器具を作動させるための直流電源を設置する場所を、電動工具本体の内部あるいは外部に新たに確保する必要がない。また、工具補助機能用の電気器具のリード線を電動工具本体の先端位置付近に配線する必要がないため、絶縁の問題や組立性が悪くなるという問題を回避することができる。以上のように、請求項1に記載した電動工具によれば、補助ハンドル部が有する既存のスペース、例えば補助ハンドル部の内部スペース(中空部)を有効利用することができる。もちろん、本発明は、直流電源のハウジング自体を補助ハンドル部として利用する形態も包含している。なお、本発明でいう「電動工具」とは、被加工物の加工を行う電動式の工具を広く含むものであり、この電動工具としては、例えばハンマドリル、ドライバドリル、インパクトレンチ等がある。また、「加工具」とは、被加工物の切削、研磨、穴あけ等を行う加工刃以外に、ネジ締めやボルト締めに用いられるビット類等を含むものとする。
【0006】また、請求項2に記載の電動工具において、補助ハンドル部に設けられた直流電源は、駆動モータの制御を行う電気器具の作動に使用される。この電気器具は、被加工物までの距離を検知し、この検知結果に基づいて駆動モータを制御するようになっている。例えば、被加工物までの距離が、被加工物の加工が終了したとみなされる所定値になると、駆動モータが停止したりあるいは回転数が低下するよう構成されているのが好ましい。このように構成すれば、補助ハンドル部に設けられた直流電源を、駆動モータの制御を行う電気器具の直流電源として用いることができるため合理的である。
【0007】また、請求項3に記載の電動工具において、補助ハンドル部に設けられた直流電源は、照明装置の作動に使用される。この照明装置は、とりわけ被加工物の加工を行う際に加工部位(被加工物の加工面、加工刃の先端部等)を照射することができるものであることが好ましい。このように構成すれば、補助ハンドル部に設けられた直流電源を、例えば被加工物の加工の際に使用する照明装置の直流電源として用いることができるため合理的である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明における第1および第2実施の形態の電動工具の構成を図面に基づいて説明する。
〔第1実施の形態〕まず、第1実施の形態は、本発明をいわゆるハンマドリルに適用したものであって、図1を参照しながら説明する。ここで、図1は第1実施の形態のハンマドリル1の外観を示す側面図である。
【0009】図1に示すように、本発明の電動工具としてのハンマドリル1において、電動工具本体10には、機長方向後部(図1中の右側)から下方へ突出するメインハンドル部11が設けられている。また、電動工具本体10には、機長方向前部(図1中の左側)に被加工物Wを加工するドリル刃17が取付けられている。このドリル刃17が本発明における加工具に対応している。ドリル刃17は、電動工具本体10に内蔵された駆動モータ12によって回転するように構成されている。この駆動モータ12は電気駆動式であり、メインハンドル部11から延びるケーブル14、制御装置13等を介して外部の交流電源と電気的に接続されている。なお、このドリル刃17は、用途に応じて例えばキリ刃やビット類と交換することができるようになっている。
【0010】メインハンドル部11は、前方側にスイッチレバー15を備え、作業者がこのスイッチレバー15を操作することによって、外部の交流電源から駆動モータ12へ電気が供給され、これによりドリル刃17が回転する。なお、スイッチレバー15は、通常は駆動モータ12のオフ(OFF)状態になっており、スイッチレバー15を指で引いた場合にのみ駆動モータ12がオン(ON)状態になるように構成されている。
【0011】電動工具本体10には、更に機長方向中央部から下方へ突出する補助ハンドル部20が設けられている。補助ハンドル部20は、フレーム部21、グリップ部22等を有し、ボルト等の固定部材によって電動工具本体10に固定されている。従って、補助ハンドル部20は、電動工具本体10に対して着脱可能になっている。この補助ハンドル部20は、作業者が被加工物Wの加工を行う際にメインハンドル部11と合わせて補助的に用いるものであり、作業者はメインハンドル部11と補助ハンドル部20の両方を手で掴んで加工を行う。これにより、加工作業を安定して行うことができる。なお、電動工具本体10に設けられるメインハンドル部11および補助ハンドル部20の設置位置、設置角度等は必要に応じて種々変更可能である。
