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【発明の名称】 L型スパナ保持装置
【発明者】 【氏名】山岡 敏成

【氏名】小川 真二

【要約】 【課題】工具のハウジングに形成したL型スパナ保持装置からL型スパナが脱落しないようにする。

【解決手段】工具のハウジング(6)の壁面(6a)に略垂直に形成されたL型スパナ(15)のヘッド部(15a)が挿入される縦穴(17)と、壁面(6a)に沿うように形成されたL型スパナ(15)のテール部(15b)が挿入される凹溝(18)とを具備する。L型スパナ(15)のテール部(15b)の後端(15d)のみを凹溝(18)の底面に接触可能にする逃がし面(20)が、凹溝(18)の底面におけるL型スパナ(15)の屈曲部(15c)に対応する箇所からテール部(15b)の後端(15d)の近傍に対応する箇所にかけて形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 工具のハウジングの壁面に略垂直に形成されたL型スパナのヘッド部が挿入される縦穴と、上記壁面に沿うように形成されたL型スパナのテール部が挿入される凹溝とを具備したL型スパナ保持装置において、L型スパナのテール部の後端のみを凹溝の底面に接触可能にする逃がし面が、凹溝の底面におけるL型スパナの屈曲部に対応する箇所からテール部の後端の近傍に対応する箇所にかけて形成されたことを特徴とするL型スパナ保持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チェンソー等の工具のハウジングに設けられるL型スパナ保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6及び図7に示すように、例えば電動式のチェンソーのハウジング1には、L型スパナ2を着脱自在に保持するL型スパナ保持装置3が設けられる。このL型スパナ保持装置3は、ハウジング1の壁面1aに略垂直に形成されたL型スパナ2のヘッド部2aが挿入される縦穴4と、上記壁面1aに沿うように形成されたL型スパナ2のテール部2bが挿入される凹溝5とを具備している。
【0003】L型スパナ2は使用しないときは図6及び図7に示すように保持装置3内に収納され固定されるが、ソーチェン張り力調整装置の調整ネジ等を調整する際に保持装置3外に取り出され、調整ネジの操作等に使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7に示すように、L型スパナ2のテール部2bが挿入される凹溝5は、L型スパナ2の保持装置3に対する着脱を容易にするため比較的浅く形成される。また、L型スパナ2はその屈曲部2cが直角になるように形成されるが、その直角度はL型スパナ間でバラツキがある。このため、屈曲部2cの角度が90度を超えるようなL型スパナ2であると、図7に示すように、テール部2bの後端2dが凹溝5の底から浮き上り、他の物体等との接触により容易に保持装置3外に脱落してしまう。また、テール部2bの後端2dが凹溝5から浮き上っているとL型スパナ2が凹溝5にきちんと収納されていないように見え、外観上見栄えが良くない。
【0005】本発明は上記問題点を解決することができるL型スパナ保持装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、工具のハウジング(6)の壁面(6a)に略垂直に形成されたL型スパナ(15)のヘッド部(15a)が挿入される縦穴(17)と、上記壁面(6a)に沿うように形成されたL型スパナ(15)のテール部(15b)が挿入される凹溝(18)とを具備したL型スパナ保持装置(16)において、L型スパナ(15)のテール部(15b)の後端(15d)のみを凹溝(18)の底面に接触可能にする逃がし面(20)が、凹溝(18)の底面におけるL型スパナ(15)の屈曲部(15c)に対応する箇所からテール部(15b)の後端(15d)の近傍に対応する箇所にかけて形成されたL型スパナ保持装置(16)を採用する。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0008】<実施の形態1>図1乃至図3に示すチェンソーは、ハウジング6と、ハウジング6の前部に固定されハウジング6と一体化されたフロントハンドル7と、ハウジング6の最前端に固定されたガード8と、ハウジング6の後部にハウジング6と一体的に設けられたリヤハンドル9と、ハウジング6の前端から突出するガイドバー10と、ガイドバー10に巻回されるソーチェン11とを具備する。
【0009】ハウジング6は、図示しないモータ、伝動系等を覆っており、このハウジング6の内部のモータの駆動によりソーチェン11がガイドバー10の周りを走行する。ガイドバー10はガイドバー押さえ12によりハウジング6の側面に押し付けられ固定されている。ガイドバー押さえ12は角穴付きボルトである固定ネジ13によりハウジング6に対し着脱可能に固定される。固定ネジ13のボルト頭に形成される角穴は例えば六角穴である。この角穴付きボルトである固定ネジ13を緩めてガイドバー押さえ12をハウジング6から取り外すと、ソーチェン11の伝動系等を露出させて点検したり、ガイドバー10等をハウジング6から取り外したりすることができる。
【0010】また、ハウジング6内には、図示しないがソーチェン11の張り力を調整するための装置が設けられている。このソーチェン張り力調整装置は、ガイドバー10と平行に伸びるよう配置される調整ネジ14と、調整ネジ14の雄ネジが螺合するナットとを具備する。調整ネジ14はハウジング6に回転可能に取り付けられ、ナットはガイドバー10に係合している。ガイドバー10はその長手方向に多少スライド可能にガイドバー押さえ12によりハウジング6に取り付けられている。調整ネジ14は上記固定ネジ13と同様な角穴付きボルトで構成され、そのボルト頭は図3に示すようにハウジング6外に露出している。この調整ネジ14をハウジング6上で回すことによりナットが調整ネジ14の雄ネジ上を螺進退し、ガイドバー10もこれに同調してハウジング6上でスライドする。これにより、ソーチェン11の張り力が調整される。
