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【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】柘植 和則

【氏名】板倉 徹

【氏名】蜷川 諭

【要約】 【課題】工具本体に種々形態のアタッチメントを交換して装着可能としたアタッチメント式の電動工具において、工具本体にアタッチメントを連結するための連結体の締め付け状態を、従来は固定ボルトを締め込みにより行う構成であったためスパナ等の工具を必要とし、この点で使い勝手がよくなかった。本発明では、スパナ等の工具を必要とすることなく、アタッチメントを脱着することができる電動工具を提供する。

【解決手段】回転操作する固定レバー24を備え、固定レバー24にカム部24bを設けて、固定レバー24の回転操作に伴うカム部24bの変位により支持縁21e,21f間のスリットSの幅を小さくして連結体21の締め付け状態を固定する構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース連結装置を介して工具本体側のケースとアタッチメント側のケースを連結するアタッチメント式の電動工具であって、前記ケース連結装置は、機長方向にスリットを有する断面C字形の円筒形状を有し、その一端側の内周側に前記工具本体側のケースが挿入され、他端側の内周側に前記アタッチメント側のケースが挿入される連結体と、該連結体を前記スリットの幅が小さくなる方向に締め付けて、前記連結体に対する前記工具本体側のケースと前記アタッチメント側のケースの挿入状態を固定するための固定レバーを備えた電動工具。
【請求項2】 請求項1記載の電動工具であって、連結体のスリットの幅方向両端に支持縁を対向して設け、該両支持縁間に跨って連結棒を架け渡し、該連結棒の一端側であって前記一方の支持縁の外側に固定レバーを回転可能に支持するとともに、該連結棒の他端側であって前記他方の支持縁の外側にフランジ部を設け、かつ前記固定レバーにカム部を設け、該固定レバーの回転操作に伴う前記カム部の前記一方の支持縁に対する当接位置の変位により前記両支持縁間の間隔を小さくして前記連結体を締め付ける構成とした電動工具。
【請求項3】 請求項1記載の電動工具であって、固定レバーに係合ピンを設け、該固定レバーを連結体の締め付け方向に回転させると、前記係合ピンが連結体の内周側に突き出され、該突き出し部分により工具本体側のケースおよびアタッチメント側のケースが前記連結体から離脱不能に係合される構成とした電動工具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工具本体の先端に、例えばアングル形式やストレート形式の複数種類のアタッチメントを交換して装着可能な電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば電動ドリルには、工具本体の先端にアングル形式のアタッチメントを装着して、当該電動ドリルをアングル式のドリルとして使用可能である一方、アングル式のアタッチメントに代えてストレート形式のアタッチメントを装着して当該電動ドリルを一般的なストレート式のドリルとしても使用可能としたものが提供されている。アングル式の電動ドリルでは、先端刃具としてのドリルが内蔵した電動モータの出力軸に対して直交する方向(横向き)に向けられている。また、ストレート式の電動ドリルでは、ドリルが電動モータの出力軸と同じ方向(縦向き)に向けられている。以下、アタッチメントを交換することによりドリルの向きを縦向きまたは横向きに変換して使用できる電動工具を、本明細書では「アタッチメント式の電動工具」という。
【0003】このようなアタッチメント式電動ドリルは、工具本体側の電動モータと、アタッチメント側の出力軸との間の駆動力を連結するための駆動力連結装置と、工具本体のケースとアタッチメントのケースを連結するためのケース連結装置を備えている。駆動力連結装置は、工具本体側の出力軸を回転について連結するための本体側駆動連結部と、アタッチメント側の入力軸を回転について連結するためのアタッチメント側駆動連結部を備えており、この駆動力連結装置を介して工具本体側の電動モータの駆動力がアタッチメント側のスピンドルに伝達される。