【0012】補助ハンドル部20は内部スペース(中空部)を有し、この内部スペース(中空部)のグリップ部22に対応する位置にバッテリ23が収容されている。このバッテリ23は、後述する光学式センサー機構と電気的に接続され、この光学式センサー機構を作動させるための電源となっている。このバッテリ23が本発明における直流電源に対応している。バッテリ23としては、例えば乾電池や充電池が用いられる。バッテリ残量が少なくなると、グリップ部22の先端の取外し部22aを取り外し、バッテリ23を入れ替えできるようになっている。
【0013】また、このハンマドリル1には、工具補助機能用として、光を用いて駆動モータ12の制御を行う光学式センサー機構(本発明における電気器具に対応している)が設けられている。この光学式センサー機構は、ハンマドリル1から被加工物Wまでの距離を検知し、この距離が予め定められた所定値になると、駆動モータ12へ停止信号を送るように構成されている。具体的には、フレーム部21に設けられた第1発光部24、第1受光部25、第2発光部26、設定ダイヤル28、またメインハンドル部11等に設けられた第2受光部27等によって光学式センサー機構が構成されている。第1発光部24から発光された光は、この第1発光部24の下方に設けられた第1受光部25によって受光され、これによりフレーム部21の前部から被加工物Wまでの距離が検知されるように構成されている。また、この検知された距離が予め定められた所定値になると、第2発光部26から第2受光部27へ向けて光が発光されるように構成されている。この所定値は、被加工物Wの加工が終了したとみなされる距離であって、例えばフレーム部21の前部から被加工物Wまでの初期距離、所望する加工深さ、加工刃の種類(長さ)等に基づいて定めることができる。
【0014】第2受光部27が第2発光部26からの光を受光すると、制御装置13を介して駆動モータ12へ停止信号が送信されるように構成されている。従って、スイッチレバー15がオン状態であっても、駆動モータ12およびドリル刃17の回転は強制的に停止される。これにより、被加工物Wの加工が終了したときにドリル刃17が継続して回転するのを阻止することができる。
【0015】設定ダイヤル28は、フレーム部21の前部から被加工物Wまでの距離を検知するにあたって、例えば第1受光部25の受光感度を設定するものである。すなわち、例えば被加工物Wが木製の場合と金属製の場合とでは、光の反射特性が異なるため、被加工物Wの種類に応じて第1受光部25の受光感度を補正する必要がある。本実施の形態では、図中に示すように1〜3の3段階に設定可能になっており、被加工物Wの材質に応じて設定ダイヤル28を操作することによって第1受光部25の受光感度を所望する設定値に設定することができる。
【0016】以上のように構成した第1実施の形態のハンマドリル1によれば、補助ハンドル部20の内部スペースを、バッテリ23の収容箇所として有効利用することができる。そのうえ、補助ハンドル部20に収容されたバッテリ23を、駆動モータ12の制御を行う光学式センサー機構を作動させるための電源として用いることができるため合理的である。すなわち、光学式センサー機構を作動させるためのバッテリ23を設置する場所を、電動工具本体10の内部あるいは外部に新たに確保する必要がない。また、光学式センサー機構のリード線を電動工具本体10の先端位置付近に配線する必要がないため、リード線の絶縁の問題や組立性が悪くなるという問題を回避することができる。また、被加工物Wの加工が終了したときにドリル刃17が継続して回転するのを阻止するのに有効である。また、補助ハンドル部20を電動工具本体10に対して着脱可能に構成したため、オプション部品とすることができ汎用性が高い。なお、ハンマドリル1と被加工物Wとの間の距離を検知し、駆動モータ12の制御に用いられるセンサー機構は、光学式に限定されず、例えば、超音波式、静電容量式、渦電流式、差動トランス式等、各種のセンサー機構を用いることができる。
【0017】〔第2実施の形態〕次に、第2実施の形態は、第1実施の形態と同様に本発明をハンマドリルに適用したものであって、図2を参照しながら説明する。ここで、図2は、第2実施の形態のハンマドリル2の外観を示す側面図である。なお、図2において図1に示す要素と同一の要素には同一の符号を付している。また、ハンマドリルの主な構成は第1実施の形態と同様であるので、第2実施の形態では主として第1実施の形態と異なる箇所に構成についてのみ説明する。
