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【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】山崎 進

【氏名】小松 茂三郎

【氏名】駒崎 義一

【氏名】池田 知也

【要約】 【課題】羽根車からの空気流により発生する騒音を低減させた電動工具を提供する。

【解決手段】グラインダ等の電動工具は、ケーシングの内部にモータと該モータの回転軸に取り付けられた羽根車が設けられ、モータの回転軸には工具本体が連結されて、モータで工具本体を駆動する一方、モータで羽根車を回転させることにより、モータの周囲に高速な空気流を生じさせて該モータを冷却するようになっている。このような電動工具において、ファン吐出側の流路を拡大流路14に成形する。4個のスクロール出口とギヤカバー5b内に設けられた上下2個の吐出口24を各々2個のスクロール出口と1個の吐出口間24をガイド板11で連通し、ギヤカバー5b内吐出口の端部に空気吐出用ガイド板12を付設し、ギヤカバー5bの先端部に空気吐出口13を設けている。そして、羽根車4からの高速な空気流をスクロール21、スクロール21aで減速させてから、外部へ排出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケーシングの内部に、モータと該モータの回転軸に取り付けられた羽根車が設けられ、前記モータの回転軸には工具本体が連結されて、前記モータで前記工具本体を駆動させる一方、前記モータで前記羽根車を回転させることにより、前記モータの周囲に高速な空気流を生じさせて該モータを冷却する構成の電動工具において、ファン吐出側の流路を拡大流路に成形したことを特徴とする電動工具。
【請求項2】 請求項1記載の電動工具において、ファンケーシング内の複数のスクロール出口とギヤカバー内の1個の吐出口間をガイド板で連通させたことを特徴とする電動工具。
【請求項3】 請求項2記載の電動工具において、ギヤカバー内吐出口の端部に空気吐出用ガイド板を付設したことを特徴とする電動工具。
【請求項4】 請求項3記載の電動工具において、ギヤカバーの先端部に空気吐出口を設けたことを特徴とする電動工具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラインダ等の電動工具に係り、特にモータの回転軸に羽根車が取り付けられ、該羽根車が回転することによってモータを冷却することのできる電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にグラインダ等の電動工具には、モータと、該モータの回転軸に連結された工具とが設けられ、モータで工具を回転駆動して工作物を加工する。また、モータの回転軸には羽根車が取り付けられており、工具を回転駆動すると同時にモータで羽根車も回転させ、これによってモータの周囲に空気の流れを生じさせてモータを冷却するようになっている。モータや羽根車は箱形形状のケーシングに収納されているが、ファン吐出側には空間が有るだけであり、またファンケーシング内のスクロール出口数はギヤカバーの強度面、およびギヤカバー両側にサイドハンドルが付設されているため上下2個しか採ることが出来ないだけでなく、マルチスクロールの各出口と、ギヤカバー内の吐出口との通風の対応があいまいであった。さらにマルチスクロール出口からの空気は、ギヤカバー内で円周方向に循環しながら、一部の風量は吐出口より流出したり、吐出口から流出できなかった他の風量はさらに下流の円周方向を流れ、次の吐出口より流出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の技術では、羽根車で加速された空気がケーシングから外部へ流出する際に、大きな騒音を発生し、電動工具を操作する人およびその周囲の人に不快感を与えるという問題がある。すなわち、従来の電動工具では。ケーシングに複数の孔が形成され、羽根車からの高速な空気流が前記孔を介して外部へ排出されるようになっており、空気が孔を通る際に、ジェット音のような大きな騒音を発生する。