一方、ケース連結装置は、機長方向に沿ったスリットを有する断面C字形の円筒形状を有し、その一方の端部内周側に、電動モータを内装した工具本体側のケースを挿入し、他方の端部内周側に、アタッチメント側のケースを挿入する連結体を備え、この連結体を上記スリットの幅が小さくなる方向に締め付け、この締め付け状態を固定ボルトにより固定して、工具本体側のケースとアタッチメント側のケースを連結する構成となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように上記従来のケース連結装置は、固定ボルトにより連結体の締め込み状態を固定する構成であったので、固定ボルトを締め付ける際および緩める際にスパナ等の工具を必要とし、この点で使い勝手がよくなかった。なお、駆動力連結装置については特に工具を必要とすることなく、工具本体側の出力軸とアタッチメント側の入力軸との間に介装して、工具本体側の電動モータの駆動力がアタッチメント側のスピンドルに伝達される状態とすることができた。そこで、本発明はスパナ等の工具を用いることなく、連結体の締め付け状態を固定することができ、あるいは締め付け状態を解除することができるケース連結装置を備えたアタッチメント式の電動工具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、前記各請求項に記載した構成の電動工具とした。請求項1記載の電動工具によれば、固定レバーを締め付け側に回転操作すると、連結体のスリットの幅が小さくなって、工具本体側のケースとアタッチメント側のケースの連結体の内周側への挿入状態が固定され、これにより連結体を介して工具本体側のケースにアタッチメント側のケースが一体に連結される。このように請求項1記載のケース連結装置によれば、固定レバーを締め付け方向に回転操作するのみで、連結体が締め付けられて工具本体側のケースとアタッチメント側のケースが連結され、逆に固定レバーを締め付け解除方向に回転操作するのみで連結体の締め付け状態が解除されて工具本体からアタッチメントを取り外し可能となることから、従来のようにスパナ等の工具を用いることなく、アタッチメントを工具本体に対して脱着することができるので、当該電動工具の使い勝手を向上させることができる。
【0006】請求項2記載の電動工具によれば、固定レバーを締め付け側に回転操作すると、該固定レバーのカム部の山の部分(該固定レバーの回転中心から最も離間したカム面)が一方の支持縁に当接されて両支持縁の間隔が小さくなり、ひいてはスリットの幅が小さくなって連結体が締め付けられる。このように固定レバーを締め付け側に回転操作すると、連結体が締め付けられてアタッチメント側のケースが工具本体側のケースに固定されるので、前記と同様の作用効果を奏するとともに、カム部の変位により連結体を締め付ける構成であるので簡単な構成で確実な連結を行うことができる。請求項3記載の電動工具によれば、固定レバーの回転操作により工具本体側のケースおよびアタッチメント側のケースの連結体からの離脱を確実に防止することができ、これにより一層強固な連結状態を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1は、電動工具の一例としてのアタッチメント式の電動ドリル1の前部を示している。この電動ドリル1は、図1において左側に示す工具本体10と、図1において中央に示すケース連結装置20と駆動力連結装置30と、図1において右側に示すアタッチメント40を備えている。ケース連結装置20により、工具本体10のケース11とアタッチメント40のケース41が一体に連結され、駆動力連結装置30により工具本体10の出力軸17とアタッチメント40の入力軸42が連結され、これによりアタッチメント40が工具本体10に連結されている。図1にはアングルタイプのアタッチメント40が例示されている。
【0008】図2には工具本体10が単独で示されている。工具本体10のケース11の先端部(図示右端部)には、連結円筒部11aが形成されている。この連結円筒部11aの外周面には、係合溝11cが全周にわたって形成されている。また、この連結円筒部11aの基部には係合凸部11b〜11bが一定の間隔をおいて周方向に複数形成されている。この係合溝11cおよび係合凸部11b〜11bについては後述する。次に、このケース11には、当該電動ドリル1の駆動源としての電動モータが内装されている。図では電動モータの出力軸12のみが示されている。この出力軸12には、ピニオンギヤ部12aが形成されている。このピニオンギヤ部12aは、ケース11に回転可能に支持した駆動ギヤ13の大ギヤ部13aに噛み合わされている。大ギヤ部13aには小ギヤ部13bが一体に形成されており、この小ギヤ部13bは出力ギヤ14に噛み合わされている。出力ギヤ14は、軸受け15,16によりケース11に回転可能に支持した出力軸17に固定されている。従って、電動モータが起動して出力軸12が回転すると、出力軸17が回転する。出力軸17の先端には、二面幅部17aと心出し部17bが同軸に形成されている。