【0018】図2に示すように、本発明の電動工具としてのハンマドリル2において、補助ハンドル部20は、第1実施の形態と同様に、フレーム部21、グリップ部22等を有し、ボルト等の固定部材によって電動工具本体10の機長方向中央部に固定されている。また、補助ハンドル部20の内部は中空状になっており、グリップ部22に対応する内部スペース(中空部)に、第1実施の形態と同様のバッテリ23が収容されている。グリップ部22の先端には、工具補助機能用として、照明装置30(本発明における電気器具に対応している)が取付けられている。この照明装置30は、照射光を発するライト31を備え、このライト31は延長部材32を介してバッテリ23と電気的に接続されている。すなわち、バッテリ23は照明装置30を作動させるための電源となっている。また、延長部材32は、ライト31による照射方向を自在に変更可能とするフレキシブルな構造を有している。そして、切換えスイッチ29をオン(ON)側あるいはオフ(OFF)側に回動させることで、ライト31のオン動作あるいはオフ動作が可能となる。この照明装置30は、とりわけ加工部位(被加工物Wの加工面、ドリル刃17の先端部等)を照射するのに有効である。なお、加工作業を行わないといきには、単なる懐中電灯としても用いることができるため便利である。
【0019】以上のように構成した第2実施の形態のハンマドリル2によれば、第1実施の形態のハンマドリル1と同様に補助ハンドル部20の内部スペースを、バッテリ23の収容箇所として有効利用することができる等の効果を奏するうえに、補助ハンドル部20に収容されたバッテリ23を、加工作業の際に使用する照明装置30の電源として用いることができるため合理的である。すなわち、照明装置30を作動させるためのバッテリ23を設置する場所を、電動工具本体10の内部あるいは外部に新たに確保する必要がない。また、照明装置30のリード線を電動工具本体10の先端位置付近に配線する必要がないため、リード線の絶縁の問題や組立性が悪くなるという問題を回避することができる。
【0020】〔他の実施の形態〕なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0021】(A)上記実施の形態では、電動工具としてのハンマドリル1,2において、補助ハンドル部20に電気器具を作動させるバッテリ23を収容する場合について記載したが、電動工具の種類はこれに限定されない。例えば、他の電動工具類であるドライバドリル、インパクトレンチ等に本発明を適用することもできる。従って、加工具は、上記実施の形態のドリル刃17に限定されず、ネジ締めやボルト締めに用いられるビット類等であってもよい。
【0022】(B)また、上記実施の形態では、補助ハンドル部20に収容されたバッテリ23を、光学式センサー機構や、照明装置の作動に用いる場合について記載したが、このバッテリ23の用途は、これらに限定されず、必要に応じて種々変更可能である。例えば、被加工物側に向けた電動ファンを設け、この電動ファンをバッテリ23によって作動させることで、加工時に発生する被加工物の切屑等を吹き飛ばすように構成することもできる。
【0023】(C)上記実施の形態では、バッテリ23を補助ハンドル部20の内部スペースに収容する場合について記載したが、例えば補助ハンドル部20の先端部にバッテリ23が取付けられるように構成することもできる。また、補助ハンドル部20自体をバッテリ23によって構成することもできる。
【0024】(D)上記第1実施の形態では、フレーム部21の前部から被加工物Wまでの距離が所定値になると駆動モータ12を停止する場合について記載したが、駆動モータ12の回転数を低下させたり、報知ランプや報知ブザーを作動させるように構成することもできる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、電動工具本体にメインハンドル部および補助ハンドル部を備えた電動工具において、補助ハンドル部を有効利用することができる合理的な電動工具技術を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成13年1月11日(2001.1.11)
【代理人】 【識別番号】100064344
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外3名)
【公開番号】 特開2002−205285(P2002−205285A)
【公開日】 平成14年7月23日(2002.7.23)
【出願番号】 特願2001−4144(P2001−4144)