【0004】本発明の目的は、羽根車からの空気流により発生する騒音を低減させた電動工具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、ケーシングの内部に、モータと該モータの回転軸に取り付けられた羽根車が設けられ、前記モータの回転軸には工具本体が連結されて、前記モータで前記工具本体を駆動させる一方、前記モータで前記羽根車を回転させることにより、前記モータの周囲に高速な空気流を生じさせて該モータを冷却する構成の電動工具において、ファン吐出側の流路を拡大流路に成形し、ファンケーシング内の本発明においては4個の場合のスクロール出口とギヤカバー内の上下2個の吐出口間を各々2個のスクロール出口と1個の吐出口ごとにガイド板で連通させ、さらにギヤカバー内吐出口の端部に空気吐出用ガイド板を付設する一方、ギヤカバーの先端部に空気吐出口を設けて空気を流出することを特徴としている。
【0006】上記構成によれば、拡大流路によって流れの静圧が向上して風量が増加し、マルチスクロールの各出口と、ギヤカバー内の吐出口が流れに対応しているため、各吐出口からの流出風量が均一化されて風速が小さくなるので、吐出に伴う通風抵抗が小さくなり、ギヤカバー内での通風抵抗が小さくなるので、流体騒音の発生量が小さくなる。また吐出口から流出できずに次の吐出口まで円周方向へ循環する無駄な流れがなくなり、ファンの負荷が小さくなり、ファン騒音が小さくなる。さらに、マルチスクロール出口からの空気を近接したギヤカバー内吐出口から直接流出させずに。ギヤカバー内で空気を円周方向に半周させてから、ギヤカバーの先端部に設けた先端部空気吐出口から空気を流出すると、ギヤカバー先端部(金属板)の遮音効果により騒音を低減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る電動工具としてのグラインダの概略構成図である。図1において、グラインダ1は、モータ2と、モータ2の回転軸3に取り付けられた羽根車4を有し、これらモータ2と羽根車4はモータカバー5a、ギヤカバー5b内に収納されている。モータ2の回転軸3の先端部には傘歯車6が取り付けられ、この傘歯車6は砥石9の回転軸8に取り付けられた傘歯車7と噛み合っている。また、ギヤカバー5bには、羽根車4からの空気流を排出するため孔10が形成され、ギヤカバー5bの両側にはサイドハンドル15が付設されている。
【0008】本実施の形態では、マルチスクロール21の各出口と、ギヤカバー5b内の吐出口24を対応させるため、ガイド板11で連通し、ギヤカバー内吐出口の端部に空気吐出用ガイド板12を付設している。ガイド板11、空気吐出用ガイド板12の詳細について図2〜図8を用いて説明する。図2は図1のA−A線に沿って見た図であり、羽根車が取り除かれたスクロール21と仕切り壁22とを示した斜視図である。図3もA−A線に沿った矢視図で、スクロール21と羽根車4、羽根車4からの空気の流れが示されている。また図4もA−A線に沿った矢視図で、スクロール21、羽根車4、および吐出側から見た場合のガイド板11、空気吐出用ガイド板12、吐出口24を破線で示している。図5は図1のB−B線に沿った斜視図で、ガイド板11、空気吐出用ガイド板12、および空気の流れを示している。図6は本発明に係るグラインダのサイドハンドル15を付設して場合の斜視図である。図7は図1のC−C線に沿った矢視図で、ガイド板11、空気吐出用ガイド板12、吐出口24、および吐出側での空気の流れを示している。図8は、図1のD線に沿った斜視図で、吐出口24を示している。
【0009】図2、図3および図4に示すように、羽根車4側の面に羽根車4の外周に対向させてスクロール21が4個形成されている。スクロール21は、羽根車4からの高速な空気流aに沿って流路が約3度の割合で徐々に拡大される拡大流路14で形成されている。また隣り合ったスクロール21を仕切るために、仕切り壁22が設けられている。また、図において、4aは羽根車4の羽根を、bは羽根車4の回転方向をそれぞれ示している。
【0010】またスクロールは、図5および図7に示すように、羽根車4の反対側(吐出側)の面に、スクロール21に連通したスクロール21aが4個設けられ、さらにスクロール21aに連通した吐出流路23が設けられている。吐出流路23の相対する2箇所の先端(ギヤカバー5bの上下)には吐出口24が2個形成されている。スクロール21aの出口数に対して、吐出口24がギヤカバー5bの上下2箇所しか採れないのは、ギヤカバー5bの両側に電動工具を使用する際に必要なサイドハンドル15が付設されているためである。スクロール21、22aからの空気流が吐出口24へ吐出して行く際に、吐出口から流出できず次の吐出口まで円周方向に循環するような無駄な流れが起きないようスクロール出口と吐出側の1個の吐出口24間をガイド板11で連通し、吐出口24の端部に空気吐出用ガイド板12を付設している。さらに、ギヤカバー5bの先端部に吐出口13を設けている。