【0009】次に、図3にはアタッチメント40が単独で示されている。このアタッチメント40のケース41は概ねL字形を有しており、その後端部(図示左端部)には連結円筒部41aが形成されている。この連結円筒部41aの外周面にも係合溝41cが全周にわたって形成されている。また、この連結円筒部41aの基部にも係合凸部41b〜41bが周方向に一定の間隔をおいて複数形成されている。この係合溝41cおよび係合凸部41b〜41bについても後述する。次に、この連結円筒部41aの後端面(図示左端面)からは入力軸42が突き出されている。この入力軸42は軸受け43,44によりケース41に回転可能に支持されている。この入力軸42の後端部にも、二面幅部42aと心出し部42bが形成されている。入力軸42のほぼ中央にはかさ歯車45が固定されている。このかさ歯車45は、かさ歯車46に噛み合わされている。このかさ歯車46は、出力軸47に固定されている。出力軸47は、軸受け48,49を介してケース41に回転可能に支持されている。出力軸47は入力軸42に対して直交している。出力軸47の先端はケース41の先端から突き出されており、この突き出し部分にも二面幅部47aと心出し部47bが形成されている。この二面幅部47aと心出し部47bを介してチャック装置50が出力軸47に同軸かつ回転不能に取り付けられている。このチャック装置50は、固定ねじ55により出力軸47から離脱不能に固定されており、このチャック装置50により先端工具としてのドリル(図示省略)が当該電動ドリル1に装着される。
【0010】このチャック装置50は、上記出力軸47に着脱可能に取り付けられたホルダ軸51と、該ホルダ軸51に回転可能に支持したスリーブ52と、ホルダ軸51の内周側に相互に向き合わせて配置した2本の爪53,53を備えている。スリーブ52の内周側にはねじ孔(図示省略)が形成されており、このねじ孔には、爪53,53の外周面に形成したねじ部(図示省略)が噛み合わされている。また、両爪53,53は、ホルダ軸51の軸線に対して傾斜する方向に沿って移動可能に支持されている。このため、スリーブ52を右回りまたは左回りに回転操作すると、両爪53,53が相互に接近または離間し、これにより両爪53,53間に挿入したドリルがチャックまたはアンチャックされる。このチャック装置50の基本的な構成および機能については、従来公知のものであり、本実施形態において特に変更を要しない。
【0011】このチャック装置50は、出力軸47に対する取り付け構造について従来にない特徴を有している。ホルダ軸51には座繰り孔部51aと、ねじ孔部51bと連結孔部51cが同軸かつ連続して形成されている。座繰り孔部51aは、ホルダ軸51の先端面(図示下端面)に開口しており、連結孔部51cはホルダ軸51の後端面(図示上端面)に開口している。ねじ孔部51bは、上記固定ねじ55のねじ部55aが噛み合うねじ径で形成されている。ねじ部55aは、軸部55bの先端側の一定の範囲に形成されており、軸部55bは上記ねじ孔部51bを挿通可能な径で形成されている。このため、固定ねじ55は、そのねじ部55aを上記ねじ孔部51bを通過させた後、出力軸47のねじ孔47cにねじ込まれている。固定ねじ55がねじ孔47cに締め込まれることにより、当該チャック装置50が出力軸47の先端に離脱不能に取り付けられている。ホルダ軸51の後端面(図示上端面)には、連結孔部51cを間にして一対の係合壁部51d,51dが形成されている。両係合壁部51d,51dの間隔は、出力軸47の二面幅部47aをガタツキなく挿入可能な寸法に設定されている。出力軸47の二面幅部47aを両係合壁部51d,51d間に挿入し、かつ心出し部47bを連結孔部51cに挿入することにより、当該チャック装置50が出力軸47に同軸かつ相対回転不能な状態に取り付けられる。
