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【発明の名称】 全ネジ用ケミカルチャック治具
【発明者】 【氏名】平田 誠之

【要約】 【課題】種々の工具を使用してナット締めする必要がなくワンタッチでチャックをすることができ簡単な構造でしかも簡便な操作で作動するアンカー施工具。

【解決手段】アンカー施工具26の芯部にアンカー部材25の挿入孔30と該アンカー部材を螺着する爪部材31と外周面にネジ部を有するスペンサー37とを形成してなるスピンドル27と、芯部にアンカー部材25の挿入孔30とアンカー部材を挿入しかつスピンドルに螺着する全ネジ用チャック21とから構成される全ネジ用チャック式アンカー施工具において、爪部材によらずローレット加工部23の回動により停止材を停止させることを特徴とする全ネジ用ケミカルチャック治具の提供。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アンカー施工具の芯部にアンカー部材の挿入孔と該アンカー部材を螺着する爪部材と外周面にネジ部を有するスペンサーとを形成してなるスピンドルと、前記芯部にアンカー部材の挿入孔と該アンカー部材を挿入しかつ前記スピンドルに螺着する全ネジ用チャックとから構成される全ネジ用チャック式アンカー施工具において、前記爪部材によらずローレット加工部の回動により停止材を停止させることを特徴とする全ネジ用ケミカルチャック治具。
【請求項2】 前項の全ネジ用ケミカルチャック治具において、回動軸の作動によりカム加工部を回動し、該回動により停止材を押圧移動して停止させる請求項1記載の全ネジ用ケミカルチャック治具。
【請求項3】 前項の全ネジ用ケミカルチャック治具において、全ネジボルトをローレット加工部のチャックに直接差込みかつチャックの外筒部を反時計方向に45°回動してボルト締めする請求項1及び2記載の全ネジ用ケミカルチャック治具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンクリート打設後に所定位置に穿設してアンカーを定着させる「あと施工アンカー工法」に関するが、詳しくはこのあと施工法に使用されるアンカー施工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物に各種の器材を取り付けるのに従来より種々の方法があるが、その中で最近強度を必要とする構造物や振動又は大きな荷重のかかる用途にも「あと施工アンカー工法」が盛んに用いられている。この「あと施工アンカー工法」に使用されるアンカー施工具としては、例えば本願出願人が開発し特許出願(特開平7−113230号)され、すでに開示されているものがある。この従来のアンカー施工具は、アンカー打込機にアンカー部材を座金を挟んだダブルナットを付けずに連結するようにするように構成されている。すなわち、一端にアンカー打込機の連結端を他端に不動チャック部を有する施工具本体と、この外周面に不動チャック部を内在させ回動自在に摺動すると共に内側に突起を有する外環と、施工具本体の他端面に回動自在に取付け不動チャック部と協同してアンカー部材を挟むチャックを構成し、かつその一部内面にネジを刻設して外環の突起により回動する可動チャック部とからなり、可動チャック部を回動させることでアンカー部材を着脱するように構成されている。その具体的な構成は、図8及び図9に示すとおりである。ここに示されているアンカー施工具50は、一端にアンカー打込機の六角レンチボックス59に差込む連結端を有し他端に不動チャック51を有するアンカー施工具50と、該アンカー施工具50の外周面に不動チャック51を内在させて回動自在に摺動すると共に内側に突起を有した外環57と、アンカー施工具50の他端部53に回動自在に取付け不動チャック51と共にアンカー部材58を挟むチャックを構成し、かつその内面にネジ54を刻設して外環57の突起により回動する可動チャック部52とからなる。