【0011】上記構成の電動工具において、モータ2を回転させると、回転軸3、傘歯車6、7、回転軸8を介して砥石9が回転駆動される。また、同時に羽根車4が回転駆動され、外部空気が図1のc、dのようにモータカバー5a内を流入し、eに示すようにモーターカバー5a内を流れることにより、モータ2が冷却される。モータ2を冷却した空気は、fのように羽根車4を通り、gのようにスクロール21、拡大流路14、スクロール21および吐出流路23を流れ、ギヤカバー5b内を通り、ギヤカバー5bの先端部に設けた空気の吐出口13から外部へ排出される。
【0012】羽根車4からスクロール21に流入する空気流は80m/sと高速であるが、スクロール21の流路が空気の流れaに沿って徐々に大きくなる拡大流路14としているため、流入した空気流はスクロール21を通過する際に減速される。スクロール21aは仕切り壁22によって羽根車4から隔てられているが、流路としてはスクロール21の延長であるため、空気流はスクロール21aを通過する際に更に減速される。また4個のスクロール出口と吐出側の上下2個の吐出口24間を各々2個のスクロール出口と1個の吐出口24間をガイド板11で連通し、吐出口24の端部に空気吐出用ガイド板12を付設して空気の流れを吐出口に対応させているため、各吐出口からの流出風量が均一化されて風速が小さくなるので、吐出に伴う通風抵抗が小さくなったり、ギヤカバー5b内での通風抵抗が小さくなり、流体騒音の発生量が小さくなる。さらに吐出口から流出できず次の吐出口まで円周方向に循環するといった無駄な流れがなくなり、ファンの負荷が小さくなってファンの騒音が小さくなる。本実施の形態によって、騒音は従来に比べ約4dB低減する。空気流の速度エネルギは、スクロール21、21aにおいて静圧エネルギに変換され、スクロール21aの出口では、空気流は約25m/sと低速になる。さらに、低速になった空気流は吐出流路23を通過する際に整流され、吐出口24を介して、近隣のギヤカバー内吐出口より直接流出させずにギヤカバー5b内で円周方向に半周した後、ギヤカバー内吐出口から流出させ、ギヤカバー5bの先端部に設けた吐出口13から外部へ排出される。
【0013】本実施の形態によって、羽根車4から80m/sの高速で流出した空気流は、スクロール21、スクロール21aで徐々に減速されて約25/sの低速となり、羽根車4の出口での流速に比べ約1/3に低減されるので、騒音を小さくでき、ギヤカバー5b(金属板)の遮音効果により、空気が円周方向に半周しない場合に比べ騒音が3dB低減し、ギヤカバー5bの先端部に設けた空気の吐出口から流出させることにより、ギヤカバー5bの先端部(金属板)の遮音効果によって騒音が3dB低減する。
【0014】また、全体としてスクロール21の入口からスクロール21aの出口に至る間に、空気流が減速する度、空気流の静圧が上昇するので、ターボファンの静圧が上昇し、その結果、ターボファンと電動工具通風系との交差点(作動点)が大風量域に移行して、モータ冷却風量も増大し、電動工具のモータの信頼性が大幅に向上する。
【0015】なお、上記実施の形態ではグラインダについて説明したが、本発明はグラインダに限らず、電動鋸などにも適用できる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ファン吐出側の流路を拡大流路に成形したため、流れの静圧が向上し風量が増加する。またスクロール出口とギヤカバー内の吐出口とを対応させることにより、各吐出口からの流出風量が均一化されて風速が小さくなるので、吐出に伴う通風抵抗が小さく、ギヤカバー5b(金属板)の遮音効果により、ギヤカバー内での通風抵抗が小さくなるので、流体騒音の発生量が小さくなり、無駄な空気の流れがなく、ファンの負荷が小さくなるのでファン騒音が小さくなる。さらにスクロール出口からの空気流をギヤカバー先端部から流出させることにより、ギヤカバー先端部(金属板)の遮音効果により騒音を低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−103251(P2002−103251A)
【公開日】 平成14年4月9日(2002.4.9)
【出願番号】 特願2000−299025(P2000−299025)