【0012】チャック装置50を出力軸47から取り外すには、固定ねじ55を緩めて、そのねじ部55aをねじ孔47cから外せばよい。この段階で、固定ねじ55のねじ部55aは連結孔部51c内に位置している。この状態から、固定ねじ55を座繰り孔部51aを経てチャック装置50から外すには、そのねじ部55aがねじ孔部51bを通過する必要があり、そのためには固定ねじ55を緩め方向に回転させる必要がある。このことから、ねじ部55aをねじ孔47cから外してチャック装置50を出力軸47から取り外した状態では、固定ねじ55がチャック装置50から脱落不能な状態となっている。これによれば、チャック装置50を出力軸47から外して保管等する場合に、固定ねじ55の紛失を防止することができる。また、チャック装置50を出力軸47に取り付ける際に、図示するように逆さま(ねじの頭部を下側)にしても固定ねじ55が抜け出ないので、該固定ねじ55の締め込み作業を簡単に行うことができ、さらに固定ねじ55を緩める作業においてもその脱落を心配する必要がなく、これらの点で脱着時の作業性に極めて優れた取り付け構造となっている。
【0013】次に、図1に戻って駆動力連結装置30は、回転方向に相互に爪部31a,32aを噛み合わせて相互に一体で回転する連結ブロック31,32を備えている。両連結ブロック31,32には、それぞれ心出し孔31b,32bと二面幅孔31c,32cが形成されている。両心出し孔31b,32bは同軸に配置され、両心出し孔31b,32bに対して二面幅孔31c,32cはそれぞれ同心に形成されている。両連結ブロック31,32は止め輪33により相互に軸方向への変位を規制されている。また、両連結ブロック31,32間には、緩衝材34が介装されている。図1において左側の連結ブロック31の心出し孔31bには工具本体10の出力軸17の心出し部17bがガタツキなく挿入され、二面幅孔31cには二面幅部17aがガタツキなく挿入されており、これにより出力軸17が連結ブロック31ひいては駆動力連結装置30に連結されている。一方、図において右側の連結ブロック32の心出し孔32bにはアタッチメント40の入力軸42の心出し部42bがガタツキなく挿入され、二面幅孔32cには二面幅部42aがガタツキなく挿入されており、これにより入力軸42が連結ブロック32ひいては駆動力連結装置30に連結されている。この駆動力連結装置30により工具本体10の出力軸17がアタッチメント40の入力軸42に同軸に直結されている。なお、連結ブロック31の心出し孔31bと連結ブロック32の心出し孔32bは同じ径で同軸に形成されている。また、連結ブロック31の二面幅孔31cと連結ブロック32の二面幅孔32cの径および二面幅寸法も相互に同一に設定されている。一方、出力軸17の心出し部17bと入力軸42の心出し部42bは同じ径で形成されているが、出力軸17の二面幅部17aは入力軸42の二面幅部42aよりも小さな径で形成されている。但し、両二面幅部17a,42aの二面幅寸法は同値に設定されている。このため、駆動力連結装置30は、何れの向きであっても装着することができるようになっている。
【0014】次に、図4にはケース連結装置20が単独で示されている。このケース連結装置20は、機長方向(図1および図4において左右方向)に沿ったスリットSを有する断面C字形の円筒形状を有する連結体21と、該連結体21をスリットSの幅が小さくなる方向に締め付けるための固定レバー装置22,22を備えている。連結体21は、一定の範囲でスリットSの幅を大きくする方向(開き方向)に弾性を有しており、この弾性に抗して該連結体21は固定レバー装置22,22により締め付けられる。この固定レバー装置22,22については後述する。連結体21の図示左側口元の内周面には、係合凹部21a〜21aが周方向に沿って一定の間隔をおいてかつ板厚方向に一定の深さで複数形成されている。一方、前記したように工具本体10の連結円筒部11aの基部には係合凸部11b〜11bが周方向に複数形成されている。この係合凸部11b〜11bは上記係合凹部21a〜21aに噛み合わされ、これにより連結体21に対する連結円筒部11aの回転方向の位置決めがなされる。また、係合凹部21a〜21aの奥側であって連結体21の左側口元に内周面には、工具本体10の連結円筒部11aを挿入するための連結部21bが形成されている。
【0015】また、連結体21の図示右側口元の内周面にも、係合凹部21c〜21cが周方向に沿って一定の間隔をおいてかつ板厚方向に一定の深さで複数形成されている。一方、前記したようにアタッチメント40の連結円筒部41aの基部には複数の係合凸部41b〜41bが周方向に一定の間隔をおいて形成されている。この係合凸部41b〜41bが上記係合凹部21c〜21cに噛み合わされ、これにより連結体21に対する連結円筒部41aの回転方向の位置決めがなされる。また、係合凹部21c〜21cの奥側であって連結体21の右側口元の内周面には、アタッチメント40の連結円筒部41aを挿入するための連結部21dが形成されている。このように連結部21bに連結円筒部11aを挿入し、かつ係合凹部21a〜21aに係合凸部11b〜11bを噛み合わせた状態で、連結体21に工具本体10のケース11が連結され、また、連結部21dに連結円筒部41aを挿入し、かつ係合凹部21c〜21cに係合凸部41b〜41bを噛み合わせた状態で、連結体21にアタッチメント40のケース41が連結される。
