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【発明の名称】 空気動工具
【発明者】 【氏名】岡田 弘志

【氏名】青木 務

【氏名】梅村 康夫

【要約】 【課題】給気バルブの開閉操作用の操作レバーをロックおよびロック解除する安全レバーをスムーズに揺動させることができるようにした空気動工具を提供することである。

【解決手段】工具ハウジング1の握り部2に給気バルブ4を開閉する操作レバー7を揺動自在に取付ける。操作レバー7の先端部に揺動自在に取付けられ、先端が握り部2に対向する起立状態で操作レバー7をロックする安全レバー9の先端を握り部2に嵌合したグリップカバー3の窓11から握り部2の外周に金属接触させるようにして、安全レバー9がスムーズに揺動し得るようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属製の工具ハウジングに形成された握り部に防振性を有する筒状のグリップカバーを嵌合し、前記握り部には、その内部に組込まれた給気バルブを開閉操作する操作レバーを揺動自在に取付け、その操作レバーの先端部に安全レバーを、操作レバーの長さ方向に交差する起立位置と操作レバーの先端部内面に重なる伏倒位置との間で揺動自在に支持し、その安全レバーにスプリングの弾性を付与して安全レバーに起立方向への回転力を付勢し、前記安全レバーの起立状態で操作レバーを開放位置にロックするようにした空気動工具において、前記グリップカバーの安全レバーの先端と対応する位置に窓を形成して、安全レバーの先端を握り部の表面に金属接触させるようにしたことを特徴とする空気動工具。
【請求項2】 金属製の工具ハウジングに形成された握り部に防振性を有する筒状のグリップカバーを嵌合し、前記握り部には、その内部に組込まれた給気バルブを開閉操作する操作レバーを揺動自在に取付け、その操作レバーの先端部に安全レバーを、操作レバーの長さ方向に交差する起立位置と操作レバーの先端部内面に重なる伏倒位置との間で揺動自在に支持し、その安全レバーにスプリングの弾性を付与して安全レバーに起立方向への回転力を付勢し、前記安全レバーの起立状態で操作レバーを開放位置にロックするようにした空気動工具において、前記操作レバーの揺動中心側の端部に前記握り部の外周面に対して当接・離反可能とされ、当接状態において、起立状態とされた安全レバーの先端とグリップカバーの外周面間に安全レバーをグリップカバーの外周面に対して非接触の状態で揺動可能とする隙間が確保されるストッパを設け、そのストッパが握り部の外周面に当接する方向に操作レバーを付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする空気動工具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧縮空気を駆動源として作動する空気動工具、詳しくは握り部に支持された揺動自在の操作レバーを握る操作により給気バルブを開放させて作動状態とするハンドタイプの空気動工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハンドタイプの空気動工具として、エアソー、グラインダ、インパクトレンチ等が知られている。これらの空気動工具は、エアシリンダあるいはエアモータを内蔵する工具ハウジングに握り部を一体に設け、その握り部に給気バルブの開閉操作を行なう操作バルブを揺動自在に取付け、その操作バルブの揺動操作により給気バルブを開放させて、エアシリンダあるいはエアモータを作動させるようにしている。
【0003】上記のような空気動工具は、操作レバーが誤って操作されると、メタルソーや砥石等のツールが作動状態になるため、怪我をする危険がある。
【0004】その安全対策として、実開昭59−109478号公報、あるいは特公昭61−16590号公報等に記載されているように、操作レバーの先端部に安全レバーを、その長さ方向が操作レバーの長さ方向と交差する起立位置と、操作レバーの先端部内面に重なる伏倒状態との間で揺動自在に支持し、起立状態に保持される安全レバーによって操作レバーを開放位置にロックし、安全レバーを伏倒させることによって操作レバーを閉じる方向へ揺動し得るようにしている。
【0005】また、空気動工具においては、その作動状態で高周波振動し、その振動が手に伝わると、白ろう病等の障害をひきおこす危険があるため、普通、握り部にゴム等の弾性体によって形成された防振性を有するグリップカバーを被せて振動を吸収するようにしている。このリップカバーは、障害対策の他、滑り止めや熱伝達を防止する機能を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来から知られているハンドタイプの空気動工具においては、安全レバーを起伏させる揺動時に、その安全レバーの先端を握り部に嵌合したグリップカバーの摩擦抵抗の大きい表面に沿って摺動させるようにしているため、安全レバーをスムーズに揺動させることができず、また、その安全レバーの揺動時にグリップカバーが接触摩耗し易いという不都合があった。