【0003】この従来のアンカー施工具に改良を加えて本願出願人が出願してすでに公開(特開平11−300648号)されている。この改良のアンカー施工具は、図10乃至図12に示すようにスピンドル28と全ネジチャック21とから構成されている。スピンドル28の芯部にはアンカー部材25を挿入する挿入孔30と、この挿入されたアンカー部材25が爪部材31のネジ32を介して螺着されるように構成されている。この爪部材31は、スピンドル27周面の上下かつ対象となるように2個の脱着穴29を形成し、この脱着穴29を介して爪部材31が挿着自在になるように装設されている。一方、スピンドル28の方には表面に螺合部が形成されているスペンサー37が付設されている。このスペンサー37は、スピンドル28の表面を左右に習動されるように構成されている。更にスピンドル27には、スプリング34を介してセンターピン33が内設されている。すなわち、図11に図示されているようにワッシャー35、36間にスプリング34が内設されており、そのワッシャー35、36の中央部にセンターピン33がスピンドル27の内側面に螺着されている。このセンターピン33は左右の移動可能であるから、スプリング34を介して常に押圧された状態でアンカー部材25を挿着させることができる。つまり、アンカー部材25である全ネジボルトのアンカー部材25をセンターピン33のチャック(爪)でもって、咬えると全ネジボルトのアンカー部材25はスプリング33でもって右側に押圧されることになる。なお、37は全ネジ用チャック21を螺着するあためのスペーサーである。また、本発明の特徴である全ネジ用チャック21の芯部にはアンカー部材25を挿入する挿入孔22と外周面にローレット加工部23が成形され、更に内側面にカム加工されているカバー本体24とが一体成形されている。このカバー本体24の内面部は、図12に示すように全ネジ用チャック21の内側面にカム加工部39が成形されており、その中に2個の停止材40、40が回動軸41に軸支されている。このように構成したのは、全ネジ用チャック21を回動することによって停止材40、40がそれぞれ45度左右に回動するので、全ネジ用チャック21内に停止材40、40を停止させることができると共に、その脱着を可能にすることができる。この全ネジ用チャック21の回動操作によって、アンカー部材25をアンカー施工具のスピンドル27に完全かつ確定に螺着する共に、その脱着を簡単容易に行なうことが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来方法によるアンカー施工具に改良を加えて、従来のものよりも優れたアンカー施工具を提供しようとするところに本発明が解決しようとする課題を有する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の如き従来方式によるアンカー施工具に改良を加えたものであり、アンカー施工具の芯部にアンカー部材の挿入孔と該アンカー部材を螺着する爪部材と外周面にネジ部を有するスペンサーとを形成してなるスピンドルと前記芯部にアンカー部材の挿入孔と該アンカー部材を挿入しかつ前記スピンドルに螺着する全ネジ用チャックとから構成される全ネジ用チャック式アンカー施工具において、前記爪部材によらずローレット加工部の回動により停止材を停止させることを特徴とする全ネジ用ケミカルチャック治具の提供にあり、また前記の全ネジ用ケミカルチャック治具において回動軸の作動によりカム加工部を回動し該回動により停止材を押圧移動して停止させる全ネジ用ケミカルチャック治具の提供にあり、更に前記の全ネジ用ケミカルチャック治具において全ネジボルトをローレット加工部のチャックに直接差込みかつチャックの外筒部を反時計方向に45°回動してボルト締めする全ネジ用ケミカルチャック治具の提供にある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態は、アンカー施工具の芯部にアンカー部材の挿入孔と該アンカー部材を螺着する爪部材と外周面にネジ部を有するスペンサーとを形成してなるスピンドルと前記芯部にアンカー部材の挿入孔と該アンカー部材を挿入しかつ前記スピンドルに螺着する全ネジ用チャックとから構成される全ネジ用チャック式アンカー施工具において、前記爪部材によらずローレット加工部の回動により停止材を停止させることを特徴とする全ネジ用ケミカルチャック治具であるから、従来のアンカー施工具のように種々の工具を使用してナット締めする必要がなくワンタッチでチャックをすることができる。
【0007】また本発明の実施形態は、前記全ネジ用ケミカルチャック治具において回動軸の作動によりカム加工部を回動し該回動により停止材を押圧移動して停止させると共に全ネジボルトをローレット加工部のチャックに直接差込みかつチャックの外筒部を反時計方向に45°回動してボルト締めする全ネジ用ケミカルチャック治具であるから、簡単な構造でしかも簡便な操作で作動することができる。