【0016】次に、固定レバー装置22,22は、連結体21の前後2箇所に設けられている。両固定レバー装置22,22は同様に構成されているので、以下図4において右側(アタッチメント40側)の固定レバー装置22について説明する。図5〜図7に示すようにこの固定レバー装置22は、連結体21のスリットSの幅方向両端に対向して形成した支持縁21e,21fと、該両支持縁21e,21f間に架け渡した連結棒23と、この連結棒23の一端に回転可能に支持した固定レバー24を備えている。両支持縁21e,21fには挿通孔が相互に同軸に形成されており、この両挿通孔に連結棒23が挿通されて、両支持縁21e,21f間に連結棒23が架け渡されている。連結棒23の一端側(図5〜図7において左端側)であって図示左側の支持縁21eの外側(図示左側)に支軸24aを介して固定レバー24が上下に回転可能に支持されている。また、連結棒23の他端側(図5〜図7において右端側)であって図示右側の支持縁21fの外側にフランジ部23aが設けられている。本実施形態では、連結棒23のねじ部23bにねじ込んだナットをフランジ部23aとして機能させている。
【0017】固定レバー24の回動基部側の端面には、カム部24bが形成されている。このカム部24bは固定レバー24の回転中心(支軸24aの軸心)からの距離が変化している。このため、固定レバー24を上下に回転させると、図5〜図7において左側の支持縁21eに対するカム部24bの当接部が変位する。このため、支軸24aと支持縁21e間の距離が変化し、これにより支持縁21eと支持縁21fの間隔が変化し、ひいてはスリットSの幅が変化する。図5に示すように固定レバー24を上方へ回転操作して、連結体21の周面にほぼ沿った状態とすると、カム部24bの山(回転中心から最も離れた部位)が支持縁21eに当接され、これにより支持縁21eが図において最も右側に変位して支持縁21fに最も接近した状態となり、従ってスリットSの幅が最も小さい状態となる。スリットSの幅が小さくなると、当該連結体21の径が小さくなって締め付けられた状態となる。連結体21が締め付けられることにより、当該ケース連結装置20に工具本体10のケース11が連結され、またアタッチメント40のケース41が連結される。
【0018】これに対して図7に示すように、固定レバー24を下方へ回転操作して連結体21から立ち上がった状態とすると、カム部24bの最も低い部位(固定レバー24の回転中心に最も近い部位)が支持縁21eに向けられるため、支持縁21eは連結体21の弾性により支持縁21fから最も離れた状態となり、従ってスリットSの幅が最も大きい状態となる。スリットSの幅が大きくなると、当該連結体21の径が大きくなって緩められた状態(締め付けが解除された状態)となる。連結体21が緩められると、ケース連結装置20から工具本体10のケース11を離脱可能となり、またアタッチメント40のケース41を離脱可能となり、従って工具本体10からアタッチメント40を分離することができる。以下、固定レバー24の位置に関して、図5に示す位置をクランプ位置、図7に示す位置をアンクランプ位置といい、固定レバー24をクランプ位置に回転操作して連結体21を締め付けることをクランプするといい、固定レバー24をアンクランプ位置に回転操作して連結体21の締め付けを解除することをアンクランプするという。
【0019】次に、固定レバー24の長手方向中程には、係合ピン25が連結体21側に突き出して設けられている。これに対して、連結体21には、上記係合ピン25が挿通される逃がし孔26が形成されている。図5に示すように、固定レバー24をクランプ位置に回転操作して連結体21を締め付けると、係合ピン25の先端部が上記逃がし孔26を経て連結体21の内周側に突き出される。連結体21の内周側に突き出された先端部は、連結した工具本体10の連結円筒部11aに形成した係合溝11c内に入り込んで、連結体21に対する連結円筒部11aの抜け(機長方向の位置ズレ)が防止され、また、連結したアタッチメント40の連結円筒部41aに形成した係合溝41c内に入り込んで、連結体21に対する連結円筒部41aの抜け(機長方向の位置ズレ)が防止され、これにより連結体21に対する工具本体10とアタッチメント40がより一層強固に連結された状態となる。一方、図7に示すように固定レバー24をアンクランプ位置に回転操作して連結体21の締め付けを解除すると、係合ピン25は係合溝11c(41c)から外れ、さらに連結体21から抜き出される。この状態では、工具本体10の連結円筒部11aを連結部21bから抜き出し可能となり、またアタッチメント40の連結円筒部41aを連結部21dから抜き出し可能となり、従って工具本体10からアタッチメント40を分離可能となる。