【0007】この発明の課題は、安全レバーをスムーズに揺動させることができるようにした操作性に優れたハンドタイプの空気動工具を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、第1の発明においては、金属製の工具ハウジングに形成された握り部に防振性を有する筒状のグリップカバーを嵌合し、前記握り部には、その内部に組込まれた給気バルブを開閉操作する操作レバーを揺動自在に取付け、その操作レバーの先端部に安全レバーを、操作レバーの長さ方向に交差する起立位置と操作レバーの先端部内面に重なる伏倒位置との間で揺動自在に支持し、その安全レバーにスプリングの弾性を付与して安全レバーに起立方向への回転力を付勢し、前記安全レバーの起立状態で操作レバーを開放位置にロックするようにした空気動工具において、前記グリップカバーの安全レバーの先端と対応する位置に窓を形成して、安全レバーの先端を握り部の表面に金属接触させるようにした構成を採用している。
【0009】ここで、グリップカバーに形成する窓は抜き孔から成るものであってもよく、グリップカバーの一端から軸方向に延びる切欠部から成るものであってもよい。窓を抜き孔によって形成する場合、その窓の軸方向長さは、安全レバーを起立位置から伏倒位置まで揺動させた場合でも、安全レバーの先端がグリップカバーに接触することがない長さとしておく。
【0010】上記のように、グリップカバーに窓を形成して、その窓から安全レバーの先端を握り部の表面に金属接触させることにより、安全レバーの先端と握り部の表面の接触部の摩擦抵抗はきわめて小さくなるため、安全レバーをきわめてスムーズに摺動させることができ、操作性の向上を図ることができる。
【0011】また、上記の課題を解決するため、第2の発明においては、金属製の工具ハウジングに形成された握り部に防振性を有する筒状のグリップカバーを嵌合し、前記握り部には、その内部に組込まれた給気バルブを開閉操作する操作レバーを揺動自在に取付け、その操作レバーの先端部に安全レバーを、操作レバーの長さ方向に交差する起立位置と操作レバーの先端部内面に重なる伏倒位置との間で揺動自在に支持し、その安全レバーにスプリングの弾性を付与して安全レバーに起立方向への回転力を付勢し、前記安全レバーの起立状態で操作レバーを開放位置にロックするようにした空気動工具において、前記操作レバーの揺動中心側の端部に前記握り部の外周面に対して当接・離反可能とされ、当接状態において、起立状態とされた安全レバーの先端とグリップカバーの外周面間に安全レバーをグリップカバーの外周面に対して非接触の状態で揺動可能とする隙間が確保されるストッパを設け、そのストッパが握り部の外周面に当接する方向に操作レバーを付勢する弾性部材を設けた構成を採用している。
【0012】ここで、弾性部材として、コイルスプリング、リーフスプリング、トーションスプリング等を採用することができる。その弾性部材で操作レバーを押圧してストッパを握り部の外周面に当接させることにより、安全レバーの先端とグリップカバーの外周面間に安全レバーをグリップカバーの外周面に対して非接触の状態で揺動可能とする隙間が確保されるため、安全レバーをロック解除位置に向けてきわめてスムーズに揺動させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2はこの発明に係る空気動工具の第1の実施形態を示す。図1は、空気動工具として、鋸刃Aを長さ方向に往復動させるようにしたエアソーを示している。
【0014】上記エアソーは、アルミ合金等の金属から成る工具ハウジング1を有し、その工具ハウジング1に握り部2が一体に設けられている。握り部2にはグリップカバー3が嵌合されている。このグリップカバー3はゴム等の弾性体から形成されて防振性を有している。
【0015】また、握り部2の内部に給気バルブ4が組込まれ、その給気バルブ4に設けられたバルブロッド4aの先端部は、握り部2に形成された透孔2aおよびグリップカバー3に設けられた切欠部3aを挿通して外部に臨んでいる。
【0016】ここで、給気バルブ4はバルブロッド4aを軸方向に押し込むことにより開放状態とされる。その開放状態で圧縮空気が給気通路に流れて工具ハウジング1内に組込まれたエアシリンダが作動し、鋸刃Aが長さ方向に往復するようになっている。
【0017】なお、バルブロッド4aは図示省略したスプリングによって外方向への突出性が付与され、バルブロッド4aの押し込み時にスプリングが弾性変形し、その復元弾性によってバルブロッド4aを閉鎖位置に戻すようになっている。
【0018】握り部2の後端部には支持片5が設けられ、その支持片5に支持されたピン6を中心として操作レバー7が揺動自在に支持されている。
【0019】操作レバー7は給気バルブ4のバルブロッド4aを押し込み可能な位置に配置され、その操作レバー7を握ることによりバルブロッド4aが押されて給気バルブ4が開放するようになっている。
【0020】操作バルブ7の先端部にはピン8が支持され、そのピン8に安全レバー9の長さ方向中央部が回動自在に支持されている。
【0021】安全レバー9は金属製とされ、その後端部の折曲げによってストッパ片9aが形成されている。また、安全レバー9の先端部には円弧面9bが設けられている。
【0022】上記安全レバー9はピン8に支持されたキックばね10によってストッパ片9aの先端が操作レバー7の先端部表面に当接する方向に付勢されている。ここで、安全レバー9は、ストッパ片9aの先端が操作レバー7の先端部表面に当接する起立位置がロック位置とされ、そのロック位置において安全レバー9の先端の円弧面9bがグリップカバー3に形成された窓11内に位置して握り部2の表面に金属接触し、又は近接して操作レバー7がグリップカバー3の表面に重なる方向に揺動するのを防止するようになっている。