【0011】図2及び図4に示すように、上記固定ネジ13、調整ネジ14等を回すためのL型スパナ15の保持装置16がハウジング6の壁面6aに形成されている。具体的にはハウジング6と一体のリヤハンドル9の側面に形成されるが、リヤハンドル9の側面に限らずフロントハンドル7等を含むハウジング6の他の所望の壁面に形成することが可能である。
【0012】L型スパナ15は固定ネジ13、調整ネジ14等のボルト頭の角穴に合致するような角材で形成され、ヘッド部15aとテール部15bとを備えており、ヘッド部15aとテール部15bとの間は直角に折れ曲がる屈曲部15cとなっている。
【0013】このL型スパナ保持装置16は、L型スパナ15のヘッド部15aが挿入される縦穴17と、L型スパナ15のテール部15bが挿入される凹溝18とを具備し、縦穴17はハウジング6の壁面6aに略垂直に形成され、凹溝18はハウジング6の壁面6aに沿うように形成される。
【0014】また、ハウジング6の壁面6aにおけるL型スパナ15の屈曲部15cに対応する箇所には、L型スパナ15を摘むための指等を差し込むことができる凹穴19が形成されている。
【0015】また、既述のごとくL型スパナ15はその屈曲部15cが直角になるように形成されるが、屈曲部15cの角度が90度を超えるようなL型スパナであっても、テール部15bの後端15dが凹溝底から浮き上ることがないようにするための浮き上り阻止手段が凹溝18に設けられている。すなわち、図4に示すように、L型スパナ15のテール部15bの後端15dのみを凹溝18の底面に接触可能にする逃がし面20が、凹溝18の底面におけるL型スパナ15の屈曲部15cに対応する箇所からテール部15bの後端15dの近傍に対応する箇所にかけて形成されている。この逃がし面20は具体的には凹溝18の底面に形成される斜面であり、縦穴17との交差角度が90度をやや越えるような斜度で形成される。
【0016】L型スパナ保持装置16は以上のような構成を備えるので、図4に示すようにL型スパナ15のヘッド部15aを縦穴17に挿入すると共に、テール部15bを凹溝18に挿入すると、テール部15bの屈曲部15c近傍は逃がし面20の作用で凹溝18の底面から離れテール部15bの後端15dのみが凹溝18の底面に接触し、テール部15bの後端15dが浮き上ることはない。L型スパナ15の屈曲部15cの直角度が90度より多少大きくともテール部15bの後端15dのみが凹溝18の底面に接触する。このため、他の物体にテール部15bが接触したとしてもL型スパナ15は保持装置16から脱落することなく保持装置内に留まる。
【0017】L型スパナ15を使用する場合は、指等を凹穴19に挿入してL型スパナ15を摘み、そのテール部15b、ヘッド部15aをハウジング6の凹溝18、縦穴17から引き出すようにする。このハウジング6から外したL型スパナ15のヘッド部15a又はテール部15bを固定ネジ13のボルト頭の角穴に挿入して回転させることでガイドバー押さえ12をハウジング6に対し着脱することができ、また調整ネジ14のボルト頭の角穴に挿入して回転させることでソーチェン11の張り具合を調節することができる。
【0018】<実施の形態2>図5に示すように、逃がし面20は、凹溝18の底面におけるL型スパナ15の屈曲部15cに対応する箇所からテール部15bの後端15dの近傍に対応する箇所にかけて、縦穴17と略直角に交差するストレート面として形成されている。凹溝18の底面におけるテール部15bの後端15dに対応する箇所はストレート面から段差21を介し一段高くなっている。
【0019】これにより、L型スパナ15のヘッド部15aを縦穴17に挿入すると共に、テール部15bを凹溝18に挿入すると、テール部15bの屈曲部15c近傍は逃がし面20の作用で凹溝18の底面から離れテール部15bの後端15dのみが凹溝18の底面に接触する。L型スパナ15の屈曲部15cの直角度が90度より多少大きくともテール部15bの後端15dのみが凹溝18の底面に接触し、テール部15bの後端15dが浮き上ることはない。このため、テール部15bが他の物体に接触したとしてもL型スパナ15は保持装置16から脱落することなく保持装置16内に保持される。
【0020】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、工具のハウジングの壁面に略垂直に形成されたL型スパナのヘッド部が挿入される縦穴と、上記壁面に沿うように形成されたL型スパナのテール部が挿入される凹溝とを具備したL型スパナ保持装置において、L型スパナのテール部の後端のみを凹溝の底面に接触可能にする逃がし面が、凹溝の底面におけるL型スパナの屈曲部に対応する箇所からテール部の後端の近傍に対応する箇所にかけて形成されたL型スパナ保持装置であるから、L型スパナのテール部の屈曲部近傍は逃がし面の作用で凹溝の底面から離れテール部の後端のみが凹溝の底面に接触する。L型スパナの屈曲部の直角度が90度より多少大きくともテール部の後端のみが凹溝の底面に接触し、テール部の後端が浮き上ることはない。従って、他の物体にテール部が接触したとしてもL型スパナは保持装置にしっかりと保持され、L型スパナの紛失が防止される。また、テール部の後端が浮き上らないので、外観上見栄えがよくなる。
【出願人】 【識別番号】000006943
【氏名又は名称】リョービ株式会社
【出願日】 平成13年1月11日(2001.1.11)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開2002−205284(P2002−205284A)
【公開日】 平成14年7月23日(2002.7.23)
【出願番号】 特願2001−3525(P2001−3525)