【0020】以上のように構成した電動ドリル1によれば、電動モータを内装した工具本体10と、先端工具としてのドリルを装着するためのアタッチメント40がケース連結装置20と駆動力連結装置30により連結される。ケース連結装置20により工具本体10のケース11とアタッチメント40のケース41が連結され、駆動力連結装置30により工具本体10側の駆動力がアタッチメント40の出力軸47に伝達される。アタッチメント40を工具本体10に連結するには、先ず駆動力連結装置30を工具本体10の出力軸17に連結する。すなわち、出力軸17の心出し部17bを連結ブロック31の心出し孔31bに挿入し、また二面幅部17aを連結ブロック31の二面幅孔31cに挿入する。これにより駆動力連結装置30が出力軸17に回転について一体に連結される。次に、ケース連結装置20を工具本体10のケース11の連結円筒部11aに連結する。すなわち、連結体21の一端側(図4において左端側)に連結円筒部11aを挿入する。連結円筒部11aは、連結体21の連結部21bにガタツキなく挿入される。また、これとともに、係合凹部21a〜21aに連結円筒部11aの係合凸部11b〜11bを噛み合わせる。これにより連結体21が工具本体10に対して回転方向に位置決めされる。以上により、内周側に駆動力連結装置30を位置させた状態で連結体21の工具本体10への装着が完了する。
【0021】次に、アタッチメント40の入力軸42を駆動力連結装置30に連結しつつ、ケース41の連結円筒部41aを連結体21の他端側(図4において右端側)に挿入する。入力軸42の心出し部42bは連結ブロック32の心出し孔32bに挿入され、二面幅部42aは連結ブロック32の二面幅孔32cに挿入され、これにより入力軸42が駆動力連結装置30を介して工具本体10の出力軸17に直結された状態となる。また、ケース41の連結円筒部41aを連結体21の連結部21dにガタツキなく挿入し、かつ係合凸部41b〜41bを連結体21の係合凹部21c〜21cに噛み合わせることにより、該アタッチメント40が連結体21ひいては工具本体10に対して回転方向に位置決めされる。なお、以上説明したケース連結装置20の工具本体10への装着操作およびケース連結装置20へのアタッチメント40の装着操作は、固定レバー装置22,22による連結体21の締め付けを解除した状態(図7に示す状態)で行われる。
【0022】次に、上記のようにしてケース連結装置20と駆動力連結装置30を装着した後、固定レバー装置22,22の各固定レバー24をクランプ方向に回転操作する。すなわち、固定レバー24,24を図7に示すアンクランプ位置から図示時計回り方向に回転操作する。固定レバー24,24は、図6に示す途中の位置を経て図5に示すクランプ位置まで回転操作される。固定レバー24,24をクランプ位置に位置させると、それぞれのカム部24bの山の部分が支持縁21eの外側面に突き当てられるため、支持縁21eが支持縁21fに最も接近し、従ってスリットSの幅が最も小さくなって連結体21が締め付けられる。連結体21が締め付けられると、その内周側に挿入したケース11の連結円筒部11aおよびケース41の連結円筒部41aが該連結体21に挟み込まれ、これにより工具本体10のケース11とアタッチメント40のケース41が該連結体21を介して強固に連結された状態となる。しかも、固定レバー24,24をクランプ位置に位置させると、それぞれの係合ピン25が逃がし孔26を経て連結体21の内周側に突き出され、突き出された部分がケース11の係合溝11cおよびケース41の係合溝41cに入り込み、これにより工具本体10のケース11とアタッチメント40のケース41が連結体21に対して機長方向移動不能にロックされ、ひいては工具本体10とアタッチメント40がより一層強固に連結される。