【0008】
【実施例】以下、図面に従って本発明の実施例について説明する。本発明は、図10乃至図12に示した従来の全ネジチャック式アンカー施工具を改良したものであるから、基本的な内容については従来の技術欄で説明されているので、ここでは改良部分のみについて説明する。
【0009】まず、図1は本発明の全ネジ用ケミカル用チャック治具を示した全体概要図である。本発明の全ネジ用ケミカルチャック治具1は、この構成のうち本発明はその主要部である全ネジ用ケミカルチャック治具に関するものであるから、以下図2乃至3によって詳細に説明する。すなわち、本発明の全ネジ用ケミカルチャック治具1は、スピンドル2とカバー本体3とローレット加工部4と支持具6から構成されるチャック治具本体と、ローレット加工部4の挿入孔5に挿着する全ネジボルトBとから構成されている。外形的には従来のアンカー施工具と同様の構造になっているが、内部の構造は全く異なっている。従来のアンカー施工具はネジ付の爪部材を介してカム加工部の停止材を作動させていたが、本発明ではカム加工部9の停止材11を楕円形状に形成することによって回動軸10を回動するだけで完全かつ確実に停止させることができるように構成されている。すなわち、図4の(a)に図示されているようにカム加工部9を停止状態にしたものを(b)図に示すように作動状態にすると、カム加工部9の停止材10が押圧されて停止されることになる。
【0010】次に、図5乃至図7において本発明からなる全ネジ用ケミカル治具の使用方法について説明する。まず、本発明の全ネジ用ケミカルチャック治具を使用する場合には図5に示す固着剤カプセルCを準備する。この固着剤カプセルCは、従来から一般的に用いられており、褐色ガラス管内にマグネシアクリンカーなどの骨材とエポキシアクリレートなどの樹脂を入れ、更に中心部に硬化剤が挿入されている。ついで、アンカー打込機Aの先端に取付たドリルDによりコンクリート等の母材に適宜寸法の穴をあける母材穿孔工程(a)と、母材穿孔(a)後にエアーパイプEを介して母材の穴にたまっている集塵を除去する第1孔内清掃工程(b)と、更に清掃用の刷毛Fを介して母材の穴内を清掃する第2孔内清掃工程(c)と、その後に固着材カプセルを挿入するカプセル挿入工程(d)と、この固着材カプセル挿入後に全ネジボルトBを回転させてから打込むボルト埋込工程と、母材の穴の中に全ネジボルトBを埋設する硬化養生工程とから構成されている。このような工程によって全ネジボルトBが所望のコンクリート等に埋設されたならば、図7に示すように(a)から(c)の工程で全ネジボルトBからナットGを取りはずして固定材をナットGで締結する。
【0011】
【発明の効果】本発明は、アンカー施工具の芯部にアンカー部材の挿入孔と該アンカー部材を螺着する爪部材と外周面にネジ部を有するスペンサーとを形成してなるスピンドルと、前記芯部にアンカー部材の挿入孔と該アンカー部材を挿入しかつ前記スピンドルに螺着する全ネジ用チャックとから構成される全ネジ用チャック式アンカー施工具において、前記爪部材によらずローレット加工部の回動により停止材を停止させることを特徴とする全ネジ用ケミカルチャック治具であり、また前記の全ネジ用ケミカルチャック治具において回動軸の作動によりカム加工部を回動し該回動により停止材を押圧移動して停止させると共に全ネジ用ケミカルチャック治具において、全ネジボルトをローレット加工部のチャックに直接差込みかつチャックの外筒部を反時計方向に45°回動してボルト締めする全ネジ用ケミカルチャック治具であるから、次のような多くの効果を有する。ア、本発明からなる全ネジ用ケミカルチャック治具は、従来の全ネジ用チャックよりも作動操作が簡単容易である。イ、本発明の要部である全ネジ用チャック内がカム加工されていることによって、全ネジボルトの全ネジ用ケミカルチャック治具への着脱が簡単容易にできる。ウ、前記全ネジ用チャックの内部構造が簡単であるから製作加工面や経済性にも富んでいる。
【出願人】 【識別番号】391004768
【氏名又は名称】日本ファステム株式会社
【出願日】 平成12年6月19日(2000.6.19)
【代理人】 【識別番号】100077296
【弁理士】
【氏名又は名称】唐木 浄治
【公開番号】 特開2002−1681(P2002−1681A)
【公開日】 平成14年1月8日(2002.1.8)
【出願番号】 特願2000−187531(P2000−187531)