【0023】このように、操作レバー7は安全レバー9がロック位置に保持されていると、揺動操作させることができず、誤って操作されるのを防止することができる。
【0024】ここで、給気バルブ4の開放に際しては、操作レバー7をグリップカバー3と共に握る状態において、安全レバー9の先端部に指を係合して引き、あるいは安全レバー9の後端部を指先で押圧して安全レバー9を操作レバー7の先端部内面に重なる方向に揺動させる。
【0025】このとき、安全レバー9の先端の円弧面9bは握り部2の表面に接触する状態で移動し、その安全レバー9が握り部2の表面に対する垂直面を超えた位置まで揺動すると、操作レバー7を握る力によって安全レバー9が操作レバー7の先端部内面に重なる位置に向けて揺動すると共に、操作レバー7もピン6を中心にしてグリップカバー3の表面に重なる位置に向けて揺動する。その操作レバー7の揺動によって給気バルブ4のバルブロッド4aが軸方向に押され、給気バルブ4が開放状態とされる。
【0026】上記のような給気バルブ4の開放操作時、安全レバー9は先端の円弧面9bが握り部2の表面を摺動する。このとき、安全レバー9の先端の円弧面9bと握り部2とは金属接触であるため、摺動部の摩擦抵抗はきわめて小さく、安全レバー9を操作レバー7の先端部内面に重なるロック解除位置に向けてきわめてスムーズに揺動させることができる。
【0027】図2は、安全レバー9をロック解除位置まで揺動させた状態を示し、給気バルブ4のバルブロッド4aは完全に押し込まれている。
【0028】図3は、この発明に係る空気動工具の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態で示す空気動工具と第1の実施形態で示す空気動工具とは、操作レバー7部の構成およびグリップカバー3の構成のみが相違する。このため、第1の実施形態と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】図3に示すように、操作レバー7の揺動中心側の端部には握り部2の外周面に対して当接・離反可能なストッパ12が形成され、そのストッパ12が握り部2の外周面に当接する状態において、安全レバー9の先端の円弧面9bとグリップカバー3の外周面間に隙間δが設けられている。隙間δの大きさは、安全レバー9の先端の円弧面9bをグリップカバー3の外周面に対して非接触の状態で揺動可能とする大きさに設定されていると共に、上記隙間δが無くなるまで操作レバー7を握ったとしても、給気バルブ4のバルブロッド4aが押し込まれることのない大きさとされている。
【0030】バルブロッド4aの外側にはコイルスプリングから成る弾性部材13が設けられ、その弾性部材13はストッパ片12が握り部2の外周面に当接する方向に操作レバー7を押圧している。なお、弾性部材13はコイルスプリングに限定されず、リーフスプリングやトーションスプリングであってもよい。
【0031】上記のように、操作レバー7を弾性部材13で押圧して、ロック位置に保持された安全レバー9の先端の円弧面9bと握り部2の外周面間に、安全レバー9を先端の円弧面9bがグリップカバー3の外周面と非接触の状態で揺動可能とする隙間δを形成することにより、ロック位置の安全レバー9をロック解除位置に向けてスムーズに揺動させることができ、グリップカバー3が安全レバー9との接触によって摩耗するのを防止することができる。
【0032】実施の形態では、操作レバー7の先端部に揺動自在に支持された安全レバー9を指先で引き、あるいは押圧することによって揺動させるようにしたが、実開昭59−109478号公報に記載されているように、操作レバーの先端部表面に操作ボタンをスライド自在に取付け、その操作ボタンのスライドによって安全レバーをロック解除位置に向けて揺動させるようにしてもよい。
【0033】また、実施の形態では、空気動工具としてエアソーを例にとって説明したが、空気動工具はこれに限定されず、例えば、工具ハウジング内にエアモータを組込み、そのエアモータの回転によって砥石を回転させるようにしたグライダであってもよい。また、上記エアモータによってドライバビットやソケットを回転させるようにしたインパクトレンチであってもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように、第1の発明においては、グリップカバーに窓を形成して安全レバーの先端を握り部の表面に金属接触させるようにしたので、安全レバーをきわめてスムーズに開閉させることができ、空気動工具の操作性の向上を図ることができる。
【0035】また、第2の発明においては、弾性部材で操作レバーを押圧し、安全レバーの先端とグリップカバーの外周面間に安全レバーをグリップカバーに対して非接触の状態で揺動可能とする隙間を形成したことにより、安全レバーをロック解除位置に向けてスムーズに揺動させることができる。
【出願人】 【識別番号】000229450
【氏名又は名称】日本ニューマチック工業株式会社
【出願日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開2002−103249(P2002−103249A)
【公開日】 平成14年4月9日(2002.4.9)
【出願番号】 特願2000−288100(P2000−288100)