【0023】逆に、アタッチメント40を工具本体10から取り外すには、固定レバー24,24を図5に示すクランプ位置から図7に示すアンクランプ位置まで回転操作する。固定レバー24,24がアンクランプ位置に戻されると、カム部24bの山の部分が支持縁21eに当接する位置から外れるため、該支持縁21eが連結体21の弾性により支持縁21fから離れる方向に戻され、従ってスリットSの幅が大きくなって連結体21の締め付けが解除される。また、係合ピン25,25がケース11の係合溝11c、ケース41の係合溝41cから外れて、連結体21の内周側から抜き出されるため、連結体21に対して工具本体10およびアタッチメント40が機長方向に抜け出し可能な状態となる。工具本体10からアングル形式のアタッチメント40を取り外すことにより、予め用意された別形態(例えばストレート形式)のアタッチメントを装着することにより、当該電動ドリル1をストレート形式の電動ドリルとして使用することができる。この別形態のアタッチメントを工具本体10に装着するには、例示したケース連結装置20および駆動力連結装置30を用いて同様の手順により行うことができる。
【0024】以上説明したように、本実施形態の電動ドリル1によれば、固定レバー24,24をクランプ位置に回転操作するのみで工具本体10にアタッチメント40を連結することができ、逆に固定レバー24,24をアンクランプ位置に回転操作するのみで工具本体10からアタッチメント40を取り外すことができるので、従来のようにスパナ等の工具を用いることなく、アタッチメント40の脱着を行うことができ、この点で電動ドリル1の使い勝手を向上させることができる。また、固定レバー24,24をクランプ位置に回転操作することにより連結体21を締め付ける構成であるので、常時一定の締め付け力により工具本体10およびアタッチメント40を連結することができる。この点、従来のように連結体を固定ボルトの締め込みにより締め付ける構成である場合には、使用者によって固定ボルトの締め込み力にばらつきが発生するため、連結体の締め付け力ひいては工具本体およびアタッチメントの連結力が一定しない問題があるが、例示したケース連結装置20の固定レバー装置22によればこのような問題は発生しない。
【0025】さらに、係合凸部11b〜11bと係合凹部21a〜21aの噛み合い、および係合凸部41b〜41bと係合凹部21c〜21cの噛み合いにより、連結体21に対する工具本体10およびアタッチメント40の回り止め(回転方向の位置決め)がなされる構成であるので、アングル形式のアタッチメント40の場合は、その入力軸42回りの位置を任意に変更して工具本体10に連結することができ、この点でも使い勝手の向上が図られている。また、固定レバー装置22,22が連結体21の前後2箇所であって、工具本体10の軸受け16の近傍、およびアタッチメント40の軸受け43の近傍に設定されているため、該固定レバー装置22,22による締め付け力が軸受け16,43により受けられる。このことから、連結円筒部11a,41aの変形を最小限に抑制することができ、これにより各部の作動不良を未然に防ぐ構成となっている。
【0026】以上説明した実施形態には、種々変更を加えることができる。例えば、固定レバー24,24に係合ピン25,25を取り付ける構成を例示したが、連結体21の締め付け力のみで工具本体10およびアタッチメント40が強固に連結されるのであれば、この係合ピン25,25を省略してもよい。また、固定レバー24,24にカム部24b,24bを設け、このカム部24b,24bの山の部分を支持縁21eに突き当てることによりスリットSの幅を小さくして連結体21を締め付ける構成を例示したが、カム部24b,24bに代えて例えば固定レバー24と支持縁21fとの間にリンクアームを介装して、固定レバー24のクランプ方向への回転操作に連動してスリットSの幅を小さくする構成としてもよい。さらに、アタッチメント式の電動工具として電動ドリルを例示したが、例えば電動式スクリュードライバ、電動グラインダ、インパクトレンチ、電動ポリッシャ等その他のアタッチメント式電動工具にも広く適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【代理人】 【識別番号】100064344
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外3名)
【公開番号】 特開2002−120169(P2002−120169A)
【公開日】 平成14年4月23日(2002.4.23)
【出願番号】 特願2000−314004(P2000−314004)